マジック☆クローバー 作者/蜜◆4S1Ttn1X06

☆13話  キャビアの悩み



「じゃあ、話を聞かせてもらえますか?」

「あ、はい、実はわたし……霊にとりつかれてるんです」

……霊?霊かあ……って!

「霊ーっ!オ、オバケエー!!」

「落ち着いてくださいヒャクパーさん!」

落ち着いてってメリヤスちゃん……

最初の依頼がオバケ関係なんて、

レベル高すぎるよー!!

「ではキャビアさん、なぜとりつかれてしまったんです?」

それに対してメリヤスちゃんは落ち着きすぎだよ!

そんなアタイたちをよそに、キャビアちゃんは話始める。

「はい、それは1年前のこと……

わたしには、『ユキちゃん』という親友がいたんです。

彼女はとってもやさしくって、わたしとすごく気が合ういい親友でした。

でもある日――

『ユキちゃん!もうおそいから帰ろ!』

『うん!キャビアちゃん、また明日!ばいばい!』

『ばいばい!』

そして……歩き出そうとしたとき……

『きゃあー!!!』

『ユキ……ちゃん?』

まわりからおばさんたちの声が。

『女の子が川に落ちたわ!』

『早くたすけてあげないと……』

『でもこんな流れがはやくちゃ助からないよ』

『ユキちゃーん!ユキちゃーん……』

わたしは必死でユキちゃんの名を呼んだけど、

返事が返ってくることはありませんでした……

そしてユキちゃんは1週間後、海で発見されたそうです……

もちろんユキちゃんは助かりませんでした」

「そ、そんな……」

そうだよね……どうりで悲しいふいんきがただよっているはずだよ……

「そして……ついにユキちゃんの霊は、

半年前に現れたのです。

それはわたしが他の村へお出かけしようとしたとき……

『門番さん!○▽村にお出かけしますー!!』

『わかりました!いってらっしゃいであります!』

『いってきまー……す?!』

すると、目の前にユキちゃんがあらわれて、

首をしめてきたんです……

『いかないで……さびしいよ……一緒にいて……』

『ユキちゃん……わかったから……はなして……』

『わたしたちは、いつでもいっしょだよね……?』

それからたびたびユキちゃんが現れるようになって、

『わたしたちはいつでもいっしょだよね……?』

といって、消えていくんです……」

「なるほど……そうだったんですか」

メリヤスちゃんも悲しそうに言う。

そして、キャビアちゃんは静かに、強く言った。

「どうしたら……ユキちゃんを天国にいかせることができるのでしょうか?」