【ホラー系おい森】絶海の孤島で ピクミン ◆xr/5N93ZIY /作

九匹目 何それ美味しいの?僕はアレルギー。
「なぁ、ライム」
「あい?」
「最初の場所に行かないか」
「イカなイカ……ぷぐふっ!」
「黙れ」
「了解っすレモン先輩……ププ」
レモンの蹴りを受けつつ、僕は最初流されていた場所へと向かう。
※
相変わらず、殺風景で嫌な臭いだ……。イカをぐちゃぐちゃに潰したものが前よりも山積みにされている。まだ生きているようだ。うねうねと動いている。まるで肉片の塊が生きているようで気持ち悪すぎる! ……ちょっと失礼。
「うえぇえええぇ!」
案の定吐いてしまった。気持ち悪すぎだろコレ……これは!
「レモン」
「あぁ」
肉塊の周りに血が滴り落ちていて、ある所へと続いている。岩の壁に大きな草が生えている。もしかして……
「やっぱり」
草はどけることが出来た。小さな洞窟が続いている。
「……どうする?」
「入る。ナイフを持っておけ」
身をかがめて入る。ライトを照らすと……
『誰だ』
「……え」
これは! 脳を締め付けられるような痛みが僕を襲う!
「……ん? おまえら誰」
「いいから、これ、は、なんっ……だ……」
「あぁ、悪い悪い悪い。よっと」
暗がりの中、誰かが口を開いた。カッと氷が響くような高い音がして、痛みは引いた。死ぬかと思った。声の主は……僕達と同じような年頃だ。紫色のさらさらヘアー、背が高い。目は大きく、犬歯が長い。
「俺はグレープ。この村で「残っている者」だ」
「人間」
「そう、人間。話してやろう……」
「この村を」

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