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- ハイキューBL!
- 日時: 2015/06/13 22:43
- 名前: くるる (ID: rd7NbV2E)
初めまして。くるると申します。このスレを見て頂きありがとうございます。
最近、ハイキューにはまってしまい、
「月菅やっほい!」と思ったのがキッカケです。
どうでもいいですね。書けるのが、これです。
・月菅
・影月
・月影
・月山
・木赤
・黒大
・菅大
・及影
・及岩
・黒月
・及月
うん...誰も見ないな。お付き合い頂けたら幸いです。それでは宜しくお願い致します。
- Re: ハイキューBL!リク受け付けてます ( No.365 )
- 日時: 2015/04/11 12:56
- 名前: くるる (ID: B4StDirx)
ダブルデート
「かげやま」
妙に甘ったるい声は俺の耳元を擽った。
振り返ると、やけに爽やかすぎる笑みを浮かべたそいつがいる。けれどその奥にある本当のドス黒い感情があることを、俺は知っている。確かあの幼馴染みも知らないはずだ。
そんな事を考えながら、そいつとの距離をとる。交際中でありながら一応警戒はしている。
「そんな警戒する?超面白いんですけど」
「うっせえボゲ。で、なんだよ」
「ん?そんな大したやつじゃないけどさ」
そいつは一呼吸おいたあと、大分高い身長を猫背にして、俺を上目遣いで見てくる。こういう所があざとく、つくづく計算高い奴だと思う。
「デート、しよ」
「っ!?」
「なに赤くなってんの?」
「あ、え、おっお前が!」
きょとんとして首を傾げ、不意に、笑った。可愛いね、そう言って。
「かわ....!?」
「可愛いよ。ほんと。で、行かない?」
「あ...う...っ。ふ、ふたりだけは、無理」
「ふーん。じゃ、誰か誘う?」
それなら、と了承した俺にそいつは満足そうな顔をした。本当、こういう所は可愛い。無意識でもあざとい。
次に誰を誘うかになった。あれこれと考えた結果、辿り着いたのはある先輩。どちらとも、というか一方はとても理解力があり、もう一方はヘラヘラしていて何を考えているのか分からない、気の抜けない先輩。
そのうちの一方に連絡をいれる。既読がつくのは早かった。
何回かのやりとりを繰り返し、了承してもらった。やはり先輩と話すのは少し緊張するのか、終わるとほっと溜め息を吐く。
「終わった?」
俺が連絡を取り合っている間そいつはゴロゴロとしながらバレー雑誌を開いていた。何と自由なことか。
「ああ。とりあえず岩泉さんはOKだった」
「え、あれは?大王様」
「あー、なんか、わかんねぇって」
「へぇ。それじゃ岩泉さん一人なの?」
そういえばそうか。だが、別にいいんじゃないかという考えが浮かんでくる。いや、ダメだけど。
そうじゃなきゃ岩泉さんを一人にさせてしまう可能性が高くなる。予定をずらすか。
そう思ったら、また一通連絡が来た。
「あ」
「ん?どしたのさ」
「行けるってよ。及川さんも」
「そうなんだ。じゃ、行けるね」
嬉しそうな顔をするそいつに、まだまだ敵わないなあ、と。
「かげやまー」
「な、に....。.....っ!?ん、んん!」
「抵抗したって無駄だろ...っ、は...っ、ん」
ぐちゃ、ねちゃ、とよく分からない音が響いて、羞恥で泣きたくなる。
「あー、ね...いいデショ?」
「ふざけんなっ!明日っ、練習...」
「ん、じゃ、抜くだけ。ね?」
「____んッ!!」
ああ、もう、だから、こいつは。
押し倒されて、本気で抵抗しないのは多分、体が求めているから。
愛して。
愛したい。
愛されたい。
つづく
- Re: ハイキューBL!リク受け付けてます ( No.366 )
- 日時: 2015/04/11 14:55
- 名前: くるる (ID: B4StDirx)
息が詰まりそう。
水中にいるような、感覚。
目を開けてみても真っ暗で、何にも見えない。
だから、誰か助けて。
この世界を。この気持ちを。
救いようのない私を、誰か。
それはただの甘えだ。知っている。
それは弱さだ。人に縋らないと生きていけない。
それも、知っている。だったら、人に頼られている
人はどうしたらいいの?誰が、助けてくれるの?
誰もいないから、私はここまで来たのに。
貴方達はいいよね。お気楽そう。
夢ばかり見れるそのおめでたい頭、取り換えてほしいな。
いつも可愛いと言われているその顔も。
羨ましい。本当に。ほんと、ぐちゃぐちゃにしてやりたい。
ぐちゃぐちゃにして、顔や頭だけ取り換えてほしい。
こんな最低なこと考える自分が、私は大好きだよ。
みんな誰だって自分が一番だ。
もし、例外がいるなら、私を助けに来てよ。
私はずっとここにいるよ。
泣いても泣いても無理だから、こうして叫んでいるのに。
どうしてかな?聞こえてないみたい。
あぁ、そうか。もう何百年もたったもんね。
見てよ。だーれもいない。
誰も、いない。
いるのは私だけ。
もうすぐ私もいなくなる。
そしたらほら、本当に誰もいないでしょう?
・
・
・
・
・
【もう一度ゲームを開始しますか?】
< Y E S >
end
おっふ
- Re: ハイキューBL!リク受け付けてます ( No.367 )
- 日時: 2015/04/11 18:16
- 名前: くるる (ID: B4StDirx)
風が肌に当たる。
心地よい、とは感じられないけれど。そう、ここは地獄だ。殺し合い、誰かが必ず死ぬ。きっと、今日も。もしかしたら、自分が死んでしまうかもしれない。嫌だ、まだ、まだ死にたくない。生きていたい。これが夢なら、早く覚めて。
「ねぇ、君。ここで何しているの?逃げないと、死ぬよ?」
「別に...。もういいだろ。誰か来たら俺が殺す。ダメだったら逃げる」
「それでもダメだったら?」
クスクスと、まるで小さな子供のように。
人を馬鹿にしたようなその笑い方が、俺にはなんだか懐かしく感じた。
「ダメだったら、大人しく死ぬよ」
「へえ、そうなんだ。よくそんな事できるね?」
なら、どうしろって言うんだよ。
「嫌いじゃないけど。その考え方」
男なのか女なのか分からないそいつはまた笑った。よく分からない奴だ。初めて、自分のペースが崩されていく。
「お前は、どうする」
「ん?どうするんだろうね。よく分かんないかな」
だって、と言葉を続けるそいつに目で続きを促した。
「だって、もしかしたら助かるかもしれないし。死ぬかもしれない。なら、考える必要なんてないでしょ?」
「ああ、なるほど」
思えばそうかもしれない。
人生はいつだって分かれ道だ。間違えることだってある。それが最高の選択のときもある。だから、何度も失敗する人間はそろそろ学ぶべきだ。いつだって適当に、適切に。
「ほら、いこ」
「は?」
「いや、は?じゃなくて。行こうよ。ここにいても答えなんて見つからないでしょ?」
「わざわざ死を急ぐのかよ、俺は」
「あー、そう解釈しちゃう?」
じゃあ、なんだよ。
そう言おうとしたら、心臓が高鳴った。
こいつとの今までの思い出が、走馬灯のように流れ出す。何年も、何百年も、何千年も前の思い出から、今まで。
ああ、こいつは。またか。また、俺は。
「...その様子だと、思い出しちゃった?」
「今回は早かったな死ぬの。で、俺は今から何して死ぬの?」
「んー、分かんないよ。もしかしたら変えられる未来なんだから」
無理だ。こいつが来たら俺は必ず死ぬ。何度も逃げ出した。でも無理だった。最後には無惨に、泣きながら。
「無理だろ」
大分苛立った声が出てくる。おかしい。こんなはずじゃなかったのに。こんな、八つ当たりをするつもりじゃなかったのに。
「ごめんね」
「別にお前が謝ることねぇよ。死神なんだから、もっと笑ってろよ。そっちの方がそれっぽい」
そう。こいつは死神。何度も俺の死を見てきた。その度に、こいつは辛そうな顔をするから。だから、もう。
「もう、四十六億回目の人生はいらないよ」
「なんで!あなたがそんな事言ったら、この世界は____」
「そんな俺の意識、他の誰かにやればいいだろ」
これが一番いい。
「なあ、だから、笑ってくれ」
「.....はい。オーナー」
笑った。花が綻んだ様な笑顔。
とても愛しく、美しい。
「ずっと、好きでした。オーナー...」
流した涙は俺に届くことは無かった。
そして今、俺という存在がいなくなろうとしていた。
そして今、四十六億回目の人生が彼に受け継がれる。
end
色々と、意味はあります。たぶん。
- Re: ハイキューBL!リク受け付けてます ( No.368 )
- 日時: 2015/04/18 15:19
- 名前: くるる (ID: AwUzQTp7)
ダブルデート
デート当日。それぞれの想いを抱え、少し高鳴る胸を抑えながら彼らは向かう。
「.....はよ」
「ん。あ、おはよ。影山にしては早いじゃん」
「先輩いるのに遅刻とかねぇだろ。つか、今までも遅刻とかしたことねぇし」
「どうだか?」
その言葉にカチンと来た影山が何か一つ罵声を浴びせようと口を開いた瞬間、小さな歓声が響いた。月島と影山はそちらを向く。その歓声の中にいるのは見慣れた先輩たち。
「飛雄、月島くん。おはよ」
「遅れてごめんな。このグズ川がグズグズするから...。待たせたか?」
「おはようございます!いえ、大丈夫っす」
「おはよーございます...」
「岩ちゃーん!グズが多すぎるよ!イケメン及川さんでしょー!?」
冷たい目でみる岩泉。それを後ろから見る後輩二人はいつものことだと割り切り、出掛ける場所を相談していた。
先輩二人、後輩二人があーだこーだ言っている内に、ポツリ、と雨が降った。
「うっわ...。どーする?」
「雨降ってきたな。でも、店入れば大丈夫だろ」
「ですね。予定が合うのこれっきりかもしれないですし」
と、及川、岩泉、月島が話している中、影山の姿が見当たらない。月島が辺りを見回すと、見たことのない女子が影山の周りに集まっていた。影山は相変わらずの仏頂面だ。
「あ、あのっ!何処かで遊ばない?お茶だけでも!ね?」
「.....いや、俺は」
「影山。行くよ」
影山が振り返った先には月島がいた。いつもと変わらない表情だが、少し不機嫌な色が窺える。
影山はその女子たちに何も言わず大人しく月島の後ろをついていく。
「ばーか」
「は?」
「馬鹿じゃないの、ほんと。あんな女子無視すればいいのに。っていうか僕がいる前でああいうのしないで」
「...ごめ...ん」
「っ、何なの。謝んないでよ...」
影山には分からなかった。王様、と言われるだけあって横暴だが最近では丸くなっていった。だがまだ、彼は交流が出来ていない。どう話せばいいのか分からない。知らない。それだけは、誰に聞いても分からないから。
けど、そんな彼を好きだと言った者がいた。月島だった。一番馬の合わなさそうな彼らは、思ったより息が合っていた。
それを一番驚いたのは本人たち自身。けれどそれを段々と受け入れていった。今でも少し、戸惑うことがあるけど。
月島には分からなかった。自分に好意を寄せてくる者の気持ちが。恋愛なんてつまらなくて気持ち悪いのに。どうしてそいつらはそんなものの為に気持ちを踊らせて、そんなものの為に一生懸命で、そんなものの為に、泣くの。
けど、そんな彼に真っ向から来た人間がいた。影山だった。正直すぎで、何を考えているか分からない彼が、月島にとってはきっと、うざったらしくて魅力でもあった。
こういう時どうすればいいのか分からなかったから、好きだと伝えた。最初こそ顔を赤くさせていた彼は、不自然に頷いた。
今では少し、この居場所が好きだ。
「ねえ」
「な、んだよ...」
「もうあんな曖昧な態度じゃなくて、ちゃんと断ってね」
「...ん。分かった」
きっと、彼らは何度も間違える。
つづく
(・ω・)???
- Re: ハイキューBL!リク受け付けてます ( No.369 )
- 日時: 2015/04/18 22:24
- 名前: くるる (ID: AwUzQTp7)
羨ましい。あの尖っていた後輩が今は微笑を浮かべてあんなにも楽しそうに恋人といる。なんと眩しい光景だろう。自分達はどうだろう。いつまでも素直じゃない彼に苦戦して、自分の気持ちが思うように伝えられない。いつも空回り。
「ねえ岩ちゃん。俺ら完全に空気だよね?」
「ま、仲良さそうでいいんじゃねえの」
「んー、そうなんだけどさ。俺らは?なんか展開は?」
「うるせぇな。つーかおい。お前の横にいる女子共どうにかしろよ」
「んー?あ、ごめんね。皆。俺、この子と来てるから〜」
子ってなんだよ、と不機嫌そうに顔をしかめる彼が可愛い。それよりも、まだ小粒ではあるが降り始めている雨が、気になって仕方ない。
「岩ちゃん、雨降ってるからこっち行こ」
「ああ...だな。彼奴等は、邪魔しちゃ悪いか」
そう言って微笑む彼。その表情は羨ましそうな諦めているような。
「.....、な、なーに岩ちゃん?もしかして飛雄が彼氏作ったの悲しくなっちゃった〜?」
「んな訳ねーだろ。ただ、ちょっと、いいなって思っただけだ」
ドクン、と胸が高鳴る。彼はああいうのが良いのだろうか。なら、俺のような欲望だけの奴、どうしたらいい。というかなんで、俺と付き合ってくれた?
「あー、ま、お前の方が...」
「岩ちゃん。行こっか。ね?」
耐えきれなくて、思わず彼と言葉を重ねる。彼の言葉に一喜一憂する自分が情けなかった。馬鹿だ、本当。彼は俺の穢らわしい気持ちも、孤独を嫌う気持ちも全部好きだと、そう、言ってくれたのに。どうして。なんで。こんな不安にならなきゃいけない。
雨を凌げる場所は人通りの少ない所。他にもあったけれど人ごみは嫌だったから、ここになった。
.....お互い、無言だった。雨の音がやけに耳に響く。先程雨に当たった肌が冷たくて、思わず身震いする。
「及川」
「ん?なに?」
「なんで俺と目ぇ合わせねえの?」
...なんでだろうね。
「俺、なんかしたか?」
「ううん。違うよ岩ちゃん。違う」
「じゃあ、なんで、こっち向かねえの?俺と目ぇ合わせねえの?なんで、そんな、無理して笑ってんだよ...」
向けられない。こんな嫉妬でいっぱいの顔なんて。合わせられない。こんな酷く憎悪でいっぱいの目なんて。笑ってるよ。ほら、こうやって。いつも通り。なのに、なんで。ちゃんと笑顔なのに、
「おいかわ...?」
なんで君は泣いているの?
雨の音がやけに耳に響く。
それは伝えようとした言葉さえも呑み込んで、連れ去ってしまう。一番伝えたい言葉が伝えられない。どう足掻いても、晴れることはない。あの時の言葉は聞けない。
「嫌だ、及川...。笑わなくていいから...泣いたっていいから...だから、そんな、そんな顔、すんなよ...」
「嫌だよ。岩ちゃん、俺が最低な奴だったら一緒になんていたくないでしょ?俺はね、心の狭い最低な奴なんだよ。岩ちゃんの小さな言葉だけで気になって、岩ちゃんはそんな所も好きだって言ってくれたのに。なのに、俺は」
言葉が途切れる。
代わりに耳に入ってきたのは雨の音じゃなくて、彼の、泣き声。わんわんと泣いて、ぐすぐすと鼻を啜って、ひぐっ、と肩を上下させながら、そんな行為を何度か繰り返し、ようやく落ち着いた頃だった。彼はどこか決意したような目で俺をみた。
「俺、だって、穢れてる。お前が女子といただけで嫉妬でいっぱいになるし。お前が他の誰かと喋るだけで叫びそうになる。だけど、それ隠して、お前の前では平静装うとして。お前といたら安心するから、それまでの嫉妬も叫びたい気持ちも全部、全部消えるんだ」
だから、一緒だな、と小さな呟きは呑み込まれずに耳元まで響いた。晴れたのだろうか。いや、雨は降っている。けれど音がしない。曇った空はあるのに、雨は降っているのに。自分だけ晴れているみたいだ。
「うん...。一緒だね」
本当、俺と彼はつくづく似ているかもしれない。何度も間違えてすれ違って、遠い遠い回り道を繰り返しながら、ようやく会えるんだから。
「よしっ!岩ちゃん、どこ行きたい?」
「や、ダブルデートだべ?彼奴ら呼ばねーと」
「さすが岩ちゃん。ムードぶち壊し...。ま、そこも好きだよ」
また顔を赤くさせるかと期待していたが返ってきたのは柔らかい笑みと、俺もだ、と弱々しくもはっきりとした言葉。
.....不意打ちは、ダメだ。
「ん、及川。どした?」
「う、ううん!?なんでも!.....へっくし!」
「きったねえ!あー、雨当たったもんなー。お前弱いな」
「岩ちゃんはタフすぎ」
雨は、いつの間にかあがっていた。
つづく?のか?な?
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