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- 小説第二部 災厄の歌
- 日時: 2009/08/14 15:32
- 名前: 鏡 (ID: CSxMVp1E)
ま、楽しんでってください。
目次とかも張らないですがお許しください。
ココに、さまざまな文字入れると、皆さんも序盤から読む気なくしてしまうと思ってやめました。
これは続編です。URLの奴は一部作です。こっちを先に見てもらいたいです。
>>41 イメージソング
というわけで、始めてこの小説を見る方は、上の小説から見ることをお勧めします。
題名ちょくちょく変わるんで、ヨロですw
この小説は、http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=11995で更新を続けています。
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- Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.222 )
- 日時: 2009/07/28 17:39
- 名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: a7WresCQ)
九十話 進入
ダンはもう文句は言っていない。
余程天野が怖かったのだろう。
何も喋らず、ただ黙々と歩いている。
俺たちは、戦艦内部に侵入していた。
やはり、鋼鉄作りのかざりっけない壁と床。
見ていても、心が憂鬱になる。
天野たちは、スタスタと道をあるいていく。
「これ、どこに向かってるんだ?」
俺が聞いても、天野は冷たい目でこちらを見る。
「黙ってついて来い。」
その言葉に、反論できるはずもなかった。
俺は、下を向きながらとぼとぼついて行った。
誰も喋ろうとしない重い空気の中で、俺たち二人は悲しく歩いていた。
「ここだ。」
天野は指差した。
鋼鉄作りの床、壁と来たら、当然鋼鉄作りの扉だった。
「居合い・斬!」
高野が、鋼鉄の扉をいともたやすく切る。
扉は、真っ二つに割れて、音を立てながら崩れた。
一気に視界が広がる。
その部屋は・・・
何かの研究室だった。
- Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.223 )
- 日時: 2009/07/28 17:40
- 名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: a7WresCQ)
九十一話 騒乱
『ぅおおおお!』
大将たちの軍は、戦艦の内部を帆走する。
その勢いは、何にもとめられなかった。
各所に、混沌に住む者が警備として配置されているが、それを殲滅しながら、奥まで走りこむ。
「邪魔だぁァ!」
中でも、やはり大将は一際強力だった。
槍で、敵の身体に穴を開け、まとわりつく敵を、素手で弾き飛ばしていく。
彼は、身体にかすり傷一つ負っていなかった。
「やはり・・・強い・・・な」
紅夜は肩で息をしながら、呟いた。
カオブディッツを簡単に相手に出来るとは思っていなかった。
だが、相対してみると、やはりその実力を思い知った。
四対一という状況で、ほぼ互角、いや、こちらが押されるほどの戦いをしてくる。
しかも、彼の顔に疲労はない。
「どうしたぁー?俺まだ余裕だけど♪」
カオブディッツは、その白い歯をみせて、嫌らしく笑う。
「五月蠅い。まだいける!」
ジョンは、槍をカオブディッツに向けて、走り出す。
カオブディッツは、大きな槍、グングニルを構えた。
「ブロンズ・オペラ」
カオブディッツは、まるで閃光のように、槍を構えながら突進した。
「ガァァ!」
ジョンは、その一瞬の出来事に唖然とする。
気がつけば、自分の脇腹から大量に出血していた。
槍が、腹を掠めたのだと、ジョンは悟る。
そして、そのまま地面にひれ伏した。
ジョンの腹を掠め、智の突いたグングニルを構えながら、突進にブレーキをかけたカオブディッツは、今度は紅夜、美桜、マソのほうに方向転換し、突進を始めた。
「ぐぅ!」
最早三人、特に紅夜と美桜に、逃げる力はなかった。
先ほど、すでに9・デファーガの一人、アノデロスと一戦と交えた。
それでも、二人にとっては限界だというのに、その何倍もの力を持つカオブディッツとの再戦は、当初から無理があった。
かろうじて、紅夜は夜光で攻撃をウケながす。
マソも、何とか横に跳躍したために助かった。
だが、美桜は逃げる力もなく、その上武器もリーチの短い短剣、紅桜。
簡単にはじかれて、三股に別れたグングニルの矛先に、捉えられた。
「ガァァァアア!!」
美桜は、その場に倒れこんだ。
両脇から血が流れ出ていた。
- Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.224 )
- 日時: 2009/07/28 17:40
- 名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: a7WresCQ)
九十二話 召集
「さて、半分終わりか。」
カオブディッツの言葉通り、四人のうち、二人が戦闘不能に陥った。
紅夜は、唇を噛む。
(まずいな、この状態じゃやられてしまう。逃げる気力も体力もない。)
マソも、顔が青ざめている。
状況は最悪
後、一分生き延びられるかも定かではないのだ。
こうなったら、最後に出来ることは一つ。
「ヤァァァアアア!」
紅夜は、カオブディッツめがけて走り出す。
「血迷ったか!勝てるわけないでしょ!」
カオブディッツは、簡単にやりで受け止めた。
だが、紅夜はニヤリと笑う。
「今のうちに、貴方だけでも逃げてください!」
紅夜は、マソに告げる。
「エェ!?」
マソは、困惑した表情だ。
想像ダニしなかった言葉であり、しかも逃げれば、紅夜は間違いなく死ぬ。
「貴方は、大将を守る責任があります!それに、こうして身を挺して貴方を逃がそうとしている私の行動を、お願いですから無駄にしないで下さい!」
紅夜は出せる限りの声で叫んだ。
その心は、マソに通じた。
「・・・どうか、死なないで!」
彼は、森の奥へと姿を消そうとする。
だが、そう簡単にはいかなかった。
「ブロンズオペラ」
気がつけば、紅夜は、血を流して倒れていた。
グングニルによる強力な一撃で、地面を転がり、身体から血が噴出し。
更に、彼は逃げたマソのほうへと目を向ける。
そこには、カオブディッツにやりに捉えられ、悲鳴を上げるマソの姿があった。
先ほどの、グングニルを構えた状態からの、高速のつきだった。
- Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.225 )
- 日時: 2009/07/28 17:41
- 名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: a7WresCQ)
九十三話 駄目
(もう・・・駄目か・・・)
紅夜は、唇を噛んだ。
指先すら、まともに動かなかった。
指先が、砂を無造作に掻いた。
向こうでは、マソ、美桜、ジョンが自分と同じ様に、苦しんでいた。
一人でさえ、希望はいなかった。
大将軍も行ってしまった。
氷介、ダンも随分と先へ進んでいるはず。
天野たちは、生死すら不明。
助けが来る確立は、無に等しかった。
「糞・・・そこを・・・とおせ・・・」
ジョンが、カオブディッツに必死に抵抗している声が聞こえる。
カオブディッツは、地面に腹をつけながら、はいずる無残な状況のジョンに軽く言い放つ。
「駄目だ。ここでぶち殺すよ」
カオブディッツは、太陽が反射して黄金に輝くグングニルを、振り上げた。
「まずはお前からだ!」
グングニルが、一気に振り下ろされる。
容赦は、一切無しだ。
当然、ジョンは避けられる筈もなく・・・
「ガァァァ!!」
否。
ジョンは死んではいなかった。
直前に、何者かがジョンを突き飛ばしたのだ。
ジョンはうめいて、地面を転がり、そして、岩に激突した。
「誰・・・ガ・・・!?」
ジョンは、目の前の状況を確認し、唖然とした。
そこには、腹のど真ん中をつらぬかれた、マソの姿があった。
「マソ!」
呼びかけるジョンの声に反応して、マソは微笑んだ。
「俺もう・・・駄目だ・・・わ・・・」
マソの顔から生気が消えた。
- Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.226 )
- 日時: 2009/07/28 17:41
- 名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: a7WresCQ)
九十四話 悲哀
「うァァァァァアア!!」
ジョンは、大声で涙を流し始めた。
砂漠の湿った大地を、涙が濡らす。
その涙は、大地に吸い込まれていった。
「貴方は・・・粕のようですね。」
紅夜は、カオブディッツを睨みながら唾を吐きかける。
「ペッ!」
びちゃっ
紅夜らしくない行動だった。
カオブディッツは、紅夜に視線を向ける。
「そうやって、地面に伏せている方が粕っぽいぜ。」
そういうと、紅夜の喉元に、槍を突きつけた。
「ク・・・止めなさいよ!」
「カオブディッツ・・・貴様が憎い!!今この身体が動けば、すぐに殺してやる!!」
かわるがわるにカオブディッツへの怨みをぶちまけるジョンと美桜。
だが、紅夜は、何も言わない。
いや、いえない。
喉元に、今にも刺さりそうなほど強く、槍を押し付けられていた。
だが、紅夜は、最後に枯れた声でカオブディッツに告げたのだった。
「是非・・・も・・・なし・・・」
びちゃ
再び唾を吐きかけた紅夜。
そんな彼の喉を、カオブディッツは無表情で、槍で突き刺した。
空間が、一瞬とまった。
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