二次創作小説(紙ほか)
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- ポケットモンスター 星と旋風の使徒
- 日時: 2017/01/28 12:25
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22078
どうも、初めましての人は初めまして、そうでない人はこんにちは。パーセンターです。
えー、また始まってしまいました。四作目ですね。
今作は前作の完全続編となっております。
参照をクリックすれば、前作に飛びます。
レオの新しい冒険が、始まります。
※注意
・例によって例のごとくノープランです。
・パーセンターは大学生でございます。現在数々の課題に追われて更新頻度が非常に低いですがご了承ください。
・登場するポケモンが色々とややこしいです。詳しくは近々やるオリキャラ募集のときに説明しますが、簡単に言うと『プラチナのシンオウ図鑑に載っているポケモン+ベガでのみ登場するポケモン』となります。
これくらいですね。
内容としては、前作と同様、オリジナルの地方でのゲームのような冒険ものとなります。
それでは、よろしくお願いします。
登場人物
味方side >>25
N・E団side(ネタバレ注意)>>153
用語(ネタバレ注意)>>342
プロローグ >>1
シラハタウン&メガキタウン編
>>6 >>20 >>22
ハスバナシティ編
>>27 >>31 >>32 >>34 >>36
デンエイシティ編
>>39 >>40 >>41 >>42 >>45 >>46 >>50 >>53
アカノハシティ編
>>55 >>57 >>58 >>62 >>63 >>64 >>65 >>68 >>70 >>72 >>74 >>75 >>79 >>80
コウホクシティ編
>>81 >>82 >>83 >>84 >>87 >>88 >>89 >>93 >>94 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>106 >>107 >>108 >>111 >>112 >>115 >>116 >>117 >>118
ツクモシティ&スティラタウン編
>>121 >>122 >>123 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>138 >>145 >>152 >>157 >>158 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>171 >>172 >>173 >>175 >>176 >>177
シヌマシティ編
>>178 >>179 >>180 >>185 >>186 >>188 >>189 >>190 >>193 >>194 >>195 >>199 >>200 >>206 >>207 >>210 >>211 >>214 >>215 >>216 >>217 >>218 >>221 >>222 >>223 >>224 >>227 >>229 >>230 >>233
ヨザクラタウン編
>>234 >>235 >>236 >>242 >>243 >>246 >>247 >>248 >>251 >>254 >>255 >>256 >>257 >>258 >>259 >>260 >>261 >>264 >>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>273 >>274 >>275 >>276 >>277 >>280 >>281 >>283 >>284 >>285 >>288 >>289 >>290 >>291 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>303 >>304 >>305
テンモンシティ編
>>306 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>322 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>340 >>341
四天王&チャンピオン編
>>343 >>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>352 >>355 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>373 >>378 >>379 >>380
N・E団編
>>383 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>390
決戦編
零節 都市
>>391 >>392
一節 碧天
>>393 >>400
二節 緋天
>>394 >>401
三節 蒼天
>>395 >>404
四節 破天
>>396
五節 夜天
>>397
六節 輝天
>>398
七節 聖天
>>399
非公式(ベガ)ポケモン図鑑 >>5
- Re: 第十七話 再会 ( No.55 )
- 日時: 2013/08/15 13:41
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
次の日。
レオは、デンエイシティを出、デンエイ炭鉱の中を歩いていた。
多少迷うものの、基本的にはまっすぐ進めば次の町に着く、とユカリは教えてくれた。
「しっかし、ここって野生ポケモンはいないのかね。人工の洞窟とはいえ、全然使われてないんだし、いてもいいんだけどなあ。新しいポケモンも欲しいし」
そんなことを呟きながら進むレオは、少し大きめの石のようなポケモン、イシツブテが道の脇に隠れていたり、天井で蝙蝠ポケモンのズバットが眠っていることには気づいていない。
「ま、いっか。欲しいポケモンが出て来たら、ゲットする感じでいいだろう」
薄明かりに照らされている炭鉱を、レオは歩いていく。
炭鉱を抜け、さらにしばらく進めば、次の町、アカノハシティはもうすぐである。
アカノハシティ。
ハスバナシティやデンエイシティと比べると、かなり大きめな町だ。
かといって、都会という訳でもない。
建物も確かに多いものの、辺りを見渡す限り、植物が多いし、中央の大通りには色々な種類の木が植えられている。
また、立っている建物も決して高くそびえ立っている訳ではない。通りや建物を見た感じでは、かなり和風の町に見える。
ポケモンセンターも町の外観を崩さないようにするためか、木で作られているような塗装がされていた。
レオは今、ポケモンセンターで町のパンフレットを読んでいる。
『この町に植えられている木は、春、夏、秋によい見栄えとなる木にバランスよく分けられています。加えて冬は雪景色が美しく、どの季節に来ても町の美しさを感じることが出来るのです』
今は夏の初め頃だが、最大の見どころは秋で、美しい紅葉を見ることが出来るらしい。
町の名前も、そこから『アカノハ』と付いたようだ。
「……へーえ。で、町の名所は……アカノハ植物園、自然研究所……」
他にもいろいろあるが、ほとんどが植物や自然関連だ。
しかし、レオが真っ先に行くところは一つ。
「さて、ジムへと行くか!」
読み終わったパンフレットをゴミ箱へと投げ捨て、レオは早速ジムへと歩き出す。
アカノハジムは、この町では一、二を争うほど大きな建物だ。
とは言え、この町の建物自体が小さいため、アカノハジムもデンエイのものと比べると少し小さい。
「お、ジムが見えてきたぞ。よっし、今回のジムも頑張ってくぞ!」
ジムを確認して、気合を入れ直し、レオが走り出そうとしたところで、
「レオ? お前、レオか?」
突然、後ろからレオを呼ぶ声。
その声には、聞き覚えがあった。
「! この声……!」
パッと後ろを振り向くと、そこに立っていたのは、レオと同じくらいの年齢に見える少年。
白髪のショートヘアーで、白い服に黒い翼のような模様が描かれ、非常に身軽そうな格好をしている。
「やッぱレオでねェか! 久スぶりだッぺ!」
そして、その少年は特有の訛りのある声で、笑顔を浮かべる。
間違いない。こいつは、
「カンタロウじゃないか!」
この少年の名は、カンタロウ。
一年前、レオがポケモンリーグで戦った、ホウエン地方生まれの鳥使いの少年だ。
ジム戦のことをすっかり忘れ、レオとカンタロウはポケモンセンターに戻っていた。
「それにスても、まさかこげなところでお前と会うとは思わンかッたッぺ。何でホクリクに来てた?」
「父さんの手伝いさ。ホクリクを旅して、たくさんのポケモンの情報を集めて来てくれって。カンタロウは?」
「オラはウチセトさ旅した後、ジョウト、カントーと、西へと旅を続けてただ。ほンで次は北にあるホクリクさ旅してンだ。ホクリクが終われば、トーホク、シンオウを旅する予定だべ」
どうやら、カンタロウはウチセトの旅を終えた後、さらにいろいろな地方を旅していたようだ。
「その旅が終われば、もォ一度ホウエンリーグに出るだ。そこで優勝して、公式的にジムリーダーに挑戦スて、そこで勝って、オラはジムリーダーなるンだッぺ」
つまり、ジムリーダーになるための修行、ということだろう。
「育ててある奴らを三体、新しい鳥ポケモン三体で旅してッぺ。そォだ、レオ。お前、バッジ何個集めただ?」
「僕はまだ二個さ。この後ジムに挑戦する予定だ。ちなみに僕は完全に新しいメンバーで旅してるよ」
「二個か。オラは三個だべ。オラもこの後、アカノハジムさ挑戦するつもりだッぺ」
となると、お互いにこれからジムの予定。
そうなれば、いや、仮にそうなっていなかったとしても、この後二人がやることは、
「だったら、せっかく久しぶりに会ったんだ」
「分かッてッぺ。もツろン、バトるしかねェッてなァ!」
レオ対カンタロウの、バトルが始まる。
「レオ、お前のポケモンはみンな新しいらスいから、オラも新メンバーさ使ッてバトルすッぺ。三対三で異存ねェな?」
「ああ、それでいいぜ」
レオとカンタロウは、同時にボールを取り出す。
「出て来い、ルクシオ!」
「羽ばたけ、コクジャク!」
レオのポケモンは、相性で有利なルクシオ。
カンタロウのポケモンは、壺に入り、足と首を出したような鳥ポケモン。水色の羽には、無数の羽がある。
惑わしポケモンのコクジャク、エスパー・飛行タイプ。
「電気タイプで来ただか。だけンど、オラは世界に羽ばたく鳥使い。苦手タイプ対策は万全だべ」
「そうこなくっちゃな。タイプ相性だけで簡単に勝ったら、つまんないもんな」
ルクシオは牙を剥きだしてコクジャクを睨み付け、威嚇する。
コクジャクも羽に潜んだ無数の目を一斉に見開き、ルクシオの威嚇へ対抗する。
- Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.56 )
- 日時: 2013/02/18 19:50
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: gpFiwkqb)
>>白黒さん
某もすって一人しかいないじゃないですかww
それはさておき、遂に天将、まずは緋天将と蒼天将(名前のみ)の登場です。
ベガとシンオウ図鑑とにらめっこし、高貴っぽいポケモンを探した結果、グレイシアとなりました。確かにエーフィでもよかったかも。
ニンフィアを除けば、一応七人ですから、数は合いますけどね。
血筋は純粋にあれですね、ガーネットの生まれを指しています。
懐かしのあの人は、鳥使いのあいつです。コメントとすれ違いで更新してしまいましたが。
この台詞もガーネットの性格をよく表してます。
コガネ弁の彼は「じゃあね!」でしたね。若干雰囲気が似てる気がしないでもないですが。
- Re: 第十八話 鋼尾 ( No.57 )
- 日時: 2013/08/15 13:42
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
「そンなら行くべ! コクジャク、目覚めるパワー!」
コクジャクは黄土色の球体のパワーを放つ。
「この色は……地面タイプだな。ルクシオ、躱してメガショック!」
地面技は、電気技で相殺することは出来ない。
だからルクシオは跳び上がって球体のパワーを躱すと、バチバチと弾ける電撃を放つ。
「電気技は当たれねェなァ。コクジャク、躱して瞑想だべ!」
コクジャクは素早く電撃を回避すると、精神力を研ぎ澄ませ、特殊能力を高める。
「積み技があるんだな。だったらルクシオ、こっちもだ! 帯電!」
コクジャクの瞑想を確認すると、すぐさまルクシオは電気を体内に溜め込み、攻撃と特攻を上げる。
「おおッ、お前も積み技持ちだか? コクジャク、シャドーボール!」
コクジャクは影の弾を作り上げ、ルクシオ目掛けて発射する。
「ルクシオ、アイアンテールで打ち返せ!」
対して、ルクシオは尻尾を鋼のように硬化させ、向かってくる影の弾をバットのように振り、打ち返す。
「コクジャク、シャドーボールだべ!」
跳ね返されて飛んでくる影の弾を、コクジャクは別の影の弾を二発放って、最初の一発目で相殺する。
さらに間髪入れずに飛んできた二発目の影の弾がルクシオに命中する。
「さあ追撃だッぺ! コクジャク、サイコキネシス!」
コクジャクは強い念力を発生させ、念動力の波を飛ばして追撃する。
「回避は間に合わないな……ルクシオ、メガショック!」
体勢が整っていないため、回避は不可能。
ルクシオはバチバチと音を立てて弾ける電撃を放ち、念力の波を何とか相殺する。
「そろそろ反撃と行こうぜ! ルクシオ、辻斬りだ!」
ルクシオは一瞬でコクジャクのすぐそばまで近づき、隠した爪を出し、すれ違いざまにコクジャクを切り裂く。
「やるなァ! コクジャク、シャドーボール!」
斬撃を喰らい、コクジャクは大きく体勢を崩しながら、それでも何とかルクシオへと影の弾を発射する。
「ルクシオ、回避!」
「させンッぺや! コクジャク、連発だべ!」
ルクシオは跳んで影の弾を避けるが、それを追撃するべくコクジャクはさらに立て続けに影の弾を放っていく。
「避けきれないな……ルクシオ、メガショック!」
ルクシオは回避を諦め、弾ける電撃を次々と放っていき、影の弾を片っ端から粉砕していく。
「当たンねェッぺな……ならコクジャク、こうすッぺ。シャドーボール一斉射撃からの目覚めるパワー!」
コクジャクは一旦影の弾の連発を止めると、羽の目をカッと見開き、五発の影の弾を一斉に放つ。
「避けきれる量じゃねえな……ルクシオ、もう一度メガショック!」
ルクシオは広範囲へと音を立てて弾ける電撃を発射し、影の弾を相殺。
大量の影の弾を一斉に打ち消したため、煙が上がる。
しかし、
「甘いべ!」
煙を突き破って黄土色の球体のパワーが飛来し、ルクシオにまともに命中する。
この目覚めるパワーは地面技。メガショックを受けても打ち消されることなく、シャドーボールの後ろから迫ってきていたのだ。
地面技は電気タイプのルクシオに効果抜群。ルクシオは大きなダメージを受け、吹っ飛ばされる。
「さあ次だべ! コクジャク、サイコキネシス!」
吹っ飛ばされるルクシオ目掛けて、コクジャクはさらに念動力の波を発射し、ルクシオを追撃する。
「くそっ、ルクシオ、メガショック!」
ルクシオは体勢を崩しながらも何とか弾ける電撃を放つ。
十分な威力は出ず、相殺は出来なかったが、威力は随分弱まり、ルクシオに大きなダメージはない。
「ルクシオ、もう一度帯電だ!」
「そう悠長に積ンでる暇ァねェべ! コクジャク、目覚めるパワー!」
ルクシオは体に電撃を溜め込み、攻撃能力を上げようとするが、コクジャクは素早く黄土色の球体のパワーを放ち、ルクシオの帯電を妨害する。
「くそっ! ルクシオ、躱してアイアンテール!」
ルクシオは帯電を中止し、ジャンプして球体のパワーを躱し、そこから尻尾を硬化させ、一回転してコクジャクに尻尾を振りかざす。
「コクジャク、躱してサイコキネシス!」
コクジャクは後ろに下がって尻尾の一撃を避けると、念動力の波を放って反撃する。
「サイコキネシスにはこれだ! ルクシオ、辻斬り!」
ルクシオは爪を振るい、念動力を強引に切り裂いてしまう。
このコクジャクはサイコキネシスをちょくちょく使用するものの、相手のポケモンを持ち上げる、という戦法は使ってこない。
「こいつはサイコキネシスを覚えたばッかでなァ、まだ上手くは使いこなせねェだ。まだ波での攻撃しか出来ねけンど、いずれもッと強くなるべ。コクジャク、シャドーボール!」
コクジャクはすかさず影の弾を発射する。
「ルクシオ、躱して辻斬り!」
ルクシオは影の弾を避けると、コクジャクまで一気に接近し、爪で斬りかかる。
「コクジャク、来るべ! サイコキネシスだ!」
コクジャクは素早く念動力の波を放ち、コクジャクの爪の一撃を何とか相殺する。
「メガショック!」
「目覚めるパワー!」
ルクシオはバチバチと弾ける電撃を発射するが、コクジャクは黄土色の球体のパワーを放ち、電撃を突き破る。
「ルクシオ、躱してアイアンテール!」
ルクシオは球体のパワーを躱し、尻尾を硬化させてコクジャクへと振るうが、
「コクジャク、後退だべ!」
コクジャクは後ろへと退き、尻尾の一撃を避ける。
(あれ……?)
ここでレオは違和感に気付いた。
(このコクジャク、何でこんな頑なにアイアンテールを避けるんだ?)
思えば、先ほどからコクジャクはシャドーボールに弾かれて以降、ずっとアイアンテールを避けている。
(どういうことだ……? 避けているってことは、つまり……あ)
ここでレオは閃いた。
コクジャクは、メガショックは目覚めるパワー、辻斬りはサイコキネシスで相殺できる。
しかし、アイアンテールだけは、どの技を撃っても相殺できないのだ。
瞑想を積めば突破できなくもないだろうが、積んでいる間にメガショックの餌食になることは明らかだ。
レオの作戦は一つ。アイアンテールで、隙を作る。
「っし! ルクシオ、アイアンテール!」
だから、すかさずレオはアイアンテールを指示する。
ルクシオは尻尾を硬化させて飛び上がり、一回転してコクジャクへと尻尾を振り下ろす。
「コクジャク、躱してシャドーボール!」
コクジャクはやはり後ろに下がって尻尾を避けた。これでレオは確信する。
そして、そのレオの意図を知らないまま、コクジャクは影の弾を発射する。
「もう一回転だ!」
そこでルクシオはもう一回転し、影の弾を弾き返す。
「おおッ、コクジャク、シャドーボール二発だべ!」
コクジャクは一発目の影の弾で、跳ね返されたシャドーボールを破壊。
煙が上がるが、気にせずコクジャクはもう一発影の弾を放ち、ルクシオを狙う。
しかし、
「辻斬り!」
すでにルクシオはそこにいなかった。
いつの間にかコクジャクの横へと接近していたルクシオは、爪を振るってコクジャクの急所を的確に切り裂く。
「何ッ、いつの間に……!」
「とどめだ! メガショック!」
その隙を作ったところへ、ルクシオはバチバチと弾ける電撃を放つ。
電撃はコクジャクに突撃し、コクジャクは地面へと落ち、戦闘不能となった。
「おー、コクジャクがやられツまッたか。コクジャク、よー頑張ッたべ。休ンでな」
カンタロウはコクジャクをボールへと戻す。
「流石はレオだなや。ポケモンの強さちゃんと引き出してる。だけンど、オラの鳥ポケモンは、これくらいで終わるほど弱かねェべ」
「上等だぜ。どんなポケモンでもかかってこいよ」
レオの言葉に、カンタロウは笑みを浮かべ、次のボールを取り出す。
- Re: 第十九話 大音量 ( No.58 )
- 日時: 2013/08/15 13:43
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
「さァ、オラの二番手! 羽ばたけ、ペラップ!」
カンタロウの二番手は、頭が黒い音符の形をしており、体はカラフルな羽毛が生えている鳥ポケモン。
音符ポケモンのペラップ。ノーマル・飛行タイプだ。
「ペラップか……このポケモンも、ウチセトで見たことあるな」
レオの記憶が正しければ、非常に物まねが上手いポケモンだったはずだ。
「ルクシオはもォ体力さ少ねェはずだべ。決めちまうべや、ペラップ、ダークカッター!」
『ダークカッター!』
ペラップはカンタロウの指示を復唱し、羽を羽ばたかせ、黒い刃を飛ばす。
「ルクシオ、メガショック!」
対してルクシオはバチバチと弾ける電撃で刃を破壊。
「アイアンテールだ!」
続けてルクシオは尻尾を硬化させ、ペラップに振りかざすが、
「ハイパーボイスだべ!」
『ハイパーボイス!』
ペラップは大音量の鳴き声を発し、ルクシオを吹っ飛ばす。
ルクシオは押し負け、吹っ飛ばされる。コクジャク戦で大きいダメージを追っていたルクシオは、ここで戦闘不能となってしまう。
「ルクシオ、よくやった。戻って休んでてくれ」
レオはルクシオを労い、ボールに戻し、次のボールを構える。
「次はお前だ! 頼んだぜ、トゲピー!」
レオの二番手はトゲピーだ。
「おおッ、トゲピーか。進化すッと……いや、言わンでおくべ。ペラップ、エアカッター!」
『エアカッター!』
ペラップは飛び上がると、羽ばたいて風の刃を飛ばす。エアスラッシュよりは刃が小さい。
「トゲピー、原始の力!」
トゲピーは宙に岩を浮かべ、風の刃を防御し、すかさず岩をペラップ目掛けて放つ。
「ペラップ、鋼の翼!」
『鋼の翼!』
対してペラップは翼を鋼のように硬化させ、岩を粉砕しながらトゲピーへと襲い掛かる。
「トゲピー、頭突き!」
トゲピーも額を突出して跳び、ペラップの鋼の翼を迎撃する。
翼と頭がぶつかり合うが、威力は互角で、しばらく競り合った後お互いに退く。
「ペラップ、ハイパーボイス!」
ペラップは息を吸い込み、大音量で鳴き声を上げて衝撃波を起こす。
どうやら二度目以降の技は復唱しないようだ。
「トゲピー、原始の力!」
トゲピーは宙に岩を浮かべ、再び防御の構えを取るが、衝撃波の勢いがレオが思ったよりも強く、岩を弾き飛ばしてしまう。
「ダークカッターだべ!」
そこにペラップは黒い刃を放ち、壁を失ったトゲピーを切り裂く。
「畳み掛けるべ! ペラップ、鋼の翼!」
体勢を崩すトゲピー目掛けて、ペラップは鋼のように硬化させた翼を広げて襲い掛かる。
「だったらトゲピー、神通力!」
トゲピーは素早く体勢を取り戻すと、神々しい念動力を放ってペラップの動きを止める。
「よっしゃ、叩きつけろ!」
そのままトゲピーは念力を操作し、ペラップを地面へと叩きつける。
「原始の力!」
さらにトゲピーはいくつかの岩を宙に浮かべ、ペラップへとその岩を投げつける。
「おおッ? ペラップ、ハイパーボイス!」
地面へと伏しながらも、ペラップは大音量の鳴き声を発して衝撃波を起こし、岩を吹き飛ばす。
全ての岩は吹き飛ばせず、少し当たるが、ダメージは最小限に抑える。
「ッしゃ、反撃だッぺ! ペラップ、エアカッター!」
ペラップは飛び上がり、羽ばたいて風の刃を飛ばす。
「トゲピー、躱して頭突きだ!」
トゲピーは大きく跳び上がって風の刃を躱し、上空から頭を突き出して急降下する。
「へへッ、効かねェべ! ペラップ、ハイパーボイス!」
しかしペラップはトゲピーへと大音量の鳴き声を上げ、逆にトゲピーを吹っ飛ばす。
「トゲピー! 大丈夫か?」
地面に落ちるトゲピーだが、すぐに起き上がり、頷く。
(あのハイパーボイスが厄介だな……)
ペラップのハイパーボイスが威力が高く、トゲピーの神通力以外の攻撃が弾かれてしまう。
かと言って、神通力ばかりを使っていればすぐに対策されてしまう上に、神通力でハイパーボイスを相殺できる訳でもない。
「さァ、そのトゲピーの戦略さ読めたし、行くべ! ペラップ、エアカッター!」
ペラップは再び羽ばたいて、風の刃を飛ばす。
「トゲピー、原始の力!」
対してトゲピーはいくつかの岩を宙に浮かべて、風の刃を防ぐが、
「読めたッつッたろォが! ペラップ、ハイパーボイス!」
ペラップはすかさず大音量の鳴き声で衝撃波を放ち、岩をまとめて吹き飛ばす。
「もォ一発だべ!」
さらにペラップはもう一度大声による衝撃波を放ち、まともにトゲピーへと命中する。
トゲピーは衝撃波の直撃を喰らい、大きく吹っ飛ばされる。
「攻撃の手ェ緩めンな! ペラップ、ダークカッター!」
間髪入れずにペラップは羽ばたき、黒い刃を飛ばす。
「まずい、何か来てくれ! トゲピー、指を振る!」
吹っ飛びながらもトゲピーは指を振り、手の先が青白く輝いていく。
次の瞬間、トゲピーの周囲に緑の結界が張られ、ダークカッターを防ぐ。
守るが発動したのだ。
しかし、
「くそっ、これじゃ駄目だ……!」
ダークカッターは防いだものの、これでは気休め程度にすぎない。
守るの結界は攻撃を一撃防げば消えてしまうからだ。トゲピーはまだ、体勢を立て直しきれていない。
「貰ッたべ! ペラップ、ハイパーボイス!」
トゲピーはまだ体勢を立て直しておらず、そこに大音量の衝撃波が襲い掛かる。
「トゲピー!」
衝撃波がトゲピーに正面から命中し、爆発が起こる。
しかし。
ゴバッ! と。
唐突に、煙が一気に薙ぎ払われる。
「何ッ!?」
「何だ?」
レオとカンタロウは同時に驚きの声を上げる。
煙が綺麗に晴れ、その中心にいるのは、青く輝くトゲピーの姿。
この青い光は、
「「進化か!」」
トゲピーのシルエットは、みるみるうちに別のものへと変わっていく。
首は長く伸び、背中からは羽が生えている。
そして、光が消えると、そこにいたのは、卵のような形をした胴体から手足と首が伸び、トゲピーと同じようにギザギザの頭をした、白いポケモン。
胴体には赤や青の三角の模様が描かれ、白くて丸めの羽も生えている。
レオはポケモン図鑑を取り出す。
トゲチック、幸せポケモン。ノーマル・飛行タイプ。
「ほォ。よー懐いとッたんだなや、そいつ」
先に口を開いたのはカンタロウだった。
「どういう事だ?」
「トゲピーは、よく懐いたトレーナーの元で進化するポケモンだべ。そのトゲピーは、お前にちゃンと懐いとッたッて訳だッぺ」
流石はカンタロウ。飛行タイプについてはよく知っている。
トゲチックはレオの方を振り向き、にっこりと笑う。
「トゲピー——いや、トゲチック、よく進化してくれた。ここから逆転だぜ!」
レオの声に、トゲチックも笑顔で頷き、
「トゲチック、原始の力!」
トゲチックは無数の岩を宙に浮かべ、その岩をペラップへと放つ。
「へへッ、ペラップ、ハイパーボイス!」
ペラップは大きく息を吸い込み、大音量の鳴き声と共に衝撃波を撃ち出す。
しかし、
「おおッ!?」
衝撃波は原始の力を弾き飛ばせなかった。
岩はペラップに襲い掛かり、ペラップを地面へと叩き落す。
「決めるぞ! トゲチック、エアスラッシュ!」
トゲチックは羽ばたき、エアカッターよりも強力な空気の刃を飛ばす。
刃はペラップを切り裂き、これでペラップは戦闘不能になる。
「ペラップ、よーやッたべ。あとはあいつに任せとけ」
カンタロウはペラップを労い、ボールに戻す。
「トゲチック、お前も戻ってくれ。よく頑張った」
レオもトゲチックをボールに戻した。
進化したとはいえ、ダメージは回復していない。これ以上戦うのは負担が大きいと判断したからだ。
「さァ、オラの新エース候補の登場だべ。こいつァ強ェべ、なんツッたッて新入りなのにオラのドンカラスとタメさ張れるからだなや」
「それはすごいな。だけど、僕のエースだって強いぜ。少なくとも、お前のエースと同じくらいにな」
そして、二人は最後のボールを構える。
- Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.59 )
- 日時: 2013/02/21 02:43
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
まさか懐かしの人がカンタロウだとは微塵も思いませんでした……白黒です。
確かに彼のキャラは僕も好きですが、まさか再登場するとは……もしかしたら中二病の彼女も新しい魔法引っ提げて出て来ますかね?
それにしても、ペラップが面白すぎる……一回限りなのが残念ですが、技を指示するたびに復唱するって。脳内で再生してみるとかなり面白かったです。ゲームでもこういうシステムがあればいいのに……無理か。
ともあれカンタロウのエースがなんなのか、見物ですね。あのバフォットを追い詰めたドンカラスとタメを張れるようなポケモンがなんなのか想像つきませんが、そう言うということは相当強いんでしょうね。
……そういえば、ツバキのエースも鳥ポケモンのララミンゴでしたね。本当にこの二人、血縁関係ないんでしょうか……? もしカンタロウのエース候補がララミンゴだったら……
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