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- ハイキューBL!
- 日時: 2015/06/13 22:43
- 名前: くるる (ID: rd7NbV2E)
初めまして。くるると申します。このスレを見て頂きありがとうございます。
最近、ハイキューにはまってしまい、
「月菅やっほい!」と思ったのがキッカケです。
どうでもいいですね。書けるのが、これです。
・月菅
・影月
・月影
・月山
・木赤
・黒大
・菅大
・及影
・及岩
・黒月
・及月
うん...誰も見ないな。お付き合い頂けたら幸いです。それでは宜しくお願い致します。
- Re: ハイキューBL!リク受け付けてます ( No.279 )
- 日時: 2015/01/16 21:11
- 名前: くるる (ID: ???)
誰にでも、何にも無関心なのは何も昔から
じゃない。
ただ、本だけは、すきだった。
ページを捲る音や、一瞬で物語の世界へと
連れていってくれる、あの、感覚。
誰も来ない廃れた屋上で読む、あの静かな
空間が、好きだった。
それが、今、
「......隣、いい?」
..............。
「.........あぁ、はい」
「ははッ、やっぱだめかな?」
「いや、別に」
どうせ話しかける気も無いし
あっちだって本を持っているのだから
読むだけだろう。
わざわざ仲良くしようとして、必死こいて話
をしようとは思わない。
友情、なんて上っ面だけなんだ。
「......」
「......」
静かな、空間。
一人でいる時と変わらない。心地よい。
風が吹き、本のページがパラパラと靡く。
「あ」
「......なんですか」
問うと、彼はパタンと本を閉じて立ち上が
った。
どうやら予鈴が鳴るようだ。時計を見ると
本当にそんな時間だった。
「なんで...わかった.....?」
人に質問などしない自分が、らしくない。
「ん?あぁ、えぇっと。予鈴鳴る前に必ず
匂いがするんだ」
「は?」
「海。潮の匂いだよ。微かだけどわかる」
「ふーん」
彼は興味なさそうだな、と笑って肩を竦めた。
別にそんなことは無い、と、思う。
こんな性格、おかしいだろうか。
「ま、そういう性格嫌いじゃないよ」
「え」
「え」
「そーなん?」
「うん、まあ。さっきも人に媚びないって
言うかさ、そういうのなんか好き」
そうか。
こんな俺でも好かれる事があるのか。
「それじゃ、また、明日」
「え、あ、おお...」
また、明日、か。
明日は一緒にいれるか分からないのに。
もしかしたら、どちらかが消えるかも分か
らないのに。
あぁ、だけど
君の声と、潮の匂いが離れなくて
微かな香りに鼻を啜った。
『恋』
それは少し特殊な潮の味で。
- Re: ハイキューBL!リク受け付けてます ( No.280 )
- 日時: 2015/01/17 07:13
- 名前: くるる (ID: LHB2R4qF)
次の日も、彼は屋上へ来た。
別に何も期待していた訳では無いけれど
こうやって約束通り来ると僅かな信頼、
とやらを覚えてしまいそうだった。
そんなの、昔に捨てたはずなのにな。
「やっほ」
「ん...どーも」
彼は俺の素っ気ない返事をすんなりと
受け入れた。凄いくらいの順応性。きっ
と彼は上位カーストにいる連中の一人な
んだろう。俺とは全く違う部類。
それがなぜ、ここにいる?
次から次へと疑問が湧いてくる。
あぁ、嫌だ嫌だ。らしくない。本当に、
どうして。彼に会っただけなのに。
名前も知らず、顔もまともに見ていない
奴に信頼、なんて。
気を許せば嵌まるのは自分だから。
だから、こんなのは止めよう。
そう思うだけで彼と会う前の自分に戻れ
た気がした。無関心な、自分。
ふと、潮の香りがした。
顔を上げて、時計を見る。
それは予鈴が鳴る前を指していた。
彼もパタン、と本を閉じて俺に微笑み
かけて、行こうか、と目線で促した。
本当、くだらない。
「俺、後でいくから」
「ん?
......あぁ、分かった。それじゃ、」
「じゃあな」
彼の言葉を遮り、別の言葉を投げかけ
る。
またね、よりじゃあね、の方が永遠の
別れみたいで、俺は好きだ。
似ている様でとても近い言葉。
笑える。
「また、明日、な」
「......予鈴鳴るぞ。早く行け」
「あぁ、うん。ごめん」
彼は俺をもう一度見てから踵を返し
屋上を去っていった。
そうだ。これでいいんだ。
人に媚びずに生きる方法
それは孤独を指すんだろう。
だけど俺は、俺の様な奴等は、
少なくともそれがいいと感じる。
だから期待しない。
嘘ばっかりの世界にはもう慣れた。
「あー」
雨だ。
「......なんでこんな」
なんで
あの二人の空間が、すき、なんて。
- Re: ハイキューBL!リク受け付けてます ( No.281 )
- 日時: 2015/01/18 20:38
- 名前: 陽姫 (ID: w1UoqX1L)
こんばんは、くるるさん。
お久しぶり...ですかね?
ちょっと質問させていただきたく、コメを書かせていただきました。
えっと、屋上で読書してる話なんですけど、あれはオリキャラですか?それともハイキューキャラですか?
すみません、少々勘が鈍いので。
- Re: ハイキューBL!リク受け付けてます ( No.282 )
- 日時: 2015/01/19 19:26
- 名前: くるる (ID: 7I10YEue)
陽姫様
こんばんは。
一応、オリキャラです。
ハイキューキャラに置き換えても
できる、と、思います....?
不良×男子高校生
ふうっ、と空に向かって息を吐く。
白い煙が宙を舞い、煙り臭さが鼻に
ついた。
キィ...と錆びれた屋上の扉ならでは
の音。ここに来る奴などあまりいな
い。というか、俺しかいない。
「この歳で煙草?止めた方がいいと
思うけど」
「.....るせぇな。てめぇには関係ねぇ
だろうが!」
「出た!漫画でよく見る台詞!
まさか本当に言う人がいたとはね」
ケタケタと何とも愉しそうな笑みを
浮かべ、どこか挑戦的な目をするソ
イツが俺は気に入らなかった。
ムカつく。
ソイツの制服を掴み、投げ倒し、何
度も殴ってやるつもりだった。
それが、意図も簡単に身を翻され逆
に蹴りを入れられた。
「......ぐぁ....ッ...!」
「あ、ごめん。痛かった?」
こうも素直に謝られると殴る気が失
せる。泣かれても失せる。
すぐピーピー泣く奴、自分から喧嘩
を売ってきた癖に謝って許しを乞う
奴。気に入らない。本当に。
「......はあ...。
お前、何か用かよ」
「いや、別に?屋上で昼食でも取ろ
うかなって思って」
「ふーん」
「君は?どーして?」
「いつもここに来てんだよ」
「あれ、それじゃあお邪魔かな?」
ソイツは首を傾げて俺からの返事を
を待っている。別に追い出すつもり
は無かったし。何かコイツも何処か
へ行くつもり無さそうだし。
それに何より
コイツに興味を持った。
「ん?どうしたの」
「別に」
錆びれた心。
- Re: ハイキューBL!リク受け付けてます ( No.283 )
- 日時: 2015/01/24 11:59
- 名前: くるる (ID: 4pC6k30f)
それは、美しいと思える程に紅かった。
君から香る鉄の臭いに顔をしかめて、君
をもう一度まじまじとよく見た。
体中紅く染まり、時折思い出した様に何
処かがピクッ、と動く。
白かった肌は紅く、紅く。綺麗だな、と
自分にしては珍しく褒めた瞳は閉じたま
まで、フワフワとした髪は、ぬるい風に
吹かれて、揺れていた。
これは、なんだ?
目の前にいる、コイツは、本当にさっき
まで話してしたのか?先程までの君は笑
みを浮かべ、凄く楽しそうに俺と話して
いた。それがなんで、
なんでこんなに、冷たいんだよ。
「夏だってのにお前の手、冷てぇな」
それは所謂死を表していた。
もう、君はここにはいないんだと。こ
れはただの抜け殻だと。
あぁ、ほら、俺なんかといるから。
俺といたらロクな事が無いと、言った
のに、君はそれでもいいと、それでも
いたい、とあの真っ直ぐとした目で、
言っていたんだ。俺は最初は疑ってい
た。けれど、やはり嬉しかったのだ。
自分に対して恐れず一人の“人間"とし
て俺に接してくれた君に、俺は、甘え
たんだ。だから、だから、君は。
『化け物』
『人殺し』
『お前なんか、死ねばいいのに』
その通りだよ。俺は化け物だ、人殺し
だ、消えるべき存在なんだ。
だけど、だけど、だけど。
夢を見るくらい、許してくれ。
「......は...ッ、ハハッ...!ハハハハッ」
一筋の雫が、アスファルトに染みた。
(堕ちたmonster)
end
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