二次創作小説(紙ほか)

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ポケットモンスター 星と旋風の使徒
日時: 2017/01/28 12:25
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22078

どうも、初めましての人は初めまして、そうでない人はこんにちは。パーセンターです。
えー、また始まってしまいました。四作目ですね。
今作は前作の完全続編となっております。
参照をクリックすれば、前作に飛びます。
レオの新しい冒険が、始まります。

※注意
・例によって例のごとくノープランです。
・パーセンターは大学生でございます。現在数々の課題に追われて更新頻度が非常に低いですがご了承ください。
・登場するポケモンが色々とややこしいです。詳しくは近々やるオリキャラ募集のときに説明しますが、簡単に言うと『プラチナのシンオウ図鑑に載っているポケモン+ベガでのみ登場するポケモン』となります。

これくらいですね。
内容としては、前作と同様、オリジナルの地方でのゲームのような冒険ものとなります。

それでは、よろしくお願いします。

登場人物
味方side >>25
N・E団side(ネタバレ注意)>>153
用語(ネタバレ注意)>>342

プロローグ >>1

シラハタウン&メガキタウン編
>>6 >>20 >>22
ハスバナシティ編
>>27 >>31 >>32 >>34 >>36
デンエイシティ編
>>39 >>40 >>41 >>42 >>45 >>46 >>50 >>53
アカノハシティ編
>>55 >>57 >>58 >>62 >>63 >>64 >>65 >>68 >>70 >>72 >>74 >>75 >>79 >>80
コウホクシティ編
>>81 >>82 >>83 >>84 >>87 >>88 >>89 >>93 >>94 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>106 >>107 >>108 >>111 >>112 >>115 >>116 >>117 >>118
ツクモシティ&スティラタウン編
>>121 >>122 >>123 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>138 >>145 >>152 >>157 >>158 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>171 >>172 >>173 >>175 >>176 >>177
シヌマシティ編
>>178 >>179 >>180 >>185 >>186 >>188 >>189 >>190 >>193 >>194 >>195 >>199 >>200 >>206 >>207 >>210 >>211 >>214 >>215 >>216 >>217 >>218 >>221 >>222 >>223 >>224 >>227 >>229 >>230 >>233
ヨザクラタウン編
>>234 >>235 >>236 >>242 >>243 >>246 >>247 >>248 >>251 >>254 >>255 >>256 >>257 >>258 >>259 >>260 >>261 >>264 >>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>273 >>274 >>275 >>276 >>277 >>280 >>281 >>283 >>284 >>285 >>288 >>289 >>290 >>291 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>303 >>304 >>305
テンモンシティ編
>>306 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>322 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>340 >>341
四天王&チャンピオン編
>>343 >>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>352 >>355 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>373 >>378 >>379 >>380
N・E団編
>>383 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>390

決戦編
零節 都市
>>391 >>392
一節 碧天
>>393 >>400
二節 緋天
>>394 >>401
三節 蒼天
>>395 >>404
四節 破天
>>396
五節 夜天
>>397
六節 輝天
>>398
七節 聖天
>>399


非公式(ベガ)ポケモン図鑑 >>5

Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.205 )
日時: 2013/12/08 15:43
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Yry.8Fde)

「もっと本気でガンガン来いっての!」

ママル(女)19歳
容姿:長めの赤髪のロングヘアーで、やや露出度の高めな服の上から茶色のコートを着ている。コートは着ずに上から羽織るだけの時も多い。背は高い方ではなく体格も華奢だが体力はある方。
性格:非常に活発で、ポジティブな性格。貧しい田舎で自然と共に育ってきたため、金や権力に溺れる裕福者や権力者が大嫌いだが、デンエイジムリーダーユカリのように裕福な者でも周りの人やポケモンの事をよく考えている者は好き。
戦術:とにかく攻撃的なスタイル。周囲の地形も最大限に利用し、特殊な戦術も絡めながらガンガン攻めていく。
ジムリーダー肩書き:『蟲の恋人』

手持ちポケモン

トノッパー(♂)
特性:柔軟
技:虫のさざめき ダイヤブラスト ギガドレイン 飛び跳ねる

ワークロ(♂)
特性:複眼
技:マグナムパンチ 穴を掘る 冷凍パンチ カウンター

メガヤンマ(♂)
特性:色眼鏡
技:虫のさざめき 辻斬り エアスラッシュ サイコキネシス

ストライク→ハッサム(♀)
特性:テクニシャン
技:バレットパンチ 辻斬り シザークロス ウッドハンマー

Re: 第九十四話 潜入 ( No.206 )
日時: 2013/12/08 22:30
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: mKkzEdnm)
プロフ: 白黒さんのオリキャラ、ジン登場です。

「よし、全員揃ったな」
五人揃ったのを確認し、リョーマがボールを取り出す。
出て来たのはフルーツポケモンのトロピウス。
「徒歩だと少々距離があるからな、空を飛んで行く。飛行ポケモン持ってない奴は、トロピウスに乗りな。後二人くらいは楽勝だぜ」
レオにはトゲキッスがいるし、カンタロウは言うまでもない。
「じゃあリョーマはん、うち乗せてや」
「私もお願いしようかしらあ。飛べる子はいるけど、人を運べるほどの力はないしねえ」
マゼンタとサクラは、リョーマと共にトロピウスに乗る。
レオはトゲキッスに掴まり、カンタロウは体に対して大きな嘴を持つ、白と青を基調とする水鳥ポケモン、ペリッパーを出し、その口の中に乗り込む。
「よし、行くぞ!」
リョーマの声に合わせ、三体のポケモンは大空へ飛び立つ。
トロピウスが先導し、トゲキッスとペリッパーがそれに続く。
「カンタロウ、お前凄い乗り方してんな」
カンタロウはペリッパーの口の中に完全に入っている。
ペリッパーが嘴を少し開けているので、外は見えるようだ。
「靴さ脱げば嫌がらねェだ。元々、ペリッパーは小さいポケモンとか卵さ嘴に入れて運ぶ空の運び屋だべ」
ペリッパーも力はあるようで、人間が中にいるのにも関わらず普通に飛んでいる。
その後は一時間強無言の飛行が続くが、
「リョーマはん、あれか?」
不意にマゼンタが声を上げ、一点を指差す。
マゼンタの指の先に見えるのは、木々に隠れ見えづらいが、森の中にぽつんと建つ、小さく寂しげな研究所のような建物。
「見えたな。そうだ、あれだ。標的は近いぞ、高度を下げろ。ある程度近づいたら、そっからは降りて、歩いて行く」
リョーマの指示で、三体のポケモンは高度を下げていく。
木々に引っかからないように上手く森の中に入り、研究所へと近づく。
やがて先頭のトロピウスが止まり、着地する。
それに合わせ、トゲキッスとペリッパーも地面に降り、レオとカンタロウが飛び降りる。
「もう少しで百メートル以内くらいに入るぞ。近くにN・E団がいるかもしれねえから、気をつけろ」
いつ襲われてもいいように五人はボールを取り出し、研究所へと静かに足を進める。



「む?」
実験室にいるソライトが顔を上げる。
ピピッ、とモニターが小さい音を鳴らし、周辺の地図を映した。
一点に、赤い点が点滅している。
「ふふふ、来ましたね。私の勘が当たりましたか」
赤い点を押すと、写真が映る。
『ブロック』の副統率とシヌマ支部統括、白髪の鳥使いの少年とライオ博士の息子、そして見たことのない浴衣の少女が写っていた。
ライブキャスターを操作し、ソライトは天将や直属護衛たちが待機する部屋へ速やかに連絡する。
「半径百メートル以内に、五人の人間が接近しています。各々持ち場に着き、出会った敵を排除してください」



リョーマたち五人は、研究所の入り口まで接近していた。
「作戦を再確認する。各自で進み、一番奥を目指せ。とりあえず出会った敵は全員駆逐しろ。それだけだ」
リョーマの最終確認を終え、五人は扉の前に立つ。
「それじゃ……行くぞ!」
リョーマが扉を開けると同時、五人の精鋭が研究所へ突入する。
どうやら地下に繋がっているらしく、地下への階段が二つある。
リョーマとサクラは右側、レオとマゼンタ、カンタロウは左側の階段へと進み、侵攻を開始する。



階段を降りたところで、道が二つあり、そこでリョーマと分かれたサクラは、気楽に通路を進んでいた。
元々サクラは緊張や焦りなどを全く見せない気まぐれでマイペースな性格だ。
アカノハのジムリーダーほどではないものの、彼女の表情から余裕が消えることはほぼない。
いつ襲われてもおかしくないのだが、サクラはそんな状況を全く気にせず、鼻歌を歌いながら奥へと進んでいく。
端から見れば、周囲の警戒など全くしていない。
しかし。
「チェリム、エナジーボール!」
突然サクラが振り向き、ボールからポケモンを繰り出す。
紫色の花の蕾のような姿をした奇妙なポケモンが飛び出し、自然の力を凝縮した弾を撃ち出す。
どこからかサクラに向けて放たれた念力の波がエナジーボールにぶつかり、相殺される。
「うふふ、もしかして隙だらけに見えた私を背後から奇襲しようとしたのかしらあ? 無駄無駄、それくらいさっきから気付いてるわよお」
子供のような笑みを浮かべるサクラ。
対して、ゆっくりとした足音と共に、暗い通路の奥から人影が現れる。
二メートルもの長身の男だ。赤い短髪に、肌は浅黒く、黒いズボンと両袖のない黒いジャケットを着ている。
痩せ型に見えるが、腕には筋肉がついているのがはっきりと分かる。
その傍らには、錆びた緑色の銅鐸のようなポケモンが控えている。
銅鐸ポケモンのドータクン。鋼・エスパータイプだ。
「早速出たわねえ、N・E団。私があれくらいでやられるほど弱いとでも思ったのかしらあ?」
いつもの猫撫で声で煽っていくサクラだが、その男は全く反応しない。
「ガーネットちゃんとは違って煽り耐性は強いみたいねえ。ところで貴方誰かしらあ? 私が一通り見たN・E団の要注意人物リストには載ってなかったけどお」
「……俺の名はジン。夜天将ラピスの部下だ」
その男がようやく口を開いた。
「ふうん。で、今から貴方は私に勝ち目のない勝負を挑むってことかしらあ?」
「随分と安い挑発だな。つまらなさ過ぎて笑う気にもならん」
しかしバトルしない訳ではないようだ。
ジンがそう言った直後、ドータクンが音もなく前に進み出る。
「ふっふーん、そうでなくっちゃねえ。優しいサクラお姉さんがその生意気な口を封じてあげるわあ」
サクラの言葉と共に、チェリムが前に立つ。
研究所戦、最初の対戦カードは、ジン対サクラ。



レオやマゼンタと分かれ、カンタロウは通路を奥へ奥へと走っていく。
「小せえ見た目の割に、思っとったより広いべ」
仮にもN・E団の拠点の一つ、見た目通り小さいはずはないと、初めからカンタロウは察していたが、ここまで広いとは思っていなかった。
とりあえず、奥へと進みながら敵を探す。
「ん?」
ふと足を止めるカンタロウ。
今まで壁しかなかった通路に、扉がある。
(罠か、それとも敵がおるだけか? 敵ならそいつさ倒すだけだ、罠なら入りたくはねェけンど)
迷わずカンタロウは扉を開く。
罠なら罠で、後続が引っかからないように破壊しておいた方がいい。
中で待ち受けていたのは、
「来やがったな、侵入者」
敵だった。それも大物だ。
長身の緑の髪に、青い服の上に迷彩柄のコートを羽織った男。
碧天将セドニー。
「おや? お前」
カンタロウを見るなり、セドニーの表情が変わる。
「お前、アカノハで俺たちの邪魔しやがったクソガキじゃねえか。なるほど、そりゃいいぜ。あの時の恨みを晴らさせてもらおうか」
「ああ、思い出しただ。オラのポケモンにやられて安い捨て台詞さ吐いて逃げ帰った雑魚でねェか」
「何とでも言いな。そんな風に大口叩けるのも今のうちだぜ」
セドニーが言い終わると同時に、セドニーの瞳が翠色の光を放つ。
同時に、手の甲に龍の爪のような模様が浮かび上がる。
セドニーが、覚醒を使ったのだ。
「お前には負けたくねえし、初めから覚醒させてもらうぜ。覚悟はいいな」
そして、そんなセドニーを見てもカンタロウは顔色一つ変えない。
「なるほど、それが覚醒だか。こりゃ前よりは楽しいバトルが出来そうだべ」
セドニーとカンタロウが、同時にボールを取り出す。

Re: 第九十五話 代償 ( No.207 )
日時: 2014/05/13 09:15
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: /6p31nq7)
プロフ: サクラのキャラがよく分からなくなってきました。

カンタロウと分かれた後、マゼンタはレオと二人で行動していたが、途中でさらに分かれ道を見つけ、そこでレオと分かれた。
「意外と広がってるさかい、迷わんようにせななぁ」
今のところ一本道だが、下手に分かれ道で曲がってしまうと迷いかねない。
だからマゼンタは出来るだけ通路を直進するようにしている。
慎重に通路を進み、曲がり角を曲がったところで、
「……!」
遂にマゼンタは、N・E団と出くわした。
華奢な体つきだがそれに似つかわない気迫を放つ、中性的な顔付きの女。
碧天将直属護衛、ロフトだ。
「見つけたぞ、侵入者だな」
声こそ女の声だが、その口調には力強さが宿る。
「出てきたなあN・E団。あんた誰や? 天将とか言う人らとはちゃうやろ?」
「私の名はロフト、セドニー様の直属護衛だ。セドニー様及びソライト様の命令により、貴様を排除する!」
「うふふ、やれるもんなら、やってみいや」
互いに一歩も譲らず、ロフトとマゼンタはボールを取り出す。



サクラと分かれ、リョーマは周囲に気を配りながら奥へと進んでいく。
(見た感じ下っ端軍はいねえな。やっぱり研究施設と見て正解だったな)
とはいえ、流石に天将が二人か三人はいるはずだ。
そのためにも、自分が一番先に奥へと辿り着きたい。
「おや」
ふと声を上げたリョーマの行く手は、行き止まりだった。
しかし何もないわけではない。扉がある。
(何の部屋だ? 見た感じここが一番奥ではなさそうだし、普通の部屋か?)
扉の前まで近づくが、リョーマの目的は最奥部だ。
出会った敵は蹴散らすが、中に敵がいたとして、わざわざこちらから出向く理由はない。
引き返し、別の道を探そうとするリョーマ。
だが。

ガタン! と背後で音がし、天井から壁が落ちてきた。

「チッ、面倒くせえな」
リョーマは小さく舌打ちする。
(中に敵がいるのか? 倒さないと帰しませんってことか)
『倒さないと帰しません』であれば、リョーマにとっては面倒ではあるが大したことではない。
問題なのは、この壁が『帰しません』だった場合だ。
その場合、リョーマは外からの助けが来るまで出られなくなってしまう。
(とりあえず、中に進むしかねえか)
一先ずこの場で壁を何とかするのは諦め、リョーマはその部屋へ入る。
その部屋はなかなか広かった。中にあったのは、何に使うのかよく分からない機械や、本の入った棚。
それらが壁際に置かれ、部屋の中央には何も置かれていない。
代わりに、中央には人間がいた。
ゴスロリを着、車椅子に乗った、レオと同じくらいの少女。
夜天のラピスだ。
「ようこそ、『ブロック』副統率」
冷たい光を湛えた瞳をこちらに向け、ラピスが口を開く。
「おいおい、いきなり天将かよ。大当たりじゃねえか」
「そうでもないんじゃないかしら。確かに私は天将だけど、ここは最奥なんかじゃない、まだ入り口に近い方よ。そして私は来た敵を倒せばいいだけだけど、貴方は私を倒さないと出られない」
「ハッ、俺を誰だと思ってんだ? 『ブロック』で二番目に強い——」
「それに」
リョーマの言葉を遮り、ラピスは続ける。

「覚醒すれば、私は天将三位になるのよ」

直後。
ラピスの瞳が、菫色の光を放つ。
ゴスロリの両腕を捲ると、腕には鱗の付いた菫色の龍の腕のような模様が浮かび上がっている。
夜天のラピスが、覚醒を使用したのだ。
「もう一度言うわよ。覚醒した時の私は、序列三——ッ」
そこまで言ったところで、ラピスの体が痙攣し、両腕で口を押さえ、蹲る。
某然とするリョーマを他所に、ラピスはそのまま十秒ほど止まり、やがて顔を上げる。
そのラピスの口元には、一筋の血が垂れていた。
「……は?」
流石に驚きを隠せないリョーマだが、当のラピスは特に驚いた様子も見せず、手で血を拭う。
「私はまだ成人もしてないし、体も生まれつき弱いからかな、覚醒の力を抑えきれないのよ。覚醒を使うたびに、その代償として体が傷ついていくのよ」
しかしそれでも三位。その実力は、決して侮ってはいけない。
「ま、私もそれなりの覚悟を決めてるって事。だから、安い同情で手加減なんてしないでよ」
そう言って、ラピスはボールを取り出す。
「おいやめてくれよ。俺はそういう健気で可愛い女の子に弱いんだって」
とは言うものの、勿論リョーマは手加減などしない、寧ろ出来ない。
何しろ相手は覚醒状態で三位となる化け物だ。その実力がどのようなものかは分からないが、手を抜こうものなら間違いなくやられる。
「まあ心配すんな。全力で潰してやるからよ」
無理矢理笑みを作り、リョーマもボールを構える。



「チェリム、まずは日本晴れ!」
サクラとジンのバトル。
チェリムは太陽を模した光の玉を頭上に打ち上げ、周りを明るく照らす。
同時に、チェリムの姿が変化する。
蕾のような大人しい姿から一転、満開の桜の花のような晴れやかな姿、ポジフォルムへと変わる。
しかし、
「やはりそう来るか。ならばここはドータクン、雨乞いだ」
直後にドータクンが黒い雨雲を呼び、太陽を覆い隠し、雨を降らせる。
それに対応し、チェリムも元の姿、ネガフォルムへと戻ってしまう。
「ちょっとお、余計なことしないでよねえ。チェリム、日本晴れ!」
「ドータクン、雨乞いだ」
チェリムが擬似太陽を打ち上げるが、すぐにドータクンがまた雲を呼ぶ。
「これはしょうがなさそうねえ。チェリム、悪いけどこのまま戦うわよお」
結局サクラは一旦ポジフォルムを諦め、そのまま攻撃させる作戦に出る。
「チェリム、ウェザーボール!」
チェリムは上空に白い玉を撃ち出す。
白い玉は雨を受けて青く光り、ドータクンへと落下する。
ウェザーボールは基本はノーマルタイプの技だが、天候によって威力が上がり、技のタイプが変化する。
雨が降っていれば、ウェザーボールは水タイプとなる。
「ドータクン、サイコキネシス」
そのウェザーボールを喰らうが、ドータクンは耐久力が売りのポケモン。
強い念力を操って念波を飛ばし、反撃する。
「チェリム、エナジーボール!」
対してチェリムは自然の力を一点に集め、弾に変えて撃ち出す。
「ウェザーボール!」
お互いの技は相殺されるが、チェリムは再び白い玉を撃ち出し、雨の力を得てドータクンへと命中。
「所詮その程度の火力か。ドータクン、ジャイロボール」
「貴方が日本晴れさせてくれないからでしょお。チェリム、エナジーボール!」
ドータクンが高速回転しながらチェリムへと突撃し、チェリムは一点に集めた自然の力を弾として撃ち出す。
だがドータクンの回転力によってエナジーボールが弾かれ、チェリムはドータクンの突撃を喰らって吹っ飛ばされる。
「痛ーい。チェリムがそこまで速くないのが幸いねえ。チェリム、反撃よお! バグノイズ!」
ジャイロボールは相手の素早さが自分に比べて高いほど威力が上がる。
ドータクンは非常に遅いポケモンだが、チェリムも遅い方なのでダメージは少ない。
チェリムは大きく息を吸うと、もはや声とは思えない狂ったような甲高い音を出す。
ドータクンの動きを封じ、強烈な雑音がドータクンの体力を削っていく。
だがそれを喰らってもまだドータクンは平然としている。
「ふん、火力が無さすぎるな。その程度の実力で俺に勝つつもりか? 『ブロック』と言えどそんなものか」
「むー、だから貴方が日本晴れさせてくれないからでしょお。折角の日本晴れウェザーボール戦法が使えないじゃないのよお」
ジンの挑発に、サクラは子供っぽく頬を膨らませる。
「てゆーか流石にこれは相性悪すぎだわあ。チェリム、悪いけど一旦戻っててねえ」
バトルは始まったばかりだが、サクラはチェリムをボールに戻す。
「お願いよお、へラクロス!」
代わりに出て来たのは、レオも持っている虫・格闘タイプのポケモン、へラクロス。
しかしレオの個体と比べて角がやや短く、先も丸みを帯びている。
どうやらこのへラクロスは♀のようだ。
「交代して仕切り直しか。だがこちらが有利なのは変わっていないぞ」
「それはどおかしらあ? さあ、反撃開始よお」
無表情を崩さないジンに対し、サクラは子供のような無邪気な笑顔を浮かべる。

Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.208 )
日時: 2013/12/14 08:50
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 学校の創立何十周年記念だかなんだかで、面倒くさいセレモニーに参加しなければならなくなってしまった白黒です。休日登校なのもあり本当に面倒です。

 それは置いておくとして、遂にN・E団との戦いが始まりましたね。とりあえずジンの登場ありがとうございます。キャラ崩壊などは特にありませんというか、ほとんどイメージ通りです。
 バトルスタイルもここまで再現されるとは……サクラのチェリムを上手く妨害していますね。流石にドータクン相手では分が悪いので、交代させたようですが。

 そしてマゼンタの相手は、ロフトですか。
 なんだかサクラ対ジン、マゼンタ対ロフトって、どちらもマイペースな感じのキャラと厳格なキャラとのバトルになってますね……だからどうしたというわけでもないですが。
 前回のラピスとのバトルでは扱いやすいアタッカーで攻めていましたが、まさか今回はあの一撃必殺の鬼畜コンボを喰らうポケモンが出て来るんじゃ……と少々戦々恐々の白黒です。

 カンタロウの相手はまたセドニーですか。カンタロウにとってはバジリールが辛そうですが、それ以上にフェアリータイプが追加されたサーナイトがどこまで強くなっているのかが気になりますね。

 それよりも、ラピスって覚醒すると第三位なんですね。六位から三位とは、また随分と強くなるようで……まあ、うちにも最弱から最強になる人がいましたけど。
 セドニーがいつか、覚醒すると体に負担がかかると言っていたので、誰かはその負担が重くのしかかって来るんだろうなと思っていましたが、ラピスでしたか。確かにそんな感じしますね。
 そして対戦相手はリョーマと……正直、リョーマのキャラは今まで読んでいてもいまいちつかめなかったのですが、今回で少し好きになりました。トロピウスを所持している点も白黒的にはポイント高いです。今のところは、ラピスの覚醒時に追加されるポケモンを含め、この二人のバトルが一番楽しみですかね。

 そういえば、まだレオが出て来ていませんが……レオの相手は順当に行けばソライトでしょうか? 研究所ですし、ソライトがここを仕切っていそうですし。
 だとすれば、ここでソライトの覚醒が見れる……んでしょうかねぇ。なんだかソライトって出し惜しみしそうな性格っぽいですし、正直なところ、白黒としてはラピスの覚醒の結果が知れただけでも十分な感じです。

 とはいえどのバトルのどう転ぶのかがまだ読めませんし、先の展開が楽しみです。この時期は忙しいかもしれませんが、無理なさらぬよう頑張ってください。
 それでは、これにて。

Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.209 )
日時: 2013/12/18 21:01
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: TaHLTR3K)

>>白黒さん
休日登校になると面倒ですよね。振替休日があるとまだ楽ですが。

ジンみたいなキャラは書いたことがなかったので不安だったのでよかったです。
相手がサクラだったので、上手いこと天候を変える戦術が生かせましたね。
ちなみにサクラのポケモンには共通点があるので探してみてください。

確かにマイペース対厳格って感じになってますね。
しかも両方とも直属護衛ですしね。
あの戦術、ロマンはあるんですが、オーバーキル過ぎてバランスが壊れる気がするんですよね。
ポコキングが腹太皷を引き継ぐとしても、別のポケモンになりそうです。

因縁のカンタロウ対セドニーです。
フェアリータイプは今回の注目点の一つですね。楽しみにしててください。

ラピスは覚醒すると三位になります。
一気に順位が上がってしまうのも、体に負担をかける要因の一つになってますね。
加えてラピスのポケモン達は覚醒無しでも相手を選べば相当強いですから、それより強い力を誰相手でも振るえる感じです。
リョーマは普段は少しチャラついた軽い男なのですが、副統率なだけあって、本性はとても真面目なんですよね。
口調や態度は変わりませんが、『ブロック』としての気持ちは人一倍強いです。
トロピウスはあの見た目は僕も好きなんですけど、ゲームだと能力が貧弱で弱点も多いですし、中々報われないポケモンですよね……。
もう少し能力が高ければいくらでも使いたいんですが。

人数的にそうなっちゃいますね。
ソライトの覚醒やらはまだお楽しみということで。

センター試験まであと一ヶ月ほどですが、入試が終わり次第また更新頻度を上げて行こうと思います。


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