マジック☆クローバー 作者/蜜◆4S1Ttn1X06

☆20話 花美村と……
「ぐがー、ごおー」
「それにしても、よくねてるますよねえ……」
「ほんとに……」
キャビアちゃんとメリヤスちゃんがうなずく。
「早く起こしてあげた方がいいですよ。
もう12時です。」
ユキちゃんが、時計を見上げて言う。
「よし、それじゃあ、せーの!」
「ヒャクパーさーん!もうひるですよー!!」
「わあっ!」
その大声に、アタイは飛び起きる。
なんたって、この店中に響くような大声だったんだから!
「あ~メリヤスちゃんたち……おはよ~……」
「もう『こんにちは』ですよ!
花美村についたんです!」
な、なんだってえ?!のんきにねてる場合じゃなかった!
「はっ早く店開けないと!」
わたわたしてるアタイに、
メリヤスちゃんがさけぶ。
「もう!1度外にでて目を覚ましてきてください!」
「わ、わかったよ~」
メリヤスちゃんの勢いにおされながら、アタイは外にでた。
まず、アタイの目に飛び込んできたのは……
「わ、わあー!!す、すっごい!!」
なんと、色とりどりのあざやかな花。
まるで、この村全体がお花畑みたい!!
「わあ!すごい!青、赤、黒……紫まである!」
「どお?この村の花!すっごくきれいでしょ?
アタイが手入れしてるの」
「うんうん!すっごくきれい!って、だ、だれ?」
アタイが興奮していると、だれかが突然、はなしかけてきたのだ。
「アタイ、花美村のももこ!
ところで、なんで花火じゃなくて、花美っていうかしってる?
それは、この村の花が美しいってことで『花美』なのよ!
でねでね、この村になんでこんなに花が咲いてるかっていうと……」
現れたと同時に、とことんしゃべりだすももこちゃん。
そんなももこちゃんに、アタイはただ、
「へ、へえ……」
と答えるしかなかった。
――1時間後――
「ヒャクパーさん、いくらなんでもおそくないですか?
もうお昼ごはんが……」
メリヤスちゃんが店からでてきた。
「メ、メリヤスちゃーん……」
「で、その先祖が……」
ももこちゃんは、まだしゃべりつづけてる。
ほっといたら、絶対に一生終わらないって位、
すごい勢い。
「それがなんと……なんと……
あ、ご、ごめん!」
やっと、『早く終わって!』といわんばかりに見つめるアタイたちに気づいたみたい。
「アタイ、村のことはなしたらとまらないんだよー、
ほんと、ごめんね!
ま、もうお昼だし、いったん帰るね!
バイバーイ!」
そういって、ももこちゃんは去っていった。

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