二次創作小説(新・総合)
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- とある彼らの日常日和SP
- 日時: 2025/05/25 16:15
- 名前: 夢見草(元ユリカ) (ID: JC82K/KY)
初めまして、こんにちは。そしてお久しぶりの方はお久しぶりです。元ユリカこと夢見草と申します。改めて小説カキコでクロスオーバー・日常系二次創作小説を書かせて頂くことになりました。何かと至らないところは多いですが、どうぞよろしくお願いします。
<注意>
・このスレッドは「二次創作・クロスオーバー」を中心にしています。
・作品はスマブラ・ぷよぷよ・ダンガンロンパ・ポップンミュージック・オリジナルキャラクター…など様々です。またキャラクターによっては出番数や扱いに差があります、あらかじめご了承ください。
・二次創作ならではの「オリジナル設定」がかなりありますので注意して下さい(一部のキャラクターの不憫設定化、ギャグとカオス大好物組化、「裸族」化など)。また各キャラクターの設定や世界観は随時更新していきます。
・CP要素(男女カップリング/NL)があります。苦手な方は注意して下さい。
・小説の感想などの書き込みは歓迎します。ただし内容とあまり関係ないレスや誹謗中傷、他の人が見て気分を害する書き込みはしないで下さい。
・コラボの依頼やキャラクターの貸し出し・提供などは歓迎します。その時はコメントでお知らせ下さい。ただし、誹謗中傷や他の読者の迷惑となる行為や書き込みなどは絶対にやめて下さい。
・不定期更新です。あらかじめご了承下さい。
最終更新日:5月25日
<目次>
【世界観】
・ご挨拶 >>1
・おおまかな世界観の設定 >>211
・各キャラクターイメージボイス集一覧 >>88
・簡易的なキャラ分類表 >>269
【簡易的なキャラ設定】(随時追加&更新予定)
・矢島、真理子、美園、凛音、奏 >>139-140
・ロッシュ、ミシェル、フレドリカ、ケン >>185
・ニコラス、サイモン、マリー >>186
・ラクーナ、アーサー、ルナ >>187
・宮藤、坂本、バルクホルン、サーニャ >>212
・音也、真斗、那月 >>270
・トキヤ、レン、翔 >>271
・セシル、嶺二、蘭丸 >>272
・藍、カミュ >>273
・苗木、日向、霧切 >>387
・七海、十神、狛枝 >>388
【短編】
・パシフィカ・リベンジ >>122-123
・SP組紹介!(キャラ紹介あり) >>190-202
・春日差す 藤の裏葉の うらとけて >>216-221
・バレンタイン・トロイメライ >>421-423
【長編】
「アイドルロンパ」(ダンガンロンパパロ)
・プロローグ&Chapter1 >>240-247
・Chapter2 >>253-262
・Chapter3 >>277-286
・Chapter4 >>293-303
・Chapter5&エピローグ >>310-315
「ポプって料理対決!」
・ポプって料理対決~どうあがいても、絶望~(準備編) >>7-15
・嫌な予感しかしない試食その1 >>25-31
・嫌な予感しかしない試食その2 >>39-45
・嫌な予感しかしない試食その3 >>55-61
・嫌な予感しかしない試食その4 >>71-78
・嫌な予感しかしない試食その5 >>89-97
・嫌な予感しかしない試食その6 >>107-114
・それなりに平和な結果発表 >>130-136
・修羅場の先は阿鼻叫喚 >>145-153
・オシオキとフィナーレ! >>161-173
「チームで料理対決!!」
・チームで料理対決!!(準備編) >>322-340
・チームで料理対決!!その1(1番~4番) >>347-358
・チームで料理対決!!その2(5番~8番) >>368-378
・チームで料理対決!!その3(9番) >>389-395
・チームで料理対決!!その4(10番~12番) >>404-415
・チームで料理対決!!その5(13番) >>430-439
・チームで料理対決!!その6(14番~16番) >>448-461
・結果発表(前編) >>470-489
・結果発表(後編) >>491-505
・残りのオシオキとフィナーレ >>508-514
「テストネタ おかわりっ!」
・1時間目 >>517-527
・2時間目 >>533-542
・3時間目 >>552-562
「それは愛と純情のセンチエレトリックってことだろSAGA」
・導入編 >>567-573
・準備編 >>574-590(NEW!!)
【夢見草版裸族による裸族のための裸族講座】
・裸族講座1 >>226-232
<タグ>
クロスオーバー ギャグ カオス キャラ崩壊要注意・オリジナル設定あり スマブラ ぷよぷよ ダンガンロンパ 世界樹の迷宮 ストライクウィッチーズ ポップンミュージック うたプリ SB69 QMA オリジナルキャラクター NL クロスオーバーカップリング コラボあり
- それは愛と純情のセンチエレトリックってことだろSAGA ( No.572 )
- 日時: 2025/04/20 21:53
- 名前: 夢見草(元ユリカ) (ID: JC82K/KY)
ーーー
サーニャ「え、嘘でしょ…?ひ、1人で……!?」
カミュ「ん?おいリトヴャク、なぜそこまで驚く必要があるんだ。現にそこの愚民は以前に1人で模範演舞を……」
サーニャ「それは例外中の例外!……オンゲキって普通は3人チームで行うものなんです!しかもローカルルールじゃなくて、公式試合で!?それだとよほど実力差があるとしか思えない……!あり得ないわ!」
雷那「本当、サーニャさんの言う通りですよ…。あり得ない、としか言いようがなかった。あたし、あの時の試合は茜先輩たち生徒会メンバーの応援のために行ったんです。……でも、皇城セツナの負の感情を利用した猛攻の前に、3人とも、ただ倒れていくしか…。みんな、なすすべがなかった……」
オンゲキを少し知っていたナイトウィッチの補足に重ねるように、ツインカラー・ツインテールの少女は方を震わせた。
雷那「あたし、元々音ゲーとサバゲーが好きで、オンゲキの存在を知った時からオンゲキの才能はあると思っていたんです。周囲の人たちはオンゲキに興味のない人が多かったから、ソロでそれなりにエンジョイしていた。だけど、1人で出来ることには限りがあった。前述した『ASTERIUM』との勝負に負けた1番の原因も、結局は人数による弾幕の物量差です。でもこれがあたしの限界なんだって。あれだけ実力もあってコンビネーションが優れている『ASTERIUM』に1人でそれなりにやれたのなら『まあいい方なんだろうな』って、そう思うことにしました」
サーニャ「……」
真理子「……それで?今、あんたはどう思ってるの?」
雷那「とても悔しいし、悲しいです!1人でも、いや、『1人だからそこそこやれればいいや』っていうあたしの考えごと、皇城セツナは粉砕していきました!あたしの尊敬する茜先輩、楓先輩、有栖さん…!そしてそれ以外のたくさんのオンゲキプレーヤーたちを、アイツはたった1人で屠っていきました…!皇城セツナによって、これはただあたしが弱かったってことだったんだって思い知らされたんです!こんなのあたしが甘かっただけなのに…!!」
コリエンテ「雷那…」
雷那「……ここだから言いますけど。あたし、皇城セツナを倒して奏坂の未来をより良い方向に変えたいとか、そういうおおそれたことは思っていません。別に『ASTERIUM』の3人のようなプリメラになりたいとも、オンゲキの将来に携わりたいとも思っていません。それどころかもうすぐオンゲキは辞めようと思っているんです。これからは迅とのコンビの音楽活動に専念しようかと思っていて…」
真斗「…ああ、以前に言っていたな」
雷那「…でも、オンゲキを通して得たものは多くあります。有栖さんたち『R.B.P』と出会えたのもそうです。『ASTERIUM』との敗北も、自分の甘さを痛感したという意味では大事な経験になりました。他にも色々な人たちとの出会いがありました。……だからこそ、最後は自分でオンゲキへのケジメが付けたいんです。だから、だから…!皇城セツナには負けたくない!何より奏坂が今のままなのは嫌だ!!以前までの、あたしを含む奏坂の生徒が元気に過ごせる学園生活を取り戻したい!!」
迅「……俺からも、お願いできますか?依頼の追加なのでかなり無礼なことになるのは分かっていますし。野外フェスはともかく、俺は奏坂の件については完全に部外者ですし、雷那と比べたら奏坂の人たちとの付き合いは非常に短くて少ないです。それでも仲良くなった人たちもいますし、奏坂学園が今の状態のままなのは見かねるものがあるので。……真理子師匠とサーニャさんはゲームに詳しくて、ギルドの所属歴も長くて実力がありますよね?俺と雷那、あなたたちお2人なら、少しでも奏坂をよい方向に導いてくれるのでは…という淡い期待があるんです」
雷那「お願いします!奏坂の生徒に勇気を与えてください!どうか、あたしたちに力を貸してください…!」
普段の物静かで気怠げな雰囲気とは異なり、勢いよく頭を下げる雷那。迅も彼女に合わせて横で頭を下げる。まさかの依頼内容の追加だが…。
真理子「……サーニャちゃん。どうする?」
サーニャ「…私、いくらゲームが好きでFSP系が得意だからといって、オンゲキバトルは観る専だから経験は全くないの。もちろん、他のこちらのギルドメンバーも誰もオンゲキはやったことがないし、オンゲキの件に対応できる人材は完全にいないわ」
雷那「そんな……」
サーニャ「……『オンゲキの件』だけだったらね!」
迅「え?…あのサーニャさん、それはどういう……」
サーニャ「今の話をまとめると、『オンゲキ素人の私たちが皇城セツナに勝つ必要はない』のよね?奏坂学園の生徒たちの士気を上げることができればいいのよね?……それなら、舞ヶ原のイベントを活用することができる。私たちにも出来ることがあると判断したわ!」
真理子「依頼中に別の依頼の追加とか、アンタたちめちゃくちゃ人使いが荒いよね〜?……この件はめっちゃ高く付くよ?それでもいいの?」
迅&雷那「!…はい、お願いします!!」
真理子「その言葉、聞いちゃったからね!!後悔は一切受け付けません!……いい、サーニャちゃん!?」
サーニャ「ええ!大丈夫よ、真理子ちゃん!依頼は絶対に成功させましょう!!」
真理子「オッケーオッケー!んじゃ、いきますか!」
真理子「HALサイドのみんなー!こーんにっちはーっ!まりまりまりーここと、ゲーム大好きみんな大好きな真理子ちゃんでーす!!」
サーニャ「あなたはカイ?私はゲルダ?どんな出会いもプリヴェット!オラーシャ育ちのサーニャです!」
真理子&サーニャ「真理子とサーニャ、2人合わせてマリーニャ!みんなまとめて、私たちの虜にしちゃうぞ♪……いっきまーす!!」
迅&雷那「イエェェェェーイッ!!待ってました、マリーニャあああああー!!!!!」
コリエンテ「久々の『マリーニャ』の出動じゃあああああー!!!!!野郎ども、2人に道を開けろおおおおおー!!!!!」
タロー「『マリーニャ』のお通りだー!!ドンドンパフパフ、ドンドンパフパフー!!」
美園「もう、真理子ったら。やる気があるのはいいけど、毎度毎度、あのテンションの高さは何なのよ。サーニャちゃんまでつられているし…」
真斗「…だが、この2人が付いているなら奏坂は必ずよい方向に進むだろう。あいつら2人は確かな実力を持つ!」
カミュ「リトヴャクはともかく、なぜあの阿呆は普段から真面目に物事に取り組まないのやら。……おい、当初の予定より達成目標が増えた。必要事項の確認をするぞ」
ーーー
- それは愛と純情のセンチエレトリックってことだろSAGA ( No.573 )
- 日時: 2025/04/20 22:01
- 名前: 夢見草(元ユリカ) (ID: JC82K/KY)
ーーー
ともかく、HALサイドからの依頼内容が想定していたものより増えてしまったので、改めて情報を整理することに。
「今回の依頼の達成目標」
・舞ヶ原で新たに開催されることになった「野外フェス」のパフォーマンスを成功させる(「パシフィカ」の5人が担当)
・奏坂学園で行われる理事権を巡る総選挙にて在校生徒の士気を上げ、皇城セツナ以外のものが勝利できるような基盤を整える(「マリーニャ」の2人が担当)
「重要な用語」
・野外フェス:舞ヶ原で1ヶ月後に行われる予定の生徒主催の音楽イベント。下の体育館ジャック騒動の汚名払拭、そして生徒たちの更なる躍進のために計画された。
・体育館ジャック:3年前まで行われていた生徒主催の音楽イベント。ガラの悪い生徒によって暴動が発生し、廃止となった。この出来事は結果として舞ヶ原に関わる多くの人々に暗い影を落としてしまった。
・「イロドリミドリ」:舞ヶ原3大ユニットのひとつ。6人組の新感覚ガールズバンド。
・「HaNaMiNa」:舞ヶ原3大ユニットのひとつ。4人組の正統派ガールズバンド。
・「S.S.L.」:舞ヶ原3大ユニットのひとつ。シンセサイザーのグループで、舞ヶ原3大グループの中で既にストリーミングの楽曲を出している実力派。
・萩原七々瀬(はぎわら・ななせ):舞ヶ原の3大音楽ユニットグループのひとつ「HaNaMiNa」のツインギターの片割れ。体育館ジャックの際に巻き込まれて傷心。体育館ジャック騒動の1番の被害者。
・オンゲキ:奏坂学園でメインに行われている新感覚競技。基本的には3VS3のチーム戦であり、BGMに合わせてシューティングを撃ち合う。
・プリメラ:オンゲキプレーヤーの中でも優れた者に贈られるアイドル的な称号 。
・珠洲島有栖(すすじま・ありす):奏坂の生徒会メンバーの1人で、オンゲキユニット『R.B.P』のメンバー。雷那の憧れの人物の1人であり、代々奏坂の理事長を輩出して来た一族出身であり、次期理事長候補と言われていた。理事権をめぐって実姉である皇城セツナと対立するが、敗北する。これにより、奏坂の生徒たちは現在大混乱と失望に陥っている。
・皇城(すめらぎ)セツナ:有栖の実姉。完璧超人だが、同時に尊大で傲慢な性格。次期理事長として名乗り出ており、堕落した奏坂学園を支配すると宣言。歯向かった有栖ら「R.B.P」の3人をたった1人で蹴散らし、奏坂学園を混乱に陥れたと言われている。
カミュ「現時点で重要な用語はまとめ終わったな。……野外フェスのパフォーマンスの段取りは問題ないだろう。この俺たちのマジェスティックな演奏で、舞ヶ原高校の生徒一同及び他関係者を平伏させ、俺たちの愚民にする。仕事以外のこのひと月の空き時間は『パシフィカ』の練習に専念するぞ。担当曲が決まればそれを最高峰まで研ぎ澄ませ、仕上げるまでだ」
サーニャ「だけど、万が一野外フェスを気に入らない人たちによる妨害があったら怖いわね…。加害者たちのことも知りたいから、3年前の事件のこともより詳しく調べた方がいいかも。学園側や運営としては外部のお客さんも呼ぶ気だろうけど、入場口でしっかりお客さんのチェックさせて!怪しい人は入場拒否を!特に七々瀬さんのトラウマを掘り起こしそうなガラの悪い人の入場は避けた方がいいわ!」
迅「確かに、イベントへの妨害の件は思い付きませんでした。考えたくはないですが、ないわけではありませんからね…。この件は生徒会長の芒崎(のけざき)先輩に伝えておきます!出演者や裏方の生徒全員に情報共有もしておきますね!」
真理子「うんうん!あたしたちも当日は会場に行くよ!こう見えても護衛や厄介ごとの制圧の経験は多いからね?…あとは真斗くんたちのツテを借りて、数人はプロの警備員さんを会場にスタンバイしておくのもアリかもね?」
真斗「ああ、俺もそう考えていた。月宮さんや日向(ひゅうが)さん、社長に相談してみよう。任せてくれ。……対して、奏坂の依頼の方は、いくばくか抽象的だな。奏坂の生徒たちかわ再び皇城セツナに立ち向かえるよう、士気を上げれば良いのだろう?だがどうすれば…。夕立、オンゲキプレーヤーとしてお前には何か意見はあるか?」
雷那「すみません、説明が…。えっと、うちの学校の総選挙は伝統で、オンゲキバトルでより支持者を得た者が勝者になります。今回の選挙の参加者は皇城セツナのやり方に反感を持つ奏坂の生徒たち、特に今ある実力派オンゲキグループ全てと…皇城セツナです。ただ、現在は最有力筆頭だった『R.B.P』が敗退。他のグループも皇城セツナの連日に及ぶ猛攻に次々屈していて…。参加している実力グループで残っているのは今年のオンゲキシューターフェスの優勝グループ、『ASTERIUM』のみになってしまいました……」
タロー「マジで!?もうそんなに負けちゃったの!?大ピンチじゃん!?」
雷那「…でも、オンゲキバトルの大会には1発逆転のシステムもあるの!それが『エールシステム』!これはオンゲキプレーヤーが受け取ることが出来る声援…『エール』をカウントしたもので、ポイントとして集計されます。いくら強くたって、観客の皆さんに支持されなきゃ意味がないからね?最終的な選挙の投票権は奏坂の者にしかないけど、この『エールシステム』は奏坂以外の人々…。つまり迅や舞ヶ原の人たちや、真理子さんやサーニャさんたち夢見草サイドの皆さん全員も対象になります!」
コリエンテ「マジでマジで!?やったー!ならこれで、あの、雷那が言ってた…生徒会の妹ちゃんにエールをたっくさん送ればバッチリじゃない?」
雷那「…ただ、残念ながら敗退したシューターへのエールは集計対象外になります。なので有栖さんたちには、もう……」
美園「あらら。それが生徒会の皆さんへ適応されれば良かったのに;…でも、希望はまだある…!まずは『ASTERIUM』の子たちよね?」
雷那「はい。……悔しい話ですけど、もう『ASTERIUM』に頼るのみだと思います…!だから、彼女たちが皇城セツナに勝利するのが1番の理想ルートで、正攻法ですね」
真理子「なるほどねー。糸口は細いけど、今はこれしかない……。仕方ないか。クロスオーバーの関係で一応舞ヶ原とは知り合いではあるんでしょ?素直にこっちの事情を説明して『ASTERIUM』の子たちに協力してもらうのが1番いいんだけど……あっ」
迅「?……師匠、どうかしましたか?」
真理子「…………雷那。依頼に必要ってことで、ちょっと無茶、頼んでもいい?」
雷那「ゑ?」
ただパフォーマンスをして終わり、ではなく、今回はかなり難易度が高い依頼になることが予想される。果たしてメンバーはクリアできるのか?
「予告」
迅「……という訳で、うちの野外フェスに外部からのグループが参加してくれることになったんだ!」
???1「おおーっ!つ・ま・り!ソイツらはあたしらの同志でもあり、ライバルって訳だな!?ようし!どっちが良いパフォーマンスが出来るか、やってやろうじゃねえか!!」
???2「???1ちゃん、落ち着いて。……あの、その人たちは一体誰なの?」
迅「そうだな、お前らも一応関係者だから…。オフレコで頼む。……巷で噂のクロスオーバーバンドユニット、『パシフィカ』だ」
???3「え?……ええっ!?あ、あの『パシフィカ』ですかっ!?本当ですか!?私、彼らの大ファンなんですっ!CORIEさんの鮮やかかつ大胆で繊細なシークレットギターテクニック、TAROさんの天性のリズム感から打ち鳴らされる明るく希望溢れるドラムテクニック、MASAさんの水流のような美しく麗しく、それでいて甘く切ないピアノメロディ、CHRISさんの正確かつ気品溢れる低音パートの演奏と歌声、そして彼ら全員を支えて導くSONOさんの芯の強いリズムギター…!そんな彼らと同じステージに立てるなんて、私、本当に光栄です……っ!!」
???2「いや、『パシフィカ』って誰…?というか、???3ちゃんも落ち着いてよ……」
???4「…あーあ。私たちのコンビも負けちゃったし、このまま奏坂は皇城セツナのものになってしまうのかしら…。私はいくら卒業が近いからといっても、中等部の後輩たちまでずっとこの状態なのはいけないわよね。でも、一体どうしたら…。気分転換に推しの『マリーニャ』の配信でも観ようっと……。あと、特定されない程度にコメントを送ってみようかしら……」
to be continue…
導入だけでここまで長くなってしまった;今回はここまで!感想があれば、どうぞ。
- 「それは愛と純情のセンチエレトリックってことだろSAGA(準 ( No.574 )
- 日時: 2025/06/15 18:01
- 名前: 夢見草(元ユリカ) (ID: JC82K/KY)
「それは愛と純情のセンチエレトリックってことだろSAGA(準備編)」
「前回のあらすじ」
WSTinYへ依頼を持ち込んできた高校生2人、迅と雷那。彼らは迅の母校である「舞ヶ原高校」の音楽祭の再興と、この音楽祭を活用して現在荒れてしまっている雷那の母校「奏坂学園」の生徒たちを勇気付けたいという。この依頼に彼らが挑む!
ここはクロスオーバーワールド。夢見草の想像したありとあらゆる可能性を持つ無限の世界である。この世界を守護する使命を持つWSTinYのメンバーは前回、顔見知りの高校生・緋桐迅と夕立雷那から依頼を受けたのだが…。
桃色のボブショートヘアの少女「……あの、真理子さんにサーニャさん。お2人はとってもゲームが得意なんですよね?なら、そのイベントで雷那さんと一緒に『オンゲキ』をやってみませんか?」
銀髪ポニーテールヘアの女性「うん、私もあかりちゃんに賛成よ!特に『マリーニャ』ならオンゲキに新たな革命を起こしてくれるはず……っ!!」
金髪サイドテールの少女「そうだよ、そうだよー♪お姉さんたち、なんだかぱややや~んって感じだもん!!見てくれるみんながきらきらりーんってなれるかも♪」
真理子「ゑ?」
サーニャ「!?」
雷那「ちょっ、あかり!?柚子!?ヒメ先輩まで、一体何言って……!?」
…早速、騒動に巻き込まれているようだ……。
「それは愛と純情のセンチエレトリックってことだろSAGA(準備編)」
雷那「…だけど、2人ともこれでよかったの?奏坂の最寄り駅を偵察したいって…」
サーニャ「うん。流石に学園に行くのは無理そうでも、実際に生徒さんたちの様子を確認したかったの」
真理子「本当は学園に潜入したかったけどね!千秋ちゃんに相談したら、今の状況だと『皇城セツナの件でリスクが高いからやめろ』って言われた!!だからやめた!!」
雷那「え?いや…?真理子さん、潜入まで考えていたんですか?」
サーニャ「真理子ちゃん……;」
時は遡ること2時間ほど前。仲間のサーニャと依頼人である雷那と合流したゲーマー少女は、雷那の母校である奏坂学園の最寄り駅周辺を探索していた。仮にも歴史ある女子校の周辺ということか治安はよく、ファミレスや喫茶店といった休憩場所はもちろん、食べ歩きのできるテイクアウト専門店や可愛らしい雑貨屋や服屋など女子が好みそうな店舗が多くある。
真理子「……ここの街の設備、夢ヶ丘のより充実してない?」
雷那「いや、いきなりそんなことを言われても……」
サーニャ「あはは…。でも私、夢ヶ丘も好きよ?下町とニュータウンの融合って感じで。お店の人たちもいい人たちばかりだし、夢ヶ丘のゲームセンターも最新機種だけじゃなくて、面白いレトロ機体も少し揃えられてるしね」
雷那「え、マジですか?レトロ機体か…ちょっと気になってきた」
真理子「もし良かったら今度遊びに来なよ?ウチのゲーセンは千秋ちゃんのお墨付きだよ〜……っと、いいとこで通信がきた!!」
〜〜〜♪
七海「2人とも、無事に奏坂学園前駅に到着したみたいだね。……あと、夕立さんはお久しぶりだね。改めて、七海千秋です」
雷那「あ、はい…。どうも」
真理子「千秋ちゃん!待ってたよー!」
サーニャ「今回もよろしくね!頼りにしているわ!」
七海「ありがとう。眠らないように頑張るね。それじゃあ早速、私から伝えられることを伝えようと思うよ。……まずは、真理子さん。サーニャさん。ここの様子を見て、2人はどう思うかな?」
サーニャ「どうって…?治安が良さそうで、いい街だと思うけど……?」
真理子「…………いや、少し違うかも」
サーニャ「え?それってどういう…?」
真理子「……サーニャちゃん。生徒たちをよく見てみて」
通信してきた専属オペレーターの七海が提示したもの。真理子の言葉に改めて街を歩いて行く奏坂の女子生徒たちを観察してみる北国生まれの元ナイトウィッチ。すると……。
サーニャ「……あっ。みんなの表情が少し暗い気がする……」
七海「そうだね。生徒会グループの敗北、そして他の有力グループが、『ASTERISM』以外は全て1人の来訪者によって壊滅させられてしまった動揺。これはオンゲキプレーヤー以外の一般生徒さんたちにも悪影響を及ぼしている……と思うな」
雷那「……っ」
真理子「…まあ、そうならない方がおかしいよね。むしろこれでいつも通りだったらどれだけのメンタルかっての」
いくら街中が平穏でも、行き交う奏坂の生徒たちの不安や不満は全く隠しきれていなかった。もちろん、奏坂学園に通っている生徒全てがオンゲキに関わっている訳ではない。だからこそ、オンゲキによる騒動で学園が大事になってしまっていることにより落ち込んだり、中にはオンゲキなんて無ければ…とピリピリしてしまう生徒が出てくるのは自然なことだろう。特に新生徒会長を決める生徒会総選挙、及びオンゲキバトルに皇城セツナが勝利してしまえば、従来の奏坂の自由な校風が取り戻せなくなってしまうことは明白だった。
七海「夕立さん。完全な部外者の意見だけど、あなたが1人で気負いすぎるのはよくない……と思うな。あなたが依頼として母校のピンチを知らせてくれたから、今こうして私や真理子さん、サーニャさんが動けているんだよ。緋桐くんも自分の母校の活動を繋げようとしてくれているし……。ね?」
雷那「あ…。確かに、そうよね。1人じゃ状況を変えられる訳ないもの。ごめんなさい」
七海「謝る必要は全くないよ。そしてそんな3人に朗報…かな。この周辺に、あなたたちの面白い協力者が得られそう……だと思うよ」
雷那「え?本当に?」
七海「あくまで交渉次第だけど、今真理子さんたちがいるならそこまで交渉には難航しない…と思うな。今いる場所を右に曲がって5分ほど行った先のゲームセンター。そこにいる人がきっとあなたたちのキーマンになるよ。……あ、日向くんがお茶を持って来てくれたから、一旦切るね」
真理子「おおっ!ヒューッ!らーぶらーぶ!らーぶらーぶ!」
サーニャ「こら、真理子ちゃん!」
雷那「いやあ、お2人とも相変わらずお熱いことで…。ところで、七海さんの言っていることってどういう意味かしら…?交渉次第だけど、交渉には、難航しない…?しかもサーニャさんと真理子さんがいるから……?」
感想はしばらくお待ちください
- 「それは愛と純情のセンチエレトリックってことだろSAGA(準 ( No.575 )
- 日時: 2025/06/02 07:59
- 名前: 夢見草(元ユリカ) (ID: LL/fGGq1)
全く心当たりがなく首を傾げる依頼人のツインカラー・ツインテールの少女だったが、素直に七海の情報を受け、真理子・サーニャと共にゲームセンターに入る。すると、そこには…!
銀髪ポニーテールの女性「きょうのぉ、ごはんはぁぁぁぁぁ~…!!!!!うわああああああああああ~…!!!!!」
雷那&真理子&サーニャ「」
そこにはなぜか号泣しながら太鼓の達人の高難易度楽曲のひとつである「さいたま2000」をプレイしている銀髪ポニーテールの女性の姿がありました(爆弾投下)。しかも彼女は号泣しながらなのだが、ゲームの難易度は最高の難易度である「おに」かつバチで太鼓の面やフチを叩くタイミングはきちんとしており、ミスは非常に少なく、高難易度楽曲ながらきちんとノルマクリアを達成した。このあまりにも意味不明の状況に3人も固まるばかりである。他にゲームセンター内にいる客もドン引きしてるぞ。
大人びた顔立ちと体格の彼女だが、よく見ると彼女は雷那や街を行き交う生徒たちと同じ奏坂の制服を着ているので学生のようだ。やがて真理子は彼女の妙な様子がツボに入り、笑い出したが……。
サーニャ「ど、どういう状況なの、これ……!?」
真理子「えっwwwこんな展開ってありなのwww久々に裸族とかカオス展開関係なしで変なのが見られたwwwマジウケるんですけどwwwつかゲーム上手いしwwwファーwww」
雷那「!?…あ、あ、あ……」
サーニャ「?……あ、あれ?雷那ちゃん、どうしたの?」
雷那「ヒメ……いや、柏木咲姫(かしわぎ・さき)先輩!?一体何やってるんですか!?」
銀髪ポニーテールの女性→咲姫「へ?……あ、雷那ちゃん!?」
サーニャ「……知り合いだったー!?」
真理子「え?wwwうわ、マジなの?マジで知り合いなの?www」
雷那と女性…咲姫は知り合いだったのだ!?さらに驚きの事実が続く。
咲姫「……って、その声…!?ま、ま、まさか、『マリーニャ』ぁぁぁぁぁ〜!?」
サーニャ「はい!?あなた、私たちのこと知ってるんですか!?」
雷那「え?ヒメ先輩、『マリーニャ』のことご存知だったんですか!?…これは初耳だわ〜……」
真理子「ひぃっwwwヤバいwwwめちゃくちゃお腹痛いwwwww」
なんと咲姫は偶然真理子とサーニャ……いや、『マリーニャ』のファンだったのだ!?
……
咲姫「は、は、初めまして…!私、柏木咲姫です!奏坂高校3年、オンゲキツインユニット『7DAYS HOLYDAYS』のリーダーをしています!…あの、貴女たちのゲーム配信や生放送は追える範囲で全て追っているわ!特にスマブラSPでの一騎打ちや、Switch2のニ◯ダイ同時視聴のエ◯ライド発表時の真理子さんの狂乱ぶりは私まで嬉しくなるほどで…!!」
真理子「え?あれ観られてたのー?wうわー、恥ずかしーw」
サーニャ「真理子ちゃんってば、配信してるくせに白々しいのやめてってば;……あの、こちらこそ初めまして!サーニャです」
真理子「サーセンwww…んじゃ、あたしも!田名部真理子!ちな、同い年の同学年ね?だから敬語とかいいから。これも縁だし、仲良くしよ?」
咲姫「はい!…じゃなくて、そ、そうね!ぜひ、ぜひ仲良くしましょう!よろしくお願いしますね!……『マリーニャ』、本物だぁ〜……!!」
推しとの対面に噛み締め震えていた咲姫だが、ふと雷那のことを思い出し、彼女に向き直る。
咲姫「あっ、そうだ。2年の夕立雷那ちゃん、で間違いないわよね?」
雷那「はい、そうですよ。…よく覚えてましたね」
咲姫「そりゃツインやグループ前提のオンゲキで、ソロでの活動は奏坂でもかなり珍しいもの、もちろん覚えているわ。…今年のシューターフェス、惜しかったわね」
雷那「……まあ、1人で『ASTERISM』とあそこまでやれたならそれなりに…って、ヒメ先輩はなぜここに……?」
サーニャ「あの、咲姫さん、でいいかしら?…あなたも奏坂の生徒でオンゲキプレーヤーなら、学園で行われている生徒会総選挙の件についてはご存知よね?」
咲姫「そうね。……実は私たちのユニットも、先日皇城セツナに勝負を挑んで、敗北してしまったの。今はその憂さ晴らしでこのゲームセンターにいたのよ……」
真理子「そうだったんだ…」(それであの号泣ぶりか……)
咲姫「でも私、皇城セツナの政策には断固反対よ!なによ、アニメやゲーム、漫画なんて生きるには不要って!絶対あり得ない……って、あれ?でもなんで真理子ちゃんやサーニャちゃんが、それを……?」
首を傾げる咲姫に、ゲーマー少女はここぞとばかりに説明する。
真理子「咲姫ちゃん、オフレコで頼むけど…、実はあたしたち、この世界を守護する特殊ギルドの一員なの。それで皇城セツナに対抗するために、奏坂の生徒から協力者を探してたんだよ!奏坂の生徒が総選挙を乗り切るためのやる気を出すためにね!!」
咲姫「と、特殊ギルド!?いいわね!その響き、本当にゲームの中の出来事みたい…!!」
サーニャ「それで、舞ヶ原高校……別の学校で行われる大型のイベントを活用して、オンゲキの、ええと…『エールシステム』ってあるでしょう?SNSなどの宣伝も使ってあれを利用すれば、妥当皇城セツナの勝機を掴むひとつになると思ったのよ。大型イベントは奏坂の学園関係者だけじゃない人も呼び込む予定だし、あくまでも奏坂がメインのオンゲキのよさを伝えるきっかけにもなると思うわ。何よりそれなら既に敗退してしまったグループの皆さんも、何かできるかなって」
咲姫「なるほどね…!とてもいい案だと思うわ!それに、既に総選挙に敗退した私でも皇城セツナに一矢報いることができるなら…!ぜひ私も協力させて下さい!」
雷那「早っ!?…で、でも、実力者のヒメ先輩が協力してくれるなら素直に有難いわね…」
スムーズに交渉成立。咲姫が元から雷那と顔見知りであったこと、そして真理子とサーニャに対して非常に好意的な感情を持っていたことが幸いした。その勢いのまま、咲姫は雷那へ颯爽と発言する。
咲姫「そうだ、雷那ちゃん。せっかくだし茜ちゃんや楓ちゃんたちにも相談したらどうかしら?」
雷那「え?あの…。茜先輩たち、ですか?」
真理子「それって、雷那が依頼の時に話してた、奏坂の生徒会長たちだよね?」
咲姫「そうね。茜ちゃんと楓ちゃん。そして書記の有栖ちゃん。……奏坂が今あんなことになっているけど、3人が奏坂のために動こうとしているなら、彼女たちにとってこんなに心強いことはないと思うの。特に茜ちゃんは雷那ちゃんの話をよくしていたし、ね?」
雷那「…………」
サーニャ「雷那ちゃん?」
咲姫のこの提案に俯き、口籠もる雷那。
雷那「……茜先輩たちには、言えませんよ」
サーニャ「えっ?何で?」
雷那「……皇城セツナのせいで、生徒会の皆さんは在校生徒や保護者たちの不平不満に総出で対応しているんですよ?しかも学園が閉まるギリギリの時間まで残って…。そんな中で学外のイベントにまで協力しろって、これ以上茜先輩や楓先輩や有栖さんにご迷惑を掛けるのは申し訳ないですよ……」
雷那は混乱している学園の統制のため奔走している茜や楓、有栖たちに別件で迷惑をかけるのが申し訳ないようだ。それに顔を曇らせる咲姫だったが。
咲姫「…確かに、それはそうね。でもあなたたち、さっき言ってくれたじゃない。『舞ヶ原高校の野外フェスを活かすことで、既に敗退したオンゲキプレイヤーも皇城セツナに一矢報えるかもしれない』って。だから私、みんなに協力しようって思えたのよ」
雷那「あ……!」
咲姫「それは茜ちゃんたちだって同じだと思うわ。そりゃルールがルールだから総選挙のステージで皇城セツナに勝つことはもう出来ないけど、それでも活動に参加することで、諦めムードの学園の雰囲気を少しでも良くすることはできるんじゃないかしら?それは私の望むことだし、私以上に茜ちゃんや楓ちゃん、有栖ちゃんの望むことなんじゃないかしらって…。まあ、生徒会のみんなについては、私の勝手な推測だけどね!」
咲姫の言う通り、行き交う奏坂学園の生徒たちからは「このまま学園が皇城セツナのものになってしまうのではないか」という諦めの雰囲気が見られた。そしてそれを1番望まないのは真っ先にセツナへ立ち向かった有栖や茜、楓たち生徒会のメンバーだろう。何より、自分たちも皇城セツナに対して一矢報いたい思いはあるだろう。……咲姫の発言を受け、とうとう雷那は決意する。
雷那「……分かりました。生徒会の皆さんへ、連絡してみます!」
真理子「うんうん!それに『どうしても忙しくて無理〜!』なら仕方ないし!野外フェス前にやれることは全部やってみよー!」
咲姫「あ、あと少しだけいいかしら?私、妹の属しているグループ伝で、まだ敗北していない有力グループ…『ASTERISM』の子たちの連絡先も知っているの。あの子たちにも今回のことを伝えていいかしら?」
サーニャ「そうなの!?『ASTERISM』の子たちも協力してくれるならこの上ないわ!是非お願いします!」
咲姫「ありがとう!早速連絡してみるわね!」
こうして雷那と咲姫はそれぞれ該当者たちへ連絡。結果、彼女たちと落ち合い、駅前のファミリーレストランで話し合いをすることになったのだった。
……
- それは愛と純情のセンチエレトリックってことだろSAGA(準備 ( No.576 )
- 日時: 2025/06/15 17:26
- 名前: 夢見草(元ユリカ) (ID: JC82K/KY)
……
そして、ゲームセンターで咲姫と出会ってから1時間後。奏坂学園駅前のファミリーレストランにて…。
茜「おお、待っていたぞ雷那よ!そしてWSTの戦士たちよ!今回は本校の件についての協力、誠に感謝する!!」
楓「会長に倣い、私からも皆さんへお礼を申し上げます。夕立さん、お久しぶりですね。…あら、柏木さんもいらっしゃったのですね」
有栖「ん。雷那……」
あかり「こんにちは!……雷那さん、お久しぶりです!雷那さんとお話しするのはシューターフェス以来ですね…。そちらのお2人も、初めまして!」
柚子「うわーっ!?お姉さんたち、何だかキラキラだよ!キラキラっていうか、何だかそれを通り越してギラギラだよ!?」
葵「あ、あの…。初めまして。今回はよろしくお願いします……?」
真理子、サーニャ、雷那、咲姫、そして呼び出された6人が集合。大型のテーブルを囲い、総勢10人の女子が集まった。側から見ても只者ではない集団となった一同は軽く自己紹介し合ったしたのち、雷那がひと月後の舞ヶ原の音楽イベントでオンゲキのパフォーマンスをしようと考えていると報告する。
サーニャ「皆さん、初めまして。WSTメンバーのサーニャ・V・リトヴャクと言います。今回はよろしくお願いしますね!」
真理子「どーも皆さん、こーんにっちはー!まりまりまりーここと、田名部真理子でーす!真理子って呼んでね!」
茜「うむ!お前たちも以前から雷那から噂は聞いていたぞ。田名部真理子と、サーニャ…ええと、何だっけか。ともかくサーニャでいいのだな!……私は逢坂茜(おうさか・あかね)だ!奏坂の生徒会長!そして生徒会及び、『R.B.P』のリーダーなのだ!わっはっは!」
奏坂の生徒会長である茜は小柄な体格ながら豪胆不落な少女であり、目が冴えるような赤髪が特徴的だった。例えばつぎドカの烈がもし女子だったら何となくこんな感じなのだろうか、という容姿をしていた。腕組みをしつつ胸を張り堂々とした様子は、確かにいち学園の生徒会長としての懐の大きさを感じさせる。
楓「あらゆる依頼を引き受け、世界を守護する特殊ギルド…。噂には聞いていましたが、まさか本当に実在していたとは…。いえ、失礼しました。久城楓(くじょう・かえで)と申します。奏坂の副会長で、会長と咲姫さんとは同学年ですね」
副会長の楓は眼鏡とストレートの長い黒髪が特徴的であり、いかにも生真面目、という雰囲気が漂う。彼女は少しだけWSTの噂を知っていたようで、実際に該当メンバーを目にしたことで眼鏡の奥の瞳に驚きの色を浮かべていた。
有栖「…ん。珠洲島有栖(すすじま・ありす)。茜と楓と同じ、生徒会のメンバー」
有栖については依頼時に雷那が軽く素性を説明している。将来の奏坂の理事候補の生徒であり、今回奏坂学園を大混乱に追い込んだ皇城セツナと強い因縁を持つ少女だ。本人と対面して特徴的なのは青い髪をお団子とツインテールの融合のように結い上げた非常に個性的な髪型だ。
あかり「改めて、お2人とも初めまして!星咲あかりといいます!今回はよろしくお願いします!……それにしても、WSTって、本当にあったんだ……」
桃色ボブショートの彼女はあかりといい、現在人気トップのオンゲキアイドルグループ「ASTERIUM」のリーダー、そしてもっともオンゲキの伝説的プレイヤーの総称・「プリメラ」に相応しい3人のひとりだという。彼女も楓と同じように、少しだけWSTの噂を知っていたようだ。
柚子「次!……あのねあのね、私は柚子っていうんだよ!よろしくね~!」
金髪サイドテールの彼女はと藤沢柚子(ふじさわ・ゆず)といい、あかりと同じく「ASTERIUM」のメンバーだ。特徴的な語彙や話し方をする彼女は一見普通の可愛らしい少女に思えるが、これはあかりもなのだが、どこか独特のカリスマ性とオーラを放っているように思える。
葵「三角葵(みすみ・あおい)、です。よろしくお願いします。…あの、WSTって凄い組織だけど、同時に敵に回すと凄く恐ろしい組織って聞いているんですけど、本当ですか…?何だか、ギルドに対して不義理を起こした相手をサウナに改造した拷問部屋に閉じ込められるとか……;」
サーニャ「あっ……;だ、大丈夫よ?ペナルティ対象になるのはとんでもないことをしでかしたり、WSTにひどい嘘を吐いたり約束を破ったりとか……。そう、余程のことがない限りだから、あなたはあまり心配しないで?」
真理子「ちょっwそこまで気にしなくて大丈夫だよーwあたしたち、そんなに怖くないよー?」
「ASTERISM」の最後の1人・青髪の少女の葵もWSTの情報を知っていたが、彼女の耳にはあまりよくない噂の方が耳に入ってしまっていたようだ。とりあえず彼女の抱いていた危惧を軽く払拭し、本題に移る。
咲姫「じゃあさっき連絡した通りだけど、改めて説明するわね。実は雷那ちゃんが、ひと月後に『舞ヶ原高校』で行われる音楽イベントでオンゲキを披露して、皇城セツナに対抗するための一般の方々からの支持……『エール』を集めてくれるそうなの。真理子ちゃんとサーニャちゃんはWSTの権限を使って、私たちに協力してくれるんですって!」
雷那「舞ヶ原とは部外者のあたしがいるから、外部グループって形での参加になります。あ、舞ヶ原はあたしが課外活動でコンビを組んでいる人の通っている高校です。あそこは音大付属高校だから、BGMを利用してパフォーマンスするオンゲキも良い方向に…。最低でも悪くない方向に受け入れられるんじゃないかなと思います」
茜「何と!まさか雷那が水面下でこうして動いていたとは…!!」
楓「奏坂以外の学校でのオンゲキの披露、ですか…。そういえば、今までは考えたことがありませんでしたね。奏坂を知る応援してくださるファンの皆さんで十分支持を得られていましたから。……しかしこの現状を打破するならば、そしてオンゲキを支持してくれる人々を増やすということであれば、かなりよい選択なのではと思います。」
有栖「ん。上手くいけば、今後のオンゲキプレーヤーの人口を増やせるかも」
柚子「えっ!?オンゲキをしてくれる人が増えるの!?それって、とってもきらきらり〜んだよ!!」
あかり「わぁっ…!それって本当にとっても素敵なことですね!私、賛成です!」
葵「確かにそれは素敵だと思う。……だけど、そんなにスムーズに行くことなんですか?それに相手の方はきちんとオンゲキを分かっているのかな…?」
雷那「相手もオンゲキについては知っているし、あたしのオンゲキを観て一緒にパフォーマンスをしたことがあるから大丈夫。…えっとね、葵。相方を組む奴がバックのDJミュージックを担当して、あたしがその音楽に合わせて表示された弾幕を撃っていく……って形にしようと思っているんだ」
あかり「ふむふむ、なるほど〜…。つまり、お二方…『マリーニャ』さんは、今回の舞台は裏方を担当されるんですか?」
真理子「ま、そうだねー。あたしたち、ゲームは好きだし得意だし」
柚子「え?お姉さんたち、ゲームが得意なの?」
サーニャ「ちょっと、真理子ちゃん?あはは…。ゲームは好きだけど、あくまでただの趣味なのよ。プロゲーマーほどの腕前ではないけれど……」
柚子「……あの、お姉さんたち!」
突然柚子が立ち上がる。そして…。
柚子「だったら、お姉さんたちも雷那ちゃんと一緒にオンゲキをやってみようよ!」
柚子&葵「え!?あかり(ちゃん)!?」
真理子&サーニャ「へ?」
柚子「どっちもゲームが得意なんだよね?…だったらきっと、だいじょーぶ!私たちが教えてあげるから、オンゲキのステージに立ってみようよ!」
あかり「……なるほど。確かにゲームが得意なら、FPSと音ゲーが元になったオンゲキとは相性が良いかもしれない。あの、私たちも協力しますから、今回は雷那さんと一緒にステージに立ってみませんか!?」
咲姫「なるほどね…!それに配信で話してたけど、2人の得意ジャンルって音ゲーとFPSだったわよね!?それなら…!!」
雷那「ちょっ、ちょっと待ってよあかり!?柚子も、ヒメ先輩もですよ!いきなりそんなこと言ったって、2人とも困るって……」
オンゲキのスタープレイヤー・あかりや柚子からのまさかの勧誘。今回の依頼では裏方に専念しようと思っていたゲーマー少女と元ナイトウィッチからすると、この提案はまさに青天の霹靂だった。慌てる雷那だったが、ここで生徒会長の茜が神妙な面持ちでツインカラー・ツインテールの少女へ話しかける。
茜「……雷那。そして真理子とサーニャ。お前たちのやろうとしていることは我々も素晴らしい取り組みだとは思っている。だが、仮に舞ヶ原で無事に音楽祭が開催されるとして、私たち生徒会はお前を直接手伝うことは出来んのだ。今、皇城セツナの件に対する苦情や問い合わせで学園の対応に追われているからな」
雷那「!!」
真理子&サーニャ「あ……」
茜「それに学園側のルールで、私たちは現在ステージに立つことはできない。今回私たちはお前と共にステージに立ち、お前の味方をしてやれんのだ。お前が助けを求める時に、すまない。……だからこそ、雷那の側にWSTの依頼で経験豊富な真理子とサーニャがいるなら非常に心強いと私は思うが。どうだ?楓?有栖?」
楓「…そうですね。誠に遺憾ですが、先日皇城セツナに敗北した私たちは、生徒会総選挙期間中はステージに立つことは不可能です。これは奏坂の伝統として決まっていることなのです。生徒会として学園の秩序を維持する立場として、破るわけにはいきません。…ですがソロのオンゲキプレイヤーであり、それゆえに皇城セツナからは目をつけられていない雷那さん。そして外部者の真理子さんとサーニャさんには、それは適応されない……ということですね」
有栖「うん。それに総選挙前に『ASTERISM』が必要以上に表に出るのもリスクがある。『ASTERISM』はまだセツナ姉様……皇城セツナとの公式試合で負けてない。だからこそ余計な偵察をされるのはよくないし、変な妨害も受けたら困る。皇城セツナは勝利のためなら何をしてくるか分からない。……君たちは奏坂の、希望だから」
葵「あっ、そうか。私たちへの偵察……」
生徒会グループ「R.B.P」や、咲姫たちのツインユニットを含む他の有力グループは皇城セツナに敗北したため、総選挙中のルールにより、登板不可能。あかりたちの「ASTERISM」は対皇城セツナとの決戦前にコンディションを探られたくはないし、妨害などの万一のことがあってはならない。だからこそソロ活動をしており比較的しがらみに囚われず自由に動ける雷那と、あくまで奏坂外部の者である真理子とサーニャはセツナに目を付けられるリスクが少なく、安全に舞ヶ原でパフォーマンスができるだろう。
有栖「……雷那。それと真理子、サーニャ。私は、奏坂学園は囚われすぎずに自由であることこそが大切だと思っている。セツナ姉様……皇城セツナの掲げる厳格な理想も、統治としてはありだと思うし、それもまたひとつの形だとは思っている。でも、それはあくまでそれが通用するのは自分と対応な能力を持つ大人に対してのこと。彼女のやり方だと奏坂は、奏坂の生徒たちはきっと潰れてしまうと思う。奏坂を守るためにも、皇城セツナを止めるひとつの遠因になるためにも。……お願い、できますか?」
奏坂の騒動の当事者の1人である有栖が粛々と発言し、頭を下げた。茜と楓もそれに倣う。……そして彼女たちを見てこくりと雷那は頷き、マリーニャは彼女たちに手を差し伸べた。
雷那「有栖さん……。任されました。あたしたちが、必ず皇城セツナを止める遠因になってみせます」
真理子「有栖ちゃん。茜ちゃんに楓ちゃんも。顔を上げてよ。……辛気臭いのは勘弁!大丈夫!雷那と『マリーニャ』に任せなさいっ!それに、あたしたちの他にも他にも協力者は多くいるしね!」
サーニャ「WSTの名に懸けて、何よりサーニャ・ウラミジーロウナ・リトヴャクの名に懸けて…!今回の依頼は私たちが必ず成功させます!安心してください!」
有栖「!!……ありがとう」
茜「心得た。……お前たち、頼むぞ!」
楓「会長と同じく、あなたたちに心より感謝します。……そして『R.B.P』がステージに立つことはできませんが、オンゲキで必要不可欠な勝負服……『シュータードレス』の手配については、私たちや奏坂のオンゲキに携わる生徒たちがお世話になった被服会社を紹介できると思います。我々のツテもありますし、特注で格安かつ良質なシュータードレスをご用意できるかと。その件については私たちにお任せくださいね」
真理子「え?そっちでシュータードレスを用意してくれるの?あれ、用意するの結構大変そうなのに」
茜「ああ、もちろん!協力者に何もしないのは『R.B.P』及び生徒会の名が廃るからな!まあ、シュータードレスのデザインはお前たちが決めることになるが」
サーニャ「デザインの件は後で相談するとして…シュータードレスは経費で十分出せる値段になりそうかな。追加の費用申請をしなくて済むかも…。うん、ありがとうございます!」
茜「……それと、お前たちの本番だけは何があっても必ず観に行くぞ!それは譲れん!!」
楓「会長…。あの、お気持ちは分かりますが……。時間を捻出できるでしょうか……?」
有栖「ふふ。あのね、普通のアイドルスタイルのドレスとか、茜や楓みたいな軍服とか、私の着ぐるみとか。シュータードレスは色々あるよ」
茜「デザインの相談はしておけよ〜?さもないと有栖の好みでどちらも着ぐるみになるぞ?www」
サーニャ「いや、あの、ぬいぐるみは、ちょっと困るかな……。あはは……;」
真理子「ちょっwww着ぐるみで激しく動くとかマジの罰ゲーム案件なんだけどwww」
咲姫「ええと、シュータードレスの件については楓ちゃんたちにお任せするとして…。私は裏方として、真理子ちゃんとサーニャちゃんのオンゲキレッスンを担当するわ!こう見えても、それなりに大きな大会での実績はあるのよ?」
あかり「咲姫先輩たち、昨年や一昨年のシューターフェスでも好成績でしたもんね!……よし、これなら不足なしです!皇城セツナには負けないんだから!」
葵「えっと、あの……。お2人とも。オンゲキは未経験と言われていましたけど、音感とか身体能力については一体どんな感じなんですか?ひと月で人前でも披露できるように仕上げなきゃいけないなら、状態に合わせてきちんと段取りやスケジュールを立てないと」
真理子「クロスギルドのギルメン…ギルドメンバーだからねー。ま、それなりには鍛えてる!あたしは音楽ゲームは大好きでガチってるからリズム感は割と自信あるよ!代わりに的を射抜くのはちょっと練習要るかな?……それより、あたしよりサーニャちゃんに注目、注目!サーニャちゃんなんてピアニスト志望で音感あるし、色々あってFPSなんてもうマジで強いから!」
サーニャ「ちょっ、ちょっと!真理子ちゃんったら変なプレッシャーを掛けないでよ!……ええと、的を撃って狙うのは、得意かしら。もしそれ以外の動きがあるなら重点的に練習したいわ」
葵「な、なるほど…。それならギリギリ、いけるかも……?」
あかり「2人とも結構自信あり、ってことですね!でも、オンゲキの道は甘くないよ?びしばし、いくよー!」
柚子「うんうん!お空のてっぺん、目指してゴー♪」
いつの間にか、ワイワイ盛り上がる彼女たちを見ながら、依頼を持ち込んだ張本人である雷那は…。
雷那(すごい。真理子さんとサーニャさんがちょっと関わっただけで、生徒会の3人が。咲姫先輩が。あかりみ柚子も葵が、あんなに明るく笑っている…。WSTの影響力は言うまでもないけど、何よりあの2人の実力と人柄がそうさせているんだ……)
……
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