二次創作小説(紙ほか)

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ポケットモンスター 星と旋風の使徒
日時: 2017/01/28 12:25
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22078

どうも、初めましての人は初めまして、そうでない人はこんにちは。パーセンターです。
えー、また始まってしまいました。四作目ですね。
今作は前作の完全続編となっております。
参照をクリックすれば、前作に飛びます。
レオの新しい冒険が、始まります。

※注意
・例によって例のごとくノープランです。
・パーセンターは大学生でございます。現在数々の課題に追われて更新頻度が非常に低いですがご了承ください。
・登場するポケモンが色々とややこしいです。詳しくは近々やるオリキャラ募集のときに説明しますが、簡単に言うと『プラチナのシンオウ図鑑に載っているポケモン+ベガでのみ登場するポケモン』となります。

これくらいですね。
内容としては、前作と同様、オリジナルの地方でのゲームのような冒険ものとなります。

それでは、よろしくお願いします。

登場人物
味方side >>25
N・E団side(ネタバレ注意)>>153
用語(ネタバレ注意)>>342

プロローグ >>1

シラハタウン&メガキタウン編
>>6 >>20 >>22
ハスバナシティ編
>>27 >>31 >>32 >>34 >>36
デンエイシティ編
>>39 >>40 >>41 >>42 >>45 >>46 >>50 >>53
アカノハシティ編
>>55 >>57 >>58 >>62 >>63 >>64 >>65 >>68 >>70 >>72 >>74 >>75 >>79 >>80
コウホクシティ編
>>81 >>82 >>83 >>84 >>87 >>88 >>89 >>93 >>94 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>106 >>107 >>108 >>111 >>112 >>115 >>116 >>117 >>118
ツクモシティ&スティラタウン編
>>121 >>122 >>123 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>138 >>145 >>152 >>157 >>158 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>171 >>172 >>173 >>175 >>176 >>177
シヌマシティ編
>>178 >>179 >>180 >>185 >>186 >>188 >>189 >>190 >>193 >>194 >>195 >>199 >>200 >>206 >>207 >>210 >>211 >>214 >>215 >>216 >>217 >>218 >>221 >>222 >>223 >>224 >>227 >>229 >>230 >>233
ヨザクラタウン編
>>234 >>235 >>236 >>242 >>243 >>246 >>247 >>248 >>251 >>254 >>255 >>256 >>257 >>258 >>259 >>260 >>261 >>264 >>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>273 >>274 >>275 >>276 >>277 >>280 >>281 >>283 >>284 >>285 >>288 >>289 >>290 >>291 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>303 >>304 >>305
テンモンシティ編
>>306 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>322 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>340 >>341
四天王&チャンピオン編
>>343 >>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>352 >>355 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>373 >>378 >>379 >>380
N・E団編
>>383 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>390

決戦編
零節 都市
>>391 >>392
一節 碧天
>>393 >>400
二節 緋天
>>394 >>401
三節 蒼天
>>395 >>404
四節 破天
>>396
五節 夜天
>>397
六節 輝天
>>398
七節 聖天
>>399


非公式(ベガ)ポケモン図鑑 >>5

Re: 第百四十八話 剣舞 ( No.290 )
日時: 2015/02/14 20:59
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: p3cEqORI)

「テイルーン、行って来い」
ジンの最後のポケモン、テイルーンがボールから出て来る。
「さっさと倒して、ゲームセットよ! ユニサス、メタルブラスト!」
ユニサスが鋼エネルギーを溜め込み、砲撃を放つが、
「テイルーン、影撃ち」
テイルーンが瞬時にユニサスの背後まで影を伸ばし、自らの影に潜ってユニサスの背後から現れ、ユニサスを蹴り飛ばす。
「ユニサス、ハイドロポンプ!」
角の先から、ユニサスは大量の水を撃ち出す。
「テイルーン、躱して十万ボルト」
しかしテイルーンは身軽な動きで水柱を躱し、背中の雲から高電圧の電撃を放つ。
「ちょこまかと……ユニサス、もう一度メタルブラスト!」
「テイルーン、ブレイブバード」
ユニサスが鋼エネルギーを溜め込む。
それと同時に、テイルーンが雲を鳥の形に変え、青い炎のオーラを纏うとともに全力で突貫する。
猛スピードの突貫は、砲撃が放たれるよりも早くユニサスに激突し、吹っ飛ばした。
吹き飛ばされたユニサスは床に落ち、倒れて戦闘不能となる。
「ありがとう、ユニサス。休んでなさい」
ユニサスをボールに戻し、アスカはボールに手をかける。
(ゴウカザルは言うまでもなく相性が悪すぎる。そもそもゴースト・飛行タイプとなれば、この子しかいないわよね)
アスカが選んだ最後のポケモンは、
「行って来なさい、マニューラ!」
悪・氷タイプのマニューラ。非常に相性がよく、テイルーンのスピードにも対応出来る素早さも持つ。
「なるほど、マニューラか。少しはまともな選出も出来るのか」
「少しかしらね? タイプ上で非常に有利、さらにそのテイルーンの最大の長所であるスピードについていける。最高の選出だと思うんだけど」
「そういう見方に捕らわれている時点で、お前はその程度だ」
「へえ、いいこと言うじゃない。そろそろ始めるわよ、マニューラ、氷柱落とし!」
マニューラがテイルーンの頭上に冷気を放つ。
冷気は急速に凝縮され、無数の氷柱となって降り注ぐ。
「テイルーン、十万ボルト」
スピードを生かして、テイルーンは氷柱の間を次々と潜り抜け、高電圧の強力な電撃を放つ。
「マニューラ、躱して辻斬り!」
十万ボルトを避けると、マニューラは爪を構え、一瞬でテイルーンのすぐ横まで走り抜け、すれ違いざまに鉤爪を振るう。
咄嗟に離れるテイルーンだが、爪が体を掠めた。
「サイコパンチ!」
「影撃ちだ」
さらにマニューラは念力纏った手を突き出し、拳の形をした念力を飛ばす。
対してテイルーンは自らの影を伸ばすとともにそれに潜って念力を躱し、瞬時にマニューラの背後に現れ、マニューラを蹴り飛ばす。
「テイルーン、ブレイブバード」
間髪入れずに、テイルーンを覆う雲が鳥の形へ変化し、テイルーンは青い炎のオーラを纏い、一直線に突貫する。
しかし、
「マニューラ、躱しなさい!」
猛スピードの突撃をマニューラは素早く躱し、爪を構え、飛んでいったテイルーンを追う。
「輝天将のポケモンに比べれば、それくらいのスピードなんて全然遅いわよ! マニューラ、辻斬り!」
テイルーンのすぐ背後に迫ったマニューラが、鉤爪を振り抜き、テイルーンを切り裂く。
効果抜群の斬撃を受け、テイルーンの体が空中でふらつく。
「一気に行くわよ! マニューラ、氷柱落とし!」
マニューラが上空に冷気を放つ。
漂う冷気は急速に凝固し氷柱となり、テイルーンへ一斉に降り注ぐ。



「グライオン、剣の舞!」
手始めにグライオンは激しく舞い、攻撃力を高める。
「マリルリ、アクアテールだ!」
マリルリは水を纏わせた尻尾を振り回し、叩きつけるが、
「グライオン、アクロバット!」
軽快な動きでグライオンはアクアテールを躱すと同時にマリルリの背後に回り込み、鋏を振るってマリルリを叩き飛ばす。
「マリルリ、捨て身タックル!」
守りを捨て、マリルリは全力の突撃を仕掛ける。
「グライオン、受け止めなさい!」
対してグライオンは鋏を大きく開き、正面からマリルリと対峙する。
マリルリが激突し、それをグライオンが両手の鋏で食い止める。
そして、
「よくやりました! グライオン、スカイアッパー!」
どうにかマリルリの勢いを止め、鋏で動きを封じたグライオンは、マリルリを頭上に投げ飛ばし、右の鋏で天高くアッパーを撃ち出し、マリルリを吹き飛ばす。
天井に激突したマリルリは反動で床にも叩きつけられ、戦闘不能となった。
「マリルリ、よくやった。戻って休んでいろ」
マリルリをボールに戻すと、ロフトは最後のボールを手に取る。
「さあ、最後のポケモンだ。貴様は私がここで止める。これ以上先には通さない! 行け、エルレイド!」
ロフトの最後のポケモンはエルレイド。先ほど言っていたように、グライオンに対してタイプ相性は悪い。
「やはり情報通りのエルレイドでしたか。『ブロック』の名にかけて、私が全力で打ち倒してやりますよ。グライオン、アクロバット!」
グライオンは軽快な動きで、一瞬のうちにエルレイドとの距離を詰めるが、
「エルレイド、弾いて剣の舞!」
右肘の刃を伸ばし、エルレイドはグライオンの鋏を捌く。
直後素早く後ろへと下がり、グライオンと同じように激しく舞い、攻撃力を高める。
「これで能力の差は解消された。エルレイド、サイコカッター!」
肘の刃に念力を纏い、エルレイドは両腕を交差させて振り抜き、念力の双刃を飛ばす。
「グライオン、スカイアッパー!」
両手の鋏を振り上げ、グライオンは刃を破壊すると、
「地震です!」
尻尾を床に叩きつけ、地面を揺らして衝撃波を飛ばす。
「エルレイド、リーフブレード!」
前方に大きく跳び、エルレイドは地震を躱しつつグライオンとの距離を一気に詰め、淡い光を放つ両腕の刃を振りかざす。
「グライオン、スカイアッパー!」
グライオンも両腕を突き出し、エルレイドの刃に応戦する。
「サイコカッター!」
「アクロバット!」
念力を纏ったエルレイドの刃がグライオンを掠めるが、次の瞬間にグライオンはエルレイドの後ろまで回り、エルレイドを叩き飛ばす。
「っ、流石は『ブロック』一統括、なかなかやるな。しかし勝負はここから、勝つのは私だ!」
「相手がN・E団である時点で、私は常に本気です。付け入る油断など見せません、確実に倒します」
ロフトとエフィシ、双方の戦意が、激しく火花を散らす。



「行くぜ、ジバコイル!」
「我が名誉にかけて、ロズレイド!」
ホロの次のポケモンはジバコイル、ガーネットのポケモンはロズレイド。
「あら? ムクホークじゃないのね。それはそうよね、流石に対策されてることくらいは分かってるみたいね」
「そりゃそうだ。天将ほどの相手に、一度使った戦法は通用しないだろ」
「よく分かってるじゃないの。じゃあ行くわよ、ロズレイド、シャドーボール!」
両手の花束に力を集め、ロズレイドは黒い影の弾を放つ。
「ジバコイル、一発耐えて帯電だ!」
二発のシャドーボールをその場で踏み止まって耐え、ジバコイルはユニットを激しく回転させ、体に電気を溜め込んで攻撃と特攻を上げる。
「よし、反撃だぜ! ジバコイル、エレキネット!」
ユニットを回転させ、ジバコイルはクモの巣のような形の電撃を放つ。
「ロズレイド、ヘドロ爆弾!」
対してロズレイドは右手の花束から無数のヘドロの塊を撃ち出しネットを破壊、さらに、
「ギガドレイン!」
ジバコイルに近づくと共に花束から棘だらけの鞭を伸ばし、ジバコイルに絡みつかせる。
鞭が淡く発光し、ジバコイルの体力を吸い取っていく。
しかし、
「チャンスだ! ジバコイル、エレキネット!」
赤い目を点滅させてジバコイルは電撃の網を放つ。
ユニットが封じられているため磁力による強化が出来ないのか、先ほどのものより小さいが、鞭をジバコイルに絡みつかせているこの状態では、ロズレイドも回避が出来ない。
電撃の網がロズレイドを覆い、その動きを封じると同時に、電気を流し込む。
「今だぜ! ジバコイル、ジオインパクト!」
ジバコイルの体が激しい銀の光を纏う。
左右のユニットを地面に突き立て、ジバコイルは二対の銀に輝く鋼の衝撃波を放つ。
直進する衝撃波がエレキネットを振りほどいたロズレイドを捉え、吹き飛ばした。
「よぉし! 決まった!」
ガッツポーズを決め、ホロが笑みを浮かべる。
「くっ、やってくれるわね! ロズレイド、立ちなさい。まだ終わらないわよ」
大ダメージを受けたロズレイドが立ち上がる。
確かに強力な一撃だったが、相手は覚醒した天将のポケモン。そう簡単には勝たせてくれない。
「好き勝手やってくれた分を返させてもらおうかしら! ロズレイド、シャドーボール!」
ロズレイドが花束に力を込め、横へ跳ぶ。
ダンサーのような緩急を付けた華麗なステップで、ロズレイドはジバコイルの周囲を駆け回り、連続で影の弾を放つ。
「動きが読めない……こういう時は、ジバコイル、ジオインパクト!」
ジバコイルの体が銀色に輝く。
ユニットを真下に叩きつけ、ジバコイルは周囲に衝撃波を放ち、影の弾をまとめて打ち消し、さらにロズレイドを狙うが、
「無駄よ」
既に周囲にロズレイドはいない。
ホロが素早く辺りを見回すと、ロズレイドはジバコイルの真上まで跳んでいた。
「そこだな! ジバコイル、エレキネット!」
ジバコイルが真上に電撃の網を放つ。
軽やかな動きを得意とするロズレイドでも、空中にいれば自由には動けない。
だが。

「ロズレイド、ダークリゾルブ!」

刹那、ロズレイドが闇のオーラに覆われる。
その闇のオーラを、ロズレイドは真下へと撃ち出す。
放たれた真っ黒な闇の波動が、エレキネットを難なく破壊し、さらにジバコイルを容易く呑み込んだ。

Re: 第百四十九話 冷気 ( No.291 )
日時: 2015/02/13 13:08
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: p3cEqORI)

「まずは場作りだな。オニゴーリ、絶対零度!」
オニゴーリが凍てつくような冷気を大量に溜め込み、絶対零度の氷の砲弾を放つ。
セイラが僅かに目を細めるが、その標的はミカルゲではない。
天井に向けて撃ち出されたその砲弾は、着弾すると同時に天井のみならず、壁、そして床まで一帯を凍りつかせ、さらに周囲の温度をがくんと下げる。
「さて、準備は整った。それじゃあ行くぜ! オニゴーリ、氷柱落とし!」
「ふっ、ミカルゲ、不意打ちだ」
オニゴーリが冷気を打ち上げるその瞬間を狙い、ミカルゲが瞬時に体を伸ばし、オニゴーリに襲い掛かる。
だが、ミカルゲの一撃を受けてもオニゴーリは全く動じない。
少し表情を強張らせるが、そのまま冷気をミカルゲの頭上に打ち上げる。
冷気は凝固して大きな氷柱となり、ミカルゲ目掛けて降り注ぐ。
「ミカルゲ、岩石封じ!」
岩を自身の周りから隆起させ、身を守ろうとするミカルゲだが、氷柱が普通のものよりも相当大きく、岩が突き破られ、ミカルゲにも氷柱が突き刺さる。
「なるほど、絶対零度はこのためか。ミカルゲは浮遊できるし、こっちに影響はないが」
ミカルゲに不利な点はなくても、オニゴーリにとって大変有利になれば、相対的にミカルゲは不利だ。
「おまけに不意打ちでも怯まない、と。むぅ、これは少々苦しい展開か?」
「まあな。このオニゴーリは、ちょっとやそっとじゃ怯まねえぜ。オニゴーリ、ダイヤブラスト!」
オニゴーリが周囲を爆発させ、青白く煌めく爆風を起こす。
「ミカルゲ、影撃ち!」
対して、ミカルゲは影に潜り込んで爆風を躱し、オニゴーリの背後に現れ、
「岩石封じ!」
岩を飛ばし、さらにオニゴーリの真下から岩を隆起させ、その動きを封じてしまう。
「ミカルゲ、影撃ちだ!」
「こんな小細工効かねえっつの。オニゴーリ、氷柱落とし!」
オニゴーリが岩から脱出する瞬間を狙い、ミカルゲは影に潜り込む。
だが、岩の隙間からオニゴーリは冷気を頭上に放ち、いくつもの巨大な氷柱を落とす。
氷柱の弾幕により、ミカルゲの襲撃を防ぎつつ、自身を覆う岩を粉砕する。
床、そして自身にも氷柱が刺さるが、オニゴーリは気にも留めない
「これじゃ攻撃は無理か。ミカルゲ、一旦退け」
影撃ちを諦め、ミカルゲは元の位置に戻ってくる。
「オニゴーリ、噛み砕く!」
オニゴーリは大きく口を開く。
目の前にいくつも並んだ氷柱を容易く噛み砕いて前進し、オニゴーリは一直線にミカルゲに迫る。
「ミカルゲ、不意打ち!」
一瞬の隙を突き、ミカルゲはオニゴーリの背後まで瞬時に回るが、
「吹き飛ばせ! オニゴーリ、ダイヤブラスト!」
襲撃を受けたオニゴーリの動きは止まらなかった。
急停止して周囲を爆破し、煌めく爆風を放ってミカルゲを吹っ飛ばす。
「ギャハハハ! オニゴーリ、もう一度噛み砕く!」
口を大きく開き、並ぶ無数の歯を剥き出して、オニゴーリは吹き飛ぶミカルゲを追う。



「オオイナリ、熱風です」
オオイナリは灼熱の息を放つが、
「カビゴン、スプラッシュ!」
カビゴンはその熱風の中を難なく突き進み、右腕に水を纏わせ、水飛沫を散らしながらオオイナリへ腕を叩きつける。
「あたしのカビゴンの特性は厚い脂肪よお? そんなちゃっちい炎技なんて効かないわあ。カビゴン、ぶち壊す!」
カビゴンはさらに右腕を振り回し、大きく体勢を崩していたオオイナリに叩きつけ、オオイナリを戦闘不能にする。
「オオイナリ、よくやりました。休んでいてください」
オオイナリをボールに戻し、特に何も語ることなく、ブレイズは最後のボールを手に取る。
「魅惑せよ、ミロカロス!」
ブレイズの三番手は、切り札のミロカロスだ。
「へーえ、なかなか育てられてるポケモンじゃないの? カビゴンに勝てるかどうかは別としてだけどお」
「さて、どうでしょうかね。私としては、貴方だけには負けたくないところですが」
「残念だけど、勝っちゃうわよお? カビゴン、ギガスパーク!」
カビゴンが両手を構え、バチバチと破裂音を立てる巨大な電撃の砲弾を撃ち出す。
「ミロカロス、ドラゴンテールです」
対するミロカロスの尻尾が青い光を放つ。
その尻尾を思い切り振るい、カビゴンへギガスパークを打ち返す。
「……! カビゴン、ぶち壊す!」
右腕を振り下ろし、カビゴンは電撃の砲弾を破壊するが、
「ミロカロス、ハイドロポンプ」
ミロカロスの放つ大量の水が、カビゴンの顔面に直撃した。
「私のミロカロスに、飛び道具は効きません。ドラゴンテールで跳ね返せてしまいますのでね」
「にゃるほど。それじゃあ体勢を崩してから撃ち込めばいいわけねえ?」
「そう簡単にはさせませんがね。ミロカロス、ハイドロポンプ」
再びミロカロスが大量の水を噴射する。
「カビゴン、スプラッシュ!」
カビゴンは右腕に水を纏わせて拳を突き出し、水柱を迎え撃つ。
「ダイヤブラストです」
ミロカロスの鱗が光を放ち、直後周囲が青白く煌めく爆発を起こす。
カビゴンは爆発に押し戻されるが、何とか踏み止まる。
「カビゴン、ぶち壊す!」
体勢を整えたカビゴンが、右腕を振り回しながらミロカロスに迫る。
「ミロカロス、ドラゴンテール」
対するミロカロスは光らせた尻尾を横薙ぎに振り払う。
双方の一撃が激しく競り合うが、
「ギガスパーク!」
カビゴンの左手に、電撃の砲弾が作り出される。
「っ! ミロカロス、躱しなさい!」
素早く尻尾を引き、長い体を捻って、どうにかミロカロスは電撃の砲弾を回避する。
「危ないところでした。流石に私のミロカロスといえど、それを受ければひとたまりもありませんからね」
「奇襲性はあったと思ったんだけどねえ。なかなかやるじゃないのお」
互いに薄ら笑いを浮かべ、双方を見据えるブレイズとサクラ。



「プラネム、スターフリーズ」
「ポリゴンZ、サイコキネシス!」
プラネムが巨大な星型の氷塊を放ち、対するポリゴンZは強い念力を操る。
氷塊に念力を掛けて跳ね返そうとするが、念力が打ち破られ、氷塊がポリゴンZに激突する。
現在、ラピスの方が優勢。
理由は単純。プラネムの方がポリゴンZより火力が高いからだ。
加えて、ポリゴンZの要とも言えるチャージビームは黒い霧に無効化されてしまう。
「ポリゴンZ、磁力線!」
体勢を立て直し、ポリゴンZは周囲に電気を放って磁場を歪ませ、磁力の波を飛ばす。
「プラネム、ストーンエッジ!」
プラネムは周囲に尖った岩を浮かべ、一斉に撃ち出す。
技の相性もあり、これは岩が打ち破られ、プラネムは磁力線を浴びる。
「ポリゴンZ、サイコキネシス!」
さらにポリゴンZは強い念力を操り、念力を一点に集めて念の弾を放つ。
「プラネム、スターフリーズ」
しかしプラネムの放つ星型の巨大な氷塊の前に防がれてしまう。
「っ、ポリゴンZ、磁力線!」
ポリゴンZは磁力の波を放ち、氷塊をどうにか粉砕するが、
「プラネム、熱風よ」
砕けた氷の奥から灼熱の風が吹き、ポリゴンZの体を焦がす。
「そろそろ止めを刺そうかしらね。プラネム、ストーンエッジ」
プラネムが周囲に尖った岩を浮かべ、一斉に撃ち出す。
「ポリゴンZ、磁力線!」
ポリゴンZが磁場を歪ませて磁力線を放ち、岩を破壊し、
「破壊光線!」
エネルギーを凝縮させ、赤黒い火花を散らす極太の破壊光線を放つ。
光線はプラネムの中央、顔面に直撃し、爆発が起きる。
しかし、
「プラネム、スターフリーズ」
ポリゴンZの最大の一撃も、プラネムは耐えてみせる。
ポリゴンZの真上から巨大な星型の氷塊を放ち、反動で動けないポリゴンZをその場に押し潰した。
「……うう、ポリゴンZ、おおきに。ゆっくりしといてな」
プラネムをボールに戻し、マゼンタは考える。
(残り体力が半分しかないポコキングを出しても、多分勝てへん。苦しい展開やけどしゃあない、フローリアを出していかなあかんな……)
「ほな、フローリア、頼んだで」
マゼンタの次なるポケモンは、切り札となるフローリア。
「やっぱりフローリアで来たわね。その様子だと、割と追い詰められてる、って感じかしら」
「さあ、どうやろね。少なくとも、うちはまだまだここからやと思っとるよ」
「ふうん。じゃあすぐにでも終わらせてあげるわ。プラネム、ストーンエッジ」
「簡単にはさせへんで。フローリア、アイスバーン!」
プラネムが無数の尖った岩を浮かべ、一斉に撃ち出すが、対するフローリアは周囲に冷気の衝撃波を撃ち出し、襲い来る岩を全て凍結させてしまう。
「それならプラネム、熱風」
ストーンエッジを破られたプラネムが、すぐさま灼熱の風を放つ。
「フローリア、ハイドロポンプ!」
しかし、その熱風もフローリアが放つ大量の水を打ち破ることが出来ない。
「……ポリゴンZより特攻が高いのね、ちょっと想定外だわ。これ、プラネムで決め切れるかしら?」
「出来るわけあらへんやろ? フローリア、気合玉!」
両手を構えて気を一点に集め、フローリアは気合の波動の弾を撃ち出す。
「プラネム、スターフリーズ」
対するプラネムも巨大な星型の氷塊を放つ。
氷塊が砕け散るが、同時に気合玉も打ち消される。
「フローリア、アイスバーン!」
砕けた氷の破片の中を駆け抜け、フローリアは一気にプラネムまで近づき、氷の衝撃波を放つ。
「っ、プラネム、熱風よ」
咄嗟に熱風を放とうとするプラネムだが、襲い来る衝撃波に間に合わない。
体の半分を凍りつかされ、吹き飛ばされてしまう。
「気合玉!」
吹き飛ぶプラネムに向けて、フローリアは両手から気合を溜め込んだ波動の弾を放つ。
気合玉は吸い込まれるようにプラネムへと飛び、その岩肌に直撃した。

Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.292 )
日時: 2015/02/13 17:48
名前: カルマ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: DHvILgv3)

 平和の光と恐怖の闇を全て読み終えました

 オリジナルなんですよね、すごいです。僕の場合は、原作+オリジナル位が限界なので、真似出来ません……

 それぞれのキャラも個性的で、とても好きです。サーナイトに恋をしているセドニーの気持ちは分からなくないですね。僕も一度、ポケモンに恋をしたことがあります(本気じゃありませんが)
 
 僕もパーセンターさんみたいな、こういうオリジナルストーリーとバトル描写上手く書きたいなぁ……

 何か文章がまとまってなくてすみません、僕はこれで!

Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.293 )
日時: 2015/02/13 22:24
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: p3cEqORI)

>>カルマさん
コメントありがとうございます!
そして前作も読んでいただいて感激です。

逆に私の場合原作準拠のストーリーが上手く書けません。
私は結構いろんな設定を考えたくなってしまうので……一度原作準拠を試したことがありましたが、割と序盤で断念してしまいました。

セドニーの思いは普通の恋に比べてはるかに重いものがあります。
彼がサーナイトを好きになった理由は…いや、ここで話すことではないですね。

私の文章のようなものでよければ、いくらでも参考にしてやってください。
参考にできるほど上手い文が書けているかは分かりませんが…。

いえいえ、コメントありがとうございます。
カルマさんも更新頑張ってください。

Re: 第百五十話 砂嵐 ( No.294 )
日時: 2015/02/14 20:34
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: p3cEqORI)

「おやシーアス、お帰りなさい。モニターから見ていましたよ、惜しかったですね」
バトルから戻って来たシーアスを、上司ソライトが迎える。
「うぅ、ごめんなさいソライト様。どうにか少女の方とは引き分けましたが、副統率を消耗させられませんでした」
「構いませんよ。例えあのカイリキーに勝っていたとして、副統率のブレイオーに瞬殺されていたでしょう。正直、私でもあの男には勝てる自信がありません」
それよりも、とソライトは続け、
「やはり私一人だと、作業の効率が落ちてしまいます。シーアス、貴女も引き続き先ほどの仕事を手伝ってください。奴らがここに辿り着くまでには完成させたいところです」
「はいっ、了解です!」
一礼し、シーアスは自分の作業場所に向かう。
「優秀な部下を持てて、私は幸せですねぇ。さて、あともう一息、頑張るとしますかね」
一息つき、ソライトも引き続き機械に手を掛ける。



「サーナイト、サイコキネシス!」
「ハガネール、アイアンテール!」
サーナイトが強い念力を操り、念力の波を放つが、ハガネールの尻尾の強烈な一振りが念波を容易く打ち消す。
「地震だ!」
さらにハガネールは尾を床に叩きつけ、床を大きく揺らして衝撃波を起こす。
「サーナイト、躱してムーンフォース!」
念力で浮かび上がり、サーナイトは地震の衝撃波を躱す。
さらに、宙に浮かんだサーナイトが上空に白い光を打ち上げる。
光は満月を一瞬形作り、無数の光弾となってハガネールへ降り注ぐ。
「構うな! ハガネール、氷の牙!」
体に打ちつけられる光弾をものともせず、ハガネールは太く鋭い氷を歯に纏わせ、大口を開けてサーナイトに迫る。
本来威力は飛び抜けて高い訳でもない技だが、この巨体から繰り出されるとなれば相応の迫力と、それに見合った力強さがある。
「噛み砕かれるのはごめんだな。サーナイト、気合玉!」
サーナイトは気合を両手に溜め込み、凝縮して作り上げた波動の弾を、ハガネールの口に狙いを定めて撃ち出す。
「ん! ハガネール、砕け!」
氷を纏った牙で気合玉に噛みつき、ハガネールは気合玉を破壊する。
「サーナイト、サイコキネシス!」
その隙を狙い、サーナイトが強い念力を操作し、念力の波を放ってハガネールを押し戻す。
「ちっ、流石に硬いな。気合玉が通らないと、まともにダメージも入れられなさそうだ」
本来ハガネールは特防はそこまで高くもないのだが、ライロウの個体はかなり鍛えられているようだ。
「さあ、ガンガン攻め込むぜぇ! ハガネール、アイアンテール!」
ただでさえ硬い尻尾をさらに硬化させ、ハガネールは巨大な棍棒のような尻尾を振り下ろす。
「サーナイト、躱して気合玉だ!」
サーナイトはテレポートで瞬時に尻尾を躱し、両手を構えるが、
「アクアテール!」
水を纏ったハガネールの尻尾が横薙ぎに振るわれ、サーナイトを叩き飛ばす。
「マジかよ! サーナイト、大丈夫か?」
吹き飛ばされたサーナイトは、尻尾が直撃した横腹をさすりながら立ち上がる。
「よくもやってくれたな! サーナイト、気合玉だ!」
サーナイトが再び両手を構え、気合を凝縮した波動の弾を今度こそ撃ち出す。
「ハガネール、砕け。氷の牙だ!」ハガネールが牙から長く鋭い氷を伸ばし、大口を開ける。
だが、
「サーナイト、サイコキネシス!」
サーナイトが強い念力を操作し、操りの念力を発生させる。
狙いは、ハガネールの牙——ではない。
気合玉を念力で操り、ハガネールの氷の牙を避けさせ、その額に気合玉を叩き込む。
「さあ! サーナイト、ムーンフォース!」
サーナイトは白く煌めく光を頭上に打ち上げる。
光は一瞬だけ月を形作り、今度は一筋の光線となり、体勢が崩れたハガネールへ降り注ぐ。
「くっ! ハガネール、ここは耐え切れ!」
輝く光線の直撃を食らうが、ハガネールはそれを耐えきり、体勢を立て直してその目にサーナイトを捉える。
「ハガネール、反撃だ! アイアンテール!」
「サーナイト、受け止めろ。サイコキネシス!」
ハガネールがダイヤのように硬い鋼の尻尾を振り下ろすのに対し、サーナイトは両手を突き出し、念力を両手に集中させてハガネールの尻尾を食い止める。
双方の技がぶつかり合い、激しく拮抗する。



「ディザソル、辻斬り!」
吹き荒れる砂嵐をものともせず、ディザソルは一瞬のうちにカバルドンへ一気に近づき、額の双刃を振るう。
しかしこのカバルドン、非常に打たれ強いようだ。
立て続けの斬撃を食らっても全く怯まずに、ディザソルの行方を目で追い続ける。
「カバルドン、グランボールダ」
カバルドンの周囲から大量の大きな岩が出現し、ディザソルを押し潰す如き勢いで向かってくる。
「ディザソル、神速!」
ディザソルが超スピードで飛び出す。
襲い来る岩すら足場とし、残像すら残るほどのスピードでカバルドンに激突する。
「余裕ですね。カバルドン、サンドソニック」
背中から吹き出した砂に衝撃を与え、カバルドンは地を這う二対の衝撃波を放つ。
「ディザソル、サイコカッター!」
ディザソルは額の二枚の鎌から念力の刃を放つ。
「火炎放射だ!」
サイコカッターで衝撃波を相殺し、さらにディザソルは口から灼熱の業火を吹き出す。
「カバルドン、耐えなさい。グランボールダです」
灼熱の炎をまともに浴びても、カバルドンは少し顔をしかめるのみ。
すぐに周囲から大量の岩を起こし、全てを一斉にディザソルへ向かわせる。
「ディザソル、全て躱せ! 神速だ!」
ディザソルが目にも留まらぬ超スピードで動く。
岩と岩の僅かな隙間を一瞬のうちに通り抜け、カバルドンの前に飛び出し、
「辻斬り!」
その一瞬ののちには姿を消し、カバルドンの背後まで回り込むと同時に二本の鎌を振るい、
「ディザソル、サイコカッター!」
さらに鎌に念力を纏わせ、二枚の念の刃を飛ばす。
「カバルドン、噛み砕く」
しかし念の刃は、カバルドンの大口に噛み砕かれてしまう。
「非常に機動力に長けているようですね。今のところはまだまだ余裕ですが、このままバトルが長引けばこちらが先に力尽きてしまうのは明白です……それでは」
こうしてみましょうか、とオパールは続ける。
ほんの僅かに、その口元が緩む。

「カバルドン、砂嵐です」

周りの砂を飲み込み、カバルドンが背中の全ての穴から、大量の砂を吹き出す。
(砂嵐!? 既にフィールドは砂嵐が吹き荒れてる以上、それを指示する意味はない。ってことは、何か来るな!)
意図が読めない指示に身構えるレオとディザソル。
カバルドンが吹き出した砂は上空で巨大な竜巻を作り上げ、ディザソルへと叩きつけられる。
「ッ!? ディザソル、神速だ!」
残像が残るほどのスピードで、ディザソルはカバルドンの背後へと回り、砂の竜巻を回避する。
(こんな大技を隠し持ってたのか……! サンダースといい、こいつは技の応用が得意みたいだな。でも単発の技であれば、こいつの機動力なら恐れることは——)
「おや、よく躱しましたね」
オパールの言葉が、レオの思考を中断させる。
「でしたら、こうしましょうか? カバルドン、砂嵐!」
再びカバルドンは背中から大量の砂を吹き出す。
しかし今度は先ほどと違う。吹き上げられた砂は三つの竜巻を形作り、それらが順番にディザソル目掛けて撃ち出される。
「マジかよ……っ! ディザソル、躱すぞ! 神速だ!」
再び超スピードを発動するディザソルだが、竜巻が小さい分先ほどよりも早い。
一発目、二発目を躱すが、三発目の竜巻を躱しきれず、吹き飛ばされてしまう。
「くっ、ディザソル、大丈夫か?」
ディザソルは立ち上がり、まだまだやれると頷く。
(流石は天将一位だな。予想もしない技や戦法を使うだけじゃなく、それをここぞってところで使ってくる。最後にまだ一体控えてるし、一瞬の油断も出来ないぞ)
「さあ、バトルを続けます。私を超えなければ、真実を確かめることは出来ませんよ」
「分かってるよ。一度見た技なら怖くない。勝つのは僕だ」
相変わらず考えの読めない穏やかな表情を浮かべ、オパールはレオの目を見つめる。
対するレオも一歩も引かず、オパールとカバルドンを見据える。


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