【ホラー系おい森】絶海の孤島で ピクミン ◆xr/5N93ZIY /作

第一星 変化
「……あれ……」
気が付くとオレは家の前に居た。確か流れ星に何か願いをした事だけは覚えている。目が覚めた時刻は五時。一体何が起きたんだ? おそらく誰かが運んでくれたのだろうが……何かがおかしい。
「まぁいいか……寝る」
オレは家に帰る。家と言ってもとても小さなものだ。質素な床板にボロボロの壁。それにダンボールに乗ったロウソクとパイナップルを似せたベッドがあるだけだ。それでも結構気に入っていたりする。ロウソクの火を消し、オレは眠りについた……
~χ~
「ふああぁあ~……」
窓から来る朝の日差しで目が覚めた。アブラゼミがうるさくジリジリと鳴いている。オレは仕方なく朝食を調達しに行った。眠い。家の近くのオレンジを五つほど取り、皮を剥いてすぐに口に入れる。強烈な酸味が口の中を駆けめぐる! ……忘れていたが今は夏で、これは夏みかんだ。仕方なく口の中で暴れる酸味を治めるために、オレは桃を取り、ガブッとかぶりついた。
ガリッ!!
「あ……あぁああ……」
……勢いよくかぶりついたせいで種までかぶりついてしまった。大丈夫かオレの歯。鳴きそうになりながらオレは桃を食べる。痛みで酸味など遙か彼方へ消えてしまった。オレは少しふらつきながら魚釣りに出かけた。魚釣りと虫取り、それに気を揺らして家具を取るのがオレの金稼ぎなのだ。後はバイトくらいか。
「おっ」
とか説明している間にもう蛸が釣れる。オレはすぐに小さくしてカバンに……小さく!?
「えぇえ!?」
小さく、出来ている。蛸が小さく。
……一体どういう事だろう? こんな事……当たり前だった。なぜいままで気づかなかったんだ? 村のみんなも……
「村の……みんな……?」

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