マジック☆クローバー 作者/蜜◆4S1Ttn1X06

☆37話 本当の気持ち
「たいへいた……」
セバスチャンは悲しい表情を浮かべる。
彼を救うには、どうすれば……!
「ハッケミィさん!たいへいたを救うには、どうしたらいいの?!」
アタイが聞くと、ハッケミィさんは闇の能力者を指差した。
「あいつが持っているビー玉くらいの玉に入っている、たいへいたを取り戻すのよ。
そしてたいへいたを玉から取り出せば、村も戻るし、たいへいたも助かるわ」
「よしっ、じゃあ『呼び出し能力』!」
「……『シールドコピー』」
ああっ、あっさりかわされた!
闇の能力者の周りは、しっかり能力で守られていた。
どうすれば……あ!
「ねえ、メリヤスちゃん、ももこ、こっち来て!」
「なんですか?」
「んなっ、いつ呼び捨てにしていいっていったのよ!」
「そんなことはいいから。
とにかく、コソコソ……どう?」
我ながらいい作戦!
絶対、大丈夫。
「わかりました!」
「わかったわよ」
よしっ、準備はオッケー!
「さっそくっ!『呼び出し能力』っ!」
「そんなの、何度やったって同じだよ」
「……と見せかけて『シールド破り能力』!」
ももこが後ろから攻撃。
そこで後は……!
「そしてもう一回!『呼び出し能力』!!」
「ひっ卑怯な!」
闇の能力者があわててる。
作戦成功!?
「おぼえてろよお!」
能力者が消えると同時に、コロンっとビー玉が転がった。
「……」
セバスチャンが大事そうに拾う。
すると、ピカッとまぶしい光が……!
「セバスチャン」
「たっ、たいへいた!!」
ブルバード村の過去で見たとおりの茶色いクマが、セバスチャンの前に立っていた。
「ごめんよ。成績優秀で、スポーツ万能で、
みんなからみとめられているおまえがうらやましくてさ。
ホントーに、ごめんっ!」
「たいへいた……」
たしかに、そうだよね。
セバスチャンは、成績優秀だし、スポーツ万能だし……って、ええ?!
「セバスチャンて、成績優秀?!
つまり優等生ー?!」
スポーツ万能てとこは納得だったけど。
そ、そうだったんだ。
「ま、それはいいとして、たいへいた、これからはこのことを親にはなせば、
きっと分かってくれるさ。
これからはここに住もう!!」
「ああ!」
ああ、美しい友情!いいなあ……
「ちょっとヒャクパーさん!」
「あっユキちゃん!
あ、もしかして、最近出番少ないからひがんでんの?!ゴメン!」
「そうじゃなくて!クローバーのかけら!
6人目はセバスチャンだったんです!」

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