二次創作小説(紙ほか)

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ポケットモンスター 星と旋風の使徒
日時: 2017/01/28 12:25
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22078

どうも、初めましての人は初めまして、そうでない人はこんにちは。パーセンターです。
えー、また始まってしまいました。四作目ですね。
今作は前作の完全続編となっております。
参照をクリックすれば、前作に飛びます。
レオの新しい冒険が、始まります。

※注意
・例によって例のごとくノープランです。
・パーセンターは大学生でございます。現在数々の課題に追われて更新頻度が非常に低いですがご了承ください。
・登場するポケモンが色々とややこしいです。詳しくは近々やるオリキャラ募集のときに説明しますが、簡単に言うと『プラチナのシンオウ図鑑に載っているポケモン+ベガでのみ登場するポケモン』となります。

これくらいですね。
内容としては、前作と同様、オリジナルの地方でのゲームのような冒険ものとなります。

それでは、よろしくお願いします。

登場人物
味方side >>25
N・E団side(ネタバレ注意)>>153
用語(ネタバレ注意)>>342

プロローグ >>1

シラハタウン&メガキタウン編
>>6 >>20 >>22
ハスバナシティ編
>>27 >>31 >>32 >>34 >>36
デンエイシティ編
>>39 >>40 >>41 >>42 >>45 >>46 >>50 >>53
アカノハシティ編
>>55 >>57 >>58 >>62 >>63 >>64 >>65 >>68 >>70 >>72 >>74 >>75 >>79 >>80
コウホクシティ編
>>81 >>82 >>83 >>84 >>87 >>88 >>89 >>93 >>94 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>106 >>107 >>108 >>111 >>112 >>115 >>116 >>117 >>118
ツクモシティ&スティラタウン編
>>121 >>122 >>123 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>138 >>145 >>152 >>157 >>158 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>171 >>172 >>173 >>175 >>176 >>177
シヌマシティ編
>>178 >>179 >>180 >>185 >>186 >>188 >>189 >>190 >>193 >>194 >>195 >>199 >>200 >>206 >>207 >>210 >>211 >>214 >>215 >>216 >>217 >>218 >>221 >>222 >>223 >>224 >>227 >>229 >>230 >>233
ヨザクラタウン編
>>234 >>235 >>236 >>242 >>243 >>246 >>247 >>248 >>251 >>254 >>255 >>256 >>257 >>258 >>259 >>260 >>261 >>264 >>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>273 >>274 >>275 >>276 >>277 >>280 >>281 >>283 >>284 >>285 >>288 >>289 >>290 >>291 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>303 >>304 >>305
テンモンシティ編
>>306 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>322 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>340 >>341
四天王&チャンピオン編
>>343 >>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>352 >>355 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>373 >>378 >>379 >>380
N・E団編
>>383 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>390

決戦編
零節 都市
>>391 >>392
一節 碧天
>>393 >>400
二節 緋天
>>394 >>401
三節 蒼天
>>395 >>404
四節 破天
>>396
五節 夜天
>>397
六節 輝天
>>398
七節 聖天
>>399


非公式(ベガ)ポケモン図鑑 >>5

Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.60 )
日時: 2013/02/21 17:32
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: gpFiwkqb)

>>白黒さん
今作ではカンタロウにはレギュラーキャラとして頑張ってもらいます。
魔法少女は……どうでしょうね。ぶっちゃけあいつの台詞はカンタロウよりも書き辛いんですよ(笑)。

ペラップの最大の特徴は何より人の声真似ですからね。
何か喋らせたいと思い、最終的には指示の復唱になりました。

カンタロウの新エース候補は、前作のエースがオオスバメだったことを考えると分かりやすくなるかもしれません。
シンオウとベガって、意外と鳥ポケモンが少ないんですよねー。

ここまで似たのは完全に計算外でした。
方言で差別化は出来ていますが、あれが無かったら口調が一致してしまいます。
一応、血のつながりはありません。

Re: ポケモン 星と旋風の使徒 参照1000突破だよォ! ( No.61 )
日時: 2013/02/21 18:55
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: gpFiwkqb)

※ジムリーダーが参照1000突破を記念してコメントするそうです


やァ、どォも! ハスバナシティジムリーダー、ツバキだよォ!
どォやらこの小説の作者、参照が1000ずつ超えるごとに僕たちジムリーダーに一言喋らせたいらしィんだァ。
そんな訳で、最初はこの僕、ツバキが務めるよォ。

まずはあれだね、まだ投稿数は100も無く、まだ二十話にも到達していないのに参照が1000を超えたことに、作者はとっても驚いてたよォ。
これは間違い無く、僕のバトルを何回でも見たい! って人が沢山いたってことだよねェ! え、違うゥ?
じゃああれかなァ? バトルじゃなくって、僕自身を何回も見たい! って人かなァ? え、茶番はいいから次に進め? 分かってるよォ、しょォがないなァ。
ま、作者も喜んでたよォ。さっきも言ったけど、こんなに早く参照が四ケタを超えるとは思わなかった、ってねェ。
とりあえず、リュードウまで出番を作るように、つまり参照8000越えを目指して、頑張って面白い話を書くって作者も言ってたからァ、これからも『星と旋風の使徒』をよろしくねェ!




……僕の登場がこれからしばらく無い気がするのは気のせいかなァ?

Re: 第二十話 突貫 ( No.62 )
日時: 2013/08/15 13:44
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)

「行くべ、オラの新星、ムクバード!」
「お前に任せたぞ、ポッチャマ!」
レオのポケモンは勿論ポッチャマ。
カンタロウのポケモンは、頭の羽毛が大きく跳ねている、椋鳥のようなポケモン。
ムクバード、椋鳥ポケモン。ペラップやトゲチックと同じ、ノーマル・飛行タイプだ。
ムクバードは地面に着地すると、羽を大きく広げ、ポッチャマを威嚇する。
「さッきも言ッたけンど、こいつはオラのドンカラスともタメさ張れる。本当はドンカラスと比べれば力は劣るけンど、それでもほぼ互角に戦えるべ。しかもこいつはあと一回進化さ残しとる。間違いなく大物になるべ」
それにしても、
「お前のエースも鳥ポケモンか。お前も鳥ポケモンの良さが分かってきただか?」
そう言えばポッチャマも飛べはしないものの鳥ポケモンである。
「生憎だけど全くの偶然だよ。ポッチャマ、バブル光線!」
まずはポッチャマが大量の泡の光線を発射する。
「ムクバード、躱して燕返し!」
ムクバードは軽やかな動きで泡の光線を避けると、翼を広げ、一直線にポッチャマへと突貫する。
「やるか? ポッチャマ、アクアジェット!」
突っ込んでくるムクバード目掛け、ポッチャマも水を纏い、ムクバード目掛けて跳び出す。
お互いの一撃が激突するが、ムクバードの特性、威嚇で、ポッチャマの攻撃は少し下がってしまっている。
そのために押し切ることが出来ず、燕返しが打ち勝ち、ポッチャマは吹っ飛びはしないものの、押し戻される。
「まだだべ! 襲撃だ!」
しかし、ムクバードの動きはそこで終わらない。
瞬時にポッチャマの後ろへ回ると、広げた翼でポッチャマを叩き飛ばす。
「追撃だべ! 燕返し!」
この徹底した攻めのバトルスタイルは、オオスバメのものと全く変わっていない。
このことも、このムクバードが新エースであることを表しているのだろうか。
ムクバードは翼を広げ、一直線に攻め込む。
「ポッチャマ、躱してバブル光線!」
激突する寸前でポッチャマは身を屈め、ムクバードはポッチャマのすぐ上を通過する。
そこへポッチャマは大量の泡の光線を放ち、ムクバードを真上に吹っ飛ばす。
「こっちも攻めてくぞ! ポッチャマ、アクアジェット!」
その隙を逃さず、ポッチャマは体に水を纏って飛び上がり、ムクバードへと追撃を喰らわせる。
「いい動きだなや! そンならムクバード、乱れ突きだべ!」
「ポッチャマ、こっちも乱れ突きだ!」
ムクバードは空中で体勢を立て直すと、嘴を構えてポッチャマへと突っ込んでくる。
ポッチャマも正面からムクバードを迎え撃つ。
ムクバードが連続で繰り出す嘴の突きを、ポッチャマも嘴を使って上手く捌いていく。
「やるなァ! ムクバード、襲撃!」
「させるか! ポッチャマ、アクアジェット!」
素早くムクバードは嘴をひっこめ、翼を振りかざすが、その翼が振り下ろされるよりも早くポッチャマはこの至近距離から水を纏って突撃し、ムクバードを吹っ飛ばす。
だが、やはり威嚇の影響でいつもの威力よりは下がってしまう。
「ポッチャマ、バブル光線!」
「ムクバード、燕返し!」
再び高く飛び上がるムクバード目掛けてポッチャマは大量の泡の光線を放つが、ムクバードは急降下して、低空飛行で一直線にポッチャマへと襲い掛かる。
「下だ! ポッチャマ、回避!」
「甘ェべ! ムクバード、急上昇!」
ポッチャマはぎりぎりまで引き付け、突貫を避けるが、ムクバードは一瞬で九十度体の向きを変えて上へと飛び、ポッチャマに激突、ポッチャマを吹っ飛ばす。
「ちっ、ポッチャマ、アクアジェット!」
「させねェべ! ムクバード、襲撃!」
ポッチャマは体勢を崩しながらも、水を纏い、突撃しようとするが、ムクバードはポッチャマの背後へと一瞬で回り、翼を振り下ろしてポッチャマを地面へと叩き落とす。
「やべっ、ポッチャマ、バブル光線!」
ポッチャマは地面へと泡の光線を放ち、落下の衝撃を和らげ、安全に着地する。
「ムクバード、畳み掛けろ! 襲撃だ!」
そこにムクバードが一瞬で接近し、翼を振るうが、ポッチャマはさっと前へと跳び、何とか襲撃を回避する。
「アクアジェット!」
さらにそこからポッチャマは水を纏ってムクバードへと突撃する。
「ムクバード、躱して燕返し!」
ムクバードは飛び上がってポッチャマの突進を避けると、上空から突貫を仕掛けるが、ポッチャマも地面を蹴って強引に向きを変え、ムクバード向かって突撃をする。
しかし、このままだとポッチャマは押し負ける。だから、
「バブル光線!」
激突する前にポッチャマは素早く水を解き、大量の泡を放つ。
「何ッ! ムクバード、回避だ! いけッか?」
ムクバードは咄嗟に急上昇するが、流石に間に合わない。
泡の光線の直撃を受け、ムクバードは吹っ飛ばされる。
「なるほど、やるじゃねェか。だけンど、そろそろフィニッシュだべ」
カンタロウの口元が吊り上がる。勝ち誇ったような笑みを浮かべて、カンタロウは叫ぶ。

「ぶッ飛ばすッぺ! ムクバード、ブレイブバード!」

ムクバードは自身を鼓舞するように大きく啼き、翼を大きく広げる。
刹那、ムクバードの体が、勇気の赤い炎に包まれる。
そして、ムクバードは先ほどの燕返しとは比べ物にならないほどのスピードと勢いで突貫する。
そこにはポッチャマが避ける余裕など、全くなかった。
「ポッチャマ、避け——」
言い終わる前に、ムクバードがポッチャマに激突した。
「ポッチャマ!」
爆風と共にポッチャマは吹っ飛び、地面に倒れる。
目を回して、戦闘不能となっていた。


「カンタロウ、流石だな。そのムクバード、あのオオスバメにも劣らないほどの根性を持ってるぜ」
「だろォ? 今オラの手持ちにオオスバメはいねけンど、オラの新エースにぴったりなポケモンだべ、こいつは」
負けたが、レオは悔しさは無かった。いや、無かったと言えば嘘になるが、それよりも友と久しぶりに戦えて、友も成長しているということを知った喜びの方が大きかったのだ。
ところで、とカンタロウは話を続ける。
「オラがバトルさ勝ったんだ。ジムに挑戦すッのは、オラが先で構わねェべな?」
「何? 聞いてないぞそんな話!」
何はともあれ、一年ぶりのカンタロウとの再会。
ホクリクの旅は、ますます楽しいものになりそうだ。

Re: 第二十一話 陽気 ( No.63 )
日時: 2013/08/15 13:45
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)

結局、カンタロウが先にジム戦に挑戦することになった。
「レオ、お前はどォすッぺ? オラの試合、見にくッか?」
「ネタバレになるからやめておくよ。ジムリーダーの手持ちが分かった状態で戦うのも嫌だしな」
「そォか。じゃ、オラの勝利報告さ待ッとることだべ」
「おう。負けるなよ」
レオの言葉に、勿論、と、カンタロウは返し、ジムへと向かうためにポケモンセンターを出て行った。


一時間半ほど経過。
レオがポケモンセンターで他のトレーナーたちと情報交換や雑談をしていると、
「レオ! 勝ッたべ!」
カンタロウがジムから戻ってきた。
その手には紅葉にも炎にも見える、赤いバッジが握られていた。
「お、無事勝ったみたいだな。じゃ、次は僕の番か」
「ああ、そのことだが」
ジムへと向かうレオを、カンタロウが止める。

「アカノハの今日のジム戦は、オラで終わりだべ」

「は?」
レオの動きが止まる。
「おいおいちょっと待てよ。まだ四時過ぎだぜ、冗談はよせよ」
「いやいや、ホントだべ。オラがジムさ出たとこで、扉が閉められツまッた」
「冗談だろう?」
「そォ思うなら行ッてみるべ」
カンタロウにそう言われ、レオはジムへと向かう。すると、
「……マジかよ」
ジムの扉は閉まっており、『今日のジム戦は終わりでございますよ』と書かれた張り紙がしてあった。
「ほらな。そォ言えばたスかにここのジムリーダー、すッげェマイペースだッたなやなァ」
てっきり今日挑戦できると思っていたため、レオの落胆は割と大きい。
「ま、こげなこともあるべ。今日も明日もそげな変わらンし、今日はポケモンの調整に使ッてやりな」
「……そうするしかないな。しょうがねえか」
「明日は、お前の試合さ見に行ッてやるべ」
腑に落ちない部分もあるが、レオは今日の残りはポッチャマたちの最終調整に使うことにした。
明日こそはジム戦である。


次の日。
今度こそ、レオはジムに挑戦するべく、朝早くからジムの前に来ていた。
……のだが、
ジムの扉には、『今日のジム戦は、10時からでございますよ』と書かれた張り紙が。
ちなみに、今はまだ八時半である。
「……冗談だろ」
いろいろペースを崩されるレオだが、不用意にそこを離れると場所を取られてさらにジムの挑戦を待つことになるかもしれないので、レオは何とかして時間を潰すことにした。
レオの腕に着いている、去年の旅で貰ったライブキャスターには、暇つぶしに最適なミニゲーム機能が付いている。
そして十時。ミニゲームの力で一時間半を耐え切ったレオの前で、扉が開き、ジムトレーナーと思われる男が現れ、張り紙を外す。
「お待たせしました。どうぞジムへ」
男は丁寧な口調でそう言い、ジムへと戻っていった。
その時、
「よ、レオ。今から挑戦だなや」
カンタロウがやってきた。
「おう。しっかり見とけよ、僕のバトル」
「勿論だべ」
そして、レオとカンタロウはジムへと入り、レオはスタジアムに、カンタロウは観客席に向かう。
「お願いします!」
スタジアムは、草で一面が覆われていた。
ところどころに岩も置かれているが、戦いやすいバトルフィールドだ。
そして、スタジアムの向こう側には、赤い色に黄色い花の柄の浴衣を着、オレンジ色のセミロングの髪の女性が綺麗な畳の上に座っている。
その女性は、ユカリに勝るほどのニコニコ笑顔を浮かべ、
「あらあら、今日はいい天気でございますね」
レオに向かってそう話しかけてくる。
「え? あ、はい、そうですね」
「こういう日は、散歩に出て花や景色をみたり、外でお昼寝したいものでございますね」
「そ、そういうものなんですか? ところで、ジム戦は」
「あら、そう言えば今日は木の実の入荷日でございましたね。後で買いに行かなくては」
「あの、すいません。木の実もいいですけど、そろそろジム戦をお願いします」
「あら? ジム戦? あらあら、挑戦者さんでございますね?」
やっと話が本題に戻った。
「はい、僕はレオです。ジム戦に来ました、よろしくお願いします」
レオがそう言うと、その女性はニッコリと微笑み、
「私はモミジ。炎タイプ使いのジムリーダーでございますよ」
まさかの炎タイプジムリーダー。炎タイプのエキスパートとと言えば、基本は炎のように熱い闘志を持つトレーナーが多い。
レオは知らないが、ホウエン地方ジムリーダーやシンオウ地方四天王もそうだ。
レオはてっきり草タイプ使いだと思っていたのだが、予想は大きく外れた。
「炎タイプはいいポケモン揃いでございますよ。多くのトレーナーは炎タイプに熱く燃え上がる戦いを望むのでございますが、炎タイプの魅力はそれだけではないのでございますよ」
ニコニコ笑顔でモミジは話す。
「さて、じゃあジム戦を始めましょう。熱さや闘志、それだけではない炎タイプの魅力を、お見せするのでございますよ」
「臨む所です。モミジさんの炎を、打ち消して見せます!」
そして、その言葉を引き金に、二人はボールを取り出す。
「頼んだぞ、トゲチック!」
「コマレオ、出番でございますよ」
レオの一番手は、原始の力を持っているトゲチック。
対するモミジの一番手は、オレンジ色の鬣を生やした、黄色い体のライオンのようなポケモン。
コマレオ、鬣ポケモン。当然だが炎タイプだ。
「まぁ。可愛いポケモンでございますね。私の手持ちに欲しいくらいでございますよ」
「残念だけどそれは無理ですよ。僕の大切な仲間ですからね」
ほのぼのとしたやり取りと共に、アカノハジムの戦いが始まる。

『アカノハシティジム ジムリーダー モミジ  ぽかぽか陽気のお姉さん』

Re: 第二十二話 渦 ( No.64 )
日時: 2013/08/15 13:47
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)

「では。コマレオ、まずは火炎放射」
先攻はモミジ。
コマレオはまず自身を鼓舞するように吼えると、灼熱の炎を発射する。
「トゲチック、原始の力!」
対してトゲチックは宙に岩を浮かべて、その岩を盾とし、炎を遮断。
さらに炎が消えた瞬間を狙い、その岩をコマレオへと撃ち出す。
「でしたらコマレオ、アイアンヘッドでございますよ」
コマレオは額を硬化させ、襲い来る岩を次々と破壊し、
「ワイルドボルトでございますよ」
体に激しい電撃を纏い、コマレオはトゲチック目掛けて走り出す。
「トゲチック、神通力!」
向かってくるトゲチックは神々しい念力の波を放って電撃の突進の相殺を狙う。
しかし、念力の波は電撃をある程度削ぐことは出来たものの、完全に相殺することが出来ず、コマレオはトゲチックに激突する。
威力を弱めていたため直撃よりはダメージが低いものの、ダメージは大きめ。
「だったらトゲチック、エアスラッシュ!」
トゲチックは素早く体勢を立て直し、空中へ飛び上がると、羽ばたいて空気の刃を飛ばす。
「コマレオ、火炎放射」
コマレオは灼熱の炎を噴射し、空気の刃を相殺。さらに、
「アイアンヘッドでございますよ」
額を硬化させ、コマレオはトゲチックへ突っ込む。
「神通力じゃだめだな。トゲチック、躱してマジカルリーフ!」
アイアンヘッドの勢いはワイルドボルトとほとんど同じ。レオは神通力では同じように相殺できないと判断し、トゲチックは横へ逸れて、そこから光り輝く尖った葉を放つ。
効果は今一つだが、コマレオの体勢を崩すには十分。
「原始の力!」
その隙を狙い、トゲチックは宙に浮かべた岩を一斉に投げつけ、岩はコマレオにまともに命中する。
「あらあら、いい戦法でございますね。コマレオ、ワイルドボルトでございますよ」
コマレオは再び体に激しい電撃を纏い、トゲチックへと向かっていく。
「トゲチック、もう一回原始の力!」
トゲチックは再び岩を宙に浮かべて盾を作り、コマレオの突進を止める。
「エアスラッシュ!」
「火炎放射でございますよ」
電撃が消えた瞬間を狙ってトゲチックは羽ばたき、空気の刃を飛ばすが、コマレオも素早く体勢を切り替え、灼熱の炎を放つ。
「まぁ。でしたらコマレオ、アイアン——」
「遅いですよ! 神通力!」
コマレオが額を硬化させるよりも早く、トゲチックは神々しい念力を操作してコマレオを操り、地面へと叩きつける。
「原始の力!」
そこにトゲチックが宙に岩を浮かべ、コマレオへと撃ち出す。
このコマレオの体勢なら、避けることは不可能。大きなダメージを狙える。
しかし、

「コマレオ、炎の渦でございますよ」

コマレオの鬣が赤く輝き出す。
その刹那、鬣から激しく渦巻く炎が飛び出し、岩を巻き込み、吹き飛ばす。
吹っ飛ばされた岩は、トゲチック自身へと牙を剥く。
「ちっ、トゲチック、マジカルリーフ!」
トゲチックは光り輝く尖った葉を放ち、岩のいくつかを破壊する。
しかし、残った岩がトゲチックに命中、さらに、
「もう一度でございますよ」
コマレオはトゲチックへと跳び、赤く光る鬣から竜巻のように渦巻く炎を放ち、トゲチックを渦の中へと巻き込む。
コマレオは首を下へと大きく振り、その渦をトゲチックごと地面に叩きつける。
「コマレオ、ワイルドボルト」
吹っ飛ぶコマレオを追い、コマレオは激しい電撃を身に纏い、突撃する。
「くっそ、トゲチック、飛べ!」
トゲチックは体勢を崩しながらも、羽を羽ばたかせて飛び上がり、間一髪で電撃の突進を躱す。
「危ない……トゲチック、反撃だ! 神通力!」
トゲチックは素早く首を振って体勢を整え直し、神々しい念力の波を飛ばして反撃する。
「コマレオ、火炎放射」
対してコマレオは灼熱の炎を放ち、念動力の波を相殺する。
「原始の力!」
「アイアンヘッドでございますよ」
トゲチックは宙に岩を浮かべ、その岩を放つが、コマレオは額を硬化させ、地を蹴って、飛んでいるトゲチックへと一気に跳ぶ。
岩を頭突きで粉砕し、そのままトゲチックにも硬い頭突きの一撃を喰らわす。
「やってくれる! だったらトゲチック、エアスラッシュ!」
トゲチックは体勢を立て直し、羽ばたいて空気の刃を放つ。
「コマレオ、ワイルドボルト」
コマレオは激しい電撃をその身に纏い、空気の刃を破壊し、さらにトゲチックにも突撃する。
「トゲチック、原始の力!」
跳んでくるコマレオに対し、トゲチックはコマレオの下へと回り、そこから無数の岩を飛ばして、コマレオを突き上げる。
「チャンスだ! エアスラッシュ!」
宙へと高く突き上げられたコマレオへ、トゲチックはさらに羽ばたいて空気の刃を飛ばし、コマレオの腹を切り裂く。
コマレオが地面に落ちる。もう体力は残りわずかだろう。
「決めるぞ! トゲチック、原始の力!」
トゲチックは宙に岩を浮かべ、その岩を投げつける。
コマレオはまだ起き上がっていない。そこに岩が落とされ、コマレオは岩の直撃を——

「コマレオ、炎の渦でございますよ」

——受ける直前に、コマレオの鬣が一際赤く輝き出す。
次の瞬間、鬣から嵐のような炎の竜巻が飛び出す。
その竜巻は岩もろともトゲチックを呑み込み、トゲチックは灼熱の炎の渦に焼かれていく。
そしてコマレオは、その渦を地面へと思い切り叩きつける。
「トゲチック!」
渦が晴れると、そこには体の一部が焼け焦がされ、戦闘不能になったトゲチックの姿。
「トゲチック、よくやった。ゆっくり休んでてくれ」
レオはトゲチックをボールに戻す。
「今のは、猛火の特性ですね」
「ええ、その通りでございますよ。知っているようでしたら、説明は不要でございますね」
猛火は、体力が減ってピンチに陥ったとき、炎タイプの技の威力を大きく上げる特性だ。
「だけど猛火が発動してるってことは、そのコマレオはピンチってことだ。サクっと決めるぞ」
そして、レオは次のボールを取り出す。


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