コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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最強次元師!!【※新スレ作成におけるお知らせ有り】
日時: 2015/03/15 09:40
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: u/FYQltH)
参照: http://ncode.syosetu.com/n5050ci/

 運命に抗う、義兄妹の戦記。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 基本毎週日曜日に更新!


 ※追記

 実は、本作を一から書き直そうと思いまして別サイト様にて“完全版”を再連載し始めました。
 やりたい話が多くて一度断念してましたが、やっぱり優先しようと思ってもう一度記載致します。
 ご興味のある方はどうぞ! 上記のURLで飛べます*
 とってものんびりと、更新する予定です。


 Twitterの垢をつくってみました→@shiroito04
 イラストとか宣伝とかを呟いてます!



 ※注意事項

 ・荒らし・中傷はお控え下さい。
 ・チェンメなんかもお断りしてます。



●目次

prologue >>001
第001次元 >>002第011次元 >>012第021次元 >>048
第002次元 >>003第012次元 >>013第022次元 >>050
第003次元 >>004第013次元 >>019第023次元 >>052 
第004次元 >>005第014次元 >>020第024次元 >>055
第005次元 >>006第015次元 >>021第025次元 >>059
第006次元 >>007第016次元 >>025第026次元 >>060
第007次元 >>008第017次元 >>027第027次元 >>063
第008次元 >>009第018次元 >>030第028次元 >>065
第009次元 >>010第019次元 >>044第029次元 >>070
第010次元 >>011第020次元 >>046第030次元 >>071

第031次元 >>072第041次元 >>146第051次元 >>224 
第032次元 >>077第042次元 >>169第052次元 >>230
第033次元 >>081第043次元 >>176第053次元 >>234
第034次元 >>082第044次元 >>179第054次元 >>241
第035次元 >>090第045次元 >>180第055次元 >>245
第036次元 >>097第046次元 >>189第056次元 >>260
第037次元 >>104第047次元 >>191第057次元 >>262
第038次元 >>108第048次元 >>203第058次元 >>264
第039次元 >>109第049次元 >>209第059次元 >>268
第040次元 >>138第050次元 >>216第060次元 >>274

第061次元 >>298第071次元 >>359第081次元 >>385
第062次元 >>300第072次元 >>361第082次元 >>388
第063次元 >>308第073次元 >>365第083次元 >>391
第064次元 >>337第074次元 >>369第084次元 >>393
第065次元 >>338第075次元 >>370第085次元 >>399
第066次元 >>339第076次元 >>371第086次元 >>402
第067次元 >>345第077次元 >>377第087次元 >>403
第068次元 >>346第078次元 >>378第088次元 >>413
第069次元 >>352第079次元 >>380第089次元 >>414
第070次元 >>353第080次元 >>383第090次元 >>417

第091次元 >>420第101次元 >>448第111次元 >>480
第092次元 >>421第102次元 >>450第112次元 >>484
第093次元 >>422第103次元 >>458第113次元 >>489
第094次元 >>427第104次元 >>459第114次元 >>495
第095次元 >>431第105次元 >>467第115次元 >>499
第096次元 >>432第106次元 >>472第116次元 >>501
第097次元 >>433第107次元 >>475第117次元 >>502
第098次元 >>436第108次元 >>477第118次元 >>504
第099次元 >>444第109次元 >>478第119次元 >>507
第100次元 >>445第110次元 >>479第120次元 >>508

第121次元 >>509第131次元 >>544第141次元 >>558
第122次元 >>510第132次元 >>546第142次元 >>560
第123次元 >>511第133次元 >>547第143次元 >>563
第124次元 >>512第134次元 >>551第144次元 >>564
第125次元 >>520第135次元 >>552第145次元 >>565
第126次元 >>521第136次元 >>553第146次元 >>576
第127次元 >>528第137次元 >>554第147次元 >>590
第128次元 >>533第138次元 >>555第148次元 >>595
第129次元 >>534第139次元 >>556第149次元 >>608
第130次元 >>536第140次元 >>557第150次元 >>623

第151次元 >>631第161次元 >>683第171次元 >>759
第152次元 >>632第162次元 >>711第172次元 >>760
第153次元 >>633第163次元 >>719第173次元 >>762
第154次元 >>637第164次元 >>726第174次元 >>764
第155次元 >>643第165次元 >>739第175次元 >>766
第156次元 >>655第166次元 >>749第176次元 >>768
第157次元 >>659第167次元 >>753第177次元 >>769
第158次元 >>664第168次元 >>754第178次元 >>770
第159次元 >>665第169次元 >>755第179次元 >>771
第160次元 >>680第170次元 >>758第180次元 >>772

第181次元 >>773第191次元 >>788第201次元 >>813
第182次元 >>775第192次元 >>789第202次元 >>814
第183次元 >>776第193次元 >>792第203次元 >>826
第184次元 >>777第194次元 >>793第204次元 >>832
第185次元 >>778第195次元 >>794第205次元 >>835
第186次元 >>781第196次元 >>795第206次元 >>841
第187次元 >>782第197次元 >>798第207次元 >>853
第188次元 >>783第198次元 >>802第208次元 >>854
第189次元 >>784第199次元 >>803第209次元 >>855
第190次元 >>785第200次元 >>804第210次元 >>858

第211次元 >>862第221次元 >>883第231次元 >>897
第212次元 >>868第222次元 >>884第232次元 >>898
第213次元 >>873第223次元 >>888第233次元 >>901
第214次元 >>874第224次元 >>889第234次元 >>902
第215次元 >>875第225次元 >>890第235次元 >>903
第216次元 >>876第226次元 >>892第236次元 >>904
第217次元 >>877第227次元 >>893第237次元 >>905
第218次元 >>878第228次元 >>894第238次元 >>906
第219次元 >>879第229次元 >>895第239次元 >>907
第220次元 >>882第230次元 >>896第240次元 >>908

第241次元 >>909第251次元 >>929第261次元 >>955
第242次元 >>913第252次元 >>930第262次元 >>956
第243次元 >>914第253次元 >>933第263次元 >>957
第244次元 >>915第254次元 >>947第264次元 >>958
第245次元 >>916第255次元 >>948第265次元 >>959
第246次元 >>917第256次元 >>949第266次元 >>960
第247次元 >>918第257次元 >>951第267次元 >>961
第248次元 >>919第258次元 >>952第268次元 >>962
第249次元 >>921第259次元 >>953第269次元 >>963
第250次元 >>926第260次元 >>954第270次元 >>964

第271次元 >>965第281次元 >>977第291次元 >>988
第272次元 >>966第282次元 >>978第292次元 >>989
第273次元 >>967第283次元 >>979第293次元 >>990
第274次元 >>968第284次元 >>981第294次元 >>991
第275次元 >>969第285次元 >>982第295次元 >>992
第276次元 >>970第286次元 >>983第296次元 >>993
第277次元 >>973第287次元 >>984第297次元 >>994
第278次元 >>974第288次元 >>985第298次元 >>995
第279次元 >>975第289次元 >>986第299次元 >>996
第280次元 >>976第290次元 >>987第300次元 >>997

※第301次元〜は新スレにて連載予定


       ●おまけもの●

●資料集など
皆のプロフィール1 >>218
皆のプロフィール2 >>278
皆のプロフィール3 >>287
皆のプロフィール4 >>288
皆のプロフィール5 >>289
皆のプロフィール6 >>503
主な登場人物 >>852
さいじげテスト。 >>843
最強次元師!! について >>58

●番外編 
キールアの想い >>41
メイド喫茶祭り① >>327
メイド喫茶祭り② >>331
メイド喫茶祭り③ >>341
友達の証① >>492
友達の証② >>493
友達の証③ >>494
疎外少年と次元少女① >>810
疎外少年と次元少女② >>811
疎外少年と次元少女③ >>812
蛇梅隊DE☆大集合!! >>829
E FIEDLA >>941
英雄と妖精 >>945

 
●外伝
第001時限 >>942
第002時限 >>943
第003時限 >>944


●キャラ絵(1人)
奏様が描いて下さったルイル >>116
奏様が描いて下さったティリ >>105
奏様が描いて下さったロク >>119
奏様が描いて下さったロク(舌出しVer.) >>185
奏様が描いて下さったロク(ポニテVer.) >>523
奏様が描いて下さったキールア >>127
奏様が描いて下さったアリル >>141
奏様が描いて下さったリリアン >>148
奏様が描いて下さったミル >>154
奏様が描いて下さったフィラ副班 >>162
奏様が描いて下さったレト >>168
奏様が描いて下さったレト(メイド服Ver.) >>329
奏様が描いて下さったガネスト >>304 
奏様が描いて下さったガネスト(メイド服Ver.) >>318
奏様が描いて下さったアルア >>460

●キャラ絵(複数) 
奏様が描いて下さったレト、ロク、キールア >>693
奏様が描いて下さったエン、ミル、リルダ >>737

☆奏様には毎度ご感謝しております!!
 すごく似ていて、イメージ通りです
 キャラの絵が分からない場合には奏様の絵を見て下されば納得します!!
 これからも描き続けてほしいですね、是非とm((黙


●お知らせなど

* 2009 11/13 執筆開始
* 2013 09/01 執筆中断
* 2014 01/17 執筆再開
* 2014 10/19 別サイトにて再連載開始 >>980
* 2015 03/15 新スレ作成におけるお知らせ >>998

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Re: 最強次元師!! ( No.765 )
日時: 2011/03/06 12:07
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: yycNjh.Z)

 *レトヴェールさんの、ちょこっと豆知識2* 2011:03:06(日)


 「はいはい、やって来ましたよーっ!!」

 「うわ・・・もうこのテンションについていけねぇ・・・」

 「何さ、兄のくせに・・・、あぁ、ノリ悪いわぁー・・・」

 「うっせ。別にいいだろ」

 「・・・、まあいいや。今回は途中で出てきた【十大魔次元】について説明してもらおうじゃないかっ!!」

 「十大魔次元って・・・、あぁ、あれか」

 「うんうん、雷とか炎とか、あの魔次元のやつ」
 
 「んじゃざっと言うとだな、まぁその名の通り十の魔次元、だな」
 
 「十の魔次元、といいますと?」

 「魔次元ってのは、ロクがさっき言った通り、雷とか炎とかの、魔法型次元技の事だ」

 「うんうん」

 「正確には、炎、水、緑、雷、風、地、毒、氷、光、闇・・・、の10個で、それ以外は含まれねぇ」

 「あれ?じゃあ他の魔法型はどうなるの?ほら、霊帝とか・・・」

 「あぁ、逆に言えばあれらが魔法型の主な次元技で、十大魔次元は例外だな」
 
 「ふーん・・・てかさ」

 「ん?」

 「あたしが2つ次元持ってるってことは、十大魔次元っていうわりにはこの世に9人しか存在しないじゃん」

 「・・・・おい、それは言っちゃいけねぇ事じゃねぇのか?」

 「・・・・・あ」

 「んじゃあ英雄大六師はどうなんだよ、お前が2つ持って・・・」

 「それも本編の事情により伏せた方が宜しいかと・・・」

 「・・・・・あ」

 「・・・・ってな訳でっ!!十大魔次元とはそのような事ですたーーっ!!」

 (無理やり纏めやがったな・・・)

 「んでんでレトヴェールさん?」

 「はいはい?」

 「次のお題は何ですか?」

 「十大魔次元ってきたからなぁー・・・」

 「・・・」
 
 「・・・」

 「・・・んじゃ、蛇梅隊の事について言っとけば?」
 
 「んぁ・・・、そうするか」

 「うんうん」

 「蛇梅隊はずっと前からあったんだけど、隊長が変わって以来、蛇梅隊って名前になったんだ」
 
 「え・・・じゃあ前の名前は?」

 「・・・知らねぇよ」

 「ですよねー・・・」

 「まぁ班長とフィラの知り合いらしいからな、隊長って」

 「え、あ、そうなの!?」

 「あぁ、だから名前変更して貰ったんだって」
 
 「ある意味すごいね・・・」

 「蛇梅隊は4つくらいあってだな、本部が勿論1つ、支部が3つあるってとこだな」
 
 「支部って・・・どんな事やってるの?」

 「研究だよ、もっと次元師の強度を向上する為に色んな研究重ねてんだと」

 「へぇー・・・」

 「あとは任務の手配したり、援助員の入隊試験とか・・・まぁ支部にも次元師はそこそこいるみたいだぞ?」
 
 「え?そうなの?」

 「あぁ、本部をサポートしたり、研究の手伝いとしてな・・・大変だよなぁ、支部の方も」
 
 「んー・・・良く分かんないけど」

 「いいんだよ分かんなくて、俺達本部勤務な訳だし」

 「そうだよねー・・・」

 「・・・なんだよ、やけに上の空だな」
 
 「いや・・・、レトの説明に脳内がついていけなくてあたしの低い理解力に今更呆れてるといいますか・・・」
 
 「んだよ・・・今更かよ」

 「・・・・否定しないんだ」
 
 「誰が理解力の低いドバカな義妹を庇うんだよ」

 「・・・・」

 「・・・・」

 「・・・ドって・・・これだからレトって奴ぁー・・・」

 「・・・おい、もうこれ目的忘れてねぇか?」

 「え・・・」
 
 「・・・このコーナーの本当の目的を俺は猛烈に作者に求めたいんだが」

 「あれじゃないの?」
 
 「ん?」

 「レトに恥かかせたいとか、あたしのバカっぷりを書いて腹抱えて笑いたいとか」

 「・・・・俺、もう逃げたい」

 「・・・・激しく賛成」

                         *End*

Re: 最強次元師!! ( No.766 )
日時: 2011/03/06 21:34
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: yycNjh.Z)

第175次元 運命を背負いし橙の少女Ⅵ

 「へぇー・・・、両次元とはなぁ・・・やるじゃねぇか、てめぇら」
 「まぁ俺達だってだてに次元師やってねぇからな」
 
 雷がバチバチと反発し合うその剣をレトヴェールは両手でしっかりと握る。
 レトは軽く男を睨みつけると、剣を握り直した。
 
 「——————行くぞッ!!」

 レトは右手で握った雷斬を派手に横に振るい、孤を描く雷を飛ばした。
 男は片手をズボンのポケットに突っ込んで飄々と立ち、雷が襲うと同時に軽々しく避けた。
 そして雷を避けると、持っていた鋸を軸がブレる程に震わせた。

 「・・・ッ!?」
 「く・・・、ひゃひゃひゃひゃ・・・、さっきの雷と変わんないですよぉー・・・?・・・糞餓鬼共がァァッ!!!」
 
 そして紅蓮に燃えるその瞳を輝かせ、レトに向かって鋸を振り回す。
 正確な場所は当ててこない、ただ無我夢中にレトの心臓を狙う。

 「・・・———くっ!!」
 「おいおいおい・・・、倒せるんだろー?この女を救うんだろー?・・・こんなんで負けてちゃぁ・・・かっこ悪いよなぁ?」
 「うっせぇな、舌噛むぞっ!!」
 
 男が鋸を水平に振るのと同時、レトは飛びあがり、宙返りをして着地する。
 そして改めて雷斬を握り締めた。

 「雷斬りィィィーーーッ!!!!」

 先程とは比べ物にならない程の大きな雷の孤を描き、それを男目掛けて飛ばした。
 その驚異的なスピードについていけず、男との衝突直後に大きな爆音が鳴り響く。
  
 「ぐ・・・くぁ・・・ああぁ・・・・ッ!!」
 
 男は喉元を抑え、必死に呼吸を整え出した。
 苦しい、という感情だけが男を苦しめ、戒めた。

 「・・・次元師にはなぁ、普通の人間にはないもんがあんだよ」
 「・・・・」
 「だから神族に立ち向かう事ができる、神族に打ち勝つ為の鍵になる——————、それが次元師なんだよ」
 
 男は爆発により負傷した腕や足を抑え、無言のまま聞いていた。
 次元師を馬鹿にした罪は消えぬ、消させはしないと、そうレトの瞳が訴えていた。 
 
 「・・・そうかぁ・・・そうなの、かぁあ・・・・」
 「・・・?」
 「そうだよなァァ———————ッ!!!!」

 今まで以上の狂いを見せた男は高らかに笑い、裏返そうな声を上げて鋸をレトの腹部に突き刺した。
 激しい衝撃と苦痛に襲われ、多量の血を口から吐き出すレトの頭は少しだけくらりと揺らいだ。

 「ぐぼぁあッ!!?」
 「レト———ッ!!!」
 「くくくくく・・・面白いねぇ・・・、愉快だねぇ・・・、最高だねぇぇッ!!!」

 レトの腹部に突き刺した大きな鋸を引っこ抜き、男はまたしても狂い笑う。
 腹部から鋸を抜かれた激痛にまでも襲われたレトは必死の思いで呼吸をし、息を整えていた。
 うっすらと浮かぶ目の前の景色が歪み、ロクの叫ぶ声も遠くなる。
 レトは次第に意識が薄れ、瞼をゆっくりと閉じて倒れ伏せた。

 「レ、ト・・・・?」
 「油断は禁物だぜぇ・・・少年よ?」
 「・・・・」
 
 益々加速していくロクの鼓動。
 十次元発動の為、失われた元力は多大。
 にも関わらず、ロクは立ち上がった。

 目の前にいる義兄への——————、強き想いで。

 「・・・そ・・・っか・・・・」
 「・・・あぁ?」
 「・・・貴方、殺されたいんだね?」
 「何言ってんだよ・・・、俺はな———————」
 
 瞬間、
 
 ロクの黄緑色の瞳が———————、淡く、鈍く、光る。

 「雷砲————————————————ッ!!!!」

 今此処で元力を使えば死んでいたかもしれないのに。

 放たれた雷の一閃は、見事男を捉えた。
 その輪郭がブレる程、その体が焼き切られる程、
 一瞬の一撃は悪しき者を貫いた。
 跡形も残らない、灰になった男はさらさら…とまるでこの景色に溶けるかのように、去った。

 「ぐ・・・ぐぁ・・・・」
 
 流石に反動が大きいのか、ロクは吐血する。
 赤黒いその液体を忌々しく見つめ、ぐったりと項垂れた。
 息が荒い上に、鋭い痛みが体中を駆け巡る。
 
 「セル・・・ナ・・・・」

 ロクは不意に、近くで怯えていた少女に目を向けた。
 小刻みに震える肩を必死に抑えて、セルナは顔を伏せていた。

 「ごめんなさい・・・・でも、もう、私から離れて・・・っ!!」

 セルナはまるでロクを怖がるように目に沢山の滴を浮かべて、そう言った。
 だがロクは躊躇う事もせず、そっとセルナに近づこうとした。
 が。

 「・・・・」

 (・・・あ・・・、れ・・・?)

 ロクは一瞬、セルナに向けて伸ばした右手をぴくり、と動かした。
 耳に響くのは…何かの音。
 小さくて聞こえにくいのは確かだが、正確に聞こえてくる間隔のとれた音。

 時計の秒針のような音が、ロクの耳を通ったのだ。
  
 だが見回す限りではこの部屋に時計は置いていない。
 時計型通信機は念の為音を伏せてあるし、
 通ってきた道、部屋…何処を探そうにも時計はなかった。
 
 では…この刻まれた秒針の音は一体。

 「・・・・離れて・・・下さい・・・・」
 「セルナ・・・・この音・・・」
 「私・・・、わ・・・私・・・・っ!!!」

 既に泣き崩れてしまったセルナ。
 その言動に…ロクは不信感を抱く。
 そして…遂にセルナはその正体を口にした。

 「私は・・・もうすぐ爆発します・・・——————————ッ!!!!」

 時が止まってしまったかのように静まり帰る。
 レトヴェール・エポールは血に塗れて起きてこない。
 ロクアンズ・エポールもまた、次元技発動の反動により動く事はできない。
 セルナ・マリーヌは怯えながら、泣きながら顔を伏せる。

 声も出ない、手も動かない。
 それでもロクは…セルナに歩み寄る。

 「ロク・・・さ・・・・っ」
 
 目の前の少女に叩き付けられた残酷な運命。
 もしそれを…自分の力で薙ぎ払う事が出来るのならば。
 この命など——————、惜しくない。

 「セルナ」
 「・・・・」
 「ごめんね?」
 「・・・え・・・・」
 「きっとあたしは貴方を傷つける・・・、痛い思いをさせるかもしれない」

 ロクアンズはただ、そう謝って、
 
 「でも———————、絶対助けるよ」
  
 いつもと同じ笑顔で、いつもと変わらぬ声で、
 目の前の少女を救ってみせると…心から誓いを見せた。  

Re: 最強次元師!! ( No.767 )
日時: 2011/03/07 19:17
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: yycNjh.Z)

なwwwんwwwだwwwとwwwwww

いつの間にか参照が4000突破してますねwww
いやぁー…びっくりです。
これからもご愛読して頂ければ幸いで御座います。

内心めっちゃ嬉s((←

ではではッ!!キリ

Re: 最強次元師!! ( No.768 )
日時: 2011/03/19 13:45
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: jBQGJiPh)

第176次元 運命を背負いし橙の少女Ⅶ

 「たす・・・、ける・・・?」
 「うん、そうだよ・・・、でも、ちょっと我慢してほしい」

 ロクアンズはそう言ってそっとセルナから離れ、持ってきていた白い布のような物でレトの応急処置を始めた。
 そして通信機でキールアに来て欲しい、と一言告げると、そのまま切ってセルナの方へ戻った。
 今から応戦に来るとなると、最低でも10分は掛かる。
 それまでの間になんとかセルナを救い出さなければいけなかった。

 「・・・セルナ、もう時間ないから落ち着いて話を聞いて欲しい」
 「は、はい・・・」
 「あと、何分持つ?」
 「もう・・・何分という単位じゃないんです・・・55・・・、54・・・、もう1分きっちゃ、って・・・っ」
 「・・・分かった、じゃあセルナ、じっと目を瞑って—————多少痛いけど、我慢して」
 「ロクさんは・・・な、何を・・・?」
 「——————————————貴方の体内にある爆弾を射抜く」

 突き抜けたような、凛とした眼差しがセルナに向けられる。
 光沢のない機械の瞳。
 開く事のない、閉ざされた右目。
 そのロクアンズという存在全てが—————セルナの心をも射抜く。
 
 「ねぇ・・・、どうして爆弾なんか?」
 「わ、私が・・・逃げてたから・・・です」
 「逃げてた?」
 「は、はい・・・。それで怒って、逃げたら爆発させる・・・って・・・、それで・・・怖くて・・・っ」
 「分かった・・・、爆弾の場所は何処?」
 「胸の、下辺り・・・です・・・」

 静まり返る部屋。
 ロクが静かに目を閉じて機械音のする位置を把握すると、右手でそれを示すかのように、撃つ体勢に入る。

 だが。

 「あの・・・ロクさ・・・っ」
 「ん?」
 「気持ちは分かりますけど・・・でも」
 「・・・」 
 「それではロクさんが死んでしまう————————っ!!」

 セルナの叫んだ言葉は、ロクの脳裏を過ぎった。
 これ程までに至近距離で雷砲を放つと、ロクにも被害が出てしまう。
 かと言って遠距離だと…狙いが定めにくい。
 
 「・・・大丈夫」
 「・・・・え・・・」
 「あたしは死なない———————、死ぬ訳にはいかないから」
 
 刻々と迫る時刻。
 ロクはもう1度深呼吸をすると、右手を構えた。
 途端、失敗するのではないか、誤ってセルナを殺してしまうのではないか。
 そういう不安が、ロクの頭を過ぎる。

 「大丈夫————————」

 だがロクは、1つ冷や汗を掻いただけで、
 戸惑いなど、しなかった。

 「————————————、きっと、また笑えるよね?」

 一瞬、セルナの瞳にはロクの背後に別の人格が見えた。

 笑っている女性。

 とても美しい緑の髪をした——————————、それはもう、女神のような女性が。

 

 「雷砲———————————ッ!!!!」



 細い光がセルナの胸を下辺りを突き抜ける。
 瞬間、突き抜けた後の雷が部屋の壁を突き破って外へと出る。
 大きな爆音が鳴り響き、外の明かりも漏れてきた。
 突き抜けた位置は実に正確で、綺麗に小さな穴が開く。
 たった少しの間だけ痛みを感じたが、セルナは安心をしたのか、倒れ伏せた。

 (さっきの人・・・、ロクさん、じゃ・・・・な、か・・・っ)

 思い留めながらも、セルナは目を閉じて倒れてしまった。
 反動が大きかったのか、飛び散った雷の破片がビリッっとロクの体を襲い、見事痺れてしまった。
 あんな至近距離で雷砲を放つのだ、無理もない。
 少し焼けた体を支え、ロクは援助を待つ。

 (やば・・・、無茶苦茶痛いし・・・、疲れたし・・・、もう・・・・————)

 そして、ロクがばたりと意識を失い倒れたのと同時、
 髪の毛を2つに結わえた少女が、この3人に救いの手を差し伸べる。



 
 
 真っ白な部屋に響く時計の音。
 その針は、実に4時の方向を指し示していた。
 うっすらとぼやける視界を広げ、きょろきょろと辺りを見回す。
 軟らかなベッドの上…どうやら助かったらしい。

 「はぁ・・・」

 ロクは1つ、大きなため息を零すと、またベッドに倒れこんだ。
 横で寝ているのは自分の兄だという事が分かったが、セルナがいない。
 別の部屋にいるのか否か…そんな事を思っていた。

 「あ・・・・っ!!」

 部屋の扉が開いた途端、少女の凛とした声が部屋に広がった。 
 片手に書類を抱えた少女、キールア・シーホリーは駆け足でロクのベッドへと向かってきた。

 「ロク・・・、もう起きて大丈夫?」
 「あ・・・、うん。・・・それより、レトは?」
 「あぁ・・・審査の結果、かなり胴体に損傷が見られるの。刃物か何かで・・・突き刺されたんでしょ?」
 「うん、近くにいたのに・・・ごめん」
 「大丈夫だよ、レトってほら、結構タフだからさっ!!・・・それに、2人が助かってホント良かった」
 「あと、もう1人・・・」
 「え?」
 「あともう1人、いなかった?眼鏡かけたオレンジ色の髪の・・・女の子」
 「あぁ・・・いたけど、治療が終わったらすぐにどっかに帰っちゃったよ?」
 「そ、っか・・・」
 「あと、『本当に有難う御座います』って・・・何かしたの?」

 ううん、特に、とロクは目を逸らして笑顔で言った。
 そっか…無事なんだ、と小さく安堵して。
 キールアは少し不思議がると、レトの方の様子を見て、さっさと何処かへ消えてしまった。
 部屋にぽつりと、残されたロク。
 だが、悪い気はしない。
 損傷もしたし、僅かな元力も削ってしまった。
 もうこれ以上使えないな…とため息交じりにそう漏らし、また窓越しの空を見つめる。

 「また何処かで・・・会えるといいな」

 そう、ロクは願いを空に託した。
 まさかその願いが、

 数日後、叶えられるとも知らず。

Re: 最強次元師!! ( No.769 )
日時: 2011/03/09 18:34
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: yycNjh.Z)

第177次元 新メンバー、新副班長

 「・・・え?」
 
 一瞬、ロクは耳を疑った。
 普段と変わらぬ風景を見せたこの依頼室で、
 ロクは目をまん丸にして、驚きを見せた。

 何故なら、4日前に救い出したあの少女が、隊服を着てにこにこ笑っているからだ。

 「せ・・・セルナ!?」
 「は、はい・・・、私、今日から本部勤務になったんです・・・っ」
 「本部・・・勤務?」
 「はい・・・っ」
 
 一体何を話しているのだろうか。
 本部勤務とは一体…。

 「そうよ?セルナちゃんは正式な戦闘部隊の一員なんだからっ!!」
 「フィラ副班・・・!?」
 「びっくりしたでしょう?貴方達の事聞いて・・・私も驚いたわ」
 「って事はセルナって・・・次元師?」
 「ええ、そうだけど?」
 
 ロクは瞬間的に自分を凍らせたように固まり、床に手をつけて挫折する。
 気がつかなかった…と小さく声を漏らして。
 他の隊員達も騒ぎ立て、喜んでいる。

 「凄いですねぇー・・・これで12人目、ですか?」
 「でもどうしてここって同い年とか多いんだろー?」
 「さぁ。やっぱりそういう運命的なものがあるじゃないの、ルイル姉さん」
 「運命って・・・お前の口から聞きたくなかった」
 「何か言った、顔面少女」
 「だからちが・・・っ!!?」
 「へぇーっ!!かっわいぃーっ!!」
 「よ、よろしくお願いします・・・っ」
 「増えたなぁー・・・隊員も。それもよしよしっ!!」
 「俺とお前は入ってから日が浅いが?」
 「・・・・そこ、言わないで」
 
 1人1人感想を告げると、恥ずかしそうにセルナは赤面する。
 まさかあの少女が次元師だったとは…思いもしない収穫だ。
 
 「んで、キールアちゃん」
 「あ、はい」 
 「貴方に折り入って頼みがあるんだけど・・・」
 「何ですか?」
 「お願い!!六番隊に入ってくれる?戦闘部隊の!!」
 
 フィラ副班が両手を合わせてキールアにお願いをする。
 その光景に誰もが顔を振り向かせた。

 「えぇーッ!?私が戦闘部隊ですかァァ!!?」
 「うん・・・セルナ1人じゃ・・・可愛そうだし・・・お願い!!」
 「う・・・んー・・・」 
 「でもどうすんだ?」
 「え?」

 ふと、横から金髪の少年の声がする。
 すっかり…という訳ではないが、レトヴェールは体力も元気も取り戻し、ぴんぴんしていた。

 「キールアは守備型だし・・・セルナはなんか・・・」 
 「あぁ、そこは気にしないで?」
 「へ?」
 「彼女の次元技・・・攻撃型だから」

 フィラ副班がそう、自慢げに言い放つと、任務室も穏やかになる。
 だが見るからに内気で、弱弱しい少女だ。
 任務など…できるだろうか。

 「んで、六番隊の副班長なんだ、けど・・・」
 「誰がやんの?」
 「いや・・・それがまだ来てないらしくて・・・誰だか分かんないのよ」
 「なんだよ・・・」
 「でも、2人とも支部からだから、やっていけるとは思うわ」
 「・・・2人?」
 「ええ、セルナもその副班長も・・・同じ支部にいたらしいから」
 「そ、そうだったのか・・・」

 だが、まだフィラ副班の話す六番隊の副班となった班長の姿がない。 
 誰もがその人物に期待を寄せていたが…6時を回っていても来なかった。
 
 「・・・しょうがないわね、また今度」
 「ちぇ・・・まぁいいや」
 
 と、レトが軽く舌打ちをした瞬間、

 「ごっめぇーんっ!!遅れちゃったぁーっ!!」

 とても可愛らしく、幼いような女性の声が耳を過ぎった。
 その姿を見た時、フィラ副班は一瞬嫌な顔を浮かべて固まる。
 
 「ま・・・まさ・・・!?」
 「何驚いてんのよ、親友でしょー!?忘れちゃったの??」
 「み・・・ミラルーーーッ!!?」

 フィラ副班は大声でその名を叫ぶ。
 栗色のふわふわとした巻き毛。
 髪の上に乗った茶色のリボンカチューシャ。
 そして右と左で色の違う…美しい瞳。
 いかにもそこら辺の路地をちゃらちゃらと歩いていそうな女子学生に見えなくもないが・・・。
 だがきちんとした綺麗な顔立ちをしている。
 
 「ったくぅー・・・最低っ!!」
 「だって・・・ミラル・・・・?」
 「驚きすぎ、あたしだって次元師よ?知ってるでしょ?」
 「知ってるけど・・・・」

 確実に肝を抜かれたフィラ副班はよろっと眩暈がしたように立ちくらむ。
 目の前に親友がいる、その事実に打ちのめされたように。
 誰もが呆然と立ち尽くし、目が見開いている。

 「ちょっとちょっとー・・・歓迎されてないの?あたし」
 「ち、違うと思う・・・み、皆驚いてるのよ、ね、ねぇ?」
 「え!?・・・あぁ・・・・まぁ、うん」
 「ほ、ほらーっ!!」
 「・・・ぎこちないんですけどー?」
 「まぁまぁ・・・」 
 「ってか・・・ここってホント、女の子多いのねぇ?」
 「・・・え?」
 「だって、ひーふーみー・・・11人もいるじゃない」
 「・・・・は、はい?」

 何かの見間違いではないだろうか。
 だが、確かにミラルという女性は言ったのだ。
 女の子が11人だ、と。

 「ま・・・まさかとは思うけど、そこのバンダナしてる男の子以外女の子と・・・?」
 「え?違うの?」
 「・・・・」
 「・・・・」

 数十秒に亘る沈黙の後、1人の少女…いや、少年が大声を上げる。

 「だから俺は少女じゃね————————————ッ!!!!」
 「お、抑えて抑えて・・・っ!!」
 「わざとじゃないんですから・・・」
 「へ?」
 「・・・い、言っとくけど、蛇梅隊の戦闘部隊隊員は現在12名。そして男女共に各6名」
 「・・・う、うそォォーーッ!?女の子じゃないの!?」
 「・・・・・」
 
 後、フィラ副班は3時間にも及んでミラルという女性に男子、女子の名前と顔を覚えさせた。
 あまり納得のいかないミラルは最後に…、
 
 「・・・という訳っ!!」
 「へぇー・・・、男女各6名なんて、合コンできるんじゃなぁーい?」
 「あのねぇ・・・」
 「ま・・・とにかく可愛い男の子揃いって事ねっ♪」
 
 っと言って自分自身を納得させた。
 そして…。

 「んじゃ、改めて紹介しちゃうよー?」
 「はいはい・・・」
 「ミラル・フェッツェル。新しくできた六番隊の副班長を務めさせてもらうわねっ、宜しくぅっ!!」

 新しいメンバー、新しい副班長を加えた戦闘部隊。
 今まで以上に騒がしくなりそうだ。
 
 そして、レトヴェールは密かに思う。

 (この手の人・・・いつか来ると思ってたんだよなぁー・・・)


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