二次創作小説(紙ほか)

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ポケットモンスター 星と旋風の使徒
日時: 2017/01/28 12:25
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22078

どうも、初めましての人は初めまして、そうでない人はこんにちは。パーセンターです。
えー、また始まってしまいました。四作目ですね。
今作は前作の完全続編となっております。
参照をクリックすれば、前作に飛びます。
レオの新しい冒険が、始まります。

※注意
・例によって例のごとくノープランです。
・パーセンターは大学生でございます。現在数々の課題に追われて更新頻度が非常に低いですがご了承ください。
・登場するポケモンが色々とややこしいです。詳しくは近々やるオリキャラ募集のときに説明しますが、簡単に言うと『プラチナのシンオウ図鑑に載っているポケモン+ベガでのみ登場するポケモン』となります。

これくらいですね。
内容としては、前作と同様、オリジナルの地方でのゲームのような冒険ものとなります。

それでは、よろしくお願いします。

登場人物
味方side >>25
N・E団side(ネタバレ注意)>>153
用語(ネタバレ注意)>>342

プロローグ >>1

シラハタウン&メガキタウン編
>>6 >>20 >>22
ハスバナシティ編
>>27 >>31 >>32 >>34 >>36
デンエイシティ編
>>39 >>40 >>41 >>42 >>45 >>46 >>50 >>53
アカノハシティ編
>>55 >>57 >>58 >>62 >>63 >>64 >>65 >>68 >>70 >>72 >>74 >>75 >>79 >>80
コウホクシティ編
>>81 >>82 >>83 >>84 >>87 >>88 >>89 >>93 >>94 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>106 >>107 >>108 >>111 >>112 >>115 >>116 >>117 >>118
ツクモシティ&スティラタウン編
>>121 >>122 >>123 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>138 >>145 >>152 >>157 >>158 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>171 >>172 >>173 >>175 >>176 >>177
シヌマシティ編
>>178 >>179 >>180 >>185 >>186 >>188 >>189 >>190 >>193 >>194 >>195 >>199 >>200 >>206 >>207 >>210 >>211 >>214 >>215 >>216 >>217 >>218 >>221 >>222 >>223 >>224 >>227 >>229 >>230 >>233
ヨザクラタウン編
>>234 >>235 >>236 >>242 >>243 >>246 >>247 >>248 >>251 >>254 >>255 >>256 >>257 >>258 >>259 >>260 >>261 >>264 >>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>273 >>274 >>275 >>276 >>277 >>280 >>281 >>283 >>284 >>285 >>288 >>289 >>290 >>291 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>303 >>304 >>305
テンモンシティ編
>>306 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>322 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>340 >>341
四天王&チャンピオン編
>>343 >>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>352 >>355 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>373 >>378 >>379 >>380
N・E団編
>>383 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>390

決戦編
零節 都市
>>391 >>392
一節 碧天
>>393 >>400
二節 緋天
>>394 >>401
三節 蒼天
>>395 >>404
四節 破天
>>396
五節 夜天
>>397
六節 輝天
>>398
七節 聖天
>>399


非公式(ベガ)ポケモン図鑑 >>5

Re: 第百六十話 野望 ( No.305 )
日時: 2015/05/01 11:20
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: /48JlrDe)

N・E団、いや、ネオイビル。
その頂点に君臨する闇の黒幕、マターが、遂に姿を現した。
「……マター、お前だったのか。N・E団の、リーダーは」
恐る恐る、レオが言葉を紡ぐ。
「お久しぶりです。1年前、私の計画、プラン・オブ・ガタノアを潰した憎きヒーローよ。貴方の顔は、忘れるはずもない」
発せられるマターの声は、1年前より遥かに大きな邪気を孕んでいる。
「しかし、私の考えた計画は一つではなかった。計画の片方が潰される可能性も考え、私はずっと前から平行計画として、世界を手に入れる二つのプランを立てておいたのです」
「計画ねぇ」
ブレイオーを繰り出し、リョーマが一歩進み出る。
「お前が誰かは知らんが、教えてもらうぜ。お前らのそのプランってやつを」
「断ると言ったら?」
「力尽くでも、吐かせる!」
刹那。
刀を構えたブレイオーが、一瞬でマターとの距離を詰める。
しかし、
「甘いですね」
その刀は、ブレイドンの尾によって容易く止められ、弾き返される。
「そこまで好戦的にならずとも、教えてあげますよ。ここまで辿り着いたご褒美です」
邪悪な笑みを浮かべ、マターは告げる。
マターの、ネオイビルの、真の野望を。

「プラン・オブ・アスフィア。星と旋風を司る星座の伝説、アスフィア。その力を使い、世界を我が手で創造する。これが私たち、ネオイビルの最終目標です」

「アスフィア……だと?」
リョーマが、驚愕の表情を浮かべる。
「……リョーマ、知っているのですか?」
「神話で読んだことがある。星座を司り、大気を操る伝説のポケモンだ」
エフィシの質問に答えた上で、だが、とリョーマは続け、
「数々の伝説ポケモンの神話の中でも、アスフィアはそのトップクラスに位置するポケモンだ。俺たち人間如きが、その力を使えるようになるとは思えんがな」
リョーマの言葉を、
「ふっ。本気でそう言っているのなら、貴方は実に愚かだ」
マターは鼻で笑って返した。
「あぁ?」
「後でそこのヒーローに聞いてみるといい。私たちの科学力は、非常識を容易く常識に、不可能を容易く可能に変えられる。では、そのシステムもお話しして差し上げましょう」
そう言って、マターはオルディナを指す。
「ヨザクラから奪うはずだった三つの宝玉。あの宝玉は、正式名をそれぞれ氷鷲石、雷獣石、そして龍琴石といいます。どうしてあの地にあったかは私の知る由もありませんが、これらの宝玉は、そのアスフィアに力を与えることが出来ます」
しかし、とマターは続ける。
「本来、あの宝玉はもっと巨大な岩の形をしている。あのサイズでは、ただの欠片に過ぎない。ですから、アスフィアに力を与えるには宝玉のパワーを増幅させる必要がある。そこで、このオルディナです。オルディナについては、ソライトに話してもらいましょうか」
マターがソライトへと話を振る。
「では、私からオルディナの話を。宝玉のパワーを如何にして増幅させるか、私は幾度となく実験を繰り返し、その結果、人間の強い生命力が一番宝玉に対して強く作用することが分かったのです。宝玉をオルディナの中に埋め込み、オルディナ本来の生命エネルギーと反応させれば、宝玉のパワーを格段に増幅させられる。これは既に実験で明らかになっています。まぁ、宝玉が偽物だったので、後で宝玉を埋め直すという面倒な過程になってしまいましたがね」
「……その元の人間が、スティラタウンのあの少女というわけですわね」
ようやく、テレジアがレオとエフィシの絶叫の意味を理解する。
「……てめぇら、重罪だぞ」
「重罪? 貴方にそのような事を言われる筋合いはありませんね」
「……ふざけんじゃねえ。自分たちがどれほどのタブーに触れてるか、分かってんのか!? あぁ!?」
リョーマが激昂するが、マターの表情は変わらない。
「罪人に罪人呼ばわりされるなど、心底不愉快だ。いいですか、我々人間は、悪なる存在です。人は誰しも、生きる内に数々の過ちを犯すものだ。そして、その今までの過ちを全て償うことが出来た人間など、この世にいるはずもない。そう考えれば、この世に悪ではない人間などいない。ましてやそれにすら気付いていない者が、他人を罪人呼ばわりするなど、愚かしいにも程がある」
マターはさらに言葉を続け、
「人間は悪。それを理解した者が世界を変えなければ、愚かな者が増え続ける。だから私が、いや、裁きを下すのも私ではない。人間に人間を裁く資格などありませんからね。人を裁く資格があるのは、神以外にいない。だから、私はアスフィアの力を借りる。神の力を持って、全ての罪人に裁きを与えるのです。ソライト、先に撤収を」
ソライトとシーアスが敬礼し、メジストは小さく頷き、部屋の奥の暗闇へと姿を消す。
「さて、私たちの次の目的は、先日奪い損ねた宝玉です。もう場所も把握している。後日、トパズを中心とした部隊を『ブロック』のテンモン支部に送り込み、三つの宝玉を回収します。近いうちにトパズから布告状が送られるでしょう。私たちに抵抗するのであれば、テンモン支部に戦力を集め、襲撃に備えることです」
そう言ってマターは二つのモンスターボールを取り出す。
まずブレイドンを戻し、別のボールから繰り出されるのは始祖鳥ポケモンのプテリクス。
「このアジトは差し上げましょう。私たちには、まだ別の本拠地がある。探すのは勝手ですが、無駄だと思いますよ」
最後に言い残し、マターはプテリクスに飛び乗る。
「それでは、さらばです」
マターの声と共にプテリクスは咆哮を上げ、天井をぶち抜き、飛び去っていった。



サクラの飛行機の中に戻り、アカノハへと帰って来た『ブロック』の面子だが、雰囲気は重い。
まず、ネオイビルという正式名称、そのリーダーの判明。
さらに、その最終目標。伝説のポケモン、アスフィアを使い、世界を征服すると言っていた。
そして最後に、変わり果てたマリア、オルディナの存在。
リョーマが、アジト最深部で起こったことを皆に話し、ライロウは、テンモンを守るために先に戻った。
「……ふざけんなよ。何の関係もないマリアを、ただの道具みたいに弄びやがって。マターだけは、絶対に許さない」
レオが小さく、しかし明確な怒りを込めて呟く。
「……しかし、マターが生きていたとはな。確かにイビルと同じ匂いは感じたが、まさか奴がリーダーだとは思わなかったよ」
かつてマターに仕えていたセイラが、口を開く。
「セイラちゃん、そのマターって男は、どんな人なのお?」
「さっき副統率が話した通りだ。自分以外の全てを憎み、全ての人間が悪であるという思想を持つ。自分たちも悪であると気付いているから、目的のためにどんな外道な手段でも平然と取るし、自分の行動の間違いに気付いて止まることはあり得ない。ネオイビルを潰したければ、奴を殺してでも潰すしかない」
「それはともかく、ここからどうするん? このままここで話し合ってても、何にもならへんで」
「とりあえず、目の前の問題さ解決する必要があるだな」
マゼンタとカンタロウが話し始めるが、
「いや、やることはもう決まってる」
二人の話を遮って、リョーマが口を開く。
「テンモンシティへ行くしかねえだろ。これ以上奴らの好きにはさせねえ。ネオイビルを正面から迎え撃つ。宝玉は、絶対に渡さねえ」
そこで。
「そうです、リョーマ!」
エフィシが突然声を上げる。
「どうした」
「あの方は、伝説のポケモンに関わったことがあると話していましたよね。しかも一時期、実際に伝説のポケモンを連れていた。あの方に話を聞けば、何か解決策が見つかるかもしれませんよ!」
「……そうか! その手があった。正直あの人に会うのは気が進まねえけど、今回はそれが得策だな」
エフィシとリョーマの表情に、笑みが戻る。
その話を聞いていたサクラも、納得したような表情を浮かべる。
「エフィシのにーちゃん、どういうことだ?」
「テンモンに、心当たりでもおありですの?」
ホロとテレジアが二人に尋ねる。
「大ありだ。サクラ、もう一回飛行機を出せ。大急ぎでテンモンへ行くぞ」
「了解よお! すぐに手配させるわあ!」
急にいい雰囲気を作り始めた『ブロック』の三人。
「あの、リョーマさん」
「どういうことなんです?」
その状況に困惑する、レオやアスカたち。
「ああ、そうだ。お前らにも説明しないとな」
ようやくリョーマがレオたちの方を向く。
「実はな、テンモンにいい心当たりがいるんだよ。その人はかつて、伝説のポケモンとの関わりがあったんだ。もしかしたら、アスフィアに関することも聞けるかもしれねえ」
その人は、とリョーマは続け、

「『ブロック』創始者にしてテンモンシティの現ジムリーダー、リュードウ先生だ」

Re: 第百六十一話 師匠 ( No.306 )
日時: 2015/05/13 10:38
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: /48JlrDe)

リョーマの口から発せられた名前、リュードウ。
少なくとも、レオが聞いたことのない名前だ。
「リュードウ……どんな人なんです?」
「私知ってますよ。テンモンシティのジムリーダーですよね。前にジム戦を挑みましたけど、とても強かった」
アスカが声を上げる。
確かに、以前アスカはテンモンのジムリーダーと戦ったと言っていた。
「そう。元々リュードウ先生は、七年前にこの『ブロック』を創り上げた人。テラキオンって名前の伝説のポケモンを引き連れ、創始するための資産とか、人材とか、そういうの全てをたった一人で集めた、凄い人だぜ。かく言う俺も、昔やさぐれてた頃に先生に助けられてここに入ったんだ。言うなれば俺の師匠みたいな人だ」
「特にリョーマとか私は問題児だったから、今でも先生には頭が上がらないのよねえ」
飛行機を手配してきたサクラが戻って来る。
「そんな凄い人なのに、何で辞めちゃったんですか?」
「ああ、半年ほど前に犯罪グループ時代のメジストが率いてた組織を潰し、その時に奴の能力で多くの構成員が倒れてしまった話はちらっとしたよな? それで自ら責任を取ってテラキオンを手放し、総統率を辞任し、今の統率と俺に『ブロック』を譲ったってわけだ。テレジアが入ったのは、そのすぐ後だったかな」
「あの時は皆寂しがってましたねぇ。特にライロウさんなんか大泣きでしたからね。だから先生はテンモンのジムリーダーになったって、一時期噂になりましたよ」
エフィシが懐かしそうに語る。
「で、どれくらいの人数で行くかだが……正直、ここの全員で行きたくはねえな。アジトを潰す目的でかなっちの戦力をかなり動員したから、これ以上各街の支部を空けるのもまずい」
「そうですわね。ではリョーマさん、私はこのアカノハに残りますわ」
リョーマの言葉を受け、まずテレジアが声を上げる。
「っし。あぁ、一応マゼンタもアカノハに残ってテレジアのサポートを頼む。まあ仕事はほとんどないと思うが、念のためな」
「ん、ええよ。ちょっと疲れたし、寒いし、ゆっくりしたかっんでちょうどええわあ」
「で、サクラかエフィシだが……うん、サクラ、飛行機はこっちの操縦班に任せるから、シヌマに帰って溜まってる自分の仕事をやれ」
「ちょっとお、またあ? たった一日しか空けてなかったし、そんなに溜まって——」
「うるせえ。カンタロウ、すまんがサクラの見張りを頼む。こいつが仕事を終えるまで部屋から一歩も出さないようにな」
「了解だべ。正直今回は戦い足ンねェだが、こっちはオラに任せるだ。で、空いとるスティラはどうするべ?」
「そうだな……エフィシはこっちに来てほしいから……いや、どうせシヌマの隣だ。何かあったらカンタロウとサクラで向かってくれ」
で、とリョーマは残った面子に向き直り、
「残ったレオとアスカ、セイラ、ホロ。お前たちは俺とエフィシと一緒にテンモンに行くぞ。向こうでライロウと合流し、リュードウ先生に会いにいく。善は急げだ、ちょっと休憩したらすぐ出発するぜ」



「……マターか」
テンモンへ向かう飛行機の中で、セイラが呟く。
「なあ、セイラ。お前は、マターについて、イビルについてどこまで知ってたんだ?」
「正直なところ、私のみならず、七将軍全員、イビルについてはほぼ知らなかった。特に元々親を亡くして貧乏な生活をしていた私やメイサ、元々悪党だったのを買われたカペラやクルサ、そもそも戦うことだけを求めて入団したリゲル。全員がマターの見せる幻想に惹かれていたんだよ。この腐った世界を、報われなかった自分たちの世界を変えるという、大掛かりで空っぽな幻想にな」
少し悲しげに、しかしどこか懐かしそうにセイラは語る。
「だから、私たちは何も知らなかった。まさかマターの操り人形だったなんて、当時は全く予想していなかった。今こっちの計画がメインだったと考えれば、操り人形なんてレベルじゃなかったがな。まさか、ただの捨て駒だったとはな」
「……今になって考えると、イビル七将軍にも被害者はいたんだよな」
「ふふ、今更何を言っている。貴様の行動は、間違ってなかったよ」
しかし、とセイラは続け、
「ウチセトでの計画の破綻から、マターも学んだらしいな。私たち七将軍は捨て駒だったが、マターは今の七天将をまともな戦力と見ている様子が伺える。少なくとも、私たちのような捨て駒では無さそうだ。マターが奴らに魅せるものが幻想か真実かは分からないが、元部下の私から見れば、奴の部下を扱う力は伸びているぞ」
「幻想とか真実とか、そんなものは関係ねえよ」
セイラの話を聞いた上で、レオが口を開く。
「理由はどうあれ、あいつがやっていることは間違ってる、それだけは間違いないんだ。だったら僕たちのやることは、一つしかない」
「ふふ、それでこそ貴様らしい。テンモンではまたトパズが来るぞ、覚悟は出来てるな?」
「勿論さ」
一行を乗せた飛行機は、間も無くテンモンシティへと到着する。



ホクリク地方最後の街、テンモンシティ。
コウホクシティと並ぶホクリク最大の街で、特に商店街はいつでも人で賑わう。
街の入り口には、天を貫くほど巨大な古い門が建てられており、街の中央にそびえ立つ龍を模したような城が、ジムとなっている。
『ブロック』のテンモン支部は、街で一番高いビル。
そのビルの屋上、ヘリポートに、レオたちが乗る飛行機が着陸する。
「やっと来たな。待ってたぜ」
飛行機から降りた一行を、テンモン支部統括、黒づくめの男ライロウが迎え、リョーマが一歩進み出る。
「用は先ほど送った通りだ。先生はもう来てるか」
「ああ、部屋で待ってもらってるよ」
それと、とライロウは続け、
「ついさっき、輝天将から宣戦布告の旨が届いた。三日後の午後三時、宝玉を奪いに来るってよ」
どうやら、ネオイビル側も既に動き出しているようだ。
「そうか。あまり時間もねえってことだな。っし、すぐに先生に話を聞くか」
「先生は会議室で待ってもらってる。こっちだ」
ライロウに案内され、一行はリュードウの待つ部屋へと向かう。


「リュードウ先生。リョーマたちが到着しました」
ライロウがそう伝え、リョーマたちも部屋の中へ入る。
部屋の向こう側に座っているのは、一人の男だ。
黒い髪を立たせ、瞳も黒く、荘厳な顔つき。年は40歳前後だろうか。
スーツの上からでも分かるような筋肉質の頑強な体つきといい、ミヤビとはまた違った強烈な威圧感を感じる。
胸には、リョーマたちと同じ『ブロック』の紋章がある。
「久しぶりだな、リョーマ」
その男が口を開く。力のこもった低い声だが、口調自体は柔らかい。
「お、お久しぶりです、リュードウ先生。相変わらず、変わりませんね」
「ふっ、一時的とはいえ私が再び『ブロック』としてお前たちと活動出来るとは、嬉しいことだ。本来ならリョーマ、お前とも久しぶりに一戦交えたいところだが、流石にそうも言ってられない事態だからな」
どうやら、この男性がリュードウらしい。
リョーマたちにとりあえず座れと促し、全員を座らせると、リュードウは再び口を開く。
「ライロウから聞いているな。N・E団……いや、ネオイビルか。奴らは三日後の午後三時、この街に侵攻してくる。リョーマ、三日で準備は整えられるな」
「もちろんっすよ。三日も要りません、一日で迎撃の準備を整えて、あとの時間はポケモンの調整に使います」
「威勢の良さは相変わらずだな。だが焦りすぎるな、視野を広く持て。一番優先すべきは、宝玉を守ることではない。この戦いと無関係な街の者たちを、巻き込まないようにすることだ。戦力の調整は、その後だ」
「……その通りっすね。奴らは支部を直接狙ってくるでしょうし、当日はポケモンセンターとジムに全員避難させます」
「そうだな、それがいいだろう。お前は状況判断力は高く人をまとめる能力もあるが、周りを見ないで一人で突っ走ることがあるのが玉に瑕だ」
「うへぇ、以後気をつけます」
リョーマが苦笑いして頭を掻く。
リュードウは小さく笑い、
「今日明日の準備は、リョーマとエフィシ、ライロウに任せる。私も最近バトルはしていなかったし、何よりここにいる全員の戦力も知っておきたい。時間はある。それに折角この街に来たのだ、トレーナーとして、ジムバッジに興味がないとは言わないだろう」
そう言って、レオたちの方を向く。
「君たち四人は、この後順番にジムへ来い。この後今日一人、明日三人だ。なあに、これくらいの連戦ごとき大したことはない。戦力の確認も兼ねて、私とジム戦でもしようではないか」

Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.307 )
日時: 2015/05/14 02:48
名前: プツ男 (ID: x8gi1/u3)

どうもお久しぶりです、最後の演奏会も終わり部活も引退、受験生にとうとうなってしまったプツ男です。

前回コメントした時から一年近く経ってしまって話も結構進んでいますね。

ヨザクラでの一件は遂にトパズが堂々と満を持して覚醒。切り札はマカドゥスでしたか。なるほど確かに、マカドゥスって軍人というか、そういうミリ系の人に似合いそうな感じしていますね。自分はマカドゥスかボルトック(?)の二択までは絞っていましたが、どっちかは最後まで絞り切れませんでした。
にしても、このマカドゥスすごいですね・・・立て続けにアスカのポケモンを一蹴した後に乱入してきたライロウのライチュウまでも相手にできるなんて・・・マカドゥスって紙装甲なイメージありますけど、これは流石の軍神ですね。一味違う感じがしました。

そして、レオvsマツリは最初はレオが善戦するも、後半になってポリ乙に押され気味でしたね。
この戦いの決着見るまで、ポリゴン系が機械製だったことを忘れていました。
いやーやっぱりポリ乙のロマン砲はなにかスカっとするものがありますよね、ゲームでも然り、決まった時の爽快感を感じます。
最初、マツリの最後のポケモンを修正するとき、図鑑を見てポリ乙かハピナスかで迷ったんですけど、ハピナスにすると絵面が地味かなと思い、ポリ乙を選んだという小話があったりなかったり・・・

そして、N・E団アジトへの襲撃はこれまた満を持して、聖天将オパールが登場しましたね。
最後の天将は、ガーネット、セドニー、ソライトで赤緑青の三セット、ラピスとトパズで夜と輝の対、なので破天のメジストが対になるというか、セットになる様な天将がいなくてぼっち感があったので、破の反対で、創天将かと密かに思っていました。
オパールは結構渋い感じのポケモン使いますね。あと、イメージが黄色いポケモン。カバルドンは黒色でしたが。
オパールはまだ覚醒を使っていませんが、多分使ったら使ったで何かすごい事が起こりそうだなーとほのかに思っていたりいなかったり。

ガーネットとサクラの下りは毎回笑っています(笑)、今回も一段と強烈な絡み合いで・・・、ガーネットだけ他の団員と違って別の脅威が迫っていて、ちょっとほっこりします。

ここにきて、一気にいろいろな謎が解明されましたね。
N・E団のボスや、NEの意味、これには衝撃でした。
それに続いて登場したオルディナ、おっと、マリアの姿にまた衝撃。
マターは相変わらず・・・というか、より禍々しさを纏って再来した感じがしますね。

せっかく守った3つの宝石もまた襲撃の危機にありますし、今後の展開が気になるところです。と、その前にジムリーダーリュードウとの対戦、一発で勝てるかどうか・・・

あ、最後に。マツリのキャラクターシートを全体的な文章の校正をしました。言い回しの変化・・というか、1,2年前の自分の国語力に絶望して直しました。
あと、服装をラフな格好から真面目な格好への変更、ヨザクラでのレオとの交戦を経ての僅かな心境の変化、過去についてのちょっとした掘り下げ等、細々としたところを変更しています。一気に大量に変更したり追加したり、申し訳ありません。もし駄目な点がございましたら、何なりとお申し付けください。

それでは、長文失礼いたしました。これからも執筆頑張ってくださいね!

Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.308 )
日時: 2015/05/15 14:50
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: /48JlrDe)

>>プツ男さん
コメントありがとうございます!
久々にコメントが来て、私感激しております。
プツ男さんもついに受験ですか……受験勉強はとても大変ですが、頑張ってくださいね。

トパズの切り札は、隻眼のマカドゥスです。
トパズの最後のポケモンは電気タイプにしようと決めていたので、彼に合いそうな電気タイプを探したところマカドゥスしかいませんでした。
あの装甲を纏ったような見た目が、軍神にはぴったりに感じたので。
何と言っても天将で唯一覚醒率を操れる、七天将のリーダー格の切り札ですからね。
第三位のラピスと比べても、その実力は圧倒的です。
……まあ、後述するオパールはさらに上をいくんですが、それはまたその時に。

ポリゴンZの破壊光線は確かに好きですね。
ゲームでも小説でも、大技が炸裂したときは爽快感がありますよね。
私的にもポリゴンZの方がよかったと思いますよ。
あくまでも自分の感覚ですが、ポリゴンの方がマツリに合っている気がします。

そうですね、先ほど名前を出してしまいましたが、ようやく最後の天将の登場です。
今はまだそんな感じでもないかもしれないですが、彼女は七天将の中でも一際異質な存在です。
その正体は……これは伏せておきましょうか。
そうなんですよね。手持ち全員が黄色になってしまったので、カバルドンを♀にしたという裏話があります。
覚醒せずともレオを追いつめるだけの実力を持った天将。その覚醒時の実力は、楽しみにしていてください。

ガーネットと会うたびにサクラの荒ぶり具合が増している気がしますね。
今回はブレイズに救われましたが、初期の頃のガーネットの威圧感はどこへやら……どうしてこんなに小物化しているんでしょうね。

ネオイビル、復活したマター、そしてオルディナ。
執筆を始める前にこれは入れたいと思っていた要素を、ようやく出すことが出来ました。
そうですね、一年間のうちにマターはさらなる狂気と畏怖を手に入れています。
少なくとも、前作以上の難敵であることは間違いありません。

ここからレオやリョーマたち『ブロック』はどうやって宝玉を守るのか、そしてレオのジム戦の行方はどうなるか、それはここからのお楽しみです。

了解です、後ほど確認しておきます。
基本的に設定追加は全く無問題ですが、全てに触れることは出来ないかもしれないので、それだけはご了承ください。

Re: 第百六十二話 青海龍 ( No.309 )
日時: 2015/05/27 11:56
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: /48JlrDe)

突然提案された、リュードウとのジム戦。
リョーマとエフィシ、そしてライロウは、ネオイビル迎撃の準備に取り掛かるべく、既に部屋を出て行き、リュードウも先にジムへ向かった。
「とりあえず、挑戦の順番はどうする?」
「私は最後でいいぞ」
レオの言葉に真っ先に答えたのはセイラだ。
「正直、ジム戦にさほど興味はない。先に貴様たちが行ってくるといい」
「分かった。じゃ、あとは適当にじゃんけんでいいか」
レオの提案に頷くホロとアスカ。
じゃんけんの結果、今日行く一番目がアスカ、明日の二番目がレオ、三番目がホロとなった。



リョーマに休んでいていいと言われたので、ポケモンセンターの部屋を借りることにした三人。
ロビーでアスカを待っていると、日が暮れ始めた頃、ようやくアスカがポケモンセンターに戻って来た。
「お、アスカねーちゃん! ジム戦どうだった?」
ホロがアスカに駆け寄り、アスカは疲れた表情に笑みを浮かべて、バッジケースを取り出し、それを開く。
「ふふ、この通り。何とかリベンジ成功よ。それでもかなりギリギリだったけど」
そこには見事、八個目のバッジが填め込まれていた。
「おおー、すっげー! これでポケモンリーグへ出場出来るんだな!」
「まあね。あんたたち、これだけ教えてあげる。リュードウさんは強者揃いのドラゴンポケモンの使い手。あとは自分の目で確かめなさい。私は疲れたから休んでるわ」
そう言ってアスカはバッジケースを仕舞い、セイラの横に座る。
「ドラゴンポケモンか……。どれだけカッコいいポケモンが出て来るのか、今から楽しみだぜ! なぁ、レオにーちゃん!」
「ああ! 俄然燃えてきた、明日が楽しみだ!」
明日のジム戦に燃える二人を眺め、セイラがやれやれといった様子で首を振る。
「早くも燃え上がるのはいいが、明日までそれを保てるのか? ジム戦前に燃え尽きても知らないぞ」
「大丈夫だって! 今から楽しみでたまんないんだ! よーしホロ、今から食堂行くぞ!」
「オッケー! どっちが沢山食べられるか勝負しようぜ!」
言うが早いか、レオとホロはポケモンセンターの食堂へと走り去ってしまう。
「やれやれ。あのやる気と気力が三日後まで持ってくれるといいんだがな」
「まあ大丈夫よ。レオは昔からああいう奴だから」
残った女性陣二人は、顔を見合わせて小さく笑う。



ジム戦の日、レオは朝一でテンモンジムに向かった。
体調は万全。ポケモンもベストコンディション。
龍を模した大きな城、その最上階へ、レオは突き進んでいく。
「お願いします!」
大きく叫んで、レオは城の最上階、リュードウが待ち受ける部屋の扉を開ける。
壮大な龍が豪華に描かれた壁、四方に大きな龍像が立つバトルフィールド。
その向こう側、壁際にアルファベットのYのような独特の形をした銀色の西洋兜に同色の甲冑が立ち、その前には最後のジムリーダー、リュードウが立つ。
「よく来たな、待っていたぞ。名前は確か、レオだったな」
「はい。ホクリク最後のジムに、挑戦しに来ました!」
「いいだろう。バトルの前に言葉などいらぬ、早速始めるとするか。使用ポケモンは五体だ。準備はいいな?」
「はい! いつでもいけます!」
レオの言葉を聞き、リュードウは小さく頷き、モンスターボールを取り出す。
「では、行くぞ! 大海に臨め、ギャラドス!」
リュードウの一番手は、いきなりの大物。
東洋の青い龍のような姿をしており、その巨体は7メートルを超えるほど。
凶悪ポケモンのギャラドス。水・飛行タイプだが、その見た目はまさに巨大な龍。
「ッ、でかい……! 初っ端から、こんな大物か!」
しかし、恐れることはない。これより大きいポケモンを、レオは見てきている。
「でも倒してやるぜ。まずは頼んだぞ、レントラー!」
対するレオのポケモンはレントラー。
水・飛行のギャラドスに対し、電気は非常によく効く。
ギャラドスは大きく咆哮を上げ、それに負けじとレントラーも吼え、互いに相手を威嚇する。
「なるほど、よく育てられたレントラーだ。それでは、その力を見せてみよ!」
「上等です! レントラー、ギガスパーク!」
先攻を取ったレントラーが激しく破裂音を立てる巨大な電撃の砲弾を作り上げ、ギャラドス目掛けて撃ち出す。
「ギャラドス、ストーンエッジ!」
ギャラドスの周囲を、無数の白い光が舞う。
光は刃のように鋭い無数の岩を形作り、その岩が一斉に放たれる。
岩の刃が電撃の砲弾を破壊し、さらにレントラーを狙う。
「燃やせ! レントラー、怒りの炎!」
レントラーは憤怒の感情の如く激しく荒れ狂う炎を放ち、ストーンエッジを薙ぎ払う。
「炎など脅威ではない。ギャラドス、龍の舞!」
辺りを囲む炎など気にせず、ギャラドスは龍の力を込めて激しく舞う。
レントラーの威嚇で下がった攻撃力を戻し、さらにスピードを上げる。
「スプラッシュだ!」
ギャラドスが尾に水を纏わせ、その尾を振り回す。
放たれる水飛沫が、一瞬で辺りを鎮火する。
「では反撃と行こうか。ギャラドス、地震だ!」
ギャラドスが太い尾を床に叩きつける。
地面を大きく揺らして相手の動きを止め、衝撃波を飛ばす。
「レントラー、躱して氷の牙!」
しかし、ギャラドスが尾を振るう直前にレントラーは跳躍し、地震を躱す。
そのまま牙に長く鋭い氷を纏わせ、上空からギャラドスへ食らいつく。
「ギャラドス、スプラッシュ!」
ギャラドスの尾が再び水を纏う。
水飛沫を散らしながら大きく尾を振るい、レントラーを迎え撃つ。
レントラーの牙とギャラドスの尾が激突するが、氷の牙がギャラドスの尾に食い込み、水を徐々に凍りつかせる。
しかし、
「ギャラドス、地震だ!」
ギャラドスは怯みもせず、尻尾をレントラーごと地面に思い切り叩きつけ、効果抜群の一撃を与えて強引に引き剥がし、さらに、
「ストーンエッジ!」
ギャラドスの周囲を無数の岩の刃が舞う。
刃はレントラーに矛先を向けると、一斉に撃ち出される。
「くっ、レントラー、ギガスパーク!」
何とか体勢を立て直し、レントラーは巨大な電撃の砲弾を放つ。
無数の岩の刃は、電撃の砲弾に相殺される。
(やっぱり、攻撃ダウンはきついな……!)
ギャラドスの特性・威嚇によって、レントラーは攻撃力を下げられている。
それだけならお互いの条件は同じだが、ギャラドスは攻撃力を上げられる技、龍の舞を持っている。
そのせいで、どうしてもレントラーが押し負けてしまいやすい。
「……しょうがない。始まったばっかりだけど、レントラー、一旦戻ってくれ」
攻撃力の低下が辛いと判断し、レオはレントラーを一旦戻す。
「この手のパワータイプに対しては、こいつかな。頼んだぞ、ディザソル!」
交代でレオが繰り出したのはディザソル。
ギャラドスの攻撃は強力な分、大振りなものが多いので、ディザソルならその隙を突けるという判断だ。
「なるほど、二番手はディザソルか。先ほどのレントラーにも負けない強さを感じるぞ」
「ありがとうございます。実際、このディザソルも強いですよ」
「ほう、どんなものか楽しみだ。ギャラドス、ストーンエッジ!」
ギャラドスの咆哮とともに、その周囲に岩の刃が渦巻く。
ディザソルへと狙いを定め、岩の矛先を向けて一斉に撃ち出す。
「ディザソル、躱して辻斬り!」
持ち味の瞬発力を生かし、ディザソルは岩の刃を全て躱し、直後に一瞬でギャラドスとの距離を詰め、額の刃を振るってギャラドスを瞬時に二度切り裂く。
「……随分と速いな。ならばこちらも動こうか。ギャラドス、龍の舞!」
再びギャラドスは龍の力を得て激しく舞う。
さらに能力を上昇させて、ディザソルを見据え、
「スプラッシュ!」
初めてギャラドスが自分から攻撃に動く。
とぐろを巻いた体を伸ばすと、まるで蛇のように自らの体で瞬時にディザソルを囲い、ディザソルの逃げ場を封じて水を纏った尾を叩き込む。
「ッ! ディザソル、神速だ!」
対してディザソルは目にも留まらぬスピードで、ギャラドスの顔と尾の間の僅かな隙間を潜り抜け、何とか逃れる。
「ほう、この一手を躱すとは、なかなかやるな」
「へへっ。そんな動きも出来るとは、意外でしたけどね。巨体の割に随分と動きが速い」
「龍の舞によってスピードも上昇しているからな。ギャラドス、地震!」
「ディザソル、躱してサイコカッター!」
ギャラドスが尻尾を地面に叩きつけるが、ディザソルは跳躍して衝撃波を躱し、額の刃に念力を纏わせて二本の念の刃を飛ばす。
「ギャラドス、ストーンエッジ!」
ギャラドスの周囲に、無数の岩の刃が渦巻く。
無数の岩がギャラドスを守る盾となり、サイコカッターを防ぎ、
「撃ち出せ」
残った岩の刃が、ディザソル目掛けて発射される。
「撃ち落とせ! ディザソル、火炎放射!」
ディザソルは灼熱の炎を鞭のように振るい、無数の岩を撃墜する。
「スプラッシュ!」
「辻斬り!」
尾に水を纏わせたギャラドスが動くと同時に、ディザソルも地を蹴って飛び出す。
動きを封じようと襲い来るギャラドスの胴体を次々と掻い潜り、最後の尾の一撃を何とか躱し、そのすれ違いざまに額の刃を瞬時に二度振るい、ギャラドスを切り裂く。
「逃がすな! ギャラドス、地震!」
しかしギャラドスも怯まない。太い尻尾を地面に叩きつけて大地を揺らし、ディザソルの動きを止めて衝撃波で吹き飛ばす。
「ッ、流石です。ディザソルの辻斬りをまともに受けた状態で、すぐにそこまで動けるなんて」
「君のディザソルの動きも相当なものだ。これは面白いバトルになりそうだな」
まだ勝負は始まったばかり。
ギャラドスとディザソルも、双方の敵を見据えて睨み合う。

『テンモンシティジム ジムリーダー リュードウ  龍が如き者』


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