【ホラー系おい森】絶海の孤島で ピクミン ◆xr/5N93ZIY /作

第七星 秋になりまして。
オレはめずらしく六時に目が覚めた。欠伸をしながら窓を開ける。朝の小鳥のさえずりと梟の声が自然のメロディを奏でている。つい最近まで夏と思っていたが、もう秋になりはじめている。空気が冷たい。オレはロウソクに火を付けて冷蔵庫へ行く。ドアを開け、さくらんぼのジュースを取る。コップに注ぎ、一気に飲み干す。さっぱりした。
「もう秋か……」
こんな恐ろしい村でも季節感がある。オレは北へ上がって掲示板を見に行く。それには、こう書いてあった。【きょう このむらの ひとりが ぎせいになる。たすかりたくば マロンを こ ろ せ
10がつ ついたち 7じ34ふんこうしん】
「何!?」
そう言えば、朝には必ずプテラに会うが……今日は会わなかった。……まさかな。
「落とし砲持ってきて良かった」
オレは下を向いた。
――スパァン!
「……え?」
帽子が真っ二つ。
「……プテラ!」
「おはよう」
そう言いながら、プテラは翼を銀色に光らせ再び突っ込んでくる! 「鋼の翼」だ! オレは落とし砲を放つ! スッと簡単に避けられる!
「……いや、アレだ!」
オレは柿の木に落とし砲を放つ! まだ硬い柿が一気に落ちる!
――ガン!
「よっしゃ!」
柿は見事に頭にクリティカル。プテラは気絶した。
「でも……たかが掲示板に書いてる事で襲ってくるなんて……」
狂ってる。オレはそう思った。

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