マジック☆クローバー 作者/蜜◆4S1Ttn1X06

☆27話 『雪祭村』って……?
「はあー、つーかーれーたー」
ももこちゃんが、ため息と文句を言う。
「あともうちょっとだよ!
ガマン、ガマン」
アタイも励ますけど、実際、アタイもつかれてる。
でも、『魔法能力』の先輩として、弱気なことは言っちゃいけない!
って思ってるんだ。
「ねえメリヤスちゃん、次の村はそんなに遠いの?」
アタイが聞くと、メリヤスちゃんはこくりとうなずいた。
「今度の村は、異次元にあるんですよ。
ある限られた人しかはいれない、魔法でつくられた村なんです」
魔法の村……おもしろそー!!!
ももこちゃんもおなじことを考えているらしく、
目を輝かせている。
「メリヤスさん!ヒャクパーさん!それとももこさん!」
「そ、それとってなによー!!」
キャビアちゃんとユキちゃんが、店の奥からはしってきた。
ももこちゃんは、それとって言われたことに、ムッっとしてる。
いちいち細かいことを気にするタイプなのだ。
「図書室で見つけましたよ!!今度の村、『雪祭村』のことが詳しく書かれた本!」
ももこちゃんが言ったことは無視し、キャビアちゃんたちは続ける。
あ、ちなみにこの店には図書室も設置されてるんだ!
「読みますね。
『雪祭村……それは、魔法で作られた、魔法の村。
ある条件を果たした人だけがその村にゆけるのだ。
雪祭村は、マイナス30℃という一面雪で真っ白の世界。
そんな中で、毎日祭りが開かれている。
それが雪祭村なのである。』
……ですって」
雪かあ……クローバー村にはふらないからなあ。
ちょっと楽しみ!
アタイがそんなことを思っていると……
「ちょっとお!マイナス30℃ってなによ!
みんな凍っちゃうわよお?!」
ももこちゃんが、叫んだ。
ん?マイナス30℃……
「ほ、ほんとだあ!!
どうしよ!!!いけないじゃん!!」
ももこちゃんと二人であわてまくるアタイ。
でも、やっぱりメリヤスちゃんは冷静に。
「もう、おちついてください!
『魔法能力』をつかえば、大丈夫です!」
「あ……そっか」
アタイとももこちゃんで、顔をみあわせた。
「ももこさんとヒャクパーさんで、
あわてっぷりが2倍になりましたね!」
「あ、あはははは……」
「なっ、あわてっぷりが2倍ってちょっとおー!!」
アタイは苦笑い。ももこちゃんはさわいでる。
「さて、あともうちょっとになりました!
雪祭村まで、あと少しです!」

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