【ホラー系おい森】絶海の孤島で       ピクミン ◆xr/5N93ZIY /作



今のマロン達の所有物
包丁、ライト、鉛玉、ロープ、ケータイ(水浸しのため使用不可)、ライター、クーラーバッグ、ビニールシート、鍋




五匹目 家



「で、君たちは何故この島に?」
「海で釣りをしてたら落ちてしまったんです」
「そうか、帰る手段は?」
「ありません」

……こちらレモン。今の俺達の状況を説明しよう。それは、大体十分ほど前の出来事だった。あの井戸からとりあえず出て、テント(仮)の中で持っている物を整理した瞬間、奴らに見つかったのだ。今俺が話している「どうぶつ」は「オドシシ」と名乗っている。茶色い毛皮で鹿を思わせる容姿だ。角は蜘蛛の巣のように何度も枝分かれしている。ライムにいたってはビクビクしていて何を言っているのか分からない。俺はため息をついた。

「なら、うちの村に住まないか? ちょうど家が一軒開いているんだ。いや、別に無理強いはしない。君たちの自由だ」

どうやら、こいつは長老のようだ。どうせ逆らったら殺される。ここは素直に肯定しておいた。長老は「ではついてきなさい」と偉そうに言うと、俺達をあの村に導いた。とりあえずライムがビクビクしているので相手に余裕が生まれる、臆するなと言うと、すこしはまともになった。

「此処だ。掃除していないのは申し訳ない」
「あ、ありがとうございます」
(……だからビビリすぎだって)
「村の皆には伝えておく。明日でも挨拶してみなさい。ほら、地図」
「ありがとうございます」

……さて、とりあえずライムを正気に戻すことから始めないと……。
埃まみれの部屋を尻目に、俺は長いため息をついた。