二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達
日時: 2016/01/11 01:36
名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: 21getbfq)

クリックありがとうございます。酩酊です。
今回私は、『ポケットモンスター』の二次小説を執筆させていただきます。
『kskと世界の仲間達』という作品は、2年程前にもこちらのサイトで執筆させて頂きましたが、
執筆メンバーの都合などにより已む無く執筆を中止致しました。

そこで今度は私一人でのリメイクとして投稿させていただきます。
題名は変わらず、『kskと世界の仲間達』です。
未だに、検索すると昔の方のスレッドがヒットしますが、
【ポケモン二次創作】←これがあるかないかで判断してください。

『1日1レス』を目標としてやっていきたいと思います。
あくまで目標なので二転三転するかも知れません。
書き溜める性格なので、余裕が出来ればもっと投稿できるかも。

執筆経験は浅く、ストーリーの展開などに多少のグダりが生じますが、ご容赦ください。
気になった点は指摘して頂けると助かります。

ジャンルはバトル物です。
痛々しい表現や卑猥な表現はなるべく避けていきます。

※この作品はフィクションです。
 実際の人物、事件、団体、秩序とは一切関係ありません。
 どこか似つかわしく感じてもそれは他人の空似です。幻想です。


追記:形だけですが次スレを作りました
   www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=29916

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Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.430 )
日時: 2015/06/18 23:40
名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: QCG7hJgu)

さっきのイエナの言葉に、kskも少し思うところがあった。
神経衰弱を例に出すのなら、自分がハートのAを引いたとしよう。
次に引いたカードがハートの2でもハートの3でも『惜しい』とは言わない。
そういう意味で、『当たるか当たらないかで半々だ』というのは精神論であってそうでない。
その精神論が信じられずに拳銃の前でモタモタした時、
人は6分の1という一見低い確率を引き当てるべくして引き当ててしまうのだ。

kskが銃のシリンダーをカラカラと回し、止まった所にちゃんと弾が見えるか確認する。

「よし、俺の番だぜ」

そう言ってkskは引き金を引きかけたが、イエナの目を見て踏みとどまった。
そしてシリンダーをもう少しだけ回して躊躇無しに引き金を引く。
弾はダミーだ。床に二発目のダミーが転がり落ちる。

「ふぅ〜ん……やっぱりここだったか……実弾の位置は……
やはり、お前はどこが本物の銃弾か分かっているようだな…いや、『分かった』っつーべきか?
ダミーと実弾の僅かな重量の違いをシリンダーの回転で判断して、実弾を割り出す。
そういった手法だったらフミキがやりかねないが、お前は違う。
『一発目を撃ったことにより、すべての弾を把握した安心感を得た』ってとこか?」

半分独り言のように拳銃に視線を戻しながら喋るkskに、イエナは内心動揺していた。

(ギャンブルにおいて、読心と疑心と推理力はかなりのウェイトを占めている……
最初から舐めてかかったつもりは無いが、やはり『違う』……
もうすでに能力が分かりかけているのか……!?)

「『1ペア引いたからこそすべてのペアが分かった』……
『一発目を撃ってすべての弾を把握した』……
つまりお前は、『過去を見る能力』か……しかも場合分けされた過去を……」

イエナは表情を変えない。
内心では否定しようとすれば声が上擦ってしまいそうで、沈黙を余儀なくされる。

「神経衰弱では、1ペアを引いた後に『もしこれ以外を選んでいたら』を見た……
そして今、お前は『もし違う銃弾で頭を撃っていたら』をすべて見たッ!!
なァ〜〜るほど確かに、ギャンブルでは無類の強さを誇る能力だな……」

「そうだな……それがディープ・C・フィッシーズという能力だ……
だが分かったところでだ、お前の未来は脳に風穴ぶち開けて死ぬ!! それだけだがなッ!!」

「いいや違うねッ!! 死ぬのはお前だッ!!
俺の華麗なプレイをとくと見て情報ゲロって死ねッ!!」

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.431 )
日時: 2015/06/18 23:44
名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: QCG7hJgu)

イエナの元へ運ばれてきた拳銃の残り弾数は4発。
つまり4分の1の確率で、この酒場に悲惨な事件が発生する。
kskは撃ち終わった後、シリンダーを乱雑に回転させている。
つまり、現在kskには実弾の位置らしき場所が分かっていて、イエナには分からない。
そのためイエナは、次は逆にkskに見えないようにシリンダーを回転させる必要がある。
明らかにギャンブル向けの能力を持つイエナが、今それを強いられているのだ。

「確かにそれも対策の一種と見れるな……」

イエナはテーブルの下でシリンダーを何回転かさせ、自分の頭に当てる。
頭髪と銃口の擦れ合う音さえ聞こえる。
店長も店員も客もジェネシスもkskも沈黙しているのだ。

しかし、イエナは傍観者達に固唾を飲む暇を与えない。
弾は勢い良く飛び出さず、すぐに床に転がり、『三個目のダミー』となった。

(今のイエナの『自信』はどっからだ……?
能力によって得た自信か、それともギャンブラーとしての自信か……
油断した覚えも無いが、こいつもれっきとしたギャンブラーだ……!!
kskに対して三本勝負の三番目になっても生き残ってる奴なんざそうそう居ねぇ。
今まで俺とkskが何人隔離病棟にブチ込んで来たと思ってやがる……
その目ッ!! それは経験者の目ッ!! こいつとギャンブル勝負に発展するのは間違いだった……
いよいよ覚悟決めなきゃなんねぇぜ……kskッ!!)

ジェネシスの思考はkskに流れ着いていない。
それはkskもジェネシスもギャンブルにそれなりの流儀があり、
互いに思考回路のリンクを断ち切っているからだ。

故に、kskの脳内は驚く程クリアだった。静寂に満ち溢れていた。
目の前に転がる3分の1の『死』に対し、kskの脳内はただただ静か。
それは周りの皆も同じだった……全員が全員、息をするのも忘れている。

kskが拳銃を手に取り、『シリンダーを少しだけ回転させた』

そう、少しだけ。
イエナが拳銃の場所を知っているかも知れないというのに、
あろうことかkskはシリンダーを一回転もさせなかった。

「意外だな……お前みたいな奴は運で勝負する時、
相手がそれまでに撃ち込んだ布石をことごとく払いのけて、
『自分の運』だけで勝負するような奴だと思ってたんだがな」

イエナの表情もkskの表情も、完璧なポーカーフェイスのまま会話が進行する。

「そんなもんさ、他者からのイメージなんてな。
俺は撃つぜッ!! ここに決めたァッ!!」

そのkskの叫び声は、巨大で鋭い音にかき消された。
kskの目が大きく見開き、拳銃を持っていた腕は反動で少し吹き飛び、
何よりkskの頭が大きく逸れてグッタリとした。

「勝ったッ!!! やはりそこに銃弾は入っていたッ!!
この俺のディープ・C・フィッシーズの後悔に隙なんぞ無いのさッ!!」

「ウソだろ……kskが負けちまった……こいつァ悔しいねェ……」

その聞こえてきた声にイエナがkskばりに目を見開く。

「なん……でッ!! テメェの声がするんだよジェネシスウウウウゥゥゥゥッッ!!!!」

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.432 )
日時: 2015/06/18 23:47
名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: QCG7hJgu)

「フゥーッ!! やっぱりビンゴかぁー危ねぇなぁ!!
俺って奴ァどうもこういう時に悪運を引き付けがちなんかね」

kskが首を、腕を、表情を元に戻し、シリンダーを更に少し回してから頭に撃つ。
弾は転がり落ち、これで残る二発の弾丸のうち一発が実弾。
つまり50%の確率で使用者を死に至らしめる凶器の誕生だ。

「『撃ったフリ』かよテメェ……!! 音も姿勢も全部ッ!!」

「軍隊の出身って身分からモノ言わせてもらうが、俺はこういう死に方する人間は何人も見てる。
もちろんフザけてそういう奴等の真似すると一日中腕立て伏せだがな。
しかし俺は得意だぜ……そして今の動作でこれが銃弾だと分かった……」

kskがシリンダーを乱雑に回し、イエナに渡す。
そしてイエナがそれを手に取る前に、kskは指をズアッと差した。

「わざと弾丸の空撃ちをするのはやめろよ?
さっきのターン、お前はテーブルの下で拳銃を空撃ちし、
それにより『それ以外の選択肢』をすべて見て、銃弾を特定した……だろ?」

イエナは歯を少しだけ露出し、そこからクククと声を漏らす。
しかし怪しい笑いでは無い、何かを心から楽しむ笑いだ。

「すげぇ……ルーレットなんて所詮運試しだと思ってたぜ」
「いや、結局は運なんだろうけどさ、その運の穴を広げる作業が恐ろしく大変だ。
それをあいつらは平然と、しかも高い水準で行ってるぜ……オッソロシイ……」

客の感嘆を耳で感じ取るイエナ。ポーカーフェイスは続いている。

(そうだぜ、結局ギャンブルの根底にあるのは『運』なんだ。
運に対しての事前準備と、運に対しての後処理でギャンブルは成り立っている。
今俺は完全に、『運の波』に飲み込まれつつある。
ディープ・C・フィシーズが封じられた今、波に溺れるか乗るかが運!!)

よく、表情や言動を『表』、心理や思惑を『裏』と表すことが多いが、
この勝負に限りそれは間違いだ。『心にも裏表がある』。

純粋にスリリングな駆け引きを楽しむギャンブラー二人。
だがイエナの『心の裏』はゲスだ。元からこの勝負は平等では無いのだ。

(ま、負けたらそれっぽいウソの情報を教えるだけだけどなァ〜〜
こっちはほぼほぼ必要な情報揃ってるし、コッチが何言っても信じるだろど〜せ。
分の良い賭け以上に分が良いなァーー『何も賭けて無い賭け』なんてな……
後は死なないように気をつければ良い、つまり俺に敗北なんざ無いぜ)

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.433 )
日時: 2015/06/20 00:10
名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: QCG7hJgu)

ロシアンルーレットとは、世の中である程度の知名度を誇る賭け事の中で、
一番と言って良い程致死率が高い というのが世間のイメージだろう。

しかし、ロシアンルーレットには『天井撃ち』というルールがあり
文字通り参加者は天井を撃つ権利があるのだ。
放たれた弾が実弾なら『勝ち』 ダミーなら『負け』である。
この賭け勝負に限り、弾が残り二発になれば天井撃ちが解禁される。

「ここで死んでも困るしな……『天井撃ち』をさせてもらうぜ」

そう言ってイエナは店の天井に、つまり真上に拳銃を向ける。
この時点で、イエナもkskも死亡率は0に近くなっただろう。
何故なら天井撃ちは生死に関与しない、勝敗を左右するだけなのだ。
そのはずなのだ。

イエナの手は、小刻みに震えている。
何か恐ろしい事を思い出したようにして、手が震えている。

「ksk……テメェ……なんであんなルールを追加しやがった……
何故あんな恐ろしいルールを平然と追加しやがったんだテメェはッ!!」

「ハッ!! 『ダミーの取り外し』も『天井撃ちの制限』も理不尽じゃねぇだろ?」

声を荒げるイエナに対しkskの返答は至って冷静だ。

「ksk……俺も分からない……こいつが一体何を思い出したのかーーー」

ジェネシスの言葉がそこで中断される。
kskとの思考リンクを切ったジェネシスもどうやら『気付いた』

「そう……こいつは事もあろうに『ゲームに負けた奴は死ぬ』とッ!!
そんな残虐的で非人道的でクレイジーなルールを設定しやがっていたッ!!
単純に、拳銃で頭を貫通された奴等の事を暗喩してるだけだと思っていた……
でもそれがルールならばッ!! 『死亡による敗北』以外の敗北もすべて死に通じているッ!!」

kskがポケットから煙草を取り出し、光線で火を点ける。

「……一任しちまったもんなァ……この俺に『ルール詳細』を……
最初から分かってたぜ、お前が『命の駆け引き』の土俵に上がろうとしていないことを……
だからこうして強制的に引き上げた……死ぬかッ!! 生きるかッ!! それだけの世界にッ!!」

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.434 )
日時: 2015/06/20 00:14
名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: QCG7hJgu)

イエナに重くのしかかる命の価値。
あの6分の1を乗り切った時点で、イエナはこの日一番の安堵をした。
だがそれこそが、ギャンブルに賭ける覚悟の差異が、今のイエナの動揺を生んでいる。

(落ち着け落ち着け……まだ100%の負けじゃあない……
間違えたと装って一回空撃ちするか……? いや、問答無用で殺されるな……
頭に撃ってダミー……もしくは天井撃ちして実弾……50%だ……)

イエナが一旦腕を降ろし、銃口を自分に向けてみる。
すると、自分でも信じられない量の汗がダラダラと出てくる。

(こ、怖い……!! 銃口がたまらなく怖い!!
こんなチッポケなもんで人が死ぬんだ……怖いのは当然の感情だ……
でも手が震える……眩暈がする……持病の発作が……)

50%の確率で死ぬ。 それはあまりにも重い確率だ。
その数字に対し、静かに佇むkskと、フーフー息を吐くイエナ。
それこそがギャンブラーとしての差なのだ。

イエナはゆっくりと拳銃を天井に向ける。
死の可能性は頭に向けて撃つのとなんら変わらない。
それでも、それでもイエナは銃口が怖かった。

引き金を引くその一瞬だけが、イエナにとっての唯一の静寂だった。

「結局は……『後悔先に立たず』ってのはこういう事なんだ……」

イエナが引いたのは、よりによってダミー。
それが指す意味は……

「ま、kskの勝利だな……つっても傍観のみって中々疲れるな。参加するのとは違う疲れがある」
「さて、情報吐いてから死ぬかそれとも死ぬかを選んでもらうぜ。
あの大戦の後何が起こったのか、俺と一緒だった仲間達……ワットやイエローはどこか。
ウィルス散布機械は壊れたのか、truthの入った研究隊はどんな裏切りをしたのか!!」

敵側の一般兵は基本的にデス・カラーをつけており、
デス・カラーに邪魔されずに情報を抜き出すには、このような上の身分の敵を狙うしか無い。
つまり情報戦ではksk達は常に極不利な状態で戦っているのだ。
その優勢な状態を崩せば、例え今自分が死ななくともいつか殺されるだろう。
だからkskは今情報を喉から手が出る程欲している。

組織の裏切り者にはなりたくない というのがイエナの最後の判断だった。

「死ねッ!!」

イエナはkskに銃口を向ける。
想定通り、そして後悔通り、そこには実弾が入っているのだろう。

「やめとけよ、軍隊で戦い、フミキと共に過ごした俺は銃の使い手じゃあ無いが『理解り手』だ。
真正面から銃なんざ向けると……」


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