二次創作小説（映像）※倉庫ログ
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- 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達
- 日時： 2016/01/11 01:36
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: 21getbfq）
クリックありがとうございます。酩酊です。
今回私は、『ポケットモンスター』の二次小説を執筆させていただきます。
『kskと世界の仲間達』という作品は、2年程前にもこちらのサイトで執筆させて頂きましたが、
執筆メンバーの都合などにより已む無く執筆を中止致しました。
そこで今度は私一人でのリメイクとして投稿させていただきます。
題名は変わらず、『kskと世界の仲間達』です。
未だに、検索すると昔の方のスレッドがヒットしますが、
【ポケモン二次創作】←これがあるかないかで判断してください。
『１日１レス』を目標としてやっていきたいと思います。
あくまで目標なので二転三転するかも知れません。
書き溜める性格なので、余裕が出来ればもっと投稿できるかも。
執筆経験は浅く、ストーリーの展開などに多少のグダりが生じますが、ご容赦ください。
気になった点は指摘して頂けると助かります。
ジャンルはバトル物です。
痛々しい表現や卑猥な表現はなるべく避けていきます。
※この作品はフィクションです。
実際の人物、事件、団体、秩序とは一切関係ありません。
どこか似つかわしく感じてもそれは他人の空似です。幻想です。
追記：形だけですが次スレを作りました
www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=29916
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- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.455 )
- 日時： 2015/07/02 22:04
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: QCG7hJgu）
例えるなら、違和感と苦しみの連続の日々。
何度か施設を訪れていた最初の７年間は、私は『客人』として招かれていた。
それを改めて思う。だがこの３年間を、私は『研究員』として過ごした。
いつものようにVincentの元に案内されること無く、4畳程の個室に案内される。
どうやら私の能力は既に研究対象から除外されたらしい。
まず、連絡用のアイテムをすべて奪われた。
幻覚による誤魔化しも十分チェックされ、私は電波を持たぬ人間となった。
そして外に出る機会は一切無くなり、囚人さながらの生活を強いられた。
そして研究班にも訓練があった。それも軍隊の数倍は辛い訓練が。
そして下位の研究員には可燃性のある物体の実験が一任される。
どこで選択を間違えたのだろうと、気付けば考えに耽っている時があった。
配属先変更に抵抗しなかったから？
そもそも初回から拒否をしなかったから？
軍隊に入ってしまったから？
あの日、ピンク色の石を触ってしまったから？
廃病院に行ってしまったから？
そこまで行き着いてしまうと、自己嫌悪の考え方に突入してしまう。
個室ではノームとある程度会話出来るから、まだ精神を保っていられた。
ここが『地獄』だと知っていながら志望した人など居ないのだろう。
だって、誰一人として目に活力を宿している人間が存在しないのだから。
訓練の時間も実験の時間も、コミュニケーションなんて発生しない。
私だってそうだ、ノームとなるべく話さないからといって、
ここの目の死んだ研究『仲間』と仲間になる気なんて全然湧いて来なかった。
皆で精神を寄り合わせて辛い日々を耐え抜くような選択肢は、もう死んでいた。
この施設の目的が明らかに世界平和とは反対の位置にあることは1日で気付いた。
反対も反対、正反対だ、明らかに征服軍のスパイ組織だ。
だがそれを外部に伝達する手段も元気も失ってしまった。
ノームが居て励ましてくれたからこそ、今だに夢に見るのだ。
励ましてくれなかったら今頃どうだっただろう、自分の頭で何かを考える事を奪われただろうか。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.456 )
- 日時： 2015/07/02 22:09
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: QCG7hJgu）
たまに届く新聞などから、軍隊と征服軍の前面衝突、つまり最終決戦が始まった事が分かった。
今から思い出すと、それは大戦終了の一週間前である。
３年間も奴隷のような毎日を送り、大戦の決着が予感されるにつれて、
私は何か違和感のようなものを覚えた。
決着を予感したのは私だけでなく、ほぼほぼ全世界中の人間のはずだった。
でも研究班の作業は留まるところを知らない。
むしろこれから来るべき何かに備えて一気に研究員の動きが活発になってきたのだ。
大戦の終着は恐らくだが平和を表しているだろう。
相手側が何か大規模で危険な事をしない限り、こちらの勝利と見て良いだろう。
『何か大規模で危険な事をしない限り』なのだ。
一週間後と一日後、大戦終了の知らせは朝の新聞で届いた。
超爆発が起こったのと、大戦が終わったのと、kskとトムが死んだのと。
骨身を削って働く私の、朝起きの脳に深刻なダメージを与えた。
kskとトムが死んだ。そんなものは100%絶対確実に嘘だろうと思った。
でも涙が溢れて止まらないので、自分の部屋をいつまでも濡らしていた。
『会えなくて寂しい』の延長線上の悲しみなのか、それと違った悲しみなのか。
そもそも悲しみなのか、悲しむ事はkskとトムの生存を信じない行為なのでは無いのか。
でも確かに大戦終了の瞬間に、自分の心の外れかけたパズルのピースが
どこか虚空の彼方に落ちてしまったような、嵌めたくても嵌らなくなってしまったような、
胸騒ぎでは無く、心だけが勝手に何かを知って勝手に納得してしまったような感じがしたのだ。
部屋の窓の隙間から見える廊下の時計は7時半を指していた。
つまり朝礼から3時間遅れている事になる。
しかしそれに対して焦りも感じないし、上官が激昂して部屋に入って来る事も無かった。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.457 )
- 日時： 2015/07/03 23:49
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: QCG7hJgu）
大戦終了だから今日はお祭り騒ぎなのだろうか。
などと予想を立てる事は絶対に無い、私が今居るのは『悪の組織』だ。
ノームのおかげで精神を保っていられた私は、3年越しの洗脳も振り払っていた。
「隣の部屋にも気配は無いようですね、どうされます？」
「出てこない方が良いわよ、ノーム……でも確かにおかしい。
なんで部屋にカチコミに来ないの？ このドアを拳で木屑にしないのは何で？」
私はとりあえず本来のスケジュールを追って朝礼会場に来た。
そしてそこで本日2度目の悲報を五感で受け止めた。
研究員も、上官も、皆仲良く積み上がって死体の山を築いている。
流血は夥しく、大戦の累計被害をすべて一点に集中したような惨状だ。
「これは……何なの……？ こんなことが……」
私は惨状を前にすべての思考を停止していたが、
後ろから風を切る音が聞こえ、咄嗟にしゃがんで『拳』を交わした。
「ッ!?」
「避けるか……なるほどな……」
後ろに居たのは少年だった。
当時23歳だった私から見ても更に年下、14歳ぐらいの少年だろうか。
私は咄嗟にその少年の後ろに有った死体と自分の位置を偽装し、後ろから攻撃を仕掛けた。
幻覚による攻撃は無害だが、虚を突くぐらいの行為は出来る。
その間に真正面からノームの毒々をぶつければ勝てるだろうと思ったのだ。
だが少年は後ろからの幻覚も正面からの毒々も最低限で避け、こう言った。
「なんだ……既に『目覚め』てるのか……じゃあ早く組織に来いよ」
私はその瞬間、後ろから誰かに抱きつかれた。
振り向くよりも先に私は『瞬間移動』をし、気付いたらとある洋館に居た。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.458 )
- 日時： 2015/07/03 23:59
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: QCG7hJgu）
宿舎はどこか特徴に欠ける普通の宿舎で、
摩擦係数が高そうな絨毯に、白色の壁、横開きの扉の部屋が幾つもある。
瞬間移動した後も、後ろに人影が居た。
恐らく私に抱きつき、『瞬間移動』をした人物だ。
振り返ってみると、ややモコモコの紺色セーターを来た白髪の女性が立っていた。
そしてもう一つ、自分の首に何か黒に近い紫の『首輪』を発見した。
「それは『デス・カラー』……組織を裏切ると発動して貴方を殺す首輪よ。
貴方の部屋は202……突き当たって左に行ってすぐ右ね」
後ろに立っていた女性から、やや風邪気味の声が発せられた。
「ここは……」
「早くしなさい、私も能力の都合上暇じゃ無いんだから。
安心して……ここの皆とはすぐに仲良くなれる。
その邪魔臭い首輪を外して欲しければ『兵隊』より上に昇格しなさいな。
というより早くそうしてくれないと首輪が足りなくなるんだから……」
私が立ち上がろうとすると、女性は一瞬で私の元から消えた。
何の痕跡も残さず、何の手がかりも残してくれずに。
「ここはどこで……私は……」
いきなり訳の分からない状況に放り出され、混乱を重ねる私。
状況を整理しようとすればするほど、私の脳は混沌に捻じ込まれていった。
kskとトムの訃報に死体の山、殴りかかってきた少年に瞬間移動する女性。
「おかしすぎる……抓って痛かろうがこんなのが夢じゃないなんて……!!
ここはどうして……どうやって……なんでこんな事が……」
思考は一向に止まったままだが、先に激しく震える足が歩みを始めた。
『202号室』が自分の部屋の番号だと教えられた。
横開きのドアを定まらない腕で開き、その先を見渡す。
「本当に意味が……この部屋のどこにも答えなんて無いじゃない……!!
私を導いてくれる何かが……今までもこの先も!! ずっと居てくれると思ったのに……!!」
私の脳は危機管理とか状況判断とかいう面倒で億劫な作業を執拗に避け、
無意識で布団を用意し、無意識で眠りに落ちたのだった。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.459 )
- 日時： 2015/07/04 16:40
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: QCG7hJgu）
私はその日の昼に起きたが、まだいまいち状況が整理出来ていない。
私が何かの組織に所属させられた事は分かる、それが研究隊では無い事も分かる。
あの女性が瞬間移動の能力を持った、ある種の『同士』であることも分かる。
そして朝礼に集まった研究隊を一網打尽に出来るような、『能力者』が居ることも。
あの死体の山にはVincentの死体は無かったような気もした。
この組織は昨日の夕方に発足したらしい。
大戦終了の瞬間から、今日の昼までで既に組織が作られたというのだ。
この事から私は、Vincentの生存を想像することが出来た。
元々研究隊は、大戦の終了が起こった時の『開放』を狙い、
新たに世界を征服しようと企む者たちの『踏み台』だったのだ。
組織に仕事はほとんど無い。
一日中寝ても良いし、眠り飽きたら起きれば良い。
隣の部屋からは大富豪をして一喜一憂する声が毎日のように響くし、
衣食住はしっかりしていて、この組織に居れば生活に不平も出ないだろう。
それは私達の心に研究班の洗脳よりも強い洗脳を掛けに来ていたとも取れる。
そして、組織は裏切りというものを『デス・カラー』で制御している。
ここから先は私が『組織』で過ごした10年間である。
研究隊のような分かりやすい地獄では無かったし、
『自分はスパイ活動をしている』という何やら逆巻いた充実感があった。
だが自分が所属するこの組織は、下手をすれば研究隊以上の悪であると判断出来た。
決意表明として、私は『スパイ活動に専念する』という目標を立てた。
無事に生きているはずのkskとトムに再び会う日まで、私は自分を捨てよう。
ノームと相談し、研究隊に３年間所属していた身から、幾つかの仮説を挙げ、
そのうちの幾つかは、スパイ活動をしているうちに『正解』である事が分かった。
研究隊が大戦の終了を前にして動きを活発にしたのは、
やはり大戦決着の影響による『開放』を狙っていたためだった。
研究が行き詰まり、自分達の解明したいことが霞んでいった研究隊は、
過去の文献から『開放』の話を発見、大戦の終了が次なる『開放』だと狙いを付け、
いつどこで空間が歪んでも良いように各員を世界各地に分散させた。
大戦終了の瞬間、世界各地で空間が歪み、精霊達が精霊界から人間界へとやってきた。
しかし、ここで研究隊は悪い方向の誤算を目の当たりにする。
研究隊の捕獲兵器で精霊を捕らえられなかったのはもちろん、
精霊は研究隊と契約を交わそうとすることは一向に無かった。
精霊は『力』を持つ者と契約を結びやすい。
ノームが居たからこそ分かったことだが、この『力』は腕っ節も才能も指していない。
ただ『心の純粋さ』を見抜き、契約を決心するのだ。
だからこそ、研究隊の中で誰も精霊と契約を結べた者は恐らく居なかった。
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