二次創作小説(紙ほか)
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- ポケットモンスター 星と旋風の使徒
- 日時: 2017/01/28 12:25
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22078
どうも、初めましての人は初めまして、そうでない人はこんにちは。パーセンターです。
えー、また始まってしまいました。四作目ですね。
今作は前作の完全続編となっております。
参照をクリックすれば、前作に飛びます。
レオの新しい冒険が、始まります。
※注意
・例によって例のごとくノープランです。
・パーセンターは大学生でございます。現在数々の課題に追われて更新頻度が非常に低いですがご了承ください。
・登場するポケモンが色々とややこしいです。詳しくは近々やるオリキャラ募集のときに説明しますが、簡単に言うと『プラチナのシンオウ図鑑に載っているポケモン+ベガでのみ登場するポケモン』となります。
これくらいですね。
内容としては、前作と同様、オリジナルの地方でのゲームのような冒険ものとなります。
それでは、よろしくお願いします。
登場人物
味方side >>25
N・E団side(ネタバレ注意)>>153
用語(ネタバレ注意)>>342
プロローグ >>1
シラハタウン&メガキタウン編
>>6 >>20 >>22
ハスバナシティ編
>>27 >>31 >>32 >>34 >>36
デンエイシティ編
>>39 >>40 >>41 >>42 >>45 >>46 >>50 >>53
アカノハシティ編
>>55 >>57 >>58 >>62 >>63 >>64 >>65 >>68 >>70 >>72 >>74 >>75 >>79 >>80
コウホクシティ編
>>81 >>82 >>83 >>84 >>87 >>88 >>89 >>93 >>94 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>106 >>107 >>108 >>111 >>112 >>115 >>116 >>117 >>118
ツクモシティ&スティラタウン編
>>121 >>122 >>123 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>138 >>145 >>152 >>157 >>158 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>171 >>172 >>173 >>175 >>176 >>177
シヌマシティ編
>>178 >>179 >>180 >>185 >>186 >>188 >>189 >>190 >>193 >>194 >>195 >>199 >>200 >>206 >>207 >>210 >>211 >>214 >>215 >>216 >>217 >>218 >>221 >>222 >>223 >>224 >>227 >>229 >>230 >>233
ヨザクラタウン編
>>234 >>235 >>236 >>242 >>243 >>246 >>247 >>248 >>251 >>254 >>255 >>256 >>257 >>258 >>259 >>260 >>261 >>264 >>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>273 >>274 >>275 >>276 >>277 >>280 >>281 >>283 >>284 >>285 >>288 >>289 >>290 >>291 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>303 >>304 >>305
テンモンシティ編
>>306 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>322 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>340 >>341
四天王&チャンピオン編
>>343 >>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>352 >>355 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>373 >>378 >>379 >>380
N・E団編
>>383 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>390
決戦編
零節 都市
>>391 >>392
一節 碧天
>>393 >>400
二節 緋天
>>394 >>401
三節 蒼天
>>395 >>404
四節 破天
>>396
五節 夜天
>>397
六節 輝天
>>398
七節 聖天
>>399
非公式(ベガ)ポケモン図鑑 >>5
- Re: 第二十八話 恋人 ( No.75 )
- 日時: 2013/08/15 13:51
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
「シャワーズ、冷凍ビーム!」
「ドンカラス、熱風だべ!」
シャワーズの放った冷気を込めた光線を、ドンカラスは大きく羽ばたいて熱い烈風を吹き付け、冷気を溶かし、シャワーズにも熱風を喰らわせる。
「効かんぞ! シャワーズ、シグナルビーム!」
熱風は炎技で、大きなダメージにはならない。
シャワーズはすぐに反撃に出る。光を放つカラフルな光線を放ち、ドンカラスを捕らえる。
「チッ、まだだべ! ドンカラス、悪の波動!」
ドンカラスは悪意に満ちた波動を撃ち出し、反撃。
「シャワーズ、溶ける!」
しかしシャワーズは体を液体状に変化させてしまう。波動が直撃するが、シャワーズにダメージは通っていない。
が、
「それさ待ッとッたべ! ドンカラス、サイコキネシス!」
ドンカラスは念力を操作し、シャワーズが変化した水の動きを操作する。
「何だと!? シャワーズ、元に戻れ!」
しかしシャワーズは戻らない、いや、戻れない。
念力に動きをコントロールされ、体の制御が効かなくなっているのだ。
「その水さ湯に変えたるべや! ドンカラス、熱風!」
水となっているシャワーズへとドンカラスは熱風を放ち、水の温度を一気に上げる。
「しまった、シャワーズ!」
高温に耐えられず、シャワーズは悲鳴を上げて元の体に戻り、その場をのた打ち回る。
「ハハッ! ドンカラス、悪の波動!」
その隙を逃さず、ドンカラスは悪意に満ちた波動を発射する。
シャワーズは当然避けられず、吹っ飛ばされ、戦闘不能になった。
「ちっ、シャワーズ、戻れ」
セドニーは無造作にシャワーズを戻し、
「サーナイト、すまないがお前に任せる。頼んだぞ」
後ろに控えていたサーナイトは、テレポートでドンカラスの前へと進み出る。
それにしてもこのセドニー、何故かサーナイトだけやたら優遇している気がする。
「一つ言っておくぞ。俺のサーナイトに傷つけたら、許さねえからな」
「ハァ? ポケモンバトルさやッてンのに、そりゃ無茶だべ」
「知るかそんなもん。サーナイトは俺の恋人なんだよ、少しでも傷つけたら容赦しねえぞ、そん時は覚悟しろよ」
「知らンわそンな事情。スかもオラにブッ飛ばされた奴がそげな口叩いたッて、なンも怖かねェべや」
「さっきは不意打ちだったからな! そろそろ始めるぞ、サーナイト、十万ボルト!」
正直、セドニーが言った言葉をカンタロウは半分聞き流していた。
もしセドニーがサーナイトを恋人だといったのをはっきりと聞いていたら、大爆笑していただろう。
とにかく、このセドニーと言う男は、自分のポケモンに恋してしまっているのだ。
「サーナイト、十万ボルトだ!」
サーナイトは両手を構え、強烈な電撃を撃ち出す。
「ドンカラス、躱して襲撃だべ!」
ドンカラスは素早く電撃を躱し、一瞬でサーナイトの正面に現れると、翼を振るう。
「させるか! サーナイト、躱して十万ボルト!」
しかしサーナイトはテレポートでドンカラスの後ろに回り、強い電撃を発射する。
この至近距離では避けられず、ドンカラスは電撃をまともに浴び、ここで戦闘不能となる。
「ドンカラス、よォやッたべ。休んどきや」
カンタロウはドンカラスをボールに戻し、次のボールを取り出す。
「ンなら次さお前だべ。羽ばたけ、ムクバード!」
カンタロウの対のポケモンは、エース候補のムクバード。
「ハッ、まだ進化していないムクバードかよ。俺の敵じゃねえな」
「そりゃどォかねェ。オラのムクバードは、ドンカラスとタメさ張れンだべ?」
「そうかよ。なら安心した、それなら勝てるわ」
「随分と舐められたモンさなァ。ンならムクバード、燕返し!」
しかし、ムクバードが突貫する直前、動きがあった。
それは、
「ポリゴン2、チャージビーム!」
再びポリゴン2は電撃を溜め込み、光線へと変えて撃ち出す。先ほどよりも威力は上がっている。
「やっぱ上がってるな! ルクシオ、躱して帯電!」
電撃の光線を躱し、ルクシオは体に電気を溜め込む。
「させませんよ! トライアタック!」
ルクシオが電気を溜め込むと同じタイミングで、ポリゴン2は炎、氷、電気の三つの光線を撃ち出す。
ルクシオは帯電は出来たが、そこから避けられず、吹っ飛ばされる。
「ルクシオ、まだ行けるか?」
ルクシオは吹っ飛ばされて床へと落ちるが、まだ起き上がる。
「攻めたてなさい! ポリゴン2、ダイヤブラスト!」
「させるかよ! ルクシオ、メガショック!」
ポリゴン2が放つ、青白く煌めく爆風を飛び上がって躱し、ルクシオはバチバチと音を立てて弾ける電撃を放つ。
ポリゴン2に命中するが、
「トライアタックです!」
ダメージを感じないようプログラムされているポリゴン2の動きは止まらない。
電撃に動じず、ポリゴン2は炎、氷、電撃の三つの光線を放ち、宙へと跳び上がっていたルクシオを吹っ飛ばす。
「とどめです! ポリゴン2、ダイヤブラスト!」
吹っ飛ぶルクシオを追ってポリゴン2は動き、青白く煌めく爆風を放ち、再度ルクシオを吹っ飛ばす。
ルクシオは壁にぶつかり、戦闘不能となってしまう。
「ルクシオ、よくやった。戻って休んでてくれ」
レオはルクシオをボールに戻し、次のボールを取り出す。
「確かブースターを持ってたよな。だったら、頼んだぜ、ポッチャマ!」
レオはエースのポッチャマを繰り出す。
「ポッチャマですか。進化していないポケモンなど、私の敵ではありませんが? ポリゴン2、チャージビーム!」
「進化してないだけで、僕の手持ちの中では一番強いんだけどな! ポッチャマ、躱してドリル嘴!」
ポリゴン2は電撃を溜め込み、光線に変えて撃ち出すが、ポッチャマはそれを躱すと、地を蹴って跳び、嘴を伸ばして回転しながらポリゴン2に激突する。
「決めろ! アクアジェットだ!」
ポッチャマは体に水を纏い、体勢を崩しているポリゴン2へと再び激突。
ポリゴン2は吹っ飛ばされ、何かの機械に衝突し、戦闘不能となった。
「ふむ、まあこんなところでしょう。ポリゴン2、戻っていなさい」
ポリゴン2をボールへと戻し、ソライトは別のボールを取り出す。
「操作せよ、ジバコイル!」
ソライトの次なるポケモンは、コイルが三体連結したUFOのような外見のポケモン。左右のコイルと真ん中のコイルの後ろには磁石が付いている。
ジバコイル、地場ポケモン。コイルの最終進化形で、タイプもコイルと同じ電気・鋼。
「電気タイプかよ……つっても、トゲチックでも不利だったな」
とにかく、こいつを倒さないと次には進めない。
しかしその時、動きがあった。
それは、
「応援を呼んできたのでございますよ」
突然、研究所にゆっくりとした優しい声が響き渡る。
四人が同時に研究所の扉の方を見る。
オレンジ色の髪に、赤い着物を着た女性、ジムリーダーのモミジがニコニコ笑顔で立っていた。
「ケッ、今更ジムリーダーかよ」
「全く、この町のジムリーダーには随分とペースを狂わされますね。とは言え、私たちが総力を以て——」
ソライトの言葉は、最後まで聞こえなかった。
ゴバッ!! と。
研究所の半分が、まとめて破壊され、瓦礫となって吹っ飛んだからだ。
- Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.76 )
- 日時: 2013/03/02 18:11
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: u.mhi.ZN)
どうも、テストが終わってほぼ春休み状態の白黒です。
モミジの切り札はサムラダケですか。確かに、和風っぽい感じがモミジに合っていますね。
それにしても、今回はフィールドを利用した戦術が多々ありますね。ユカリ戦でもスミロドンが電気を流したり、コイルが磁力で逃げたりしていましたが、果てはフィールド炎上ですか。フィールドを吹き飛ばした前作の彼女を思い出しますね。
それにしても、モミジはマイペースというより、ただ空気が読めないだけのように感じてしまいますね……いや、それがマイペースということなんでしょうが、まさか悲鳴まであげてるのに、あの返しとは……恐れ入ります。
ソライトは案外あっさり正体ばらしましたね。いや、そうするしかない状況だったんでしょうが、今までそれなりの友好関係は築いていたようですし、それを無為にしてしまうとは……N・E団の目的はまだ不明ですが、結構進んでいるんですかね?
それはともかく今にして思うと、カペラはどうして七将軍入りできたのか不思議です。強さ的には下っ端より多少は強いんでしょうが、七将軍に認定されるほど工作活動に長けていたんでしょうかね……前作では囮しかしていませんでしたが。
セドニーは……たぶん、今までで一番驚きました。あれですか、サーナイトは俺の嫁、とか言っている人ですか。流石にそれは思いもしなかったです……
そういえばセドニーって、今のところ使用ポケモンが♀っぽいポケモンばかりですね。もしかしてギーマやツクシのように自身の性別とポケモンの性別が一致しないタイプでしょうか。
最後にモミジと応援が来たようですが、なんだか見慣れたフレーズが……瓦礫となって吹っ飛ぶ、ですか。まさか……いやまさかですよね。
- Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.77 )
- 日時: 2013/03/02 21:07
- 名前: プツ男 (ID: DN0pvQeX)
最近の生活習慣のせいか、教科書を見るだけで鬱になっているプツ男です。鬱男ではありません。
出たぁあ!カンタロウ!
久しぶりに見ると、あの訛り(?)が余計新鮮に見えてしまう不思議です。
やはり、手持ちは歪みなく鳥のオンパレードで安心しました。
三人目のジムリーダーのモミジは......もう、この人一人で物語をハッピーエンドにできそうですね(笑
モミジの切り札はサムラダケですか。僕はサムラダケはわりかし好きな方です。まあ、それよりたけのこの里の方が好きなのですが(ぇ
ジムリーダーってやたらとフィールドに凝りますよね。そのせいで、相手に逆利用されたり.....
七天将が三人目まで正体が明らかになりましたね。
セドニーの性格が僕のドツボにはまってしまいました(笑
サーナイトが好きって人は結構いそうですけどね。それを人前で言える程の勇気を持ち合わせているのは彼くらいかもしれませんね。
七天将最弱のソライトにブースター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ(察し
そして、突如吹っ飛んだ研究所!瓦礫の除去費用は一体誰が払うのか!?
とまあ、冗談はさて置き、この描写、何処かで見た気が......?
- Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.78 )
- 日時: 2013/03/02 23:31
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OJkPnYHE)
>>白黒さん
モミジの切り札は、和の雰囲気と、エリカに似ている点で草タイプを入れたいというのもあり、草炎のサムラダケにしました。
確かに今回のジムリーダーはフィールドをよく利用してますね。前作では……一、二人ほどそれっぽいのがいましたね。
彼女の前ではどんなシリアスな状況もコメディに変わってしまいます。
ちなみに彼女は、最初はその悲鳴もじゃれ合ってるだけと認識してます。
ソライトのレオ達とのつながりは、『あったら便利だけどなくても特に構わない』程度のものですからね。
第一編でライオからデータも手に入れていますし。
N・E団の計画としては、どこまで進んでいるかはともかく、進行具合は順調、と言ったところです。
ホントにあいつはどうして入れたんでしょうね。イビルの中では上から七番目に強かった、というのが理由だったんですが、それにしても各地を回って集めることも出来そうなものですからね。
碧天将はサーナイトを純粋に愛しています。
俺の嫁などと宣言している人たちよりも愛の深さが桁違いです←
シャワーズとサーナイトは♀ですね。他のポケモンは♂だったりしますが。
大地の怒りww確かに前作では結構使いましたね。主にフシギバナとバフォットが。
>>プツ男さん
カンタロウがめでたく再登場です。今作ではレギュラーとして頑張ってもらいます。
彼は天下の鳥使いになる男ですからね。彼のポケモンは全て鳥ポケモンです。
何度も言ってる気がしますが、上でも言ってますが、彼女の前ではどんなシリアスな状況もコメディに変えられてしまいます。
ちなみにパーセンターはチョコレートが食べられません。
セドニーは純粋に、サーナイトを深く愛しています。
ですから、それを一切恥じておりません。
そしてブースターについてはノーコメントで(笑)。
さて、どこでしょう?
前作の番外編で、同じような描写を使った気はしますが。
- Re: 第二十九話 新組織 ( No.79 )
- 日時: 2013/08/15 13:52
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
研究所の半分が、粉々に吹き飛ばされる。
「!? 誰だ!」
「セドニー、落ち着きなさい。撤退の準備を」
セドニーが怒鳴るが、対照的にソライトは落ち着いた様子でジバコイルのユニットに装置を取り付けていく。
「応援……?」
「その応援ッてのは、誰だべ?」
レオとカンタロウが声を上げた直後、砂煙の中から二つの人影が。
「N・E団だな。天将二人、ここで大人しく捕まってもらおう」
「研究所の周りはアカノハ支部の部隊が包囲しています。抵抗は無意味ですわ」
現れたのは、男性にしてはやや長めの黒髪に、青い瞳の、端整な顔立ちの青年。
その横にいるのは、青色の目に、背中程まである金髪をおろしており、ピンクのリボンを付けて、水色のワンピースに白のエプロンを着ている、九、十歳ほどの少女。
胸には二人とも同じ形の、盾のような形のバッジをつけている。
「はて、貴方たちは誰でしょう?」
ソライトはその装置に乗り込み、既に撤退の準備を済ませ、尋ねる。
「おや、N・E団は俺達のことは知らないのか? だったら教えてやる」
その青年は一拍置き、
「俺達は『ブロック』——犯罪団体壊滅組織のメンバー。俺は『ブロック』副統率、且つアカノハ支部統括、リョーマ」
「そして私は『ブロック』アカノハ支部統括補佐、テレジアですわ」
「『ブロック』か……知ってはいたが、ようやく活動開始か。出て来い、フワライド」
忌々しそうにセドニーは呟きながら、ボールを取り出す。
中から出て来たのは、紫色の気球のような姿をしたポケモン。四つの黄色い手のようなものが生えている。
気球ポケモン、ゴースト・飛行タイプのフワライドは、セドニーが乗れるように手を差し出す。
「セドニー、退散しますよ。『本気』を出す許可はまだ出ておりませんし、七位の私と五位の貴方でこの四人に勝てるとは思えません」
一足先にジバコイルに乗っていたソライトは、壊れた研究所の天井から飛び去っていく。
「お、おい、俺を置いてくな! ……しょうがねえ、お前ら、覚えてろよ。次に会ったら容赦しねえぞ、特にそこの白髪!」
セドニーは、いかにも小物が放つ捨て台詞を吐き、ボールに戻せばいいのにサーナイトをお姫様抱っこのように抱えてフワライドの手の上に乗り込む。
フワライドは四本の手でセドニーを抱え、ソライトを追って飛んでいく。
「逃さんぞ! 出て来い、トロピウス!」
リョーマと名乗った青年がボールを取り出すと、そこから二メートルを超える大きさの巨大なポケモンが出てくる。
首の長い恐竜のような姿をし、大きな葉のような翼を持ち、首からはバナナのような植物が出来ている。
トロピウス、フルーツポケモン。草・飛行タイプ。
素早くリョーマはトロピウスに飛び乗り、トロピウスは二人を追って飛んでいく。
「私も行きますわ! ビークイン!」
テレジアもボールを取り出し、下半身に蜂の巣が連結した女王蜂のようなポケモン、蜂の巣ポケモンのビークインを繰り出し、ビークインの肩に掴まる。
ビークインもトロピウスに続くように、壊れた天井から飛び上がる。
「お、おい、ソライト! あいつら追ってきたぞ! 何とかしろ」
サーナイトを抱えたセドニーが、少し前にいるソライトへと怒鳴る。
「やれやれ……貴方のサーナイトでどうにか出来ないのですかねえ?」
「そうか! その手があったな、よし、頼んだぞサーナイト、サイコキネシス!」
セドニーに抱えられたまま、サーナイトは強い念力を操作し、追ってくるトロピウスを押し戻してしまう。
「……ッ! テレジア!」
「分かっていますわ! 私が逃がしはしません! ビークイン、アクロバット!」
後ろへ押し飛ばされるトロピウスの脇を潜り抜け、ビークインが高速で天将二人へと迫る。
「やむを得ませんね! ジバコイル、十万ボルト!」
「フワライド、振り向け! サーナイト、十万ボルト!」
ジバコイルとフワライドは素早く振り向き、テレジア目掛けて二つの電撃が飛んでくる。
「まずッ……!? ビークイン、防御指令!」
咄嗟にビークインは下半身の巣から無数の鉢を呼び出し、壁を作る。
蜂の壁は、襲い来る二つの電撃を完全にシャットダウンしてしまうが、しかし、壁を作ったことで、前が見えなくなってしまう。
「……逃がしてしまいましたか」
蜂の壁が分散し、前が開けると、天将二人はすでに遥か遠くを飛んでいた。
『ブロック』という組織の二人が戻ってきた。
トロピウスがゆっくりと降りてきて、リョーマはトロピウスから飛び降りる。
その直後、ビークインも戻ってきた。
「逃げ足の速い奴らだ。取り逃がしちまったよ」
「まぁまぁ。レオさんとカンタロウさんが無事だっただけでも、よかったのでございますよ」
リョーマは悔しそうに言い、モミジがそれをなだめる。
そこで、隣にいるテレジアと名乗った少女が口を開く。
「リョーマ様、まずはこの二人に私たちの素性を教えた方がいいのでは?」
「あ? ああ、そうだな」
そして、リョーマはレオとカンタロウに向き直る。
「さっき自己紹介したとおり、俺の名はリョーマ。『ブロック』の副統率、およびアカノハ支部の統括だ。んでこっちが」
リョーマはテレジアを指さす。
「えっと、あー……初めまして。アカノハ支部統括補佐、テレジアと申しますわ」
「君たちの名前はモミジさんから聞いている。レオとカンタロウ、だったよな」
リョーマはレオたちに話題を振る。レオとカンタロウが考えていることは同じだった。
「ええ、そうです。ところで」
「『ブロック』ッつーのは、どンな組織だべ?」
「ああ、そのことは今から話そうと思っていたところだ。詳しくは俺達の本拠で話す。着いて来てくれ。あとモミジさん、ありがとうございました」
「いえいえ。では私はこれで。木の実を早く買いにいかないといけないのでございますよ」
モミジは笑顔でそう返し、ジムの方へと戻っていく。
そしてレオとカンタロウは、リョーマとテレジアに連れられ、『ブロック』の本拠地なるところへ向かう。
これが、犯罪団体壊滅組織『ブロック』との出会いだった。
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