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- 小説第二部 災厄の歌
- 日時: 2009/08/14 15:32
- 名前: 鏡 (ID: CSxMVp1E)
ま、楽しんでってください。
目次とかも張らないですがお許しください。
ココに、さまざまな文字入れると、皆さんも序盤から読む気なくしてしまうと思ってやめました。
これは続編です。URLの奴は一部作です。こっちを先に見てもらいたいです。
>>41 イメージソング
というわけで、始めてこの小説を見る方は、上の小説から見ることをお勧めします。
題名ちょくちょく変わるんで、ヨロですw
この小説は、http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=11995で更新を続けています。
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- Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.227 )
- 日時: 2009/07/28 17:41
- 名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: a7WresCQ)
九十五話 準備
つー・・・
紅夜の喉から、血がたれていく。
だが、紅夜はいきていた。
「お前・・・何故・・・。」
そう紅夜が聞くや否や、カオブディッツの身体が光に包まれる。
「あらら、残念。お前等運がいいな。後30秒早く倒れていたら、もう死んでたぜ。」
その言葉を最後に、カオブディッツは光の中に消えた。
何が起こったのかは解らない。
最後の言葉から、カオブディッツは、自分達を殺すつもりであったのは伺える。
だが、カオブディッツは消えた。
後30秒という言葉の意味もよく解らない。
唯一つ解るのは・・・
「助かった・・・」
紅夜は、仰向けになってつぶやいた。
木々の間から差し込む光が眩しい。
その光を顔に照射された紅夜は、眩しいのもお構い無しに、その光を見つめていた。
他の二人は、カオブディッツが消えた瞬間に緊張の糸が切れたのか、気を失ってしまったようだ。
そして、紅夜も。
安堵と不安の狭間で、目を閉じたのだった。
- Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.228 )
- 日時: 2009/07/28 17:41
- 名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: a7WresCQ)
九十六話 出発
気がつけば、流丸は床に突っ伏していた。
目の前には、あの男・・・ズディラ。
「ちっ」
舌打ちして、大きく後退して間合いをとる流丸に、ズディラは笑いながら何かを投げ渡した。
「まあ、おちつけ。チョコだ、糖分は苛立ちを抑える効果がある、食うんだ。」
ズディラは、そういうと部屋にあるイスに腰掛けた。
木で作られた、質素ないす。
流丸は、チョコの匂いをかぐ。
ズディラは、そんなるがんの心情を読み取るようになだめる。
「へんなモンは入れて無いよ。手荒な真似して悪かったな、実力差を最初に見せておかないと、後々反撃されたりして面倒なことにあるんでね、必ずこうするんだ。」
流丸は、その言葉を信じてチョコをほおばる。
確かに、甘くて、美味だった。
口の中に広がるその味が、なんとなく身体を癒してくれる気がした。
どぉぉーーーーン!!
突然、轟音とともに戦艦が揺れる。
おどろいたるがんは、ズディラを見た。
「何が起きた!?」
ズディラは、平然としながら、自分もチョコにかじりついていた。
そして、指についたチョコの粉末を舌で舐めながら、冷静に口を開く。
「アァ・・・そろそろこの星を発つ時間だ。」
「何!?」
耳をうたがった流丸を尻目に、煙を噴出しながら、戦艦は飛立とうとしていた。
- Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.229 )
- 日時: 2009/07/28 17:42
- 名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: a7WresCQ)
九十七話 命令
「ふざけるな!」
流丸は、怒りでズディラに歩み寄り、胸座を掴んだ。
ズディラは、そんなるがんにすら目を向けない。
視線は空を泳いでいた。
「命令だ。」
ズディラの一言は非常に無機質で、自分の話を無視しているんじゃないかとるがんは余計に腹が立つ。
「知るか!なら早く中止させろ!」
密林には、まだ仲間がいるのだ。
自分がさらわれて、皆に迷惑をかける訳には行かない。
流丸は、胸座をつかむてに力を込めた。
だが、ズディラは動揺しない。
瞬きすらしないで、流丸を見た。
「命令だ。」
もう一度繰り返すズディラの声は、先ほどと同じに無機質だった。
流丸は思わず聞こえないように首を振った。
「うるっさい。お前のボスに早く・・・」
どす・・・
次の瞬間、流丸の腹に拳がめり込んでいた。
その痛みで、思わず倒れこんだるがんの頭を、ズディラが踏みつけた。
「命令だ。」
ズディラは静かに告げた。
- Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.230 )
- 日時: 2009/07/28 17:42
- 名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: a7WresCQ)
九十八話 疲労
「オイ・・・あれ・・・」
ジョンは、小さな声で呟き、左の人差し指で空を指した。
そこには、戦艦が煙を上げて浮かんでいた。
「遅かった・・・」
美桜が、唇を噛み締めたのはわかった。
紅夜は土を握りこぶしで掴む。
「満身創意・・・遅い以前の問題でしょうね。」
そう口では平静を装ったが、内心、耐え難い気持ちだったのだろう。
自分達は、ここぞという場所で、敵を逃してしまったのだ。
その悔しさが、顔、仕草、全てに滲み出ていた。
だが、美桜は楽観的だった。
「仕方ないわ・・・。一人でも乗りこんでることを祈りましょう・・・」
彼女は、わかっているのだ。
今ここで悔やんでも、どうすることも出来ない。
だからこそ、こうして他者に望みを託すような、賭けもこの場面で出来る。
だが、紅夜にはどうしても出来なかった。
プライドの高い彼には、他人に自分の使命を託すなど、どうしても。
そんな中、彼らをあざ笑うように、天高くへと戦艦は飛び上がっていく。
その様子を三人は、それぞれの思いを交差させながら見上げていた。
- Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.231 )
- 日時: 2009/07/28 17:43
- 名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: a7WresCQ)
九十九話 対面
研究室にはいった五人を待ち構えていたのは、予想外の展開だった。
研究室の中には、多くの書物
そして、多くのパソコン。
一目で、何かを調査、研究していることがわかる。
だが、それだけじゃなかった。
高く積み上げられた本の山の奥に、人影が見える。
人影は、四肢を鎖につながれて、生気もなく横たわっていた。
そして、その人影に、氷介は見覚えがあった。
「お前・・・流丸の・・・弟か!?」
その声に、彼は反応して、ピクっと顔を上げた。
やはりそうだ。間違いなく、流丸の弟、楓堵だ。
氷介、ダンの顔に、安堵の笑みが漏れた。
だが、楓堵は様子がおかしかった。
助けが来たというのに、顔色一つ変えない。
目の焦点は合わずに、抜け殻のように佇んでいる。
その様子をおかしく思ったダンが、彼に近寄ろうとした時だった。
「彼の精神は、混沌回廊にいる。」
声に反応して、氷介が後ろを向くと、鋼鉄の地面が盛り上がり、人へと姿を変える。
ズディラだった。
「・・・お前は誰だ!?」
氷介は、ズディラとは初対面だった。
彼は、ニヤリと笑うと、脇に抱えていたものを氷介たちのほうへと投げ飛ばす。
流丸だった。
ズディラに殴られ、気を失っている。
高野が、流丸だといち早く気がつき、駆け寄った。
「大丈夫ですか!?目を覚まして下さい!」
隣で、ダンが歯軋りをする。
「てめぇ・・・」
そして、腰のナイフに手をかけようとしたそのときだった。
ズディラは、それより先におかしなものを取り出した。
それは、黒い塊。
丸く、宝玉のような形の水晶は、内側から鈍い光を放っている。
その吸い込まれそうな黒色に、南は思わずたじろぐ。
それを見て、ズディラは水晶に手を当てる。
「こいつに会いに行って来たらどうだ?」
その言葉と同時に、ズディラの持つ水晶から、強烈な光が放たれた。
『ぐぅぅ・・・・!!』
その眩しさに、皆は思わず目を瞑った。
「これは、楓堵から取り出した混沌の宝玉だ。まさかここまでの力があるものが手に入るとはな・・・。楓堵から精神ごと取り出したものだから、ふうとの精神も、今はこの中に閉じ込められている。」
ズディラが説明している間に、五人の姿は、光に飲み込まれて、影と同じ黒一色へと変わる。
そして、次の瞬間、光は瞬間的に消え、五人の影は、跡形もなくその場から消え去っていた。
「この楓堵の混沌の回廊に、お前達をご招待してやるんだ。最も、その後出られるかは保障しないがな。」
不気味に光る混沌の宝玉を片手に、ズディラはにやりと笑う。
部屋には、乱雑に詰まれた本の山と、起動したままのパソコンの光が怪しく浮かぶだけだった。
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