【ホラー系おい森】絶海の孤島で       ピクミン ◆xr/5N93ZIY /作



第四話 空の花束



「……ハァ、ハァ」

何だあのバケモノは。「お日様にさよなら」だって? つまりもう
僕はお日様を拝めないと言うことだ。あのまま居たなら確実に
殺されていただろう。あいつは危険だ。これからはあまり近寄り……

「ねぇ、マロン君」

(……ぎゃあぁぁぁ!!)

悲鳴を堪えて、何とか口を開いた。

「な、何でしょうか?」
「はい、お礼。アルバイトお疲れ様」
「ありがとう……」

僕はその葉っぱを受け取ると、一目散に逃げ出した。ヨノワールが
僕に追いつくなんて考えてなかった。よく考えると、奴は空を
飛べるのだ。僕に追いつくなんて……

「……えっ」

なんと奴は壁をすり抜けた! そうか、だから僕に追いつけたのだ。
あいつ……何なんだ? 幽霊なのか? 悪霊なのか? 目玉なのか?
そんな事はともかく、僕は北西に行った。たぬき商店の隣にある、
「空の花束」だ。なんの店かは分からないけど、とりあえず行った。

「ジグザグマさんからのお届け物で~す」
「あっ、ありがとうでしゅ!」

中には服がある。なるほど、此処は服屋なのか。その店の中には、
緑色の毛と、白色の四肢をしたハリネズミが立っていた。……可愛い。

「えっとこれは……古いミシンでしゅか!? ジグザグマによろしく
言っておいて欲しいでしゅ!」

そう言うと、シェイミは僕に葉っぱを渡した。姿を戻すと緑色のベッド
になった。なるほど。これで何とか寝る場所は確保した。後は……
食料だな。

「ペリスケとハッサム」

何とか、二人に渡した。ハッサムはとても怖かった。赤い身体に、
両腕は二つの大きなザリガニのようなハサミだったんだ。
お礼に「シックな時計」をくれた。よし、生活用品は後はベッドと
台所くらいだ。何かないかと、木を揺すってみた。すると……
ゆら~り。葉っぱが落ちてきた。これは家具の葉っぱだ。
戻すと、コーヒーメーカーだった。とりあえず飲み物は確保した。
ほかの木も揺すってみると、「シックなテーブル」だった。
うれしくなってほかにも揺すってみた。すると、何かが落ちてきた。

ぽとん。これは葉っぱではない。

『ブブブブブブブブブ』
「……ぎゃあぁぁぁ!!」

蜂だ。蜂。スズメバチだ。僕は本気で走って逃げた。近くに博物館が
あったので、入らせて貰った。