BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 妖と人の子
- 日時: 2019/01/03 08:23
- 名前: 大寒波 (ID: yEPZlZK/)
[夏目友人帳]二次創作話
先生:斑と夏目の ほのぼのBLです
現在、短編[2話]中編[2話]長編[2話]があります
これらは全て原作に準拠した内容で完結しております
現在更新中の
「長編(3)」
※[レス№61が第1話〜]は
平安時代を舞台として
夏目は盲目で在野の鍼医 (当時の漢方医)、
先生(斑)は斑の読替えの 『むら』と呼ばれている設定で展開しております
失礼ながら書込みは遠慮します
- Re:妖と人の子 ( No.6 )
- 日時: 2018/03/18 07:23
- 名前: 大寒波 (ID: zt./Gg/M)
[メモ1]
◆塔子さんに椿油を貰う:ニャンコ先生の毛並みにつけてみる:微かに母親の鏡台の匂いと記憶
◆高熱の夏が斑の鋭い爪を見て 猫爪の貝殻みたいなのは先生にもあるのか朦朧として訊く:真珠貝
◆雑誌で見掛けた狛犬:小旅行で訪れる:斑の獣の正体を推察する夏
◆先生は人を喰う系の妖怪なのか?:当然:やっぱり妖物だ魔物だ気を付けよう:以前交わしたやりとり:やさしい妖魔
- Re:妖と人の子 ( No.7 )
- 日時: 2018/03/02 23:27
- 名前: 大寒波 (ID: cJynYhyt)
夏目短編(2)
夏目貴志が現在 生活しているのは 引き取ってくれた遠縁の藤原夫妻の一軒家で古くて広い
夫人の塔子の手入れが行き届き 居候の身ながら とても住み心地の良い家だと いつも夏目は思う
寒風の中帰宅した夏目を お帰りなさい貴志くん
と 塔子が笑顔で出迎えて
「すぐにお夕飯にしましょうね」と声を掛けられるのに
「はい 今日は冷えますね」にこりと 口下手ながらも返して 二階の自室に上がりながら
もう少し気の利いた会話ができたらなぁ
ニャンコ先生相手なら あんなにポンポン言い返したり 会話が果てしなく続いて 話題に困ったりしないんだけど
つらつら考えながら自室に入ると ストーブが点いていて室内が暖まっていた
数日前に体調を崩して 寝込んでいた夏目への 塔子の心遣いだと思われた
「どうした夏目 顔が赤いぞ まだ熱があるのではないか
あっ それともまた下校途中に 妖に名を返してやったのではないだろうな
ついこの間まで寝込んでいた 生っ白いモヤシの癖に そんな無茶をだな 」
ストーブの前の座布団に猫らしく丸くなっていた 夏目の自称用心棒で
飼い猫として藤原家で暮らす妖怪のニャンコ先生が、立ち上がって傍に寄り夏目を 見上げながら言う
「違うよ先生 急にストーブに当たったからだよ
それだけだよ…」
夏目が小さな声で答えた
「真冬の自室なんて家族が集まるリビングとは違って寒いのが当たり前だろう? それを 帰宅時間を見計らって部屋を温めておいてくれるなんて、
そんなのはさ、
初めてなんだ
あったかいなぁ… 」
声は途切れながら ちいさくなってゆき 最後には震える吐息が聞こえただけだった。
うつむいて 腕で顔を隠す子供に、黙って話を聞いていた饅頭猫は 目を閉じて眠たくなったふりをした様だった。
◇夏目短編(2) END◇
- Re:妖と人の子 ( No.8 )
- 日時: 2018/03/03 00:37
- 名前: 大寒波 (ID: rDOS.pEA)
夏目中編(1)
1.
道のあちこちに黄色い葉や まだらに赤い葉が落ち 風に吹かれて右に左に舞っている
秋も深まったなぁ と考えながら登校中の夏目貴志は ついこの間まで猛暑で辟易していた事や 落ち葉が 風に揺れている丁度この場所で
小さな河童が乾いて行き倒れていた事を思い出した
- Re:妖と人の子 ( No.9 )
- 日時: 2018/03/03 00:42
- 名前: 大寒波 (ID: enKf/rbe)
夏目中編(1)
2.
蝉時雨の中 なんで道端に水妖が、と不思議がりながらも遅刻寸前だったのでスルーしようとしたが
みず…と微かな呻き声が聞こえてしまったので やむ無く飲料水を掛けてから高校に向かったのだった。
以来その小さな河童からは夏目親分などと呼ばれているが 夏目の事を恩人というよりは
亡き祖母レイコの遺品の友人帳という ワケ有りの帳面の持ち主で その力でもって大勢の妖物を支配下に置く大親分だと思い込んでいた事から来ているらしい。
もちろん大いなる誤解ではある 完全なデマでは無いのが辛いとこだが
そこまで思い返した夏目は あの時の河童はひんやりと冷たかった事を思い出した
真夏だったから 冷たく感じたのかとも思ったが 冬にも同じく 小河童行き倒れ現場に出くわし救済した事があったのだが その時もやっぱり冷たかった
- Re:妖と人の子 ( No.10 )
- 日時: 2018/03/03 00:44
- 名前: 大寒波 (ID: RO./bkAh)
夏目中編(1)
3.
そう言えば妖のたぐいには体温が無い という話は夏目も聞いた事がある
先日 羽根を持つ女妖に抱えられて 空を飛んだりしたのだが その時の妖も温かくは無かった
夏目は妖怪に襲撃されては のし掛かられたり喰われそうになったりの 乱暴狼藉をしょっちゅう受けるが 人並みに体が温かい妖物は居なかった気がする。
でも。 一番身近な妖怪であるニャンコ先生は身体が温かい。 むしろ夏目より体温が高い位で 秋冬には肩に乗せてマフラー代わりにしている
あれ、何で先生には体温があるんだろう
学校から帰ったら訊いてみるかと思いながら夏目は校門をくぐった
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