マジック☆クローバー 作者/蜜◆4S1Ttn1X06

☆48話 どうして?!
「な、なんで?」
アタイたちが聞くと、5人は顔を見合わせた。
「……ボクたち、夢があるんだ。
5人で目指そうときめた、夢が!」
「それに、ピースもおいていけないですし」
二コバン、オーロラ……
5人の気持ちも分かる。
けれど4人が仲間になってくれないと……
アタイが悩んでいるその時。
「やあ、魔法能力使いさんたち。
先日はどーも」
「闇能力使い!?」
あーもう!なんでこんなタイミングでくるかなあ!
「な、なんなんだアイツ?!」
ロボが叫ぶ。
『闇能力使い』……!
「あんた、こないだ仲間を連れてくるとかっていってなかったけ?!
だれもいないようにみえるけど?」
アタイが言うと、闇能力者はニヤリと笑った。
「いるじゃん。そこに」
「へっ……?!」
闇能力者の指差した先は……
「ピース?!」
「うそでしょ?ねえ!ピースくん!」
二コバンが涙目になってピースに呼びかける。
でも……
「うそじゃないよ。
おいらが君たちと出会ってから、
ずっと君たちに闇能力をかけてたのさ。
魔法能力が儀式で発動しないように、
『封印の闇魔術』をね!」
『封印の闇魔術』……だって?!
それでなんでアタイたちが気づかなかったの?
なんかおかしい……
「『なぜ君たちが気づかなかったか』?
それは、ボクたちの力がパワーアップしたからさ!
もうボクたちは、100人の闇のねがいを叶えてるんだよ!」
100……人?
「君たちの前で4人に闇魔法をかけ続けたって、
なんにも気づかないんだもん!
あははっ、笑っちゃう」
……!そんな……アタイたちが……
「じゃあ、ピース!あいつらなんて敵じゃない。
やっちゃいな!あとはまかせたよ」
そういって、闇能力使いはどこかへ消えてしまった。
「じゃあ、手加減なしで。
水をここに満たせ!『水流コピー能力』!」
「うわっ……!」
水がどんどんながれこんで……!
よし、そっちがその気なら!
「『火力魔法能力』!」
火の攻撃魔法。
攻撃力が高いから、当たったらひとたまりもない。
「『シールドコピー能力』」
!!なんでっ!シールドみたいな低魔法じゃ防げないはずの魔法能力なのに?!
息も続かなくなってきた……!
すると、ピースは両手を振り上げた。
そして、おぞましい闇の光と共に、なにかがピースの手に……
あれは……!闇の3大武器『葉の刀』!?
なんでピースが?!
あれは本当に憎しみや苦しみを持つ者じゃないと手に入れれないのに!
ピースは……本気なの?
「じゃあ……そろそろお別れだね……
いくよ!」
すると、ピースはアタイにおそいかかった。
やられる!その直前、アタイは見た。
……ピースが泣いているのを。
息も苦しくなり、気が遠くなりかけたとき、
メリヤスちゃんの声がした。
「『瞬間移動魔法能力』!」
そして、アタイたちはその場から消えた。
「逃がした……か」
――そしてヒャクパーたちは――
「ふーっ、助かったよメリヤスちゃん!
ありがとうね」
「いえいえ……」
みんな助かって、よかったあー。
でも、あのピースが闇能力使いだったなんて……
「あの……ヒャクパーさん」
「あっ!なに、メープルちゃん?」
メープルちゃんたちが、話しかけてきた。
「おれたち、やっぱり魔法能力使いになるぜ!」
「えっ?!な、なんでそんないきなり?!」
アタイはあわてた。
さっきまで行かないっていってたのに……
「ボク、みたんだあ。ピースくん、泣いてた」
あ、アタイもみた、ピースの涙……
「だから、ほんとうにわたしたちのこと、どうでもよくなったのか、
追いかけて聞きたいんです!」
オーロラちゃん……!
「分かった!!これからもよろしくね!」
よしっ、闇能力使いとの戦いはこれからだ……!

小説大会受賞作品
スポンサード リンク