【ホラー系おい森】絶海の孤島で ピクミン ◆xr/5N93ZIY /作

第九話 どっどうしよう
「……どうしよう!?」
「……あまり大きな声はやめて?」
「あっごめん」
今、この状況を突破するには……次の案がある。
①家の何処かへ隠れ続ける。
②気づかれないように家の窓から逃げる
③二階のベッドへ逃げ込む。少しの時間稼ぎ。
④亀がドアを開けた瞬間一気に突破して僕の村へ行く。
①は隠れる所が少ないから難しいだろう。
②は逃げたとしても何処へ行けばいい?
③時間稼ぎにはなるが……
④はリスクが大きい。
僕はそれをメロンに話してみた。
「う~ん、あっ! そうだ! 此処に……」
「えっ……」
「メロンちゃんんんん!!!」
ッバリバリバリ!! ついに亀がドアを突き破ってきた!
ズドンと木片が転がる。僕に緊張が走る。そう……僕達は、今……
薄暗い場所にいる。メロン曰く緊急用に床穴を作ったらしい。
床の板を外し、そこへ逃げ込んだのだ。床を閉めたらもう真っ暗。
何も見えない。彼女は何処だろう。それすら分からない。
(何処……メロン)
(此処だよ)
メロンが手を握ってきた。以外と遠くには居なかったようだ。
上からは亀の歩く音がする。ミシッ。ミシッ。上から埃が落ちる。
僕は思わずむせそうになった。何とか堪えた。
さて……此処からどうしよう? メロンが居ないとなると全員で
村中を捜索するハズだ。となると、見つかるのは時間の問題……
「おや? この板、外れるようだ」
……見つかった!! 僕はメロンの手を握って床を走りだした!
出口はもう少しらしい。僕は急いで走り抜けた! そして、さっと
穴から出る。メロンもすぐ出た。
「このまま僕の村へ出よう! 逃げるんだ!」
「分かった!」
そして、僕達は走った。役所が僕の村と場所が違うので彼女に
案内してもらった。後ろを見ると……もう見つかっている!
亀、蛇、ムキムキの四本腕の灰色の人間、さまざまだ。
「僕の村へお出かけします!」
「はい、分かりましたぁ! それでは少しお待ち下さい」
丸いピンク色の動物はそう言うとなにかの機械に入力し始めた。
腹にはタマゴが入った袋がある。
「くそ! このままじゃ追いつかれる!!」
「来ないで!!」
後ろを振り返ると、メロンがスコップで穴を掘り、!マークが付いた
白い玉を埋めていく! あれは……前僕が引っかかった、落とし穴の種だ!
「もうこの地帯は落とし穴で埋め尽くしたわ!」
亀は悔しそうにメロンを睨む。(にらむ)四本腕の動物はこっちへ
走ってくる。そして……ズボン! 落とし穴にはまった。暴れても
落とし穴にどんどんはまっていく……たしかあれは一定時間が
過ぎると外へ押し出される仕掛けだった。
「はい、開きましたぁ♪」
「よし……行こう!」
僕は門へ駆けだした。彼女は後ろへ……居なかった。
紫色の身体に黄色い×印、頭に雲を乗せた風船に捕まっていた。
風船はふわふわ空へ浮かび……村長の前へ無造作に置いた。
「メロン! …ぐあ!」
もう門は越えられなかった。結界が貼ってあるようだ。
「待って! 僕は……」
「 行 っ て ら っ し ゃ い ま せ ♪ 」
もう遅かった。門は閉じていく……
「メロン!!」
最後、メロンに住民が集まっていくのが見えた。
――バタン!

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