【ホラー系おい森】絶海の孤島で       ピクミン ◆xr/5N93ZIY /作



第二十二話 雷!?



「……ふぁあ……」

目が覚めた。今は春から夏へ移ろうとしている。雨がざぁざぁ降っている。時折ゴロっと音を立てて雷が落ちてくる。僕はベッドから出た。さぁ、朝ごはんを作ろう。僕は小麦粉を練って薄く伸ばし、それにチーズと新鮮なトマトとブイヨンスープを加え、最後にウィンナーを切って乗せ、オーブンで一気に焼く。簡単なピザを作った。コクがあるチーズとジューシーなウィンナーがとてもうまい。僕はすぐに平らげた。

「雷が落ちてきたら怖いな……」

僕は窓を見た。相変わらず天気は荒れている。……その時!

『ドゴオオオオオォォォ!』
「うわあぁあぁ――」

空が黄色に光ったと思うと、強烈なイナズマと共に激しい爆発音がした。あまりにも凄い音だったので、僕の声も途中で聞こえなくなった。
そして、辺りが真っ白に染まる。強い振動で僕は立てなくなった。そして、何分か……いや、何秒だったかもしれない。一瞬かも知れないし何十分かも知れない。ようやく立てるようになった。

「うぅ……」

僕はふらつく足で外に出た。どうやら、海辺の近くに生えているヤシの木に雷がヒットしてしまったようだ。ヤシの木が黒こげになっている。
消し炭の真ん中から何かが光っている。何だろう……これは……?

「これは……苗……?」

光り輝く苗。これは……? まさか、あの雷が残したのか……? とりあえず家へ持って行って育てよう。こんな木の苗は初めてだ。とりあえず掘り起こして家の鉢に植えた。

「何だろうこれは。光っている……雷樹と名付けるか」

その日は雷樹をずっと眺めていた。変化が起こったのは次の日だった。