コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 最強次元師!!【※新スレ作成におけるお知らせ有り】
- 日時: 2015/03/15 09:40
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: u/FYQltH)
- 参照: http://ncode.syosetu.com/n5050ci/
運命に抗う、義兄妹の戦記。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
基本毎週日曜日に更新!
※追記
実は、本作を一から書き直そうと思いまして別サイト様にて“完全版”を再連載し始めました。
やりたい話が多くて一度断念してましたが、やっぱり優先しようと思ってもう一度記載致します。
ご興味のある方はどうぞ! 上記のURLで飛べます*
とってものんびりと、更新する予定です。
Twitterの垢をつくってみました→@shiroito04
イラストとか宣伝とかを呟いてます!
※注意事項
・荒らし・中傷はお控え下さい。
・チェンメなんかもお断りしてます。
●目次
prologue >>001
第001次元 >>002第011次元 >>012第021次元 >>048
第002次元 >>003第012次元 >>013第022次元 >>050
第003次元 >>004第013次元 >>019第023次元 >>052
第004次元 >>005第014次元 >>020第024次元 >>055
第005次元 >>006第015次元 >>021第025次元 >>059
第006次元 >>007第016次元 >>025第026次元 >>060
第007次元 >>008第017次元 >>027第027次元 >>063
第008次元 >>009第018次元 >>030第028次元 >>065
第009次元 >>010第019次元 >>044第029次元 >>070
第010次元 >>011第020次元 >>046第030次元 >>071
第031次元 >>072第041次元 >>146第051次元 >>224
第032次元 >>077第042次元 >>169第052次元 >>230
第033次元 >>081第043次元 >>176第053次元 >>234
第034次元 >>082第044次元 >>179第054次元 >>241
第035次元 >>090第045次元 >>180第055次元 >>245
第036次元 >>097第046次元 >>189第056次元 >>260
第037次元 >>104第047次元 >>191第057次元 >>262
第038次元 >>108第048次元 >>203第058次元 >>264
第039次元 >>109第049次元 >>209第059次元 >>268
第040次元 >>138第050次元 >>216第060次元 >>274
第061次元 >>298第071次元 >>359第081次元 >>385
第062次元 >>300第072次元 >>361第082次元 >>388
第063次元 >>308第073次元 >>365第083次元 >>391
第064次元 >>337第074次元 >>369第084次元 >>393
第065次元 >>338第075次元 >>370第085次元 >>399
第066次元 >>339第076次元 >>371第086次元 >>402
第067次元 >>345第077次元 >>377第087次元 >>403
第068次元 >>346第078次元 >>378第088次元 >>413
第069次元 >>352第079次元 >>380第089次元 >>414
第070次元 >>353第080次元 >>383第090次元 >>417
第091次元 >>420第101次元 >>448第111次元 >>480
第092次元 >>421第102次元 >>450第112次元 >>484
第093次元 >>422第103次元 >>458第113次元 >>489
第094次元 >>427第104次元 >>459第114次元 >>495
第095次元 >>431第105次元 >>467第115次元 >>499
第096次元 >>432第106次元 >>472第116次元 >>501
第097次元 >>433第107次元 >>475第117次元 >>502
第098次元 >>436第108次元 >>477第118次元 >>504
第099次元 >>444第109次元 >>478第119次元 >>507
第100次元 >>445第110次元 >>479第120次元 >>508
第121次元 >>509第131次元 >>544第141次元 >>558
第122次元 >>510第132次元 >>546第142次元 >>560
第123次元 >>511第133次元 >>547第143次元 >>563
第124次元 >>512第134次元 >>551第144次元 >>564
第125次元 >>520第135次元 >>552第145次元 >>565
第126次元 >>521第136次元 >>553第146次元 >>576
第127次元 >>528第137次元 >>554第147次元 >>590
第128次元 >>533第138次元 >>555第148次元 >>595
第129次元 >>534第139次元 >>556第149次元 >>608
第130次元 >>536第140次元 >>557第150次元 >>623
第151次元 >>631第161次元 >>683第171次元 >>759
第152次元 >>632第162次元 >>711第172次元 >>760
第153次元 >>633第163次元 >>719第173次元 >>762
第154次元 >>637第164次元 >>726第174次元 >>764
第155次元 >>643第165次元 >>739第175次元 >>766
第156次元 >>655第166次元 >>749第176次元 >>768
第157次元 >>659第167次元 >>753第177次元 >>769
第158次元 >>664第168次元 >>754第178次元 >>770
第159次元 >>665第169次元 >>755第179次元 >>771
第160次元 >>680第170次元 >>758第180次元 >>772
第181次元 >>773第191次元 >>788第201次元 >>813
第182次元 >>775第192次元 >>789第202次元 >>814
第183次元 >>776第193次元 >>792第203次元 >>826
第184次元 >>777第194次元 >>793第204次元 >>832
第185次元 >>778第195次元 >>794第205次元 >>835
第186次元 >>781第196次元 >>795第206次元 >>841
第187次元 >>782第197次元 >>798第207次元 >>853
第188次元 >>783第198次元 >>802第208次元 >>854
第189次元 >>784第199次元 >>803第209次元 >>855
第190次元 >>785第200次元 >>804第210次元 >>858
第211次元 >>862第221次元 >>883第231次元 >>897
第212次元 >>868第222次元 >>884第232次元 >>898
第213次元 >>873第223次元 >>888第233次元 >>901
第214次元 >>874第224次元 >>889第234次元 >>902
第215次元 >>875第225次元 >>890第235次元 >>903
第216次元 >>876第226次元 >>892第236次元 >>904
第217次元 >>877第227次元 >>893第237次元 >>905
第218次元 >>878第228次元 >>894第238次元 >>906
第219次元 >>879第229次元 >>895第239次元 >>907
第220次元 >>882第230次元 >>896第240次元 >>908
第241次元 >>909第251次元 >>929第261次元 >>955
第242次元 >>913第252次元 >>930第262次元 >>956
第243次元 >>914第253次元 >>933第263次元 >>957
第244次元 >>915第254次元 >>947第264次元 >>958
第245次元 >>916第255次元 >>948第265次元 >>959
第246次元 >>917第256次元 >>949第266次元 >>960
第247次元 >>918第257次元 >>951第267次元 >>961
第248次元 >>919第258次元 >>952第268次元 >>962
第249次元 >>921第259次元 >>953第269次元 >>963
第250次元 >>926第260次元 >>954第270次元 >>964
第271次元 >>965第281次元 >>977第291次元 >>988
第272次元 >>966第282次元 >>978第292次元 >>989
第273次元 >>967第283次元 >>979第293次元 >>990
第274次元 >>968第284次元 >>981第294次元 >>991
第275次元 >>969第285次元 >>982第295次元 >>992
第276次元 >>970第286次元 >>983第296次元 >>993
第277次元 >>973第287次元 >>984第297次元 >>994
第278次元 >>974第288次元 >>985第298次元 >>995
第279次元 >>975第289次元 >>986第299次元 >>996
第280次元 >>976第290次元 >>987第300次元 >>997
※第301次元〜は新スレにて連載予定
●おまけもの●
●資料集など
皆のプロフィール1 >>218
皆のプロフィール2 >>278
皆のプロフィール3 >>287
皆のプロフィール4 >>288
皆のプロフィール5 >>289
皆のプロフィール6 >>503
主な登場人物 >>852
さいじげテスト。 >>843
最強次元師!! について >>58
●番外編
キールアの想い >>41
メイド喫茶祭り① >>327
メイド喫茶祭り② >>331
メイド喫茶祭り③ >>341
友達の証① >>492
友達の証② >>493
友達の証③ >>494
疎外少年と次元少女① >>810
疎外少年と次元少女② >>811
疎外少年と次元少女③ >>812
蛇梅隊DE☆大集合!! >>829
E FIEDLA >>941
英雄と妖精 >>945
●外伝
第001時限 >>942
第002時限 >>943
第003時限 >>944
●キャラ絵(1人)
奏様が描いて下さったルイル >>116
奏様が描いて下さったティリ >>105
奏様が描いて下さったロク >>119
奏様が描いて下さったロク(舌出しVer.) >>185
奏様が描いて下さったロク(ポニテVer.) >>523
奏様が描いて下さったキールア >>127
奏様が描いて下さったアリル >>141
奏様が描いて下さったリリアン >>148
奏様が描いて下さったミル >>154
奏様が描いて下さったフィラ副班 >>162
奏様が描いて下さったレト >>168
奏様が描いて下さったレト(メイド服Ver.) >>329
奏様が描いて下さったガネスト >>304
奏様が描いて下さったガネスト(メイド服Ver.) >>318
奏様が描いて下さったアルア >>460
●キャラ絵(複数)
奏様が描いて下さったレト、ロク、キールア >>693
奏様が描いて下さったエン、ミル、リルダ >>737
☆奏様には毎度ご感謝しております!!
すごく似ていて、イメージ通りです
キャラの絵が分からない場合には奏様の絵を見て下されば納得します!!
これからも描き続けてほしいですね、是非とm((黙
●お知らせなど
* 2009 11/13 執筆開始
* 2013 09/01 執筆中断
* 2014 01/17 執筆再開
* 2014 10/19 別サイトにて再連載開始 >>980
* 2015 03/15 新スレ作成におけるお知らせ >>998
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- Re: 最強次元師!! ( No.430 )
- 日時: 2010/07/15 18:57
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)
>>奏
もう・・・、展開がヤバいですねwはいw
叫んじゃってッ!!思い切り!!(((黙
描いてくれるだけで嬉しいよーw
ありがとう(´;ω;`)
>>風林火山隠雷さん
は、初めましてですねっw
キャラ数増えていきます、すいませn((
もっと増えますのでご注意をッ(`・ω・´)
- Re: 最強次元師!! ( No.431 )
- 日時: 2010/07/15 19:50
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)
第095次元 瞬技
「レ・・・ト・・・」
大きな爆音の中、荒々しく登場したのはレトだった。
双斬を握り、キラーの技を防いだのか。
「・・・あー、探すの大変だったぞこのやろー」
「レトヴェール・エポール・・・。いつか力を交えた奴だったな」
「まぁな。さて、移動しようか?」
「我の目的はシーホリー家の暗殺。移動させはしな・・・—————」
キラーが言葉を言い終わる間もなく、大きな爆音が鳴り響く。
またしても煙に包まれたキラーは腕で口を塞ぎ、辺りを見回した。
「・・・・な・・・ッ!?」
だが、この場にはキラー1人だけで、レトとキールアの姿はなかった。
(まだ近くにいるはず・・・、必ず見つけ出す)
キラーは地面を踏みしめる音と共に探し歩いた。
「・・・ここまで来れば安全かな」
「レト・・・」
「ちょっとでかい気を感じたんでね。来てみりゃこの様か。油断も隙もねぇな」
「・・・・」
「・・・・なんか、あったんだろ?」
「あ・・・、いや・・・」
「あとでゆっくり聞く。今は逃げろ。お前、追われてるんだろ?」
キールアは寂しそうな顔をしてこくんと頷いた。
「・・・分かった。キラーの捕獲は俺の仕事だ。んじゃ行ってくる」
「あ・・・」
レトが立ち、キラーを追いかけようと歩き出した時。
キールアが、まるで力のこもってない手でレトのズボンを裾を掴んだ。
「絶対・・・・、戻ってきてね・・・?」
その意外な一言に、レトは一瞬戸惑いを見せた。
が、
「・・・・あぁ、約束する」
と良い笑顔をキールアに向け、安心をさせた。
キールアも寂しく笑って返した。
レトがキールアから大分離れたところでキラーを発見した。
レトは家の屋根から降り立ち、キラーの前に姿を現す。
「・・・ここ、か」
「シーホリーの娘は何処だ」
「教えないし、第一何で追いかけてんの?」
「・・・・お前には、最も関係ない話だッ!!」
「ッ!?」
キラーは一瞬にしてレトの目の前に現れ、レトの腹を思い切り殴った。
「ぐはぁッ!!」
「さぁ立ち去れ。今ならまだ殺さないでやろう」
「お前ら剣闘族は・・・、無闇に人を殺せないんだろう?」
「・・・知っているか」
「常識の範囲以内だよ、さぁて、教えてもらおうか?」
「だから貴様には関係ない話だと言っている」
「関係・・・、なくない」
「・・・?」
「キールアは俺の幼馴染で大事な奴なんだッ!!なのにお前なんかに傷つけられてたまるかッ!!」
「貴様らはそういう関係に当たるのか。・・・なるほど。だが、それでも教えられないな」
「そこまでして言わないなら・・・」
レトが腹から出血しているのにも気にかけず、双斬を反対に持ち始めた。
刃を後ろにまわし、何かを始めるかのように。
「瞬斬ッ!!」
レトはその姿勢から0.3秒でキラーの懐に入り込み、剣を上に上げてキラーの腕を切り裁く。
「ぐあぁあッ!!!」
「やっぱり・・・、この速さには追いつけねぇよな・・・?」
「ぐ・・・、なるほどな。我の速さに追いついた事は褒めてやろう」
「へへんだ」
「だが、我の“瞬技”に追いつける者などいないッ!!」
「瞬技・・・?」
キラーは風の如くレトの前から消え去った。
「・・・?」
「我の足は、光の如しッ!!!」
「ぐはあぁッ!!?」
「まだまだぁッ!!」
キラーの足の速さについていけず、レトは膝をついた。
レトは肩、背中、腹、腕、足、到る所をキラーにやられ、立つのが精一杯までに達していた。
「まだ立つか。その根性は認めよう」
「・・・くそ・・・ッ」
「・・・・・何故、あの娘だけ生きているのか教えようか?」
キラーがぽつりと何か語りだした。
「剣闘族では、シーホリー家を3人と断定した日があった。その時はまだ3人しか存在していなかった
からだ。だが、その次の日、奴らは生んでしまったのだ、1人の子供を。
そのせいで我らは3人と見ていたもので、1年の月日が経ってしまった」
「い・・・、1年!?」
「他にも色々と仕事があり、シーホリー家の暗殺が遠まわしになってしまった。
その時だ、我らがシーホリー家を4人ではなく、3人殺したのは。
我らは3人だと思い込んで3人を殺した。母、父、弟、と。だが1人だけ見逃してしまっていた」
「それが・・・、キールア・・・?」
「そうだ。そしてその後に改めて分かったのだ。もう1人、シーホリー家に生き残りがいる、と」
「それで・・・、1人だけ・・・」
「・・・分かっただろう。さぁ、死んでもらうぞッ!!!」
キラーがまた一瞬にして消えた。
レトは、キラーが迫ってくる緊張感とキールアの悲しい過去の現実に囚われて動く事もできなかった。
キラーが勢いよくレトに攻撃をしかける瞬間・・・—————ッ!!
・・・・・・、
・・・・・・、
わずか2cm、
キラーの腕とレトの顔の距離があと0.1秒でも経てば衝突していたその瞬間に、
何処からか静かな発信機の音が鳴り響いていた。
- Re: 最強次元師!! ( No.432 )
- 日時: 2010/07/21 10:03
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)
第096次元 悲しみの一筋
「・・・・・ッ!!?」
キラーは発信機の音を聞こえなかったようにレトの目の前で止まってしまった。
すると、音は切れ、キラーは体勢を直した。
「・・・今回はお前もシーホリーの娘も見逃してやる」
「・・・・・」
「次は、容赦はしないぞ、レトヴェール・エポール」
「・・・・ッ・・・」
「あと、1つ教えてやろう」
「・・・?」
「あのシーホリーの娘は、次元師だ」
「・・・ッ!!?」
(次元・・・・、師!!?)
キラーは一瞬にしてレトの目の前から消え去った。
レトは、腰を抜かしたのかその場から動けずにいた。
「・・・心臓・・・、止まるかと思った・・・」
レトは立ち上がろうとしたが体が言う事を聞かず、ぱたりと倒れてしまった。
レトは傷つきすぎた。
そして、ゆっくり目を閉じて眠りについた。
「ん・・ぁ・・・?」
レトはむくりと起き、まわりの状況を上手く把握しきれなかった。
「なんで・・・、ここ・・・」
とレトが周りをきょろきょろと見回すと、
「いでぇッ!!?」
グギッ!!という不快な傷の音にまたしても倒れた。
(何で・・・こんなに痛いんだっけ・・・?)
レトがベッドの上でくたくたと寝ていると、横からひょこんとコールド副班とフィラ副班が顔を出した。
「っ!?」
「やっと起きたわね。もうー・・・」
「ロクが運んでくれたんだ。感謝しろよー?」
「運んで・・・?」
「寝てただろ?街の真ん中で」
「警備員の人が教えてくれたわ。キラーとやりあったんでしょ?」
「そうだ、俺キラーと戦って・・・ッ!!」
「事情は後でだ。お前はいつも医療室にいるよなぁ」
「無茶は禁止っ!いいわね?」
「あ、あぁ・・・」
フィラ副班は優しく微笑むと、医療室から出て行った。
コールド副班は横で煙草を吸っていたが。
「これも青春の1つなのかねぇ。ロクも疲れたって言ってたぞー?」
「ロクは何処だ?」
「任務だ。あいつも休んではいられないらしい」
「ロクとは合流しなか・・・」
「どうした?レト」
「キールアは?キールアは何処にいるんだ?」
「キールアちゃんか?確か自室に・・・」
「あいつ、足に怪我してたんじゃ・・・」
「あぁ、ちゃんと応急処置したから平気だ。にしても何で怪我を・・・」
(やっぱり・・・、キラーにやられたか・・・)
「俺、キールアに会いに行きますッ!」
「ま、待て!お前まだ動けな・・・」
コールド副班が言う間もなく、レトは傷ついた体で医療室を出た。
三階に上がり、キールアの自室の目の前まで来て、レトはそっとドアノブに手をかけた。
「・・・・キールア?」
レトがキールアに話しかけても、返事は戻ってこなかった。
ドアノブをまわそうと思った時、動かないのに気付いた。
鍵がかかっていたのだ。
「キールア、お願いだから全部話してくれないか?」
「・・・・・」
「嫌・・・かもしれないけど」
「・・・シーホリー家には先祖がいたの」
「キールア・・・」
「でも、その人が【悪魔の血】というものを覚醒させてしまったせいで、街がめちゃくちゃになった。
それで、千年経った今、剣闘様が言ったんだって。「始末しろ」って」
「それで・・・か」
「それでね、何であたしだけが生きているか。やっと分かったの」
「・・・?」
「あたしの家族は元々3人だった。でも新しい子を産んだの。あたしの弟のセリス・シーホリー。
それで剣闘族は3人だと勘違いした。それで3人だけを殺された。でもそれだけじゃない」
「え・・・」
「あたし、その時昼ご飯を買いに家を出て行ってた。昼ご飯を待ってる皆の顔を想像しながら。
それで、戻ってきたら待っていたのは皆の笑顔じゃなくて残酷な現実。あたし、それで思った」
「・・・」
「皆は、あたしの犠牲になったのかもしれないって」
「いや、でも・・・ッ!」
「あたしは今まで何か悪い事でもあったのかと思って強く生きてきたのッ!!
でもあんなの卑怯だよッ!!何も悪くないのに、悪魔の血なんて知らないのにッ!!
・・・・あたしは・・・1人で生きてきてやっと分かった」
「でも、俺だって家族いないようなもんだし・・・」
「レトにはロクだっていればお父さんだっているッ!!ちゃんとした家族がいるじゃない!!
でもあたしは世界中何処を探し回ってももういないのッ!!何処にもいないのッ!!」
「・・・・・ッ」
「何年も・・・・、ずっと考えてた。あたし・・・」
扉越しに、何かカチャカチャと音が鳴っている。
それに気付いたレトは思い切り扉を叩いた。
「キールア・・・、お前・・・」
「あたしは家族が大好きだった。本当に大好きだったの。もし死ぬのなら、同じ理由で死にたいッ!!」
「やめろ・・・、キールアッ!!」
「もう生きる意味なんてないッ!!シーホリー家なんてどうでもいいッ!!あたしは1人の人間なのッ!!」
「キールアッ!!!」
キールアが首にナイフを突きつけた時、
レトは必死になって扉の鍵穴をこじ開けた。
(やばい・・・、間に合え・・・—————ッ!!)
ガシャンッ!!という金属音が響いた時、キールアの持っていたナイフが床に落ちた。
レトの右手は血だらけになっていて、どうやらナイフをはらったらしい。
「・・・・あ・・・」
「俺は、今のキールアでいいと思うぞ?」
「・・・・」
「お前は医者になりたくて誰よりも多く勉強してきた、努力してきた。
なのに、報われない事はないし、死ぬ理由もない。勝手に決めたのはあいつらなんだ。
例えお前が自分で死にたくても、俺は絶対死なせないぞ?」
「レト・・・・」
「お前に助けを求める奴だっているし、誰も死んでほしいとなんか思っちゃいない。
俺はよく分かんないし、今のキールアに言ったらいいか分かんないけど、でも、これだけ言える」
「・・・・?」
「俺は今のキールアが一番好きだ。医者として仕事真っ最中っていうお前の方がな」
「・・・・ご・・、めん・・・・」
ふいに流れ落ちた涙。
その流れにそって床に座り込んだキールアは、涙を抑える事ができずにレトに思い切り抱きついた。
「うわあああああああああああああッ!!!」
家族を無実の罪で殺された悲しみ。
自分までもを責められた孤独な悲しみ。
キールアに対する悲しみは誰が思うより深く、厚かった。
強く生きて欲しい、笑顔でいてほしい。
そういうレトの思いが届いたのか、キールアの思いは止められなかった。
悲しみと共に流れて欲しいと願う一筋の涙が、誰よりの願いだったと、レトは心の奥底で思っていた。
- Re: 最強次元師!! ( No.433 )
- 日時: 2010/07/18 13:17
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)
第097次元 青春真っ最中少年
「おっはよーレトーーっ!!」
部屋を出るなりロクが飛び込む。
レトは何事だとロクに告げた。
「朝からどっきりか?寝起きどっきりですか?」
「違うよー、まぁ班長はこの前やってたけど・・・」
「え」
「班長この間皆の写真撮ってたよー?レト可愛かったーっ」
「・・・班長はあとで絞め殺しの刑で決定かな」
「・・・・・、ところでさぁ」
「ん?」
レトが普段着に着替えてる間にロクが話を切り替えた。
「街で、何があったの?」
「・・・」
「あたし、逆方向に行ってたからよく分かんなくてさ。爆音が聞こえたんだけど、何処か・・・」
(そういえばロクって極度の方向音痴だったかなぁー・・・)
ロクの方向音痴のせいで1人で戦うはめとなったレトの結果がこれだった。
レトはため息をついて食堂へと足を運んだ。
(キールアが次元師って、マジな話かな・・・)
昨日、別れ際にキラーが放った言葉。
あの言葉が本当ならば今まで何故、とレトは考えていたのだろう。
「レト?」
「・・・・」
「レートー?」
「あ、あぁ、何だ?」
「・・・、何か考え込んでる?」
「い、いや・・・」
ロクは、責めるようにずいずいとレトに顔を近付けさせた。
「な、何か・・・?」
「いや、何でもない。もうお腹すいたから行こうよー」
「今向かってるだろ」
食堂の扉を開け、むんむんと漂ってくる何とも言えない匂いに少し躊躇する。
それでも結構慣れているのでそのまま進んでいく。
「そういえば俺あの時なにか大事な事言ったような・・・」
レトは、ロクの横に腰をかけて唸るように何か思い出そうとしていた。
(んー・・・、んー・・・・・・、んッ!!?)
そして、思い出したのか飲んでいた水を危うく噴出すところまできていた。
「そう・・・、いえば・・・」
『俺は今のキールアが一番好きだ』
「ああああぁあぁああぁあああッ!!?」
思わず大声を出してしまったレト。
その時のレトの顔は赤く火照っていて手で顔を抑えていた。
どうやら、あの時キールアに投げかけた最大な言葉を思い出したらしい。
(ちょ・・・、俺あの時何も考えてなかったせいか・・・、思わぬ事を・・・)
「どうしたのレト。大声出して」
「い、いやっ!?何でもないぞ!?」
「怪しいー・・・、あ、何かあった?」
「気にするな、な?ほほら、飯が来てるぞ?」
「何かぎこちないね。あ、キールアに告白しちゃったとか?」
「ぶッ!?」
焦るようにして飲んでいた水を前に綺麗に噴き出したレト。
ロクはにやにやと笑いながら立った。
「そういう事なら言ってくれれば良かったのに〜」
「ち、ちがうって言ってるだろッ!!」
「言ってないじゃん。コールド隊長ッ!!」
「あぁー?何だー?」
ロクの敬礼に振り向いたコールド副班は、すぐに同じように敬礼した。
「只今青春真っ最中の少年発見ですッ!!」
「はああぁあぁッ!?」
「お、ご苦労だッ。んで、何処だ?」
「此処で・・・、す?」
ロクが指を指してレトを見た時、既にレトはいなかった。
「な、何ぃぃぃぃい!?」
「どうした、ロク!!」
「逃げました、青春少年が逃走中ですっ!!」
「よーしいいだろうー、俺が探しとくッ!!」
コールド副班は急いで食堂を走り去っていった。
ロクは何処に行ったのかと目で探していたが見つかる気がしないので食事に戻った。
と、その時だった。
1つの音により、食堂が静まり返ったのは。
- Re: 最強次元師!! ( No.434 )
- 日時: 2010/07/18 21:42
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)
*お願い*
この頃更新スピードが上がってきましたw
何故でしょうか((気にしないで下さい
というか私の小説はコメントではなく参照がどんどん増えていきますw
それはそれで嬉しいのですが、見たらなるべくコメントが欲しいなぁ、と生意気な事を言ってみます。
図々しいでしょうが、コメント、あるいはアドバイスがあれば頂けると嬉しいです。
ホント、馬鹿な作者ですみません(´・ω・`)
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