コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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臆病な人たちの幸福論【第五部完結】
日時: 2016/03/05 21:35
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: AO7OXeJ5)

臆病な幽霊少女は、思い出す。
人を疑いながらも、好きだったわたしを。

泣き虫な文学少年は、後悔する。
せめて、言葉にして伝えたかった。

怠惰な女性司書は、紛らわす。
子供に甘えるなんて、どうなのよ。

憂鬱な平凡少女は、自身を罵る。
どうしようもないなあ、あたし。

——愛。
それは彼らに共通したもの。
カタチは違うけど、彼らを繋ぐ。
繋がりの中で彼らは……何を見つけるのだろうか?





 黒雪様の【あなたの小説の宣伝文、作ります!】に頼み込んで、作ってもらった素敵な紹介文です!! ありがとうございました、黒雪様!!





お知らせ!!>>485
ご報告!!>>198
5000いけました!!!>>390

【皆おいで! オリキャラ投稿だよ!! ついでにアンケートもだよ!】>>165(本気と書いてマジと読む。どうかよろしくお願いします!)



 はい、全然完結させてない八重です。
 …今回は、ちゃんと完結させるつもりでございます。…多分。
 約束守れない人って、情けない…。



 注意
・低クオリティ。何かありきたり。
・幽霊が出てきます。
・最初はとんでもなく暗いです。
・中傷など、常識やルールを守れない方はすぐにお帰りくだされ。
・恋物語です。でも、糖分は低めです。
・瀬戸君の佐賀弁が似非っぽい。
・宮沢賢治のお話がちょろちょろでます。
・批評大好物なので、バッチコイ! あ、でもあまり過激なモノは…(汗
・宣伝は常軌に外さなければおkです。ただ、宣伝だけはおやめください。お友達申請? カモンです!!w
・誤字脱字あったらすぐにコメを!!

 では、よろしくお願いします!!


この小説に欠かせない大切な方々の名前一覧!>>430



目次

登場人物>>54(ネタバレあり。本作読むのが面倒な人はここを読んで置くのがオススメ。大体の話の筋はわかるから)

〜第一部〜
臆病な幽霊少女…>>01(挿絵>>231>>02>>03>>08(挿絵>>431)(長いこと関わらなかった幽霊少女が恋慕を抱く話)
泣き虫な文学少年…>>14>>15>>16(挿絵>>549>>19(一人を望んだ文学少年が『独り』になることに恐怖を抱く話)
怠惰な女性司書…>>30>>31>>32>>33(怠惰に過ごす女性司書が一人の少年を見て我が身を振り返る話)
憂鬱な平凡少女……>>39>>40>>41>>42(日常を憂鬱に過ごしている平凡少女が弱さを知る話)

【自戒予告〜字が違うよ次回予告だよ〜】>>50(ふざけすぎた次回予告です)



〜第二部〜
間章または序章>>55>>56(幽霊少女と、『声』の話)
第一章 春を迎えた文学青年>>60>>61>>62>>63(文学青年と平凡少女が、非日常に巻き込まれる話)
第二章 困惑した文学青年>>64>>67>>68>>69(幽霊少女の真実と奇跡が、垣間見えた話)
第三章 前進する文学青年>>73>>74>>75>>76(幽霊少女の周りの環境が、だんだんと変わっていく話)

間章 >>87(閉じこもってしまった幽霊少女が、やがて狂っていく話)

第四章 平凡少女の行動>>95>>96>>97>>98(諦めかけた文学青年と、行動を起こした平凡少女の話)
第五章 揺らぐ文学青年>>105>>106>>107>>108(平凡少女と、文学青年と、臆病少女は)
第六章 踏み出す文学青年>>118>>119>>120>>121(イレギュラーが入り込む話)

間章 >>128>>129(混乱する臆病少女の前に、文学青年は)

第七章 どうすればいいのか、判らないことだらけだけど>>132>>133>>134>>135>>136(泣き虫な青年の答えに、臆病少女は)
最終章 やっと、春を迎えました>>141>>142>>143>>144(さあさあ、春と修羅が始まります)

後書き>>149(とりあえず読んで欲しい)

【次回予告〜今度はまじめにやってみた〜】>>157(第三部の次回予告)




〜第三部〜
「モテたいんだ」「「「……はあ?」」」>>161>>162>>163>>164(とある男子高校生の会話)
「えっと、『おぶなが』と『たかだ神殿』が『長しその戦い』で戦って……?」「『織田信長』と『武田信玄』が『長篠の戦い』で戦った、だ」>>175>>176>>177>>178>>179(とあるリア充の話)
「あ、ダメナコ先生じゃなかー!」「ダメナコじゃない。私の名前は光田芽衣子よ」>>187>>188>>191>>192 (とある元引きこもりと不登校少女の話)

間章>>196>>197(とある不登校少女は逃走する)

「何時もより早く登校したら、校門の前にパトカーがあった」「誰に話しているの? 三也沢君」>>214>>215>>216>>217(とある文学青年が、踏み入る)
「——そこに居るのは、誰ですか?」「だあれ、君……?」>>223>>224>>225>>226(不登校少女と、やさしい想い出と苦い想い出と)
「……玲ちゃんの家は、一度離婚してるったい」>>239>>240>>241>>242(第三者が語る、不登校少女の姿)
「どうして、ないてるの?」>>252>>253>>254>>255(無表情少年と不登校少女)

間章>>258>>259(不登校少女と、不登校少女の父)

「何でこんなあつー日に走らんといけんと!?」「全くだ!」>>265>>266>>269>>270(少年少女の試行錯誤)
「い、行かせて平気なんですか!?」「平気よ」>>271>>272>>273>>274(怠惰な司書と平凡少女と臆病少女の他人事と共感と)
『この世界は、嫌なことだらけだ。悲しい事だらけだ。でもだからこそ、お前なら、小さな幸せを見つけることが、出来るはずだろう?』>>281>>282>>283>>286(結局のところは)
「……で、結局どうなったんだ?」>>287>>288>>289>>290(大団円を迎えたよ)
「きっと、何とかなるよ」>>291>>292>>293>>294(第三者だった、文学青年と臆病少女の考察)



小話>>366(第三部の後日談)

後書き>>305(とりあえず読んで欲しい)
【自戒予告〜反省なんて言葉は無いんだよ〜】>>311(シリアスばっかだったから〜…)


〜第四部〜
蛍火の川、銀河に向かって【前編】>>312>>313>>314>>315
蛍火の川、銀河に向かって【中編】>>316>>317>>318>>319
蛍火の川、銀河に向かって【後編】>>323>>324>>325>>326>>327

【あの日を誇れるように ぱーとわん】>>335>>336>>337>>338
【あの日を誇れるように ぱーとつー】>>339>>340>>341>>342
【あの日を誇れるように ぱーとすりー】>>353>>354>>355>>356
【あの日を誇れるように ぱーとふぉー】>>358>>359>>360>>361>>362

「今年の夏休み……ふざけてますよね」「だからその言葉は以下略のその一」>>367>>368>>369>>370
「今年の夏休み……ふざけてますよね」「だからその言葉は以下略のその二」>>384>>385>>386>>387
「今年の夏休み……ふざけてますよね」「だからその言葉は以下略のその三」>>393>>394>>395>>396
「今年の夏休み……ふざけてますよね」「だからその言葉は以下略のその四」>>402>>403>>404>>405
「今年の夏休み……ふざけてますよね」「だからその言葉は以下略のその五」>>407>>408>>409>>410>>411

『思い出と後悔のこの町は、また今日も』>>415>>416>>417>>418>>419


【低気圧&高気圧注意報】(方言監修:ルゥ様)>>510>>513>>514>>515>>516(Battle of youth)

〜第五部〜

序章>>426(口裂け女と労働青年の邂逅)
第一章 健全なる高校男子の昼食事情>>433>>434>>435>>436(口裂け女の噂と高校生の話)
第二章 労働少年の秘事>>440>>441>>442>>443(労働少年の家と隣の口裂け女)
記憶喪失の口裂け女の話 一>>447>>448>>449
記憶喪失の口裂け女の話 二>>454>>455>>456
第三章 文学少女と文学青年>>460>>461>>466>>469(女子トイレと橘と後輩と)
口裂け女と労働青年の日々 一>>471>>474>>479>>480
第四章 それは全てを変えるような>>483>>484>>486>>493(ぐらつく足元)
口裂け少女のたまに見る夢>>496>>497


【第五部後半 予告編】>>503(こういうの結構楽しく書ける)


口裂け女の終焉の始まり>>521>>523>>524
口裂け女 ムカシバナシ 1>>525>>526
口裂け女 ムカシバナシ 2>>527>>528>>529

第五章 瀬戸少年の意外な面について>>530>>531>>532>>536(キレる瀬戸君、笑うフウちゃん)


口裂け女のひとつの過ち>>545>>546>>547>>548
口裂け女のひとつの過ち その2>>551>>552>>553>>554


第六章 少しずつ忍び寄る>>559>>560>>561>>562(怪異と妖怪と幽霊と)
第七章 元幽霊少女と現怪異少女>>563>>564>>565>>566(諷子と千代)
口裂け女ノ邯鄲ノ夢>>567>>568>>569
第八章 間違っていること、正しいこと>>570>>571>>572
口裂け女の初めてのデート>>573>>574>>577>>578>>581
第九章 それは何も変わらず>>584>>585>>586>>591
よだかの星になった少女>>592>>593>>594

終章 泣き虫な文学少年と、憂鬱な平凡少女、臆病な元幽霊少女の>>598>>594>>604



番外編・企画・もらい物>>470(これまた多くなったので引っ越し!)


履歴>>332(多すぎてスクロールするのがめんどくなったので引越し!)
その2>>539(その2まで出来ちゃった……本当にありがとうございます!!)

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Re: 臆病な人たちの幸福論【第四部更新スタート!】 ( No.319 )
日時: 2013/02/27 21:48
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: l6pfUsAS)


                     ◆



 ダメナコと耕介さんが帰ってきたのは、午後五時だった。
 ちなみに俺とフウは、大輝と一緒にババ抜きをしていた。



「ただいまー」
「あ、お帰りなさいメイコちゃん、コウスケクン!!」



 早速、柊子さんがパタパタと向かいに来る。
 俺たちはダメナコが驚く様子を見るたびに、気配を押し殺した。


「ん? 誰か来たの?」


 唯一誰が来たのか判らない大輝に、し、と人差し指を口元に立てるフウ。
 その様子に、大輝は黙ってくれた。


「どうしたの、柊子さん。嬉しそうに」
「ふふーん。いいからいいから、応接間に行こうよ早く! ほら、コウスケクンも!!」
「え、な、何? 何かあるの?」


 徐々に声が近づいてくる。
 トタトタトタ、と三人の足音も大きくなっていった。それを聞くたびに、ババ抜きの様子を隣で見ていた虎太郎が破顔する。
 ガチャリ、とドアが開かれた時、来た! と思った。




「もう、何よいった……」




 そういったとき、ダメナコが少し瞳を開いた。
 予想通りの態度に、俺は心の中でガッツポーズをとる。
 大輝の様子も見たくて、隣を見ると、大輝が硬直していた。

 が、すぐに二人は次の行動を取る。



「お……お母さん!!」


 大きな瞳を輝かせた大輝が、トランプを置いてダメナコに駆け寄った。


「お母さん!」



 トタトタ。


 嬉しさのあまり、大輝が、ダメナコに抱きつく。



「——やっと、来てくれたんだね!!」





 トタトタ。
 ダッ。







「……え?」


 声を上げたのは、フウだった。


 大輝はダメナコに抱きついた。——だが、スルリ、と、大輝はダメナコの身体をすり抜けた。



 ドタン、と床と盛大にぶつかった大輝。
 一瞬、俺は目を疑う。


「(今、一体何があった?)」


 大輝も驚いたようで、暫くその倒れた体勢でいた。

 俺は、今さっきの現状がすぐに受け容れず、頭の中を整理しようとした。
 が、その前に、ダメナコの言葉で、全て理解してしまう。



 ダメナコは安堵したような、ガッカリしたような表情でこういった。












「……なーんだ。何か凄いのがあるのかと思ったら、諷ちゃんと三也沢君じゃない」






 ……その言葉で凍ってしまったのは、俺だけじゃないだろう。
 そして、予想していた期待を裏切られたのも、俺だけじゃないはず。




 嫌な予感は、何時だって当たるもんだ。


             【続く】

Re: 臆病な人たちの幸福論【『お盆ダメナコルート 中編』更新!】 ( No.320 )
日時: 2013/03/01 17:09
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: l6pfUsAS)

諷子「いやー、やっとこのラジ番も復活しましたねえ」
健治「ホントになー。読者の皆さんにはお待たせすぎたよなー」
諷子「凄くお待たせしましたが、これからも頑張りますので、どうか愛想なんて尽かさないでくださいね!?」
健治「よろしくお願いしますー」
諷子「……」
健治「……」
諷子「…今日、なんか調子がおかしそうですね、ケンちゃん」
健治「いや……」




健治「今日、卒業式だったなあって想うと……」
諷子「ケンちゃんわたしたちの世界は今夏です!!!!」







【参照3800突破記念感謝祭 復活! ラジオ番組!!】






* *
〜OP〜


諷子「皆さんお待たせいたしました! わたしがこの番組のDJを務めさせてもらってます、宮川諷子です」
健治「どうも、三也沢健治です」
諷子「……」
健治「……諷子さん?」
諷子「ハッ!! ごめんなさい」
健治「……」
諷子「……」
健治「……ひょっとして、久しぶりすぎて緊張しているのか?」
諷子「!? そ、そんなことアリマセンヨ」ビクビク
健治「声が裏返ってるぞ」
諷子「いや、緊張しているというか……」
健治「なんだよ?」





諷子「……台詞、忘れた」
健治「……」






(※カンペ 製作中)


健治「……はい、長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。では、続きを」ホイ、諷子
諷子「今回はmao/様作品の、「模範解答。」をご紹介したいと思います!」
健治「mao/様、いつもお世話になってます&ご参加していただきありがとうございます」
諷子「そしてゲストには、主人公の相原奈桜ちゃん、友人の白石咲月ちゃんです!!」
相原「こんにちは。相原 奈桜(あいはら なお)です」
白石「こんにちは! 白石 咲月(しらいし さつき)です!」
健治「……なんで今更ふりなが付き?」
諷子「作者が奈桜ちゃんを「相原奈 桜」と読んだり、白石を「しらいし」って読んだり、咲月を「さきつき」と読んでしまったから」
健治「作者基準か」
諷子「でもこれラジオ番組ですよね? ふりながつけなくても判るのに必要あるのでしょうか?」
健治「それはいうな」
健治「とにかく、さっさと進むぞ」






諷子「……はい、この小説は、「正しい●●のあり方」というのがありますg」
健治「その前にコンセプト!!」
健治「ホラ、ここに「優等生と恋の悩み」ってのがあるじゃないか」
諷子「あ……」
健治「しっかりしてくれ」
諷子「あ、はい! えっと、この小説は、「優等生と恋の悩み」というコンセプトで物語が進んで……いませんね」
健治「……この小説今ロック中だからなあ」
諷子「……ま、まあ!;それは置いといて!」
諷子「この話は、正しい優等生であろうとする奈桜ちゃんと、正しい美少女に見える咲月ちゃんと、正しいヒーローのあり方に見える都築 慶太(つづき けいた)君の物語であります!」
健治「おお」
諷子「……」
健治「……」
諷子「……今のところ、物語はここまでです」
健治「だなあ……mao/さんには申し訳ないけど」
奈桜・咲月「えええええええええええええええ!?」
奈桜「せ、せっかくここまで来たのにそれですか!?」
咲月「それあんまり!」プンプン
健治「うんまあ、通常だったらもうちょっと尺伸ばしするけどな?」




諷子「えーっと……この後どうすればいいんですか? え、自由?」
健治「……フウが、あの調子だからさ」
奈桜・咲月「……あー」シカタガナイ
健治「まあでも味気ないので、とりあえず自己紹介でもしてくれや」
奈桜「投げやりですね……」
咲月「でもやるしかない……」



(※自己紹介を考え中)




奈桜「相原 奈桜(あいはら なお)、16歳。高2年です。
3月3日生まれのうお座。O型。
親からのプレッシャーもあり、「優等生」をやっています。
副会長です」
咲月「白石 咲月(しらいし さつき)、17歳、高2年です。
4月14日生まれのおひつじ座。AB型。病弱なのが欠点です。……あとついでに」
健治「『都築 慶太(つづき けいた)、17歳。高2。
7月7日生まれのかに座。B型。
明るく人気者気質。
生徒会長。頭がいい』……って、書かれてあんな。これぐらいなモンか?」
奈桜「でもこれ…紹介になってますかね?」
健治「まあ……作者自身も書き方忘れてるしなあ……」
奈桜「……」
健治「……」
咲月「……」





諷子「……もう、ゴール目指してよくありません?」
健治・咲月・奈桜「だな(ですね/ですよ)!!」






* *
〜ED〜

諷子「というわけで、現在あなたの小説を募集しています。こんな漫才に使われてもイイゾ☆といってくださる方は、下の記入表をコピペしてポチ、と送信してください。

名前「」フリガナ()
題名「」創作版「」
この小説の見所「」
この小説のコンセプト「」
ぶっちゃけキャラクターをゲストとして使ってもいいよ、という方は、キャラの名前を記入してください(二人までおk)「」
ぶっちゃけこの小説はどのように思っていますか? 質問もおkです「」

作者に一言!「」



 皆様の応募を、お待ちしています。
 それでは皆様、ごきげんよう〜!」
健治「何だこの無理やりな投げやり……」



mao/様、読者様、申し訳ありませんでした(ドゲザッ

Re: 臆病な人たちの幸福論【3800突破感謝祭更新!】 ( No.321 )
日時: 2013/03/03 17:18
名前: 藍永智子 ◆uv1Jg5Qw7Q (ID: UNmuBzLD)

 ご無沙汰しておりました、藍永です。
 相変わらず、八重様の世界観と描写は読む人々を引き込ませる……とか、堅苦しいけど言ってみましたww ((いや引き込まれるのは本当ですよ!?
 
 ケンフウ、その他諸々…のみんなは大輝君に触れたというのに、ダメナコ先生だけは触れなかった……!?
 何故なのか、とにかく続きが気になります!! 
 しかもこの様子だと、触れないだけではなく『視えて』すら、いないのかも。

 図々しくも、ちょこっと報告を兼ねさせて頂きます。
 色々と追い詰められた末の最終手段として「桔梗〜」の一時休止をさせて頂いておりましたが、何とか自分の中で整理をすることが出来てきた為、再開することに致しました。
 いやぁ長かったぁ…。私的には、今年最大の事件としてもいいくらいの出来事でしたのでww
 少し気を抜くと目からは涙がぼろぼろと出てくるし、思考回路はひたすら真っ暗でゴールなんて何処にも見えないし、学校に行くのはとにかく億劫でたまらなかったし、誰かと話しているだけで怖くなってくるし……。
 おっと長くなってしまいましたね。申し訳ありません。

 それでは、更新頑張って下さい!!

Re: 臆病な人たちの幸福論【3800突破感謝祭更新!】 ( No.322 )
日時: 2013/03/04 17:21
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: l6pfUsAS)

智子さん!!

お久しぶりです!!!(涙
いやあ、そんなフウにいってくださるなんて、凄く嬉しいですww

ああ、やっとコメが…!! この話ずっと前から書きたいと思ってた割には誰もコメしてくれなかったから…嬉しいです!!(感涙

ダメナコと耕介、大輝はどうなるのか?
健治と諷子は、この後どうするのか?
是非とも楽しみにして欲しいです!!

…よっしゃああああああああああああああああああ!
待ってましたよ…信じて待ってましたよ智子さぁぁぁぁぁん!!!!
後で読んできますッ


これが書き終わったら、いじめの話を書こうかなと思いますw
更新頑張ります!!

Re: 臆病な人たちの幸福論【3800突破感謝祭更新!】 ( No.323 )
日時: 2013/03/06 15:34
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: l6pfUsAS)

 大輝は、ダメナコに触れることが出来なかった。それだけじゃなく、ダメナコに、姿を察してもらうことも、出来なかった。


「ちょ、ちょっと待てよ! 視えねぇのかよ!?」


 グイ、と虎太郎が倒れこんだ大輝を抱き起こす。
 グダリ、とショックで崩れている大輝を見て、俺は柄にも無く願った。
 どうか、冗談でありますようにと。
 見間違い、聞き間違いでありますようにと。


「……さっきから何? 何か居るの?」
「……俺にも見えないが」



 ——けれど、その想いはあっという間に空振りした。




              蛍火の川、銀河に向かって【後編】


 チリン、と風鈴の音が鳴る。
 その音を、人は「涼しげ」な音だというだろうが、俺たちにとっては、寒気でしかなかった。
 この部屋には、俺とフウだけ。
 畳の上に座っているフウが、先刻のことを思い出していった。


「……どうして、見えなかったんだろうね」



『……もういいよ』


 大輝の声が頭に響く。
 あの言葉を合図に、俺たちは、ダメナコたちに大輝の存在を主張することを、諦めた。
 本当は諦めたくなかった俺たちに、大輝の笑顔が浮かぶ。
 あれを思い出すたびに——時が止まったのかと思った。
 それほどまでに、俺たちには、あの笑顔がショックだったから。


「……でも、仕方ねえよ」


 無意識に漏れた言葉は、残念そうな顔をしたフウに向けてなのか、それともまだ諦めがつかない俺自身にいい聞かせる為に零れた言葉なのか、良く判らなかった。
 けれど、今回ばかりはしかたがないと思う。
 今まで、こん睡状態の人を起こしたり、行方不明者を探し出したり悪霊っぽいものを見たりしたが、たったそれだけのことであって、別に俺は山にこもって修行していた霊能力者じゃない。
 何でダメナコや耕介さんには視えない理由なんて、検討もつかない。

 それに、大輝も、呆然としていたのは最初だけだった。
「お母さんたちに見えなかったり触れなかったりしたのは、すごく残念だけど、会えたからいい」そう大輝は照れくさそうに笑った。
 大輝は、そうやって納得したのだ。
 だから、仕方ない。本人がそれでいいといっているのだから。


「……でも」
「いつまでも辛気臭い顔するんじゃねーよ」


 ポン、とフウの頭を軽くチョップする。それほど痛みは無いはずだ。だが、ビックリしたのだろう。まさか叩かれるとは思わなかったようで、涙目になったフウは激怒した。


「何しやがるんですかー!?」
「お前がグズグズしてるからだろー」
「だからって叩いていいってワケじゃないでしょう!?」


 テヤ! と、俺の頭めがけて、同じようにチョップをかまそうとするフウを、咄嗟に立って避けた。
 ズテン! と、思いっきりフウが転ぶ。
「つった〜……」膝を軽くすりむいて痛いのだろう、フウは顔をゆがめる。なのに立ち上がって、リベンジを果たそうとする。


「諦めろ。お前と俺とじゃ、身長の差がありすぎる」


 俺の言葉に、フウはピクリと固まった。
 ちなみに俺の身長は一七五cm。フウはなんと一四七cm。身長の差は、二十八cmだ。


「……なんでこんなにあるの。というか身長伸びてない?」
「いや縮んだらマズいだろ……っていうかお前、出会った時より小さくなってないか?」


 そうだ。思えば初めて出会った時は、一六〇cmはあったような気がする。


「ああそれは……普通の女子高生になりたかったからでしょうね」
「どういうことだ?」
「霊っていうのは、魂がさ迷っているって思っている人は多いと思うんですけど、霊体っていうのは、魂の上に書かれてある『念』というのがあるんですよ。その人が生きた時の記憶とか想いとかを記録する役目があって、念を祓わなければ生まれ変わりが出来ないし、逆に強すぎたり、中途半端に念を失えば、魂は簡単に壊れてしまう。所謂、風船の周りにある重力でしょうか」
「『想い』が『重り』か……中々ハードの高いしゃれだな」
「でも、重力が強かったり弱かったりすると、風船の形は変わります。魂も、念が『こうありたい』って思ったら、変わっちゃうんです。わたしの場合は、『普通の高校生になりたい』と願った。だから身長も伸びたし」
「成程。それでお前、うちの学校の制服着てたんだな」


 長年の謎が解けた。どうしてフウがうちの学校の制服を着ていたのか、ずっと不思議だったのだ。
 ……ん? ということは……。


「大輝も、『成長した姿でありたい』って願ったから、あの姿になってるってことか?」
「まあ、そんなところだと思うよ」


 あっさり、とフウはいった。
 ……そうか、だからフウは一度も大輝が成長していることに触れなかったんだな。どっかで聞いた話では、幽霊というのは死んだ時のままの姿で居るとか、生きていて一番幸せだったときだったとか聞くけれど、実際はそういう方式だったのか。
 俺が一人で納得していると、フウはしょんぼりした顔で、柱にもたれながら、ズルズルと座った。


「人間と幽霊は、根本的なところから違います。死んでしまったら別のもの、ですからね……だからわたしだって、仕方がないって思ってるんです」
「にしては、納得していない顔だよな」
「だって!」


 フウが声を荒げた。
 はっとしたフウは、決まり悪そうに顔を背け、小さな声でいった。


「……不公平じゃない。わたしはこうやって幸せに過ごしているなんて」



 ああ、そうか。
 こいつは、自分が幸せだから、大輝に申し訳なく感じているんだ。
 同じ幽体だったのに、自分は皆と同じ『人間』になって、なのに大輝は実の両親には見えてもらえない『幽霊』で。
 自分だけが特別扱いだと思っているのだろう。だから、優しいフウはつい、思ってしまうのだ。
 大輝だって、自分のようになりたいハズだと。
 フウの気持ちも判らなくも無いので、どうしようかなーと頭をかきながら悩んだ。
 で、結局、取った行動が、フウにデコピンを食らわせること。


「ふぎゃ!?」
「あんなー。そもそもお前と大輝は違うだろ。生まれも育ちも全然違うし、お前だって実の両親には『会えて』ないじゃないか」
「そ、そういえばそうだけど……いやそれよりも叩いたりデコピンしたりする必要がありますか!?」
「お前だって足切断して俺がへこんでいた時、デコピンかましただろ」
「それとこれとは話が別……というよりわたしはまだチョップしてないんだけど!?」


 まだなのか。
 そう心の中で突っ込んだら、バッ、と立ち上がった。


「隙あり!」
「ちょ、おま——!」


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