【ホラー系おい森】絶海の孤島で       ピクミン ◆xr/5N93ZIY /作



三匹目 後ろの誰か



「……」

絶対に誰かが見ている! 僕はずっとこの視線を背後から感じている。しかも、おそらく夜中の三時だというのに、夕方からずっとだ。おそらく、すでに「奴ら」の監視の人間がいるのだろう。……? 「奴ら」は僕達の事を「ニンゲン」と呼んでいた。……奴らは人ではないのか? さらに、さっきの会話から察するに「血の白蛸」らしいものがいるようだ。おそらく最初僕達の船をバラバラにした奴の事だろう。さらに、聞いた話では「血の白蛸」はある海域を常に泳いでいるらしい。つまり、そのルートから離れて行けば確実にこの島から出られる! しかし、それには食料と船が必要だ。船はすでにバラバラだ。とても大きな筏を作ったとしても間違いなく不可能だろう。一体どうすれば……。

パリッ……。

「――!!」

今の音は!? 間違いなく何かが落葉を踏んだ音だ! どうする!? 僕達には逃げ場はない! 絶対に逃げなければ! レモンは寝ている! とりあえず起こす! 

(おい! レモ)
(起きてるよ)
(どうするんだ!? 絶対に何かが居る!)
(まぁとりあえず包丁持ってろ。そして発電ライトのモードを変えておいたから電気付けろ。日光発電モードで充電してある)

僕はテントにロープを使ってライトを付けた。ランプのような形状だ。

(……)

僕達はその後ずっと起きていた。

……風の音だろうか。どこかで誰かが笑った気がした。