マジック☆クローバー 作者/蜜◆4S1Ttn1X06

☆43話   金のバラは?!



「じゃ、あとはこれに『金のジョウロ』で水を注いで、一日待つだけよ」

「よ、よかったあ~!

これで、『金のバラ』は咲くんですね?!」

黒いバラが咲いてから数日。

やっと黒いバラが枯れた!

「じゃあ、仲間になってくれるんですよねっ?」

キャビアちゃんが聞く。

でも、オリビアさんは……

「これがちゃんと金のバラになったら……ね」

なぜか、不安の入り混じった微笑みを見せた。

いったい、なんで……?

そんなカンジで、アタイが考えこんでいると……

「どーしたんだよっ、ヒャクパー!

ここまでくれば、もうできたも同じだって!」

セバスチャンは、やっぱり背中をドンドンたたく。

「そうよ、ほんとに素人で花なんて似合わないヒャクパーが、ここまで出来たんだもん」

「花が似合わないのは、ももこもでしょー」

「いったなー!」

ももこはぽかぽかと背中をたたく。

もうセバスチャンとももこのおかげで、背中が真っ赤だよ!

そうして、次の朝が来た――

「オリビアさんっ、どうですか?!」

アタイたちが、家を訪ねたとき。

「こっちよ!ヒャクパー」

オリビアさんは、庭にいた。

「どうですか……?!なにこれ……」

アタイたちが見たのは、あの黒いバラが茶色く、くきもたれてしまっているものだった。

「ひどいな……」

セバスチャンも声をあげた。

「なんでこんなことに……

いつもこうなってしまうのよ」

オリビアさんもうつむく。

なんでなんだろ?すごく苦労したのに……

「……あれ?それなんですか?」

ユキちゃんがオリビアさんの持っていたものを指差す。

「ああ、これ?これが『金のジョウロ』。

なんか、黒い衣着た人が、いらないからって売りに来たのよ。

怪しかったけど安かったし、買っちゃったの」

ん?黒い衣?!

「あのっ!その人もしかして……」

「ボクのこと?」

え……この声は!

「いきなりだけど……いくよ!

風刀コピー能力!」

いきなり?!よけきれないっ……

「シールド魔法能力!」

えっ?アタイの目の前には、知らない男の子が立っていた。

「大丈夫か?」