マジック☆クローバー 作者/蜜◆4S1Ttn1X06

☆46話  お菓子村!



「『異空間移動魔法能力』!!」

今、アタイたちは魔法能力をかけ、

ホタル村を後にした。

ただ、たったひとつ気がかりがある。

「ねえ……あいつが言ってた、『仲間』って……一体誰が……」

そう、闇能力使いが言ってたこと。

『仲間』とか、次の村でなにが起こるのか……

「次の村は、『お菓子村』の予定ですよ。

まっ、先のことは気にしないほうがいいです!

前向きに、前向きに!」

メリヤスちゃんらしくない言葉。

自分も相当心配してるくせに、無理してるのがみえみえですよ。

「……まあ、それもそうだねっ!

さあ、トランプでもしよっか!!」

――それから数時間――

「さあ!ここがお菓子村!

お、おいしそお~!!」

「すっごいです~!

お菓子の家に、チョコレートの滝!

あめの草花もきれいー!!」

キャビアちゃんも、感動してる。

「ここは、すべてお菓子で出来てるんです。

きれいでしょう?」

「女の子が一度は憧れる、

おとぎ話のようなところなんですよここは!」

「それに、ここにしかないイベントもたくさんあるんだよお!」

「おいしいものがいっぱいあるのも、お菓子村のいいところだぜ!」

「それに最近観光地として人気なんだ。

君たちもきっと気に入るよ!」

アタイたちの目の前に、

くまの女の子、ペンギンの女の子、

ネコの男の子、オオカミの男の子、ネズミの男の子と順番に並んだ。

「はじめまして!わたし、メープルと申します!」

「わたしは、オーロラです」

「ボクは、ニコバンだよ~」

「オレは、ロボだ」

「おいらは、ピース!」

アタイたちはポカンとするばかり。

5人は、アタイたちに聞く。

「あなたたちは?

やっぱり、旅行ですか?それとも、お引越し?」

メープルさんが、首をかしげる。

声がキレイな人……

「あの……皆さん?」

今度はオーロラさんが聞いてきた。

あっ、ボーっとしてた!

「あ、アタイたちは占い屋!マジック☆クローバーと申すものです!」

あわてて返事をしたら、5人はにっこり笑ってくれた。

「占い屋さんですか。

がんばってくださいね!

わたしたちも後で行きます!」

笑顔で手を振る5人に見送られ、村に入る。

「それにしても、甘いニオイのただよう村だなあ」

ブンジロウが、鼻をひくひくと動かす。

「いいにおいじゃん!じゃ、早速営業開始だ!」

アタイは、店の看板を『準備中』から『営業中』にくるりとひっくりかえした。