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妖と人の子
日時: 2019/01/03 08:23
名前: 大寒波 (ID: yEPZlZK/)

[夏目友人帳]二次創作話
先生:斑と夏目の ほのぼのBLです

現在、短編[2話]中編[2話]長編[2話]があります
これらは全て原作に準拠した内容で完結しております

 現在更新中の
「長編(3)」
※[レス№61が第1話〜]は
平安時代を舞台として
夏目は盲目で在野の鍼医 (当時の漢方医)、
先生(斑)は斑の読替えの 『むら』と呼ばれている設定で展開しております



失礼ながら書込みは遠慮します

Re: 妖と人の子 ( No.31 )
日時: 2018/03/03 09:20
名前: 大寒波 (ID: cJynYhyt)

夏目長編(1)
[レス番№18〜№30]
   END

Re:妖と人の子 ( No.32 )
日時: 2018/03/17 07:39
名前: 大寒波 (ID: C1Agejdf)

夏目長編(2)
 1.
休日の朝 いつもの時間に起きた夏目貴志は 顔を洗いに行くと 洗面所の窓と鏡が 蒸気で曇っているのを見て
もう冬だなぁ
とのんびり呟いた。


足元には 毛繕い中の飼い猫のニャンコ先生がいるが その体は招き猫の依り代で 元は白っぽい陶器なので、冬の朝に見るとちよっと寒々しい。

「その招き猫の身体は寒いって前に言ってたけど 見た目も寒そうだよな」
夏目が饅頭みたいな猫に話し掛けると

「このラブリーな猫姿は毛足が短いからな
美麗な長毛で覆われた本来の姿に比べればかなり保温性は落ちる」
ぶさいくな猫が答える

しゃべる猫は 自称用心棒の妖怪で夏目と共に藤原家で暮らしている。

あの獣姿は 確かに見た目からして温かいよな と夏目はつぶやき

そう言えば 先生の本来の姿は 狐というかイタチというか ミンクにも似てるなぁ

昔 親戚の伯母さん達が着物の時に着けてた 狐やミンクの毛皮の襟巻き、
頭と足と尻尾付きの ファーショールってやつだ
ほら 細長い体を 首にくるっと巻いて大きなフカフカの尻尾に口を噛ませて留めるタイプの。
あれは先生っぽいな

などと無神経な事を言う 。

「…縁起でも無い事を言うな」憮然とする饅頭猫に

「でも大福猫だって 見た目よりも ずっと温かいぞ」

重そうな猫を抱き上げ
夏目は 朝食の支度の手伝いに台所に向かった。

Re: 妖と人の子 ( No.33 )
日時: 2018/03/17 07:44
名前: 大寒波 (ID: 23qbUXXN)

夏目長編(2)
 2.
昼頃に人で賑わう駅で降りた夏目は ふと背後を振り返ったが 何事もなく 今なんだか視線を感じたが 気のせいだろうかと考えていた


朝食の後で 期末考査に向けて参考書を買いに行くという 常に無く高校生らしい予定を藤原夫妻に話した夏目だったが、てっきり付いてくると思った自称用心棒は 今日は特別な月夜で昼日中から酒宴が始まるとかで出掛けるらしかった。


「しかし休日にわざわざ参考書を買いに行くなど つまらぬ奴だな
何か他に若者っぽいイベントは無いのかイベントは」

「煩いな 常日頃 授業中に熟睡してる分 せめてテストは良い点取らないとな」


鼻唄混じりで酒盛りに向かう饅頭猫を見送ってから一人出掛けた夏目は
地元から少し離れた街に向かう電車に揺られていた

参考書や問題集のリストをくれた、マニア知識豊富だが 普通に勉強関連の情報も強い辻の事を

ちょっと変わり者だけど良い奴だよな
と思い出したり 一人だけで出掛けるのは ホントに久し振りだ と一息ついたり 思いがけない休日を新鮮に感じていた。

Re: 妖と人の子 ( No.34 )
日時: 2020/09/24 17:30
名前: 大寒波 (ID: UTD1KPPl)


夏目長編(2)3.初出('18.3/17)


 書店で 目当ての参考書を買った夏目は 店内でレジを待つ間に 学生らしい3人の男達に気づいた。

何だか違和感を覚える。


 もしかしたら妖が化けてるのか、とも思ったが、とはいえ他の客にも見えているようで 何かしてくる様子も無い


でもまぁ仲良し大学生かも知れないしな 今日くらい取越し苦労は止めとくか、と夏目は昼食の為に蕎麦屋に入っていった。

ニャンコ先生が一緒だったら蕎麦がきも食べたがるだろうな
などと傍らに居ない飼い猫のふりをした妖物の事を思い浮かべた。




 繁華街には縁の無い生活を送る夏目は折角の機会に 藤原夫妻にちょっとした土産を買おうと朝から考えており、昼過ぎからは文房具店やショップをあれこれと廻ってみる。

こういう事に不慣れな夏目が 何とか品物を見つけて購入した時には もう日が落ちかけているのに漸く気がついて、急いで電車に乗り 最寄り駅に着いた時には すでに辺りは薄暗くなっていた。


 夏目ももう高校生なのだから休日には 多少遅くなっても構わないと家人に言われてはいるが、この時間帯は昔から妖魔や怪異に遭遇しやすいと言われているのだ

ましてや夏目の事である 。
黄昏時に外で独りになるのは極力避けていたのだが仕方がない。

一刻も早く家に帰り着こうと小走りで駅を出た。

Re: 妖と人の子 ( No.35 )
日時: 2018/03/17 07:55
名前: 大寒波 (ID: 8DXjmx02)

夏目長編(2)
 4.
帰り道を急いでいると 人気が無くなり 林や田畑が多くなる そういう寂しい場所に差しかかった時だった
先の小道に見覚えのある3人組がいる。

やっぱり妖怪だったかとため息をつきながらも
通り道なのでお互いに近付いて行き

「夏目殿ですね 名をお返し願いたい」と予想のついた言葉を聞いてしまった。

悪いが帰りを急ぐので
明日以降の昼間に来てくれ と断ると
自分達は旅をしている妖で、夏目を偶然見掛けて放免を頼みに付いて来たので ゆっくりしてはいられぬと口々に言う


確かに 離れた街で見掛けていた事もあり 旅の途上の妖怪を無下に追い払うのも 気の毒かと思い直し 夏目は名の返還に応じることにした。


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