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妖と人の子
日時: 2019/01/03 08:23
名前: 大寒波 (ID: yEPZlZK/)

[夏目友人帳]二次創作話
先生:斑と夏目の ほのぼのBLです

現在、短編[2話]中編[2話]長編[2話]があります
これらは全て原作に準拠した内容で完結しております

 現在更新中の
「長編(3)」
※[レス№61が第1話〜]は
平安時代を舞台として
夏目は盲目で在野の鍼医 (当時の漢方医)、
先生(斑)は斑の読替えの 『むら』と呼ばれている設定で展開しております



失礼ながら書込みは遠慮します

Re:妖と人の子 ( No.11 )
日時: 2018/03/03 00:46
名前: 大寒波 (ID: FTo14qYM)

夏目中編(1)
 4.
授業を終えて夏目が帰宅すると珍しい客が居た。

紅峰という若い女の妖で 古い知人である ニャンコ先生こと斑に用があって来たが留守なので待っていたらしい


今朝も不在だった先生は 結局昨夜 呑みに出掛けたまま帰って来てないぞ、と言うと


斑様もよくそれで用心棒が務まるものだ と呆れていたが、もう暫く待つというので 夏目は朝の疑問を紅峰に訊いてみた。


「体温が無くて冷たい妖もいれば、低いが体温を持つ妖もいる 大抵は動物や人間程の温度じゃないが 種や個体で色々だね」
紅峰が答えると


「なるほど そうか
それならニャンコ先生や三篠は凄く温かいけど
あれはどうしてなんだろう」  

「あのお二人は一般の妖物と違って獣の妖だからね それにあれだけ高位だと温度など自在に変えられる」


へぇそういうものかと 夏目が感心すると 体温が一体どうした、と逆に紅峰が訊ねた

Re:妖と人の子 ( No.12 )
日時: 2018/03/18 22:37
名前: 大寒波 (ID: DOGptLfT)

夏目中編(1)
 5.
「あぁ大した事じゃないんだ 風呂上がりのニャンコ先生は ほかほかに温もった後で ちゃんと元の温度に戻る。妖怪の癖に恒温動物っぽいなぁって いつも可笑しかったんだ」夏目が言う


「そうそう 猫は風呂も水浴びも嫌がるけど 先生は平気で湯船にも浸かるしシャンプーの時も目を瞑って大人しく洗われてるし」

「先生が布団に潜り込んでると湯たんぽ並みに暖まるから冬には好都合だし 真夏には逆にひんやりしてよく眠れる

やっぱり猫は良いよなぁ俺 動物を飼うことに憧れてたから」
そう言って夏目が笑う


「…猫と毎日一緒に風呂に入って同じ布団で寝るとは女子高生か」思わず紅峰がつぶやくと


「え 飼い猫ってそうするものじゃないのか

昔ペットが居る家に世話になってた事はあるんだが、居候のちびの身で あんまり触ったり 出来なかったから実はよく知らないんだ」


「…いや。そうだねぇ やっぱり可愛がってる猫だと そんな風に手を掛けたりするんだろうさ」


少し目を伏せてから 夏目の顔を見遣った紅峰が 言葉を繋いだ。


Re:妖と人の子 ( No.13 )
日時: 2018/03/03 01:57
名前: 大寒波 (ID: yEPZlZK/)

夏目中編(1)
 6.
「本来の白い獣の妖姿になった ニャンコ先生の背に乗せて貰うと シャンプーの匂いがちゃんとするから面白いんだ 」


目を細めて 心中に思い描いている様に夏目が話す

「あの長い艶々した真っ白な毛並みに体を埋めて顔を寄せると 上空を飛んでて気温が低いはずなのに 先生の身体が凄く温かくて眠たくなるほどで 

実際背に乗ったまま うとうとした時には、ニャンコ先生が 夏目落ちるぞ
と あの深い声を響かせて呼び掛けては 身じろぎを止めてゆっくりと飛んでくれる


ああいう時には 夢を見てるみたいだと いつも思うんだ」

「 夢かい それは随分と良い夢だねぇ…」目の前の子供に 女妖はそっと微笑んで答えた。


それにしても 先生遅いな と夏目がつぶやいた所へ 貴志くん、と階下から養い親の塔子が呼ぶ声がした。返事をしながら階段を下りていった夏目は またすぐに 盆を持って戻って来た


盆に載った皿に盛られた菓子を、塔子さん手造りのきんつばをおやつに出してもらったから 良かったら食べないか と紅峰の前に置く


私は辛党で 酒の方が好みなんだが と言いつつ紅峰が手を伸ばし ひとつ口にして
「美味だね」

「うん 先生もこれ好物なんだ というより甘い物は全部 好きなんだけどさ」

それだから あのおいたわしいメタボ体型になるのか と紅峰が納得した所へ

Re:妖と人の子 ( No.14 )
日時: 2018/03/03 01:58
名前: 大寒波 (ID: yEPZlZK/)

夏目中編(1)
 7.
「た〜だいまー」
丸々とした饅頭みたいな猫のニャンコ先生が窓から帰って来た。


先生 来客だぞ と夏目が 言うと

紅峰か 何か用か

ニャンコ先生こと 斑は久し振りに会う、丁度 和菓子を食べ終わった女妖に向き直った途端 慌てて声を上げた。

「それは ここの家人手製のきんつばではないか
夏目っ 私の分はどうした 私のきんつばーっ 」


「こんな時間にのんびり帰って来て おやつなんかある訳ないだろ」
暗くなった窓の外を見ながら夏目が言い返す


「ええい 私ほどの高級な妖の用心棒様には 何時であろうと供物を上げんか供物を」

「はいはい 俺のが1個残ってたから これ半分こな」

二つに割ったきんつばを旨そうにもぐもぐ食べる饅頭猫に 紅峰が今日はお見舞いにやって来たのだと告げた。

Re:妖と人の子 ( No.15 )
日時: 2018/03/03 01:59
名前: 大寒波 (ID: yEPZlZK/)

夏目中編(1)
 8.
先日の祓い屋との悶着で 斑が傷を負い しばらく昏睡していたのを知っていたのだと言う


「でも もう呑みに行ける程 回復しておられるのなら心配ないでしょう
じゃあ 私はこれで
夏目 邪魔したね」


「ああ 紅峰さんまたな」

いやにあっさり引き上げて行く女妖に 用事は本当にそれだけだったのか、と思いながら 夏目が挨拶すると
それまで黙っていたニャンコ先生が それだけの事で わざわざ訪ねて来たのかと 尤もな事を訊いた


すると紅峰が夏目を横目で見て「他愛ない雑談をしてたんですよ」と言う

「雑談だと」

「ええ なんて事ない話ですよ 斑様は体温が高くって良かったですねぇ」


艶然と微笑んで
それじゃあ と帰って行く紅峰を 釈然としない顔で見ていたニャンコ先生は

「少し出てくる」
と 紅峰の後から窓を潜って出て行った。


常に無く 腰の軽い用心棒の行動に驚きながら
夏目は すっかり暗くなった外の林を眺めて窓を閉めた。


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