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- 妖と人の子
- 日時: 2019/01/03 08:23
- 名前: 大寒波 (ID: yEPZlZK/)
[夏目友人帳]二次創作話
先生:斑と夏目の ほのぼのBLです
現在、短編[2話]中編[2話]長編[2話]があります
これらは全て原作に準拠した内容で完結しております
現在更新中の
「長編(3)」
※[レス№61が第1話〜]は
平安時代を舞台として
夏目は盲目で在野の鍼医 (当時の漢方医)、
先生(斑)は斑の読替えの 『むら』と呼ばれている設定で展開しております
失礼ながら書込みは遠慮します
- Re:妖と人の子 ( No.16 )
- 日時: 2018/03/03 02:00
- 名前: 大寒波 (ID: yEPZlZK/)
夏目中編(1)
9.
饅頭体型の猫が夏目の部屋に帰って来たのは深夜になってからだった
窓の錠は開けられていたが部屋の主は 既に布団に入っていた
目を瞑った白い顔が 用心棒を自称する猫には 余りにも動かなく思われて 思わず傍に寄って息を確かめてみる
微かな寝息を耳にすると そのまま布団に潜り込み夏目の左腕を何やら 気にする様子で そっと鼻を寄せている
すると夏目が ふと目を開けた
長い睫毛を 眠そうに震わせながら 反対側の腕を伸ばして饅頭猫の頭を撫で 背中をそっとさすって 顔を寄せると
先生 おかえり
小さな声でささやいた。
◇夏目中編(1) END◇
- Re: 妖と人の子 ( No.17 )
- 日時: 2018/03/03 02:05
- 名前: 大寒波 (ID: uV1PemL6)
夏目中編(1)
[レス番№8〜№16] END
- Re:妖と人の子 ( No.18 )
- 日時: 2018/03/03 08:32
- 名前: 大寒波 (ID: 23qbUXXN)
夏目長編(1)
1.
高校の教室の窓からは校庭とその奥の ほぼ紅葉した林が見える。午後の授業中の夏目貴志は 秋も終わりかな などと考えていた。
一緒に学校を出た友人達と また明日な、と分かれ道で別れ 1人歩く夏目は 道脇の塀を 見馴れた饅頭猫が歩いているのを見つけた。
「ニャンコ先生 散歩か」
「阿呆 雀を追ってここ迄来たのだ」
2頭身の猫は夏目の用心棒を自称する妖怪で 重そうに塀から夏目の右肩へ跳び移りながら言った
たまに 猫っぽく気紛れに夏目を迎えに出たりする ニャンコ先生だが この所それが多くなっている
何か警戒してるのかと 夏目も察してはいるが 肝心の時に不在がちの用心棒先生が こうも傍に居てくれるのは 正直いって嬉しい
肩のニャンコ先生を抱え直してその背中に貼った膏薬の具合を目で確かめる
「今夜はエビフライだぞ しゃきしゃき歩いて早く帰るのだ 遅れたらお前の分は私が喰うからな」
「そんな事したらゲンコツだからな先生」
「鬼かお前は」
他愛ない話をして笑い 旨い食事を家人や飼い猫と一緒に食べ 宿題をして明日の授業に備え 文化祭の出し物の提案も考えておいて…
明日をも知れない天涯孤独の身だった1年前には考えられない、少し先の事を計画しながら生活するという 当たり前の暮らしの幸いを 感じながら夏目は歩いていた。
- Re:妖と人の子 ( No.19 )
- 日時: 2018/03/03 08:37
- 名前: 大寒波 (ID: C1Agejdf)
夏目長編(1)
2.
そう言えば、と夏目は 先日訪ねて来た紅峰と 外で何らかの話をしたらしい用心棒に 紅峰の用件は何だったのか訊いてみた。
「祓い屋との経緯を訊かれただけだ 主のリオウが気にしたのだろう」
ふうん そうか と返事をした夏目は 情け容赦無い祓い屋の事を思い出し
それ以上は口にせず 抱えた猫をぎゅうと抱き締めた。
- Re:妖と人の子 ( No.20 )
- 日時: 2018/03/03 08:40
- 名前: 大寒波 (ID: 9sihcqpn)
夏目長編(1)
3.
その一方で ニャンコ先生こと斑は 紅峰との対話を思い返していた
〜藤原家を後にした紅峰を追って用件を問うと
紅峰達の主であるリオウが、斑の負傷や 森の大妖を解き放つ等の 祓い屋の所業を気にしているので 様子を見に来たと言う。
それに矢を射られて深傷を負い昏睡状態だった斑の事も気掛かりだった
紅峰に言わせれば 人間の守護など苦労ばかりで ろくな事は無い。 祓われるリスクやら 大怪我してまで命懸けで小僧を守る対価が いつ手に入るかも分からぬ友人帳では割に合ぬではないか。
やはり斑様を 人間の家から引き離して 山の暮らしに再び誘おうと、そう思いながら斑が暮らす夏目の家を訪ねて来たのだったが
夏目の左腕には治りきらぬ傷があった。
「夏目のあの怪我は矢傷でしょう 用心棒と守られる者が 揃いの傷を負ったとは。
その祓い屋ってのは同じ人間の子供に矢を射つような奴なんですか」
紅峰が 微かに柳眉をひそめて言った。
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