二次創作小説（映像）※倉庫ログ
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- 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達
- 日時： 2016/01/11 01:36
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: 21getbfq）
クリックありがとうございます。酩酊です。
今回私は、『ポケットモンスター』の二次小説を執筆させていただきます。
『kskと世界の仲間達』という作品は、2年程前にもこちらのサイトで執筆させて頂きましたが、
執筆メンバーの都合などにより已む無く執筆を中止致しました。
そこで今度は私一人でのリメイクとして投稿させていただきます。
題名は変わらず、『kskと世界の仲間達』です。
未だに、検索すると昔の方のスレッドがヒットしますが、
【ポケモン二次創作】←これがあるかないかで判断してください。
『１日１レス』を目標としてやっていきたいと思います。
あくまで目標なので二転三転するかも知れません。
書き溜める性格なので、余裕が出来ればもっと投稿できるかも。
執筆経験は浅く、ストーリーの展開などに多少のグダりが生じますが、ご容赦ください。
気になった点は指摘して頂けると助かります。
ジャンルはバトル物です。
痛々しい表現や卑猥な表現はなるべく避けていきます。
※この作品はフィクションです。
実際の人物、事件、団体、秩序とは一切関係ありません。
どこか似つかわしく感じてもそれは他人の空似です。幻想です。
追記：形だけですが次スレを作りました
www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=29916
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- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.976 )
- 日時： 2015/12/17 21:21
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: s1MJ3Tu0）
「完全に入れ替わったな……幻覚抜きにして」
「どうかしらね？ 観測不足のまま物事を決めつけると良く無いわよ」
truthはナイフをクルクルと回し、片手に三本ずつの計六本のナイフを投げた。
さっきよりナイフが細長いような気がする。
そのナイフは悠咼の元に届く前に小さいポールへと変わった。
「……!!」
（また何かとすり替わったか？ しかし大きさは変わっていない。
これはビルを登った時に見た気がするぞ……柵のような……）
悠咼はハッとして後ろを見ると、屋上の柵に変化が訪れていた。
柵の何本かが細長いナイフとなっているのだ。
まるで剃刀を何倍にも拡大したかのように、悠咼の後方はナイフの柵があった。
（まずい……防御が遅れる……!!）
悠咼は仕方なしに腕で前方から飛んで来る『柵』をガードする。
当たった感触は正に『柵』だった。
刺さる事も無く、ただ単に悠咼の全身を衝撃で押した。
柵が柵であったという事は、ナイフがナイフであるという事。
後ろで柵の代わりを務めているナイフに向けて悠咼が飛ばされる。
背中の全域をナイフで切り刻まれる事を嫌って、悠咼は素早く手を付く。
そしてその手を支えにナイフに足を付いて、柵をしのぎ切った。
「……ッ!!」
悠咼の腕に何本かのナイフが刺さっていた。
六本のナイフは柵になりはしたが、悠咼の腕の近くで三本程ナイフに戻ったのだ。
「見破ってもだめよ。
視界での攻略はアテにならない。頭で理解しなきゃ死ぬわよ？」
悠咼が自分の近くに落ちている柵を拾い上げる。
それを手の力だけで曲げようとすると、それは瞬時にナイフへと変わった。
後ろにあったナイフ柵の一つがただの柵に戻り、
手に握ったナイフのせいで悠咼の手から血が零れる。
「なるほど、完全に入れ替わっているな。
幻覚では無く、本当のすり替えというわけか」
「幻覚よ？」
「能力の主の戯言には興味が無いんだ。
よく言うだろ？ 信じられるのは自分だけだって」
「言わないわよ」
「……ウルガモス、火炎放射だ」
ウルガモスの火炎放射がtruthを襲うが、
truthは跳躍して避け、ビル内部へ続く塔屋の上に乗った。
「正義の人間にはご理解頂けないのかな？
少なくとも悪の経験がある君になら分かるもんだと思ったんだけど」
「分からないわね。宝玉の事はなんとなく分かるわ。
貴方達の理想にグンと近づく行為だものね、だから私も阻止してる」
「組織には興味無いよ……」
「……ふーん？」
「中学の頃、そうやって部活を決めたりしただろう？
アイツが一緒だから……とか、そういう理由だよ」
「組織の一員だろうがコンビニ店員だろうが、
さっきみたいに通った道すべてで傷害事件を起こすのは変わらないのね？」
「多分変わらないだろうねー、分からないや」
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.977 )
- 日時： 2015/12/18 18:53
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: s1MJ3Tu0）
truthはポケットからガラパゴスケータイを取り出して開いた。
そして画面を悠咼の方向に向け、小さく「クズね」と呟いた。
画面に映っていたのは小さいドアノブだった。
距離の事を考えれば、悠咼からは小さく白いゴミにしか見えないだろう。
だが悠咼は一瞬にして悟った。
「塔屋のドアと携帯の画面を入れ替えた……!?」
（ネクスト・ステージとか言っていたっけな……
『携帯の画面』は果たして物質と言えるのか……？
特定の条件下で『交換』を行う能力だとばかり思っていたが……）
truthが携帯のボタンを押すと、塔屋のドアから眩い光が発された。
悠咼が思わず目を閉じて更に服の袖で目自体を覆う。
その服の袖に二本のナイフが刺さり、血が少し服に滲んだ。
「……厄介だな、でも絶対に条件があるんだろう？」
「そうね、一気に行くわよ」
truthが携帯を塔屋の上に放置して、携帯の近くにノームを待機させる。
その状態で、truthはナイフを投げつつも一気に接近して来た。
「火炎放射だ」
「ノームッ!!」
truthの掛け声と共にドアから光が何連発も発射される。
悠咼は呻きながら目を伏せ、その間にtruthは更に接近する。
（コイツは光が平気なのか……？ いや、そもそもやはり幻覚か……？）
悠咼は腹に思い切り蹴りを喰らった。
「ッ!!」
続けて足、顔と蹴りを喰らって柵に凭れてしまう。
闇雲に拳を突き出してみたが、逆にその拳が蹴り上げられる。
「まだまだッ!!」
「火炎放射ッ!!」
ウルガモスの火炎放射はtruthでは無く、塔屋の方へ向かう。
その事にノームはいち早く気付き、火炎放射の方を向く。
「無駄ですよ、本体は近寄らせない。
そしてこのような遠距離攻撃には……冷凍ビーム!!」
空中で冷凍ビームと火炎放射がぶつかり合い、僅かに冷凍ビームが勝る。
だが、火炎放射の軌道は微妙に下に逸れた。
「狙ったのは携帯の方じゃあ無いぞ……」
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.978 )
- 日時： 2015/12/18 19:32
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: s1MJ3Tu0）
ドアが熱気に晒されて、それによってノームが管理している携帯に変化が訪れる。
だんだんと画面が歪み、五秒もしないうちに光は完全に携帯の画面だけのものとなった。
「くっ……!!」
「火炎放射だ!!」
truthはウルガモスの火炎放射を正面から浴びる。
腕で火炎を防いだものの、被害は甚大だった。
「……やはり、『比率』か……
比率が同じ物体を実際に入れ替える能力……」
「だから幻覚だっていってるでしょう？」
truthの袖が燃え落ち、その一切れを手で掴む。
「……何を企んでいる？」
「酷い事よ。これからあなたを自分の悪霊の炎で焼き殺すわ」
「どうやって？」
「この布きれと、屋上の比が一致したわ」
「……!!」
ネクスト・ステージの効果によってビルの屋上と燃ゆる布切れが入れ替わる。
悠咼は突如現れた炎の床に苦しそうな表情を浮かべる。
代わりに、truthは満更でも無い顔で屋上模様の布を持っている。
「光の時もおかしいと思ったが、俺だけにしか効いてないのか？」
「ええ、幻覚というのは何も視覚だけのものじゃないわ」
「……まずいな、いつからだ？」
「貴方がこのビルに登って来た時から、
五感の上で貴方を完全に私の術に陥れているわ」
その時、急に燃えている屋上が大量の隕石でも降ったかの様に波打った。
truthには予想外だったようで、驚きの表情を浮かべている。
「屋上の広範囲を攻撃されている……ッ!? いや、これはーーー」
「逆に利用したよ、攻撃されているのは君の持っている布だ」
「マズイッ!!」
truthは布から急いで手を離した。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.979 )
- 日時： 2015/12/20 00:55
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: s1MJ3Tu0）
kskは光飛を使って五月雨を遠くまで運んでいた。
五月雨の体重はいつもの何倍にも軽く見えていて、
いつもお喋りなバハムートも、五月雨も喋らずに目を閉じている。
kskは一先ずホテルまで運んで容態を安定させようとしていた。
「……あいつは俺が倒すからな、もう休んでろ。
あの宝石が鬱陶しい女児はお前が倒したんだろ？
ホテルに白が居るはずだから、お前はもうーーー」
kskが移動しながら五月雨に声を掛けると、五月雨がいきなり暴れた。
バランスを崩したkskは自分共々街の地面に落ちた。
kskは擦り傷を負う擦れ擦れの段階でバランスを持ち直し、
五月雨は街の地面にゴロゴロと転がって動かなくなった。
「ッ!! 五月雨てめぇなにしやがーーー」
「ごめん……ごめんksk……」
「………………どうした」
「俺が生きて敵を倒せたのは、ケフィと白とたまのお蔭だ。
……そしてその三人は……もうこの世には居ないんだ」
kskはしばらく言葉を発することが出来ず、五月雨の呻き声を聴いていた。
混沌に怯える住民の声も、kskと取り巻いては去っていく。
しばらく呼吸を忘れて、遅れて涙が溢れて息が荒くなっていく。
「…………ハァーッ……ハァーッ……嘘だろ……」
「嘘って言いたんだ俺だって……!! ……でもよ……もう居ないんだよ……」
「ハァ…………ハァ……truth……ハァ……truthは……」
「早く行った方が良い、曹長隊は……恐らくもうあいつ一人だけだ」
kskは建物の壁まで歩き、そこに手をついて呼吸を整える。
五月雨に余裕の無いグーサインをした後、kskは飛んで行った。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.980 )
- 日時： 2015/12/20 00:58
- 名前： 酩酊 ◆D2kEwyIYmo （ID: s1MJ3Tu0）
行きは五月雨を運びながらの長い時間だった。
帰りも、心に色々なものを抱えた長い長い時間だった。
高度を上げるにつれて、あのビルの屋上が見えてくる。
truthはそこに居た。女座りでジッとしていた。
そしてもうそこには悠咼の姿が無かった。
「……truth……？ truthッ!!」
kskがtruthの目の前に降り立った。
truthは泣いていた。そしてkskを見て更に泣いた。
「無事か……？」
「ごめんなさい……悠咼を逃がしてしまった……!!
悪霊を出したわ、ウルガモスよ……恐らく異能は『無い』わ……」
kskはしばらくリアクションをしなかった。
やがて、kskは膝を曲げてtruthと顔の高さを合わせる。
「もともと足止めしか頼んで無い。
よくやってくれたぜ……二人で悠咼を倒そう」
「無理よ……絶対に無理……私のネクスト・ステージが……」
「……!! そうか、じゃあサポートだけでも良いんだ。
俺はお前が存在するだけで心強いんだ、頼む」
truthはいきなりkskに抱き着いた。
そのまま勢いで、kskはtruthの下敷きになる。
『心臓に攻撃を喰らったの……じきに私は……!!
悠咼は私にトドメすら刺さなかった……でも、それは……必要が無いから……』
この日何度目かの悲しみの打撃で、kskの心はボロボロだった。
「でも私……悔いは無いわ。
貴方を死んだと思って、私の心もずっと死んでいた。
私の顔を見てちょうだい……？ ksk……私は確かに生きていたのよ」
自分と抱き合いながら熱を失っていくtruthが、
もっと強く抱きしめていれば次第に熱を取り戻すような気がして、
kskはいつまでもそうしていたがった。
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