マジック☆クローバー~ヒャクパーの店へようこそ! 作者/蜜 ◆4S1Ttn1X06

* 01    噂  ...四



 「…とにかく私はあんな伝説信じない」

 興奮している海の目を見据えて、私は言い張った。
海は納得できないとう表情をして、ぶつぶつと
1人で喋っている。

「日向ー! ちょっといいかー?」

 後で元気の良い耕太の声がした。
耕太は町長さんの孫だ。町長と私のお婆ちゃんは仲が良い。
そのせいか、町長が家に来る度耕太も来て、昔はよく一緒に遊んでいた。

「何か用?」

「あんなー爺ちゃんが、明後日緊急町内会開くから、
お前ん家の婆ちゃんに皆に話をしてほしいんだと。
出てくれるか聞いといてー」

「分かった」

 緊急町内会か……今回の事件のことかな?
私は、机に戻っていく耕太の後ろ姿を見ながら思った。

 
 家に帰るとお婆ちゃんが、玄関で待ち構えていた。

「お帰り日向。部屋に来なさい」

 お婆ちゃんは早口で言うと、私の「ただいま」も聞かず
背を向けて部屋へと入っていった。

「座って…大事な話だからよくお聞き」

 お婆ちゃんは私を座布団に座らせると、お茶を少しだけ
飲んで話し出した。


「明日…たくさんの人が死ぬ」

 お婆ちゃんの話は、こんな衝撃的な一言から始まった。