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小説第二部 災厄の歌
日時: 2009/08/14 15:32
名前: 鏡 (ID: CSxMVp1E)

ま、楽しんでってください。

目次とかも張らないですがお許しください。

ココに、さまざまな文字入れると、皆さんも序盤から読む気なくしてしまうと思ってやめました。

これは続編です。URLの奴は一部作です。こっちを先に見てもらいたいです。



>>41 イメージソング


というわけで、始めてこの小説を見る方は、上の小説から見ることをお勧めします。

題名ちょくちょく変わるんで、ヨロですw


この小説は、http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=11995で更新を続けています

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Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.282 )
日時: 2009/10/02 19:52
名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: CSxMVp1E)

百三十五話  手玉





「いや、だいじょぶならいいさ。」

ダンは笑いながら安心しきった様子だった。

だが、天野は不安だった。


ほんとうに何事もなかったはずがない・・・


そう思って辺りを見回す。

あたり一面が闇色だった。

益々、天野を不安にさせる情景だった。

そして、天野は敵のほうに目をやった。

「それ」は、もう平然としていた。

「もう体勢を立て直してしまったようだ。」

天野は、剣を持ち直した。

その瞬間だった。

「それ」が天野のほうに向かって襲い掛かった。

だが、天野は平然としている。

「はっ、そんな攻撃、今更避けられない訳がない。」

天野は余裕でその攻撃を避けようと・・・


ドサッ・・・


「!?」

した。

確かによけようとしたのだ。

だが、天野は突如その場に倒れこんだ。

「何やってんだ・・・!?」

ダンの声が天野に届く頃には、天野の頭上に、もう「それ」の右手が迫っていた。

「体が・・・言うことを利かぬ・・・。」

天野は掠れた声でいった。

言ったと言うより、うめいた。

Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.283 )
日時: 2009/10/05 19:35
名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: CSxMVp1E)

百三十六話   神経




その瞬間、ダンは理解した。

「しまった、毒か!」

そして、すぐにサポートに向かい、走り出した。

だが、もう遅かった。


どごぉぉぉぉぉ!


「ガァァァ・・・ッ!」

天野が、血を吹いて空を舞う。

だが、それでも彼女の身体は全く動かない。

空を舞いながら、プルプル震えているだけだ。

そして、当然落下時に体勢を立て直すことも出来ない様子だ。

ダンは、天野の落下地点に一瞬早く入り込んだ。

ドスッ

ダンは、動かない天野の身体を支える。

くるしそうに顔を顰めている天野を見て、ダンは唇を噛んだ。

「あいつがお前に浴びせたのは、神経毒だったんだ。お前は、今身体を動かそうと必死なんだろ?」

「ぐぅぅ・・・」

天野は、もう口も上手く開かない様子だった。

ダンは、天野を闇の上に寝せた。

「暫く休んでろよ。こいつは俺独りで充分だ。」


その言葉で、心なしか天野の表情は少し楽になったようだった。

Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.284 )
日時: 2009/10/07 20:57
名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: CSxMVp1E)

百三十六話   劣勢




(しかし・・・参った・・・)

ダンは、内心焦っていた。

正直、予想以上にきょうてきだった。

ダンの額から汗が流れる。

汗は、闇の中に落ちると、すうっと馴染んで消える。

だが、闇は相変わらず黒ずんだまま。


ダンと天野は、二人で何とか互角の戦いをしていた。

だが、天野がこうして戦闘不能になったことで、ダンは一気に窮地へと追いやられた。

天野は、苦しそうに、闇の上で横たわっている。

ダンはそれを一度振り返って見るが、すぐ目を戻した。

助けてくれないかと、希望を少しかけていた。

だが、絶対に無理なのが分かる。

(いや、助けを求めちゃならない。俺はなにやってんだ!)

ダンは自分を戒めるように、唇を噛んだ。

そして、すぐにナイフを抜き、『それ』に向けた。

鋭い視線も、一緒に向けた。

『それ』は仁王立ちで、ダンを見下ろしていた。

ダンの額から、また汗が流れ落ちた。

闇の中、『それ』からの光によって、汗はキラリと、『それ』と同じ色に光った。

そして、先ほどと同じように、闇の絨毯に落ちて、消えていった。

全身の筋肉が、緊張で震えていた。

Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.285 )
日時: 2009/10/10 23:59
名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: CSxMVp1E)

百三十七話   再起





そのころだった。


混沌に包まれた世界の、ダンとは全く別の所。

ダンとは遠く離れた場所で、一つの動きがあった。


「うぅ・・・」

うめく声と共に、闇の中に、肢体が浮かび上がる。

身体は、真直ぐに直立したあと、また少し力が抜けたように、猫背になる。

右手が、頭をかいた。

青い髪の毛がふさふさ揺れる・・・



「よく寝たな。」

俺はぼやいた。

頭をかき、大きく欠伸をして辺りを見回す。

一面闇一色で、なんだか少し気分が暗くなった。

「そういや変なところつれてこられたんだっけ・・・。」

俺はそうぼやきながら、欠伸して出た涙を拭いた。

俺が今いるのは、どこなのかも分からない。

そして、皆がどこにいるかも分からない。

分からないことばかりで、益々不機嫌になる。

「皆どこだぁぁーーー!?」

俺はそう呼びかけてみるが、闇から帰ってくるのは、かすかな風の音のみ。

俺は、闇の地面を蹴った。

闇のせいで、自分の足もかすんで見える。

でも、闇に包まれているからって、何故か自分の体が見えないわけじゃない。

さっきだって、混沌にすむものを目視できた・・・



何故、もう混沌に住む者がいないんだろう。

俺は確か途中まで戦って・・・


また分からないことにぶち当たった俺は、その疑問から逃れるように走り出した。

Re: 小説第二部 災厄の歌 ( No.286 )
日時: 2009/10/11 00:00
名前: 鏡 ◆onXZCzuPrg (ID: CSxMVp1E)

ァ、補足ですけど、この小説の一人称は一応氷介なんで、上の語り手、つまり起き上がったのは氷介です


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