二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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World Saver Team(WSTの小話有)
日時: 2013/12/07 20:10
名前: りゅーと (ID: V2fBShP3)

これはある作者が今後に備えたデータ集だ。
このチームはあの悪夢の逃走中をきっかけに結成された・・・
簡単に言うとこれはもっとも出番が多いキャラの設定集です。厨二ちっくな部分あり


『キャラデータ』
「スマブラチーム」
マリオブラザーズ>>7 ピーチ&リンク>>8 トゥーン&プリン>>9 メタナイト>>10
フォックス&ファルコ>>14 ウルフ>>15 母組>>16 FE組>>17-18


「なのはチーム」
なのフェイ>>19 スバル>>20 ティアナ>>21 ヴォルケンリッター>>22


「ぷよぷよチーム」
「ポップンチーム」
「黒バスチーム」
「ロンパチーム」


タグ:クロスオーバー アニメ・ゲーム・漫画 スマブラ・リリカルなのは・ぷよぷよ ポップン・黒子のバスケ オリジナル設定あり

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依頼5:鈴の謎を解け・完結編(その4) ( No.734 )
日時: 2014/09/21 05:03
名前: りゅーと (ID: jJL3NZcM)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode

異形「やめろ・・・!それを鳴らすな・・・!」
春香「あなたに殺された人達の思いを知りなさい・・・!そして、あなたを狙おうとした文香ちゃんはあなたよりも強いのよ・・・!」


何度も鈴を鳴らし続けて反撃をする。今までに違う鈴の音色は彼女に勇気をもたらすだけではなく・・・


タロー「少し寝過ぎちゃった!春香ちゃん、お任せ!」
ナカジ「言霊のおかげで元気が出たぞ。目覚めがかなりいい」
ルイージ「話は聞かせてもらったよ!覚悟はいい?」
サユリ「不思議に力が溢れる・・・!負ける気がしない・・・!」


鈴の力でダメージを受けた仲間達が復活した!倒すのは今しかない・・・!


ナカジ「ルイージ、奴の弱点は分かったか?」
ルイージ「分かってるよ。大事そうに抱えるあの鏡なんでしょ?」
タロー「あの鏡って呪われた物の類じゃないかな?」
ナカジ「大正解。あの鏡で神隠しを隠したんだろう・・・」


作戦は弱点でもあり今回の事件に関与している鏡を壊す。お互いに目で合図を送ると、ルイージはオバキュームを最大モードに切り替え、ナカジは刀を構えて霊力を操り、タローは特殊な水を作り出し、サユリは鈴を鳴らし続ける春香を守る。


ルイージ「オバキュームフルパワーモード!」
タロー「アクアコントロール!そしてサーフィンウェーブー!!」
ナカジ「命の剣よ、力を貸したまえ!」
異形「お前ら何をする気だ・・・!まさか・・・やめろ・・・!」


異形を武器の掃除機で吸い込むのは緑の人気者、鏡を不思議な水に閉じ込めてルイージとは逆の方に移動をするのはDes組のサーファー。二つの力が拡散する事によって分離しそうになるのは鏡と上半身の境目であり、そこを集中的に攻撃するのはギラギラメガネ団のリーダー。


ルイージ「さっさと吸い込まれろやああああああー!!!!」
タロー「お前が抵抗するなら俺は逆に移動するのみだあああああー!!!」
ナカジ「中々切れないな・・・!だが、その鈴の音色を聞いた状態で保てるのか?」
異形「体が出来るまでは俺はこんな奴らに負けはしねぇぞ・・・!だったら・・・!」
サユリ「させないよ!やっこさんの遊び!」


765プロのエースアイドルを攻撃しようとするも、無数の折り紙を持った紙飛行機の少女が攻撃を塞ぐ。攻撃をした事によって黒山羊の異形は気を緩めてしまい、相手に追い打ちをかけるチャンスを与えてしまう。異形の方は三人に集中攻撃をするも、鈴の音色で弱まっているのと彼らが諦めないため大きなダメージは与えられない。


異形「ぐあっ・・・!ちぎれる・・・!やめろ・・・!」
春香「文香ちゃん、もう少しで終わるからね・・・!その時にはちゃんとこれを返す・・・!」


分散する力と邪を斬る刀の力、さらには力を持った鈴の音色により・・・






異形「ぐああああああああああ—————————!!!」






異形と鏡が分離した・・・!
鏡から離れた異形は掃除機の中に吸い込まれてしまい、ルイージが浄化の力で完全に封印する。異形がいなくなった鏡の方は持ち主である男がいなくなると同時に無数の破片となるも、タローが操る水の中に留まっているのと氷結能力で一つにまとまる。最後にナカジが刀で鏡を氷と共に細かく刻んで浄化する・・・!


春香「・・・」
タロー「・・・」
サユリ「・・・」
ナカジ「お前ら、何か言え」
ルイージ「あのさ・・・これは依頼完了かな・・・?」


みんなが言葉を詰まらせるのは無理はない。たった今、元凶を倒した事が信じられないのだ・・・。生死をかけた戦いが終わった事に全員は未だに信じられずにいる。頬をつねったりするが痛みはちゃんとあるし、胸の鼓動はちゃんと脈打っている。だが・・・


ゴゴゴゴゴ・・・


春香「何の音!?」
ナカジ「おそらくは俺らが元凶を倒したせいでこの校舎を支えるものが無くなっただろう・・・。この校舎はもうじきで崩れる・・・!」
タロー「でも、ポエットちゃんが・・・!」
ルイージ「それは分かっているけど、急いで脱出しないとまずい・・・!」


男を倒したため、校舎が徐々に倒壊し始めたのだ。急いで脱出しようと一同は来た道を引き返す。梯子を上り、図書室に出ると外の景色は元の世界に戻っていた。図書室から出てすぐ近くに外への出口が開かれていた・・・!


全員「走れぇぇぇぇぇー!!!!」





ズドォォォォォン・・・


彼らが出たと同時に校舎は倒壊し、瓦礫の山となった・・・。少し遅れてたら瓦礫の下敷きになっていたのは間違いない・・・。
久々の外の空気と外の地面を足や肌で感じ取ると、全員はその場に座り込む。ふと、周囲を見ると視界が明るくなっており、東の空から朝日が昇って来た・・・。何度も見て来た夜明けがこんなにも恋しかった事があったのだろうか・・・。
ああ、体が暖かい・・・彼らにとっては久々すぎる外の空気がこんなにも美味しく感じられる・・・


ナカジ「依頼が成功した日の朝日って気持ちいいよな・・・」
タロー「俺等が生きてるのが奇跡だよ・・・体が動かない・・・」
ルイージ「足と手と指と首は繋がってる・・・」
春香「今回のでどんなホラー映画も耐えられるかもね・・・あはは・・・」
サユリ「だけど、ポエットちゃんの事が・・・ギルドに報告しないと・・・」


問題はいくつか残っており、確認しようとしたその時だった。


和樹「デザート・・・」


強敵との戦いや命がけの脱出で気が抜けた彼らの背後に和樹がいた。彼の目は人を殺しそうな目をしており、手には鋏があった。予想外の敵に気づくも相手が早い。ダメージを受けると思われたその時、どこからか光の矢が飛んで来た。その一撃を喰らった青年は吹き飛ばされて近くの木に体をぶつける。矢を放ったのは・・・





ポエット「間に合ってよかった・・・」





敵のせいですり替えられた見習い天使だった・・・!


ナカジ「ポエット、お前・・・」
ポエット「ごめんね・・・ポエットね、敵に襲われて動けなかったの・・・。意識が朦朧として眠くなった時、遠くから鈴の音が聞こえて来たんだ・・・そしたら、体が動くようになって・・・」
タロー「ポエットちゃん、無事だったんだ・・・!」


ずっと行方を晦ましていたポエットが生きていた事にみんなが大喜びをする。と、同時に陰陽玉から連絡が入る。


霊夢「ようやく繋がったわ!間一髪だったわね・・・!」
サユリ「霊夢ちゃん!」
霊夢「あなた達が入手した情報を整理した時、同時に生徒の事も調べたのよ。そしたら、そこにいる和樹はあの事件の時の卒業生だったのよ。しかも、彼の素性を調べたらとんでもない事が分かったわ・・・」
ポエット「和樹は美味しい味や甘い味や酸っぱい味が分からないんだよ!」





依頼クリア!

依頼5:鈴の謎を解け・完結編(その5) ( No.735 )
日時: 2014/09/21 05:11
名前: りゅーと (ID: jJL3NZcM)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode

博麗の巫女が言うには和樹は重度の味覚障害があり、味がない事に悩まされていた。どんな物を食べても形状しか舌で感じられない。だが、過去にふとした拍子で唯一の肉親である母親を誤って殺してしまった。その時に血の独特のにおいと味に魅了され、彼は味覚を一時的に取り戻した。
それ以降は病院から輸血パックを盗み出して味覚を楽しんでいたが、そこで男の実験を知った。相手も心強い協力者の登場に賛成した。彼は物静かであるものの、周囲からの信頼が厚かった部分もあり、偽りの姿に騙された人達は校舎で死ぬ運命となる・・・。
ちなみに和樹は血の味を知るも、人は食べた事なかった。だが、家庭科室にあった料理で人肉の美味しさに気づく・・・。


和樹「くっそ・・・!え・・・?体が・・・どうして・・・!」
慧音「どうしてか?お前はあの男もとい教師の力やその教師の力が充満した校舎にいすぎたせいで人ではない存在になり、体は成長せずに腐らなかった。その教師が倒されて鏡が壊れたため、あんたを留めるものはなくなり、現実でその時間が進んだ。」
ナカジ「要するにあの鏡のせいでか・・・」


共犯者は教師の狂気や鏡の力のせいで元凶同様に人じゃない存在になり、体の成長の時間が止まった。あの世界で体を保っていた事が信じられないが、命の糧とも言える鏡が教師諸共無くなったため、止まっていた時間が動き出し、肉体が一気に腐敗したのだ・・・。
血を欲する和樹は手を伸ばすも、肉体は思考と共に脆く消滅した・・・


タロー「まさか、グルがいたなんて・・・」
ルイージ「気にしない方がいいよ。これは完全に自業自得だ・・・さっき、僕も命狙われてたからね・・・」


ルイージはバツの悪い顔で関わんなと切り捨てた。理由は美術室で宝珠を入手する際に命の危機があった。あの部屋には血の臭いもしたし、和樹に騙されて血を差し出した人間もいただろう。仮に失血死で死ななかったとしても、幽霊は受け取ったのかすら分からない・・・。それにタイミングよく男が来て部屋に閉じ込められた理由も頷ける・・・。


春香「まあ、これで解決したんだよね・・・」
阿求「全部解決したとも言えます。ですが・・・」
春香「あの子の事ね・・・心配はいらないよ・・・もう見つけたんだ・・・ショー子ちゃん、いや寺下文香ちゃん?」
ショー子「・・・」


ちらっと横を振り向くとそこにショー子がいた。いや、本当の名前で呼ぶべきだろう。寺下文香と。


文香「春香ちゃん、分かってたんだね・・・ようやく本当の名前を思い出せた・・・」
阿求「文香さん、何があったかお話し下さい・・・」


文香はこの学校の生徒でもあり、同時にこの世界の住民ではない・・・。
彼女はある日、自分の知っている人達が神隠しに遭っている事を知り、校舎へ忍び込んだ。そこで教師がやっている事を知り、同時に自分が狙われている事を知る。心臓を奪われて殺される前にこの事を伝えようとしたが相手は執念深かった・・・。その上、協力者もいた・・・。


文香「外に逃げようとしたんだけど、外はあの状態になってたの・・・。どうしてああなってたかは分かるよね?あいつが持っていた鏡が原因だったの・・・」
ナカジ「あの鏡は一瞬だけしか見ていないが、呪いのアイテムの類であるのは間違いない。効果は持ち主の願いを叶えるか別の空間を作り出して現実世界を切り離す効果がある・・・。その代償として人の心を闇に染めたり、人ではないものに変える・・・。」
タロー「つまり、あの鏡の効果で七不思議に騙された生徒や学校に忘れ物を取りに来た人達、学校の見回りをする教師を鏡の力で逃げられなくしたって事・・・」


地下で見た鏡には恐ろしい効果があった。ここまで来ると、神隠しに遭った人達が見つからなかった理由はただ一つ。鏡の力で閉じ込められたからだ。別世界で殺人が起きたり隠し部屋が作られていたら、現実世界で死体を見つけられるはずがない・・・。
話は戻る。恐怖の鬼ごっこは数日間続き、少女は最後にあの隠し部屋へ逃げ込んだ。隠し部屋に逃げ込んだ事を知らない教師は追跡をやめて一旦現実世界に戻るが、運悪く校舎の取り壊しの日。工事のせいで鏡と融合した状態になってしまい、醜い異形になってしまった・・・。
それでも彼は実験のために鏡で校舎を作りだしては文香を探し続けた・・・


文香「あの教師の犠牲者達は死後も鏡の世界でずっと閉じ込められて苦しんでいた!みんなを助けようと考えたけど、あいつはちょっとした動きでもすぐにやって来るから全く動けなかった!現実世界に校舎が出てもあいつの力のせいで出られない・・・。そんな中、この校舎に人が現れた。その人は私の鈴の音色に気づき、ちゃんと聞き取っていた。これを知った私は最後の望みとして、その人の腕に鈴を付けたの・・・」
春香「それって・・・!」


ずっと自分の腕にあった鈴。これは目の前にいる少女のSOSだった。あの鈴の音色を聞いた彼女に全てを託し、教師の隙を見て取り付けたのだ。


文香「勝手につけたのはごめんなさい。あのお部屋にいた時はずっと一人ぼっちで辛かったし怖かった・・・。その際に私を守ってくれたのはあの鈴。辛い時や恐い時はずっとその鈴の音を鳴らして私は必死に耐えたんだ・・・。あのお部屋で春香ちゃんが来るのを待っていたんだ。だけど、その間に私の名前を忘れちゃった・・・」
サユリ「・・・」


事件の鍵である少女の告白。彼女自身もあのお部屋の中で長い間、寂しさと恐怖に耐えて助けを待っていた。その間に大事な名前を忘れてしまったが、強い心と鈴のおかげでここまで来れた・・・。





後半は感動系にするため時間がかかった・・・;

依頼5:鈴の謎を解け・完結編(その6) ( No.736 )
日時: 2014/09/21 05:18
名前: りゅーと (ID: jJL3NZcM)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode

文香「私の名前を思い出させてくれてありがとう・・・心置きなくみんなと一緒にあの世へ行ける・・・お願いがあるんだけど、もう一度歌を歌ってくれない?」


涙を流しながら笑顔で感謝の言葉を述べる文香の背後には神隠しや犠牲になった人達がおり、全員笑顔だった。夜明けと共に魂が一つまた一つ天へ召される。その間に春香は涙を流しながら歌を歌い、鈴を鳴らし続ける・・・。
最後は文香の番。名残惜しそうに思い止まったが、優しい鈴の音で自分がいるべき場所へとちゃんと向かう・・・





文香「春香ちゃん、頑張ってね・・・!」





彼女が去ったと同時に残ったのは春香とWST。彼女達の目から涙が溢れ出し、涙が枯れるまで泣き続けた。みんなが泣く中、ナカジは涙を流さなかった。彼は長年、オカルトなどに関与してたので対処や霊との接し方、成仏した霊達の後がどうなるかは知っていた。だが、相手を思う心はあるので小声で呪文を呟く。


ナカジ(あの世とこの世には互いに関せず。お前のように救われない魂はない。魂の安らぐ場所へ少しずつでもいいから歩め・・・)





依頼終了後・・・


タロー「ナカジ、ちょっと冷たいんだけど!?体が凍るって!」
ナカジ「うるせぇよ!お祓いや浄化するんだから我慢しろアホ!」
タロー「だからって氷水は冷たいってばー!!!」


あのあと、一同は体内や体外の邪気を祓おうと博麗神社でお祓いをした。その間に差し入れが多く来た。タローは雪解け水で清めた羽織を着て清めの塩が交ぜられた聖水の浴槽に入っており、その周囲を柊と榊で作った注連縄が囲っており、前にはお神酒や米や慈母像がある。また、タローの頭には清めのお札が張られている。その横ではルイージが札を持って骨眼鏡サイドのフェーリやのらねこサイドのミシャからお祓いを受けている。


フェーリ「かの者にまとわりつく邪悪な者達よ、地の根の底に還りたまえ!」
ミシャ「みんなが戻って来てよかったわ・・・ゆっくり休んでね?」
ルイージ「心配をかけてごめんね。わざわざありがとう・・・」
フェーリ「それよりもナカジのあれはやりすぎじゃない?」
タロー「何で俺だけ扱いが違うのー!?」
ナカジ「お前のアホ思考も浄化したろかぁぁぁー!!!」
ミシャ「ケンカすればするほど仲がいいとか?」
ルイージ「あはは、それは言えてる」


その近くではサユリとポエットが待機組と一緒にお茶菓子を用意していた。お茶やお菓子の他に差し入れの聖水や塩、さらには神命丹やホーリィボトルがある。鬼藤さん、マリアスさん、サクさん、骨眼鏡さん、こうさん、のらねこさん、奏月さん、ありがとうございます。


ポエット「今回の依頼は本当に怖かった〜・・・ポエットもみんなに出会えてよかった・・・」
慧音「ギリギリで伝えられてよかった。どういう訳か、ポエットに繋がったんだよな・・・」
阿求「おそらくはあの鈴の効果があったんでしょうね。ロケットには文香さんの名前や思いが込められていましたし、本来の姿に戻ったから力を大きく発揮したと思われます。」
サユリ「文香ちゃんもあの場所にいたら教師や和樹みたいになってもおかしくないのにどうして人の姿を保てたのかな?」
霊夢「おそらくは鈴の力や本人の心が強かったから人として保てたからだと思う・・・教師が欲する理由が分かるわ・・・」





春香「確かここかな・・・?」


一方の春香はお祓いを済ませると真っ先にある場所へ向かった。その場所は古い民家であり、そこに着くなりインターホンを鳴らす。インターホンを聞いた家の住民が玄関へ向かう。出たのは年老いた男。


年老いた男「ん?こんな場所に来客とは珍しいな・・・どうしたんだ?」
春香「あのすみません・・・文香ちゃんの家でしょうか・・・?」
年老いた男「文香・・・!?」


文香の名を聞いた瞬間、男は驚いて目を見開く。来客の腕には鈴があり、それを見た男は何かがあったと悟る。


年老いた男「お嬢ちゃん、立ち話は外ではやるものじゃないから家に上がりなさい・・・」


彼は来客を居間に通し、お茶菓子を用意する。「リラックスしても構わない」と声をかけ、話を聞く。


春香「あの・・・もしかしてですけど、あなたは文香ちゃんのお父さんですか?」
年老いた男「そうだ・・・私は文香の父親だ・・・」
春香「実はこれを文香ちゃんの家族や関係者に渡そうと思って・・・」


春香は腕についていた鈴を文香の父親に渡す。そのブレスレットはまさしく大事な娘が身に着けていた物と同じ・・・!
765プロのエースアイドルは今までの事を話した。全てを聞くと、父親は一旦は口を閉ざすも再び口を開く。


父親「文香は私の大事な一人娘だ。幼い頃に妻を病で亡くし、私が男手一つで育ててきた。あの子は見た目に反して正義感が強く友達思いで歌が大好きな女の子だ。仕事で忙しい私のためにおいしいご飯やお弁当を用意したり、ガキ大将にいじめられた友達のために一人で乗り込んだりと活発だった。当時は家が貧しく、仕事のせいで授業参観や学芸会などの学校行事にはたまにしか行けず、満足出来るプレゼントを上げられなかった。あの子は年頃の女の子らしく人形やお洋服は欲しがっていたし、自分のために書いた作文を聞いてほしいと思ってたけど、決してわがままを言わなかった・・・」
春香「文香ちゃん、その時から凄い活発だったんですね・・・;私もその片鱗を見ました・・・;でも、その時からも優しかったんですね・・・」
父親「まあ、誰に似たのやら。そんな中、あの子は妻の趣味だった音楽を聞いて歌に興味を持った。文香の歌はかなりうまく、間違いなくテレビに出たら輝けると私や周囲の人はそう言っていた。あの子は将来歌手になりたいと言っていたし、いつかは都会に行って自分の歌でいろんな人達を元気づけたいと口癖のように言ってた。だけど、年頃の娘を大事にするあまりに大喧嘩もあったな・・・。最終的にはあの子の気持ちを認めてあげた。その時は高校を卒業してからとした。」


物心がつく前から歌に興味を持ち、自分同様に歌手になろうと夢を見ていた。子を思う親の気持ちも分かるし、大喧嘩になるのは当然だ。だけど、最終的にはちゃんと認めてあげた・・・。





文香ちゃん・・・

依頼5:鈴の謎を解け・完結編(その7) ( No.737 )
日時: 2014/09/21 05:25
名前: りゅーと (ID: jJL3NZcM)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode

父親「そして、高校の入学式の間近にあの子の誕生日が来た。私はあの子にプレゼントをあげた。それは妻が持っていた鈴のアクセサリーをあの子が似合うように手を加えて可愛らしいブレスレットにしてあげた。その際にお守りの一種としてロケットの方は私が頼んで作ったのは今でも覚えている。ここで教えてあげるが、あの鈴は文香が小さい時に泣いていた時に母親が鳴らしていた物だ。何でも安らぎの鈴だと言ってたな・・・。」
春香「文香ちゃんにとっては大事な鈴だったんですね・・・」


今でも小さくなる鈴がチリンと響く。この音は彼女にとっては心が安らぐものであると同時に母親が残した大事な宝物。その宝物は妻が亡くなった後でも父親が使っていた。彼女が泣き出した日や勝負時がある日などに鳴らしては彼女を元気づけた・・・。
今までに迷惑をかけた娘に最高のプレゼントをしようと思い、鈴のアクセサリーを作った。もちろん、彼女は笑顔で受け取った・・・


父親「あいつはそのブレスレットをずっと手放さなかった。ボロボロになろうと汚れようとお守りのように大事にしていた。歌手のオーディションや全国デビュー、自分が結婚する時や子供に渡すと言っていた。流石に恥ずかしいからやめろと言ってたが。」
春香「両親の愛情がこもった鈴ですから、文香ちゃんは手放せなかったんでしょうね」


高校入学後から卒業までの間、父親も仕事がうまく行ってお金を多く稼げるようになり、文香は歌手のオーディションを受けた。審査は運よく合格し、残すは学校の卒業と最終オーディションのみ。ずっと幸せが続くと誰もが思っていた。あの神隠しが起きるまでは・・・


父親「そんな中、あの子が高校三年生になった時に神隠しが発生した。その中には文香の友達や先輩もおり、みんながショックを受けた。私は夕方に娘を迎えに行ったりとしたが、その間に神隠しの犠牲者がどんどん増えた・・・。これに堪えなくなったあの子は・・・!」


そこからはもう知っている。目の前にいる男は必死に大事な娘を止めようとした。だけど・・・


父親「それなのにあの馬鹿は・・・!あの時にはオーディションの結果が来てたと言うのに・・・!もう少しで歌手になれると言うのに・・・!何でこうなったんだ・・・!みんなを救いたいという気持ちは分かるが、残された私の気持ちも考えろ・・・!あの子は毎回毎回他人のために首を突っ込んで何度もひやひやさせられた事か・・・!川に流された猫を救うために飛び込んだり、迷子の子供を家に送るために隣町に行ったり、ガキ大将と一緒に井戸に落ちた時は自分の怪我を気にせずに助ける方法も探していた・・・こっちの事も考えろ・・・!命を大事にしろと言ったのに・・・!」


娘の行動に父親は怒っていた。彼は今はいない文香に怒りをぶつけた後、顔を伏せる。だが、伏せられた顔とあぐらをかいた足の間に何かが降り注ぐ。それは透明な雫・・・


父親「だが、文香をこんな風に育てたのは誰だろうな・・・?こんな言葉を私が言う権利はないが・・・」
春香「文香ちゃんのお父さん、あなたの娘さんは最高の娘さんですよ。あの恐怖の中で一人で耐えてたのと危険な目に遭うのに動いてくれたの・・・文香ちゃんがいなかったら犠牲者はさらに増えていたし、あなたに大事な鈴が届けられなかったんです・・・それに・・・」
父親「それに・・・」





春香「その鈴にはお父さんやお母さんの思いが込められていたからこそ、文香ちゃんは幸せだったと思います」





父親「あの子もいい友達に出会ったな・・・」


同時刻、文香の部屋。彼女の部屋は神隠しに遭ってから時が止まったかのようにずっとその状態だった。勉強机には写真立てが飾られており、その写真には入学式の一枚。桜の花が咲く季節、学校の門の前で高校の制服を身にまとって父親と一緒に笑顔で映っていた。その近くには大きな封筒があり、その封筒には「歌手オーディション 最終審査合格通知」の用紙が・・・





ライブ当日・・・


サユリ「ただいまー!」
ナカジ「お帰り」
サユリ「ナカジ君、春香ちゃんのライブはまだだよね!?」
ルイージ「大丈夫だよ、今からだから安心して」


ギルドにはナカジ達がリビングにおり、依頼人が出るライブをテレビで見ていた。一瞬だけ春香が映し出されていたが、彼女の顔はここに来た時よりも表情が輝いていた。


ナカジ「今回の依頼は当分の間はこりごりだ。だが、呪われた道具やオカルトがらみの事件は多くある。その事件による犠牲者が増えないように俺らは動かないといけない・・・」
ルイージ「正直言うと怖いけど、文香のように苦しんでいる人達は多くいる。なるべく早い段階で解決して相手を苦しみから解放してあげたい・・・!」
ポエット「文香ちゃんも今頃は天国でみんなと楽しく過ごしてると思うんだ。苦しんだ分は天国で楽しく過ごしてほしいな・・・」
タロー「あそこまで怖い思いはもうしたくない。だけど、困っている人がいる限り、俺らは絶対に助ける!だって、WSTの一員だもん!」
サユリ「一人よりもみんなでいればどんな困難も乗り越えられる。あ、春香ちゃんのライブが始まるよ!」





チリン・・・





春香の楽屋。室内にあるテーブルの上に彼女宛てのファンレターがあった。そのファンレターの差出人は書いていないが、中に綺麗な鈴が入っていた・・・





おしまい





「あとがき」


今回の依頼はヤマビコさんから。依頼内容を見ると、ダブっているのがあったので下手したらワンパターンになりそうだと思い、悩みました・・・。ですが、執筆時期が夏なので季節感を出せるものがいいと思い、ホラーに挑戦しました。春香をメインにしたのはアニメで彼女がアイドルの目標を失った話を元に執筆しました。ちなみに候補には千早もおり、過去で辛い事があったのでどっちでも可能でした。一騎打ちの末に春香に軍配に上がりました。
いろんなホラーゲームのネタを混ぜてで考えましたので時間がかかりましたが、書けてよかったです。今回出た人物のデータをおさらい。





もうちょっと

依頼5:鈴の謎を解け・完結編(その8) ( No.738 )
日時: 2014/09/21 15:24
名前: りゅーと (ID: jJL3NZcM)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode

寺下文香:今回の事件の鍵。性格は友達思いで正義感が強い歌が好きな女の子。自分の知る人達が神隠しに遭ったのを知り、和樹と共に旧校舎に忍び込む。そこで教師がやった事を知り、みんなに伝えるべく逃走。彼女の持つ鈴は魔除け効果があり、教師にとっては最大の弱点。助けが来るまで一人で耐えていたが、名前を忘れてしまう。和樹の事を信頼していたが彼が共犯者である事を知らなかった。生きていたらベテランの歌手になり、春香と共演してたかもしれないだろう・・・。
教師:元凶。完全な人間を作るべく、自分がばらまいた七不思議を確かめるべく校舎に迷い込んだ人間を鏡の力で閉じ込めた。最後のパーツである清らかな心を持つ文香を殺そうとするも、彼女との追いかけっこの際に相手が持つ鈴の音色を嫌というほど聞いたのでそれが弱点となっている。長期間の鬼ごっこで文香を捕まえる事が出来ず、鏡の中に閉じ込めて一旦引き返そうとした矢先に現実世界で校舎の取り壊しに巻き込まれてしまい、鏡と融合してあの姿に。それでも現実世界に校舎を映し出しては探し続けていた。和樹とは協力関係
坂上和樹:教師に協力していた文香のクラスメイト。彼は大人しいが周囲からの信頼を得てた。重度の味覚障害であり、血の味を好む。味を欲するため、教師と協力する。鏡の力と教師の狂気によって人ではない存在になる。鏡のおかげか彼は自分の時間を止めて生き続けていた。


いくつか気になる部分がありますが、そこは目をつむってね;


「宣伝」
ヤマビコさんの作品である「KH・ニコニコ御三家+αで逃走中 トワイライトタウン編」をよろしくお願いします!
ヤマビコさんの小説は小説カキコにあります。ジャンルはKHと東方と艦これと進撃とボカロと多くあります!





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