【ホラー系おい森】絶海の孤島で ピクミン ◆xr/5N93ZIY /作

第二十六話 襲来
「……ふぁあぁ」
暑さで目が覚めた。時刻は……まだ四時か。少々早すぎたようだ。念のためにベッドに隠している雷樹の盾と紅の剣と紅のペンダント。ネックレスと言うよりはペンダントの方が近い。僕は床を細工して抜け穴を作った。抜け穴にタツノオトシゴと剣、盾を置く。……作戦会議の為にリーフィアを呼んでおくか。
「リーフィア、いる?」
「……はい」
「一度僕の家に来て。出られる方法を見つけた」
出てきたメロンは、何故か目が赤かった。どうやら泣いていたようだ。なんでもないように振る舞っていたが、やはりショックだったようだ。
僕はメロンを家に入れ、とりあえず桃のジュースを出した。
「……ありがとう」
「大丈夫?」
「……はい」
僕はある程度状況を説明した。メロンもすぐ理解した。……が。ここからが本番だ。どうやって外に出ようか? 剣と盾を持った人がいたら、確実に不信に思うだろう。さて、どうする……?
「なんか暑いね……」
「はい……」
……いや、違う。夏にしては暑すぎる!!
――まさか!
『敵襲! 敵襲! ただちに戦闘態勢にはいるのじゃぁ!』
「敵襲だって?」
「どこから来たんでしょうか?」
『敵は水槽村から来た様子!』
「水槽村か……」
「ねぇ、今のうちに逃げそうじゃないですか?」
「そうだね、少し時間が経ってみんながバラバラになったら滝へ行こうか」
それから、僕達はこっそり抜け穴で時間が経つのを待っていた。……だが、
「ん? 抜け穴があるぞ」
――しまった! あのムキムキのどうぶつに見つかった! ムキムキはすぐに板を外すと、侵入してきた!
「外に出るぞ!」
「はい!」
僕達は外に出た。瞬間、隠し扉が吹っ飛ばされて、ムキムキが姿を現した。瞬間、四つの拳が飛んでくる! 僕は雷樹の盾でガードした! すると、雷樹の盾が光り、放電した! ムキムキは黒こげになって倒れた。僕はリーフィアと滝へ急いだ。
「よし、行くぞ!」
タツノオトシゴ滝へ入れる。
……何も出ない。
「どういう事だ……? なんで何も起きないんだ!!」

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