二次創作小説(紙ほか)
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ポケットモンスター 星と旋風の使徒
- 日時: 2017/01/28 12:25
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22078
どうも、初めましての人は初めまして、そうでない人はこんにちは。パーセンターです。
えー、また始まってしまいました。四作目ですね。
今作は前作の完全続編となっております。
参照をクリックすれば、前作に飛びます。
レオの新しい冒険が、始まります。
※注意
・例によって例のごとくノープランです。
・パーセンターは大学生でございます。現在数々の課題に追われて更新頻度が非常に低いですがご了承ください。
・登場するポケモンが色々とややこしいです。詳しくは近々やるオリキャラ募集のときに説明しますが、簡単に言うと『プラチナのシンオウ図鑑に載っているポケモン+ベガでのみ登場するポケモン』となります。
これくらいですね。
内容としては、前作と同様、オリジナルの地方でのゲームのような冒険ものとなります。
それでは、よろしくお願いします。
登場人物
味方side >>25
N・E団side(ネタバレ注意)>>153
用語(ネタバレ注意)>>342
プロローグ >>1
シラハタウン&メガキタウン編
>>6 >>20 >>22
ハスバナシティ編
>>27 >>31 >>32 >>34 >>36
デンエイシティ編
>>39 >>40 >>41 >>42 >>45 >>46 >>50 >>53
アカノハシティ編
>>55 >>57 >>58 >>62 >>63 >>64 >>65 >>68 >>70 >>72 >>74 >>75 >>79 >>80
コウホクシティ編
>>81 >>82 >>83 >>84 >>87 >>88 >>89 >>93 >>94 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>106 >>107 >>108 >>111 >>112 >>115 >>116 >>117 >>118
ツクモシティ&スティラタウン編
>>121 >>122 >>123 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>138 >>145 >>152 >>157 >>158 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>171 >>172 >>173 >>175 >>176 >>177
シヌマシティ編
>>178 >>179 >>180 >>185 >>186 >>188 >>189 >>190 >>193 >>194 >>195 >>199 >>200 >>206 >>207 >>210 >>211 >>214 >>215 >>216 >>217 >>218 >>221 >>222 >>223 >>224 >>227 >>229 >>230 >>233
ヨザクラタウン編
>>234 >>235 >>236 >>242 >>243 >>246 >>247 >>248 >>251 >>254 >>255 >>256 >>257 >>258 >>259 >>260 >>261 >>264 >>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>273 >>274 >>275 >>276 >>277 >>280 >>281 >>283 >>284 >>285 >>288 >>289 >>290 >>291 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>303 >>304 >>305
テンモンシティ編
>>306 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>322 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>340 >>341
四天王&チャンピオン編
>>343 >>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>352 >>355 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>373 >>378 >>379 >>380
N・E団編
>>383 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>390
決戦編
零節 都市
>>391 >>392
一節 碧天
>>393 >>400
二節 緋天
>>394 >>401
三節 蒼天
>>395 >>404
四節 破天
>>396
五節 夜天
>>397
六節 輝天
>>398
七節 聖天
>>399
非公式(ベガ)ポケモン図鑑 >>5
- Re: 第二百十七話 王 ( No.380 )
- 日時: 2016/09/07 11:17
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: y/h9HQTq)
「レジギガス、冷凍パンチ!」
無数の岩の刃が激しい水流に防がれた直後、レジギガスは冷気を纏った拳を振り下ろす。
技自体は普通の冷凍パンチなのだが、レジギガスの拳が人間一人分くらいの大きさを誇るため迫力が違う。
「エンペルト、躱してジオインパクト!」
対してエンペルトは跳躍してその氷拳を躱すと、銀色の光を纏った両翼を振り抜き、鋼の衝撃波を放つ。
「もう一度冷凍パンチ!」
顔面に衝撃波を食らうも、それをものともしない様子でレジギガスは先程床へと叩きつけた拳をアッパーのように振り上げ、空中のエンペルトを殴り飛ばす。
「メタルブラスト!」
「躱してドリル嘴!」
レジギガスの点字模様が激しく点滅し、強大な鋼エネルギーの砲撃が撃ち出されるが、吹き飛ばされながらもエンペルトは体勢を立て直し、嘴を伸ばして高速回転、そのままドリルのように突撃し、砲撃を掻い潜りながらレジギガスとの距離を詰める。
「レジギガス、叩き落とせ! 冷凍パンチ!」
「させるか! エンペルト、スピードを上げろ! ジオインパクト!」
レジギガスが冷気を込めた拳を振り下ろすが、エンペルトはさらに加速してギリギリのところで拳を回避する。
レジギガスの眼前まで迫ると、回転を解き、銀色の光を纏った右翼を手刀のように思い切りレジギガスへと叩きつけた。
だが。
「メタルブラスト!」
直後。
翼を叩きつけられたレジギガスの顔面の点字模様が激しく点滅し、間髪入れずに鋼エネルギーの砲撃が撃ち出される。
躱す隙すら与えず、砲撃がエンペルトを吹き飛ばし、エンペルトは壁に叩きつけられた。
「ストーンエッジ!」
さらにレジギガスが両拳を構えると、その拳の周りに白い光が迸り、無数の尖った岩を形作る。
レジギガスが両手を広げ、それを突き出すのを合図に、無数の岩がエンペルトに向けて一斉に発射される。
ようやく起き上がったエンペルトに対し、無数の岩の刃の雨が容赦なく降り注いだ。
「エンペルト! 大丈夫か!?」
幸い、レジギガスがここまで使用している技は全てエンペルトには効果が今一つ。
なのでまだエンペルトは戦えているが、ダメージ量はとても効果今一つのものとは思えない。
それに、
「レジギガスの攻撃力が、最初より上がっている……?」
先程エンペルトを吹き飛ばしたメタルブラスト。最初にレジギガスが放ったものより、明らかに威力が増していた。
ストーンエッジもそうだ。最初は片手で放っていたはずが、今の一撃は両手から繰り出していた。
そして、
「気付いたようだな」
リカルドのその言葉を聞く限り、レオのその感覚はどうやら間違いではないようだ。
「特性、スロースタートだ。レジギガスは戦闘が始まってしばらくの間はその力をフルパワーで発揮することが出来ない。だが、それが解除されれば、レジギガスが本来持つ非常に高い能力をフルパワーで発揮出来るようになる」
ぞわり、と。
レオの背筋に、悪寒が走る。
「先程のメタルブラストを放つ直前に、スロースタートが解除されたようだ。これでレジギガスはフルパワーを発揮出来る」
さらに、とリカルドは続け、
「俺のレジギガスの最後の技は、スロースタートが解除されなければ発動出来ない技でな。それまでは三つの技で戦わなければならないが、その分、とんでもない火力を持つ技だ」
リカルドの口元が吊り上がる。
レオが嫌な予感を感じた時には、既に遅かった。
「レジギガス、ギガインパクト!」
レジギガスの体を、途轍もない量のオーラが覆っていく。
持てる力の全てをオーラに変え、レジギガスは莫大な量のオーラを身に纏う。
刹那。
特大の砲弾のように、レジギガスが突撃した。
一瞬だった。次の瞬間にはエンペルトは吹き飛ばされ、凄まじい勢いで壁へと叩きつけられ、壁にめり込んでいた。
「……!?」
レオが声をあげる時間もなかった。
有無を言わさない圧倒的な火力。タイプ相性など関係なく、力で全て吹き飛ばす。
センドウのドサイドンを一撃で沈めたこともある、レジギガスの切り札だ。いくらレオのエンペルトと言えども、流石にこの一撃を耐える術など存在しない。
だが。
それは、過去の経験に基づくリカルドの考えでしかない。
「エンペルト! ハイドロカノン!」
エンペルトが埋まる壁が砕け散り、極限まで水を圧縮した巨大な水の砲弾が飛び出した。ギガインパクトは攻撃後にしばらく反動で動けなくなる。つまり、今のレジギガスは完全に無防備。
そのレジギガスの顔面に水の砲弾が着弾し、その瞬間に、水蒸気爆発のような大爆発を起こした。
「……!? レジギガス!」
防御することも出来ず、レジギガスの巨体がふらつく。
吹き飛ばされこそしなかったものの、体勢を崩し、その場に片膝を着いた。
「エンペルトを甘く見てもらっちゃ困りますよ! 僕のエースは、そう簡単にやられはしない!」
得意げなレオの言葉とともに、壁からエンペルトが抜け出してきた。
その体には膨大な水のオーラを纏っている。体は傷だらけ、既に満身創痍だが、その闘志は全く衰えていない。
「……フ、ハハハハハ! 見事だ、実に見事だ! 今のハイドロカノン、素晴らしい一撃だった。チャンピオンになって以来、俺のレジギガスに膝をつかせたのは、レオ、君が初めてだ!」
そして、それを見てリカルドは心底楽しそうに笑う。
恐らく、この全力のバトルを、心の底から楽しんでいるのだろう。
「だがここまでだ。君との勝負、本当に楽しかった。次の一撃で、終わりにしよう!」
そして。
レオにとっても、それは同じだ。
「上等です。こちらこそ、楽しいバトルをありがとうございました。この思い、次の一撃に全て込めます!」
その刹那。
「レジギガス、ギガインパクト!」
「エンペルト、ハイドロカノン!」
持てる力の全てをオーラに変え、レジギガスが途轍もない量のオーラを纏っていく。
対するエンペルトは体を覆う水の力を全て一点に集め、極限まで水の力を圧縮し、巨大な水の砲弾を作り出す。
両者の一撃が正面から激突し、水の砲弾が大爆発を起こした。
エンペルトの全力の一撃。
それを持ってしても、レジギガスを撃ち破ることは出来なかった。
「……エンペルト、よく頑張った。お疲れ様」
レオがそう呟いた、その直後。
レジギガスの最後の一撃が、エンペルトを貫いた。
「リカルドさん、ありがとうございました。いいバトルでした」
「俺としてもここまで熱いバトルが出来たのは久し振りだ。こちらこそ、礼を言わせてもらうぞ」
バトルを終え、レオとリカルドは握手を交わす。
「……さて。ライオが言っていた通り、確かに君は強い。だが、チャンピオンの俺から言わせてもらうと、やはりまだ気になる点もある」
リカルドにそう言われ、レオは思い出す。
ネオイビルとの決戦はもうすぐ。早くてあと一週間なのだ。
「使える時間は残り一週間。あまりにも短い期間だが、俺としては少しでも君たちを強くしてやりたい。残りの期間、俺について来る気はあるか?」
真剣な表情に戻り、レオの目を真っ直ぐに見つめ、リカルドはレオに尋ねる。
「勿論です。元からそのためにここに来ました。寧ろ僕の方からも、お願いします」
レオの言葉を聞き、リカルドは頷く。
「よし、いいだろう。俺たちポケモンリーグの人間としても、ネオイビルをこれ以上放っておくことは出来ない。残りの時間、出来る限り君たちの力になろう」
残り一週間。
ネオイビルとの最終決戦の日は、すぐそこまで近づいている。
- Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.381 )
- 日時: 2016/09/09 00:00
- 名前: プツ男 (ID: TzDM8OLf)
どうも、地面タイプの四天王をドラゴンタイプの四天王と盛大に勘違いしてバーネッコ使ってきたとたんに心の中で『ドラゴン使いじゃないんかーいwwwwwwwww』って突っ込んでたら地面タイプで一人で恥ずかしくて死んでいました。プツ男です。
えーっと、まずは何から申しましょうか?まあこれでしょうね。
小説大会金賞おめでとうございまぁああああああああああああああああああああす!!!!!
銅賞とか銀賞とか以前取っていらっしゃったので、そろそろかな?とおもった矢先のことで本当にうれしいです。作者でない私が言うのもなんですが本当にうれしいです。
こういう時に絵の上手い人とかだったら記念絵とか描く人もいるんでしょうけど、あいにくわたくし、はいだしょうこレベルの画力なので、何かお祝いでできないかな?と思ったのですが、発想力の乏しさか何も思いつきませんね;;
好きなキャラについてでもかたっておきましょうかね。まあオリキャラ投稿した時からちょっとにじみ出てたかもしれないですけど、私の場合トパズが一番ですかね。そもそも軍人キャラとか硬派なおじさま(トパズがおじさまの部類に入るかはさておき)キャラとか出てくるシリアス系の物語が好きな影響ですけど、N・E団の実質の引率者?統率者?マターやオパールが出張ってこない分、よく出てきてくれてこっちとしてはうれしい限りです。あと、チリーン使っているギャップ(?)もなかなかですね。マカドゥスとか、ガルラーダとか結構ゴツゴツ系のを使っているのに、ファンシー方面の入れているのもクスっときます。あ、エーフィもどっちかというとチリーンと同じ系統ですね。あとは、悪の組織には一人くらいいそうな正々堂々とした悪人キャラっていうところも好きですね。
マツリを投稿するにあたっても、トパズの直属で投稿したいなぁって思って決めたはいいものの、トパズの部下といえばと考えたら、お堅いキャラしか考え付かず、かといってそれも安直だと思ってあんなキャラになった次第です。トパズとも考え方が対立しつつもなんやかんや一番信頼しているといった感じでどっちなんだよお前といったよくわからないキャラで落ち着いてしまいましたが....キャラメイクというのも難しいですね。
トパズ以外だと、ソライトもなかなか、素性がばれた時の衝撃もさることながら素性がばれた今でも悪前回というわけではなく、そのままのキャラでしっかりゲスいのでそこに心惹かれましたね。どうせなら『だまされる方が悪いんだよばぁああああああああああああああかWWWWWWWWW』とか叫んでたら悪役っぽいのに、最初のやさしかったソライト博士の印象もあり、どこか完全に悪役と見れないんですよね。
そういう意味で、奇抜すぎずかといって花が無いわけでもなくしっかりとキャラが立っているほかのオリキャラやパーセンターさんのキャラ達ってすごいな、って常々思います。
タイムリーな話題で行きますと、レオの四天王&チャンピョン戦の一区切りですね。レジワロスじゃないレジギガスを追い詰めたはいいものの一歩及ばずといったところで・・・・これはまたN・E団の一見が終わったらもう一回再選ですかね?是非ともレジヤバスを破ってチャンピョンの座に輝いて欲しいものですが、どうなることやら・・・・
そして待ちにまった(?)ネオイビルとの最終決戦。次が最終章なのか、閑話休題挟むのかはわからないですけど、レオ達『ブロック』サイドの方々はどれだけパワーアップして、決戦に臨めるかも楽しみにしています。
残りもう少し(なのかはわかりませんが)応援しています!
これからもよろしくお願いします。
あ、大事な事なのでもう一回真面目にいっておきますね
金賞受賞、本当に本当におめでとうございます!
- http:// ( No.382 )
- 日時: 2016/09/09 19:33
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
>>プツ男さん
だいたい四天王の四番目はドラゴンタイプ使いが多いですからね。初手がガブリアスだったので特に紛らわしいですが、センドウは地面タイプ使いです。
ありがとうございます。正直なところ、まさか自分が金賞を取れるとは夢にも思っていませんでした。
実は銀賞を取っていたということも金賞を取るまで知らず、全ての賞を取ったのかと思うとともにいつまでこの小説を書いてるんだろうなとか考えてました。今回こそ、完結させます。
人気投票をやろうと思ったんですが、全然投票が来なかったのでやめてしまいました。まぁ仕方ないですね。
トパズですか。オパールが覚醒を見せず、マターがバトルすらしていない現状、今のところこのトパズがこの小説において最強キャラの座についていますね。
まぁ彼も三十代半ばですからね、年齢で言えばおじさんと言われても仕方ない年頃ですが、それはさておき。
オパールはマターの守護を任され、滅多に表に出て来ないため、トパズは実質的な七天将のリーダーを任されています。
チリーンは……元々覚醒前のトパズが序列四位だったので、そこまで強力すぎるポケモンばかり持たせられないと考えて、本家ではそこまで強くなくゴツくもないチリーンがチョイスされました。もっともトパズの個体は自分よりも巨大なポケモンをも音波や衝撃波でバッタバッタと吹き飛ばす化け物ですが。
エーフィはブイズの中で輝天のイメージに一番合うもの、ガルラーダは移動要因+戦闘要因のイメージにピッタリだったものという理由で選んでいます。
マカドゥスは即決まりましたね。トパズの圧倒的な実力に合う電気ポケモンはマカドゥス以外には見つかりませんでした。
マツリは変装という他のキャラクターにはないポイントがあったので、そこをベースにキャラを組み立ててみました。今考えるともう少し上手く描写出来たかなぁと、反省点もあったり。この後の話にも彼の出番は作る予定です。
ソライトは科学者というよりは研究も出来る参謀的なイメージが強いと思います。やってることは外道そのものなんですが、決して悪全開というわけでもないです。完全な悪だったら宿敵と分かっているはずのレオにポケモンのタマゴなんかあげませんしね。
奇抜すぎるキャラは多すぎると逆にキャラが立たなくなってしまいますからね。キャラの奇抜さだけでキャラクター性を確立するのはあまりやりたくないので、出来るだけ描写の部分でキャラクター性を引き立てることに力を入れてます。メジストとカンタロウは例外ですが。
四天王全員を倒してここまで来たレオですが、流石にチャンピオンにはあと一歩及びませんでしたね。
リカルドのレジギガスはスロースタート時点でエンペルトと互角以上に渡り合えるチート性能です。
再戦は……どうなるでしょう?(まだ決めていない顔)
ここまでノンストップでストーリーが進んできたので、ここらで少し箸休め回を少し挟んで、その後はいよいよネオイビルとの決戦に入ります。
完結までもう少しです。こちらこそ、よろしくお願いします。
- Re: 第二百十八話 基地 ( No.383 )
- 日時: 2016/09/10 09:05
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: V5tgsXsQ)
- プロフ: ネタバレを避けるため、>>0のタイトルは「N・E団編」とします
「セドニー様……」
誰かが自分を呼ぶ声が、頭の中に響く。
「セドニー様!」
「!?」
次の一言で、はっとセドニーは我に帰る。
自分を呼ぶ声の主は、自らの直属護衛、ロフトだ。
傍にいるサーナイトも、心配そうにセドニーの顔を見る。
「大丈夫ですか、セドニー様。心ここに在らず、そんな感じでしたよ」
「……あぁ、悪りい。ちょっと考え事をしてただけだ。それで、どうしたんだ?」
「そろそろ、作業終了時間五分前です。碧天隊を引き上げてもよろしいですか」
セドニーが空を見上げれば、もう夕暮れ時だ。
「そうだな。それじゃ、今日の仕事は終わりだ。ソライトに伝えてくるから、お前は隊を撤収させてくれ」
「了解です」
ロフトは敬礼し、去っていく。
セドニーはサーナイトの頭を撫で、通信機を起動させると、通話をソライトに繋げる。
「おうソライト。セドニーだ。そろそろ時間だから、碧天隊は撤収させるぜ。ロフトと俺はもう少し残ってるから、手伝うことがあったら言ってくれ」
『おや、もうそんな時間ですか。そうですね、今のこちらの作業は専門職の者でないと恐らく仕事になりませんから、貴方も休んで構いませんよ』
「それじゃ、すまないが後よろしく頼んだぜ。建設だけならうちの隊で楽勝なんだが、複雑な調査やら分析やらは俺じゃさっぱりだ。やっぱお前がやるのが適任だな」
『蛇の道は蛇というものです。これくらいはお安い御用ですよ。セドニーこそ、今日もお疲れ様でした』
そして通話は切れる。
「っし、じゃあ今日の仕事は終わりか。サーナイト、お前もお疲れさん。休んでてな」
もう一度サーナイトの頭を撫でると、セドニーはモンスターボールを取り出し、サーナイトをボールへと戻す。
いつの間にやら碧天隊は早くも撤収しており、ロフトがセドニーの元へ戻って来る。
「おうロフト、ありがとな。ソライトに聞いたが、俺たちが今日やることはもうないぜ」
「了解です。それでは、今日の仕事はこれで終わりということですか」
「そーゆーこった。いつもお前には残業させちまってるし、今日くらいはゆっくり休みな。明日は——」
「でしたら」
セドニーの言葉を遮って、ロフトが口を開く。
「少し話でもしませんか。他愛もない世間話で構いません。一人で休むより、その方が落ち着きます」
普段から真面目で寡黙なロフトにしては、珍しい申し出だ。
「あん? あぁ、俺もこの後は暇だし、構わねえぜ。んじゃとりあえず、基地に戻るか」
予想していなかった申し出にセドニーは少し驚くが、ロフトに対しては好意的なので特に面倒がることもない。
何故こんなものが作られているのかは不明だが、ネオイビルの基地には静かな喫茶店とバーを足して二で割ったようなスペースが存在している。
緋天将直属護衛ブレイズがそのスペースを管理していること、ガーネットの部屋が近くにあることから、空いたスペースにガーネットが趣味で作らせたのではないかと噂されているが、それはさて置き。
ブレイズを除けば、今この空間にはロフトとセドニーの二人しかいない。
「で、話ってなんだ?」
「いえ、特に大事な用事というわけでもなく、単にしばらく話をしたいだけです」
ロフトの言葉に、そーかい、とセドニーは返す。
「まぁでも確かに、任務中に話すことはあったけど、お前とプライベートで話すことってあんまりなかったな。いつもお前には感謝してるぜ。天将として言っちゃいけねえかもしれねえが、正直一人で隊を束ねる自信はねえからよ」
「リーダーを支えるのが参謀の仕事です。それに、セドニー様のことを力不足だと思ったことも一度もありません」
表情は相変わらず真面目なままだが、優しい口調でロフトはそう返す。
「他の部下たちも皆そう言っていますよ。やっぱりセドニー様が隊長でよかったって」
「そりゃあ、比較対象が緋天隊やら輝天隊だからな……トパズはともかく、特にガーネットはあそこまで部下に厳しくする必要もないと思うんだがな。あいつ自身は別に嫌いじゃねえんだけどよ」
遠くでグラスを整理するブレイズに聞こえないように、後半は小さい声で話すセドニー。
「人を動かす方法は二つです。飴と鞭のうち、飴を多くするか鞭を多くするか。セドニー様は飴を多く与え、ガーネット様は鞭を多く与える。どちらも間違いではありません」
「ほー、俺には分からんぜ。恐怖で部下を縛り付けるだけじゃねえか」
「人にもよりますが、特に上司が実力者であればその方法は使えます。下手に飴を与えすぎると、上司が部下に甘く見られる恐れもある。セドニー様はそういう訳ではありませんけどね」
セドニーにはよくわからない世界だ。やはり自分はリーダーには向いてない気がする。
ロフトを直属護衛にして心底よかった、そう思いつつ、セドニーはロフトの話に耳を傾ける。
「ところでセドニー様、これは素朴な疑問なのですが」
「あぁ、何だ?」
特に何ということもなくセドニーは聞き返すが、ロフトが珍しく言いよどんでいるようで中々口を開かない。
「あん? どうしたんだよ、別に何聞いても怒らねえぜ?」
怪訝な様子でセドニーがさらに尋ねると、ロフトは極めて珍しいことに少し赤面しながら、
「……あの、ポケモン……というか、手持ちのサーナイトに、恋? してしまったのは、どいつから……なんですか?」
流石に上司にこのようなことを聞くのは気が引けるのか、言葉を詰まらせながらそう言った。
それに対して、
「あぁ。ラルトスが俺のポケモンになったその瞬間からだぜ」
あっさり過ぎるほど素直にセドニーは答えた。
「そ、そうなんですか」
あまりにもあっさり返されたため、ロフトは拍子抜けにそう返す。
「つかそんなこと聞いてどうすんだよ?」
「いえ、ですから素朴な疑問です。ただ、ポケモンに恋するというのが、申し訳ないのですが私には理解出来なかったので……」
「休暇を得たら一度シンオウ地方のミオ図書館に行ってくるといい。昔は人と結婚したポケモンがいたらしいぞ、今それを起こしても不思議じゃないだろ?」
ニヤリと笑って、冗談交じりにセドニーはそう返すが、
「……俺の手持ちの中でな、サーナイトとバジリールはネオイビル、いやイビルに入る前から一緒にいたポケモンだ。この二体には大事な思い出があってよ。バジリールもそうだが、俺はサーナイトを守んなきゃいけねえんだ。守んなきゃいけねえ理由があるんだ」
次に言葉を発した時には、セドニーはいつになく真剣味を帯びた顔になっていた。
「そうなんですか……」
「ま、話すとバカみたいに長くなるから、今は話せねえけどな。今の仕事が終わって時間があったら、その時にでも話してやるよ」
それにしても、とセドニーは話を変え、
「今日はやけにお喋りだな、ロフト。何かあったか?」
「え? あ、いえ。ただ先ほども仰っていたように、セドニー様とはあまりこのような話をしたことがなかったので。それに……」
ロフトは一旦言葉を切り、
「……あまりこういうことを言ってはいけないのかもしれませんが、この機会を逃すともう話せないような気がしたので。最近はセドニー様だけでなく、他の天将の方々も忙しそうにしてらっしゃいますし」
「……まあな。他の連中も薄々気付いてるんだろ、この組織もそろそろ潮時だってな。次の戦いが最終決戦、そこで負けりゃネオイビルは終わりだし、もし勝ったとしても新世界を創るのはマター。そこに俺たちが必要なのか、正直なところその保証はないからな」
そればっかりは分からんな、とセドニーは続ける。
その時、
「あら。こんな時間にあんたがここにいるなんて、珍しいじゃないの」
現れたのは、先ほど話に上がっていた緋天将。
「おう、ガーネットか。部下との憩いの時間を過ごしてるところだぜ」
セドニーが手を振り、ロフトは軽く会釈する。
「悪いんだけど、ブレイズを借りたいの。ここにいる分にはいいんだけど、消灯とかお願いしてもいいかしら?」
「あぁ、構わんぜ……いや、うちらももう出るわ。ロフト、行くぞ」
「了解しました」
セドニーは独断で決めてしまうが、ロフトもそれに反論することはせず、席を立つ。
「そう? 別に無理に私に合わせてくれなくてもいいんだけど……まぁいいか。それじゃセドニー、ロフト、おやすみ」
「おうよ、また明日な」
「おやすみなさい」
ガーネットは小さく微笑むと、ブレイズを連れて部屋へと戻っていく。
「さぁて、明日からの作業も山盛りだし、俺たちも部屋に——」
「すいません。もう一つだけ、よろしいでしょうか」
セドニーの言葉を、ロフトは再び遮った。
「あん? どうした?」
またも怪訝な様子でセドニーは尋ねる。
対して、ロフトはこう言った。
「私とバトルしていただけませんか?」
- Re: 第二百十九話 訓練 ( No.384 )
- 日時: 2016/09/11 14:23
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: IqVXZA8s)
数あるネオイビル基地の訓練所のうち、第七訓練所。
そのバトルフィールドに立つのは、碧天将セドニーと、その直属護衛ロフト。
「やれやれ……どういう風の吹き回しだ? まぁ久し振りのバトルだし、勘を取り戻すのにはちょうどいいかもしれねえけどよ」
「最近は建設任務続きですし、私もセドニー様もバトルの腕が鈍ってしまうかと思いましたので。それに……」
ロフトは少し間を空け、
「直接一戦交えれば、セドニー様の抱えている悩みが何か分かるかもしれません。そうすれば、私も何か手助け出来るかと」
ロフトのその言葉に、セドニーは少し驚いたような表情を見せるが、
「……ったく、何を言い出すかと思えば。俺にそんな大層な悩み事なんかねえよ。あるとすれば『ブロック』との決戦が終わった後どうなるか、それくらいだ。ま、腕が鈍らないようにっていう考えなら、俺も賛成だ。受けて立つぜ。ただ時間も時間だし、一対一でいいな?」
すぐにニヤリと笑い、モンスターボールを取り出す。
「バジリールは覚醒しないと使えねえから……そんじゃ、頼んだぜ、サーナイト」
セドニーが出したのはサーナイト。ネオイビルではもはや彼の代名詞とも言えるポケモン。
「っと、何も気を遣う必要はないぜ。サーナイトだって強くしてやらないといけねえからな。心配しねえで、全力で来な」
セドニーの言葉に同意するように、サーナイトもロフトを見据えて首を縦に振る。
「了解しました。マリルリ、行け」
ロフトもボールを取り出し、マリルリを繰り出す。
「それでは行きます。マリルリ、アクアテール!」
マリルリが尻尾の先に水を纏う。
バネのような尻尾を掴んで思い切り振り回し、その尻尾を振り下ろしてサーナイトへと叩きつける。
「サーナイト、サイコキネシス!」
対してサーナイトは手を翳し、念力の壁を発生させてマリルリの尻尾を防ぎ切り、
「十万ボルト!」
体から電気を発して、高電圧の強烈な電撃を放つ。
「マリルリ、躱して捨て身タックル!」
身軽に跳んで電撃を躱し、マリルリは守りを捨て、渾身の力を込めた突撃を仕掛ける。
「サーナイト、ムーンフォース!」
サーナイトの体が月の光のように白く光り輝く。
その光を掌の一点に集めて、サーナイトは純白の光の光線を撃ち出す。
正面から突っ込んでくるマリルリを白い光が捉え、逆にマリルリを押し戻した。
「気合玉!」
さらにサーナイトの掌に気合を込めた念弾が作り上げられ、マリルリへと発射される。
「マリルリ、立て直せ! 気合パンチ!」
マリルリの握り締めた拳に気合の力が宿る。
赤く光る拳を振り抜き、マリルリは気合玉を粉砕すると、
「アクアテール!」
再び尻尾に水を纏い、床を蹴って飛び出し、一気にサーナイトとの距離を詰めて長い尻尾を振り下ろす。
「そうはいかんぜ。サーナイト、サイコキネシス!」
サーナイトが再び強い念力を発する。
今度はマリルリの尾に直接念力を仕掛けてその動きを止め、念力を操って逆にマリルリを投げ飛ばしてしまう。
「十万ボルトだ!」
さらにサーナイトは高電圧の電気を生み出し、マリルリに向けて強力な電撃を放つが、
「草結び!」
その直前、サーナイトがよろめく。
サーナイトの足元にいつの間にか結ばれた草が出現し、サーナイトを躓かせたのだ。
草結びは本来、相手が重いほど高威力を発揮する技。比較的軽いサーナイトには威力はそこまで期待できないが、それでもサーナイトを止めるには充分。
実際にサーナイトは体勢を崩し、電撃は明後日の方向へと飛んで行ってしまう。
「今だマリルリ! アクアテール!」
そしてその隙を逃さず、マリルリは水を纏った尻尾を振り回して思い切り振り下ろし、サーナイトの額に丸い尻尾を叩きつけた。
「続けて気合パンチ!」
さらにマリルリは拳を握り締め、ありったけの気合を込めた拳を突き出す。
「っ、サーナイト、サイコキネシス!」
対するサーナイトは何とか両手から念力を発し、マリルリの拳を受け止める。
「ほお、なかなかやるじゃんかよ。サーナイト、大丈夫か?」
一旦体勢を立て直し、サーナイトは尻尾を叩きつけられた額をさすりながらもセドニーの言葉に応えて頷く。
「よし、サーナイト、もう一度十万ボルト!」
再びサーナイトは体から電気を生み出し、高電圧の強力な電撃を撃ち出す。
「マリルリ、躱して捨て身タックル!」
その電撃を掻い潜ってマリルリは前進し、守りを捨てて捨て身の特攻を仕掛ける。
「サーナイト、気合玉!」
サーナイトの右掌に身体中の気合の力が溜め込まれ、気合の念弾が掌から放出される。
突撃してくるマリルリに気合玉が正面から直撃、マリルリの突撃の勢いを抑え、
「ムーンフォース!」
間髪入れずにサーナイトの両手から月の光のような純白の光線が放射される。
光線を躱しきれず、マリルリは純白の光に飲み込まれて吹き飛ばされる。
「くっ、流石は天将セドニー様……ならば、マリルリ、地面に気合パンチ!」
マリルリは起き上がると、拳にありったけの気合を込めて地面に拳を叩きつけ、フィールドを大きく揺らす。
揺れによってサーナイトの動きを止めつつ、マリルリは宙へと飛び上がり、
「捨て身タックル!」
そこから守りを捨てて捨て身の特攻を仕掛ける。
「なるほど、それならサーナイト、サイコキネシス!」
一方、サーナイトは自分の身体に念力を掛ける。
念力を操作し、自分の体を宙へと持ち上げ、マリルリの突撃を回避した。
「十万ボルト!」
「アクアテール!」
念力を解いて空中で電撃を生み出すサーナイトだが、それよりも早くマリルリが水を纏った長い尻尾を振り回す。
長いリーチの尻尾が空中のサーナイトを捉え、その細身の体を叩き飛ばした。
「マリルリ、追撃だ! 気合パンチ!」
吹き飛ばされるサーナイトを狙い、マリルリは渾身の力を込めた拳の一撃を繰り出す。
「そうは行かねえぜ。サーナイト、サイコキネシス!」
だがまたしてもサーナイトの放つ強い念力によって阻まれ、マリルリの拳はサーナイトに届かず、逆にマリルリが押し返されてしまう。
「気合玉だ!」
そしてすぐさまサーナイトは掌から気合の念弾を放出する。
押し返され、体勢を立て直した直後、気合玉が直撃し、マリルリは吹き飛ばされる。
「っ、マリルリ!」
吹き飛ばされて地面に落ちるも、まだマリルリは起き上がる。
上司セドニーとのバトルの中で、ロフトはふと、過去のことを思い出す——
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