コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。堂々の完結! 皆様ありがとう!
日時: 2015/01/24 21:51
名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: zCMKRHtr)

 拝啓、天国のお父さんとお母さん。
 ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
 私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
 今日も私の前を、

 パンツが飛んでー。

 男の怒声が飛び交ってー。

 何だか炎まで飛んできてー。

 挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
 ……私、人生間違えましたでしょうか?

***** ***** *****

 初めまして、というのもなんですが。一応。
 桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
 私が誰だか当てられるでしょうk((殴
 大変失礼しました。

 ちょこっと上で話の内容を書いたつもりなのですが、分かりませんよねww
 私もこれをパッと見て、何だこれって思いますもん。
 では、これに関する注意点をいくつか。行きますよ。

☆この物語は逆ハーレム要素を含みます。苦手な方はお戻りください。
☆駄作に変わりはないです。
☆恋愛50%、バトル45%、シリアス0.05%、後のは勇気と愛。
☆少しドリームっぽいです(が、そんなに気にはなりません)
☆桐生玲誰? あ、お前知ってるでも嫌いな人は出口はあちらです→
☆また、荒らしやチェーンメール、パクリを行う人も出口はあちらです→

 読みましたか? あの、いくつか多いんでゴメンなさい。
 それでは。


お客様(桐生的目線でご紹介)
由羽様『最初のお客様です。逆ハー、ハーレムおkの方ww』
野宮詩織様『2番目のお客様です。リア友であり、神作を生み出しているお方です!』
ヴィオラ様『3番目のお客様です。キャラを送って下さりました! お互い頑張りましょう!』
蓮華様『4番目のお客様です。キャラを送ってくださいました。使いやすいキャラをありがとうございます!』
秋様『銀ちゃんの推しなお客様です! あざっす!!』
翠蓮草様『先生キャラを送ってくださったお客様です。登場はもう少々お待ち下さい!!』
メデューサ様『結構オリキャラでお世話になっている方です。今回もありがとうございます!!』
ジョーカー様『前作に限らず今作も送ってくださいました!! 感謝!!』
あんず様『翔推しのお客様です。翔君は俺の嫁!!』
北大路様『神様の名前を考えてくださった人です! コメもくださいました』
マリ様『ルールを守って読んで下さった人です。さすが!!』
梨花様『企画の祭りに参加してくれてありがとうございます。コメももらいました!』
愛河姫奈様『キャラクターの質問に答えたら、来てくださった人です! 感謝です!』
暁月様『一気読みをしてくださった人です。根気ある!』
闘神のアスラ様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部も見てくださっています』
抹茶猫様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部の愛読者様。あざっす!!』
藤田光規様『一気読みしてくださった人です。翔君のおし?』
在様『携帯で一気読みしてくださった人です。しにがみのデートがお気に入りだそうでw』
北斗七星様『最初は桐生玲誰と思っていらした方ですが、山下と気づいてくれて幸いです。大丈夫ですよ!』
リア様『下剋上の方も読んでくださりました。ありがとうございます!』
美桜様『この小説をお気に入りにしてくださりました。ありがとうございます!』
粉雪百合様『もう1つの小説「お前なんか大嫌い!!」から来ました方です。ありがとうございます』
miru様『空華推しの人です、ありがとうございます! 一気読みしちゃったんです!』
葵様『こちらは昴君推しですwぜひとも翔君と取り合ってくださいありがとうございます!』
kyon様『こちらも空華推しの方です。なんと、歴代小説を読んでくださった人です!』
凪紗様『黒影寮ではまったお客様です。なんとディレッサさん推しです!!』
結羽凛様『個人的に好きなキャラは翔様だそうで。少し前から見てくださっていたようですよ! Thanksです』

現在劇場版を展開中。
『劇場版。黒影量は今日もお祭り騒ぎです!〜空と海と未来の花嫁〜』
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『劇場版。駆け抜けろ! 地獄と天国と幽閉された死神〜複雑ファジー』>>290 NG>>296


目次
登場人物>>02 皆のオリキャラ大集合>>67 新キャラ>>175
プロローグ>>4
第1章『ウェルカム、黒影寮』
>>5 >>6 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
第2話『とある彼女は銀の鈴』
>>16 >>17 >>18 >>23 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
第3章『銀と白亜と黒影寮』
>>31 >>32 >>33 >>36
第4章『兄より吐き気』
>>39 >>42 >>45 >>47 >>50
第5章『しにがみのデート』
>>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>59 >>60
第6章『俺達の管理人がこんなに可愛い訳がない』
>>71 >>72 >>77 >>81 >>83 >>86
第7章『英学園の愉快な文化祭』
>>93 >>95 >>102 >>105 >>106 >>115 >>118 >>123 >>126 >>129
第8章『神威銀の誘惑』
>>134 >>135 >>136 >>139 >>140 >>146 >>147
第9章『本当にあった黒影寮の怖い話』
>>149 >>154 >>158 >>159 >>160 >>163 >>170 >>174
第10章『突撃☆隣の中国マフィアさん!』
>>176 >>182 >>185 >>189 >>196 >>199 >>204 >>207 >>215 >>220 >>226
第11章『王良家こんぷれっくす!』
>>278 >>281 >>282 >>284 >>285 >>286 >>287 >>288 >>289 >>300 >>303 >>306 >>309
第12章『君と僕〜オリジナルと亜種〜』
>>314 >>321 >>322 >>323 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>333
第13章『黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです』
>>337 >>345 >>346 >>349 >>352 >>353 >>355 >>356 >>360 >>361 >>364 >>365 >>366
第14章『もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』
>>372 >>378 >>379 >>382 >>385 >>386 >>390 >>393 >>394 >>397 >>401 >>402 >>405
第15章『皇高校ホスト部!!』
>>416 >>417 >>418 >>419 >>423 >>424 >>427 >>430 >>433 >>434
第16章『カゲロウタイムスリップ』
>>437 >>444 >>445 >>448 >>452 >>453 >>454 >>455 >>456 >>459
第17章『家出少女の死にかけ人生』
>>460 >>461 >>464 >>465 >>466 >>467 >>470 >>474 >>478 >>481
第18章『今日、私は告白します』
>>490 >>494 >>497 >>500 >>503 >>506 >>521 >>524 >>527 >>528
第19章『進撃の巨人〜ヒーローと死神がやってきた〜』
>>532 >>535 >>536 >>537 >>538 >>541 >>542 >>543
第20章『噂の空華さん!』
>>544 >>546 >>549 >>552 >>553 >>554 >>557 >>560 >>561 >>562
第21章『明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ』
>>565 >>568 >>569 >>570 >>575

エピローグ
>>576

あとがき
>>577

お知らせ☆

現在部門ごとにオリキャラ募集>>19→終了しました!!
企画開始!!
その1『もしも黒影寮の全員が○○だったら』>>82
その2『みんなで神様の名前を考えよう』>>125
その3『黒影寮フェスティバル! 参加者募集』>>263

期間限定小説
10月31日『ハロウィン』>>46
12月24日『クリスマス』>>94
12月31日『大晦日』>>109
1月1日『お正月』>>112
12月7日『寮長・翔の誕生日』>>130 >>132
2月14日『バレンタイン』>>225
2月23日『都立高校一般入試』>>238
4月1日『エイプリルフール』>>311
7月7日『七夕&銀ちゃんの誕生日』>>387

童話パロディ
『白雪姫』>>63>>68
『赤ずきん』>>87 >>92
『シンデレラ』>>274 >>277
『7匹の子ヤギ』>>409 >>412

黒影寮は今日は作者と質問日和!
神威銀>>124
東翔>>155
椎名昴>>188
王良空華>>241
二条蒼空>>261
堂本睦月>>354
月読怜悟>>357
祠堂悠紀>>400

企画小説『黒影寮主催☆やりたい事は何でもやっちゃうぜふぇすてぃばる!』開催中

・メデューサ様
もしも『黒影寮の住人とその他のキャラの能力』が『ごちゃまぜ』だったら>>85
バレンタイン『お相手:蒼空』>>219
・あんず様
もしも『東翔』が『スクール水着』を着たら>>89
翔が性転換して昴と付き合うことになったらどうなるか>>367
・蓮華様(現:夕遊様)
もしも『黒影寮の全員(つかさ除)と高梨羅』が『性転換』したら>>91
もしも『黒影寮の全員+高梨羅』が『性格ごちゃまぜ』になったら>>114
バレンタイン『お相手:鈴』>>224
・マリ様
『神威鈴が銀の体を乗っ取り東翔にいたずらを仕掛けよう!』>>273
・梨花様
『神威銀を怒らせたらどうなるか?!』>>317
・北斗七星様
『銀ちゃんが幼児化したらどうなるか!!』>>510
『もしも銀ちゃんが本物のビッチだったら(VS翔)』>>513
・kyon様
『銀ちゃんに彼氏がいたら』>>516

番外編
俺は今日、恋を始めます『羅(男)×銀』>>148
翔ちゃんなう!『翔×昴×大地』>>283
どうかこの手でもう1度『蒼空&睦月』>>449
断章『下剋上☆黒影寮!!』
>>485 >>486 >>487 >>488 >>489

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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。オリキャラ募集!詳しくは本文へ ( No.52 )
日時: 2011/11/05 14:16
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: なんやかんやで参照が100を突破。すげ。

第5章 しにがみのデート。


「ん。美味い」

「……ハァ、そうですか」

 翔さんに連れてこられた場所は、何とも可愛らしいお店です。お客さんは9割近くが女性。
 その中に翔さんは、自分の身長を超すのではないのかというぐらいに大きいパフェを、ものすごい嬉しそうな笑顔を浮かべて食べていました。
 私はついでに頼んだコーヒーをすすります。

「あの、翔さん。どうしてそんな甘いものが食べられるのですか?」

「悪いか?」

「話がかみ合ってません。どうして食べれるのですか、と訊いたんです」

 翔さんはバニラアイスクリームを口に運びつつ、答えてくれました。

「好きなんだよ、昔から。糖分を1日1回は摂取しないといらつく」

「そうなんですか……」

 どこの漫画の主人公ですか。

「コーヒーとか無糖じゃ飲めない。砂糖たくさん入れないと嫌だ」

「そうなんですか?」

 意外な発見です。苦手なものは女子だけかと思いましたが、案外苦いものが苦手な方なんですね。
 可愛らしいところもあるじゃないですか。白亜さんの言葉で言うと、『ツンデレ』でしょう。

「何かよからぬ事を考えてるな?」

 翔さんがビシッとスプーンを突きつけてきました。先端からは炎が少しだけ出ています。
 長いものを媒介とすれば、何でも鎌に出来てしまうのでしょうか?

「と、ところで、翔さんって女の子が苦手なんですよね?」

「あぁ?」

「え、だって私はビッチって言うじゃないですか。それを聞く限りだと女の子が苦手としか言いようが……」

 するとそこへ、グッドタイミングで女子高生が私達のもとへ来ました。
 いわゆる、逆ナンです。

「あのぉ、よろしければご一緒にお茶しませんかぁ?」

 女の子らしい仕草、とでも言いましょうか。顎に手を当ててニッコリとほほ笑みました。後ろにいる女の子も翔さんの事が気になるようです。
 そうですよね。翔さんは女の子らしい容姿をのぞけばかなりのイケメンさんですから。羅さんは嫌ってますけどね。
 翔さんはくわえていたスプーンをパフェに突っ込むと、

「女ぁぁぁあああああ!!!」

 絶叫して机の下にもぐりこみました。
 私と女子高生、唖然です。

「ちょ、翔さん? ここ、お店ですから。叫ばないでくださ——」

「女は来るな反吐が出るぅぅ!!」

 昴さん助けてください。翔さんが暴走しております。
 女子高生は何が何だか分からない、という顔を浮かべて翔さんから離れて行きました。
 翔さんはそれを見計らうと、机の下から出てきてまたパフェを食べ始めます。

「あの、翔さん?」

「何だ」

 あれだけ叫んでいたのに俺様の様子は変わりませんね。
 ……って、待ってください。

「私、女ですよ?」

「それが?」

 平然と翔さんは首をかしげます。
 あれぇ? 私、女ですよね。でしたら何で、翔さんは逃げて行かないのでしょうか?

「テメェは管理人だろうが。何で逃げる必要がある? もう慣れた、テメェという存在だけは」

「でも、私は女ですし……。あ、もしかして女らしくないですか?」

「嫌いだけど慣れちまったからビッチと呼んでいるだろうが」

 理由が分かりました。私がビッチと呼ばれていた理由が。
 くだらない理由ですね。

「……おい、ビッチ」

「もう。そう呼ぶのは止めてくださいよ。せめて他の奴なら——むぐっ?!」

 口の中にスプーンを突っ込まれました。
 舌の上に広がる、濃厚なバニラアイスクリームの味。とても美味しいです。

「ここ、パフェが美味いって評判だったんだ。1度来てみたかったけど、女だらけだし。昴に言うのもなんか癪だし。だから付き合ってもらっただけだ。美味いだろ?」

 翔さんはニッコリと笑いました。いつもの翔さんからは想像できない笑顔です。
 私も思わずほほ笑み返しました。

「そうですね。美味しいです」

「てな訳でテメェが金を払っておけよ」

「ちょ、何でですか?! 納得できませんよ!!」

「冗談に決まってるだろ。付き合ってもらった分、おごる」

 何でしょうね。いつもの翔さんじゃないような感じがしました。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。オリキャラ募集!詳しくは本文へ ( No.53 )
日時: 2011/11/06 21:44
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: なんやかんやで参照が100を突破。すげ。

第5章 しにがみのデート。


 翔さんはあの大きなパフェを食べて満足したのか、ニコニコとした全開の笑顔を浮かべて店から出ました。
 本当に翔さんはコーヒーをおごってくれました。どういう風の吹き回しでしょうか?

「よし。じゃあ帰るぞ」

「あ、待ってください。私、お買い物をして帰らなければならないので! 先に帰っていてください!」

 そうでした。冷蔵庫の中身が空っぽになりつつあるので、材料を買ってこなければ!
 私は頭の中で必要なものを考えていますと、翔さんが声をかけてきました。

「どのぐらい買うんだ?」

 質問の内容がよく分かりません。

「だから、材料はどのぐらい買うんだって訊いてんだよ。頭悪いのか?」

「なっ! 悪くありません、普通です!!」

「だったら素直に答えろよ。おら、どれぐらい買う必要があるんだ?」

 腕を組んで翔さんは問いかけます。
 えーと、黒影寮の皆さんは結構食べますからそれは大量に買っておかなければなりませんが……。
 今日のメニューはカレーにするつもりなので、他の材料をそろえるのは別に明日でも構わなさそうです。カレーなら2、3日持ちますし、カレーうどんとか作れますし。
 私の話を聞き終わった翔さんは、1度だけ頷きました。

「じゃあ行くぞ」

「ほえ?」

 思わず気の抜けた声を発してしまいました。
 あの、一体どういう事でしょうか?

「だから決まってるだろ。材料をそろえに行くんだよ」

「ほぇ?! 一体どういう風の吹き回しですか? 翔さん、何か悪いものでも食べましたか?!」

 翔さんがこんなに優しいとは思いませんでした。いつも天上天下唯我独尊で行く翔さんとは考えられません。

「別にいいだろ。今日は特に気分がいい。仕事もないし、余計な奴らも出てこないしな」

「は、ハァ……。そうですか。私には分かりかねますが」

 というか、私はトラブルの渦中にいるんですよね。黒影寮の皆様には迷惑をかけてばかりです。
 翔さんはそんな私にチョップをしてきました。

「落ち込んだような顔をするな。別にテメェを悪く言ってる訳じゃねぇんだ。テメェを守るのも俺ら黒影寮の仕事——テメェは管理人としての役目を果たしてくれればOKだ」

「そ、そうですか……? 私はただ『弱い』としか考えられない——」

「そうだな。テメェは確かに弱い」

 ズキリ、と胸が痛みました。
 やはり、私は迷惑をかけているんです。弱いから、迷惑を——。

「だが、それがどうした? 弱い奴にも力はある。もちろん、テメェだってそうだろ? 弱いんなら前線に行く事はねぇ。サポートするって方面もあるだろ? 強いんなら戦い、弱い奴を守る。弱い奴は自分の持てる力を以てして、強い奴を支持する。ギブアンドテイクって奴だ」

 確かに、それなら私にも出来るかもしれませんが……。

「だから、テメェが弱いんなら俺らをサポートしやがれ。ビッチ」

 翔さんは私の額にデコピンを打ちこんできました。
 鋭い痛みが私の額を襲います。うぅ、何だかムカついてきました。

「何でですか! 私には神威銀という名前があるんですー! ビッチって呼ばないでください!」

「ビッチビッチビッチ〜♪」

「翔さぁぁあああん!! もういいです! 翔さんのご飯はカレーにピーマン入れてやります!」

「ま、待てテメェ!! それだけは寮長として見過ごせない!!」

「翔さんがピーマン嫌い名の知ってるんですよー。昴さんに聞きましたし」

「あんの馬鹿野郎……。帰ったら締める!」

 ギャーギャーと騒ぐ私達を見る影に、

 私は、まだ気付かなかったのです。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。オリキャラ募集!詳しくは本文へ ( No.54 )
日時: 2011/11/08 21:50
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 山下愁は馬鹿作者!!

第5章 しにがみのデート。


 とりあえず、カレーの材料はゲットしました。翔さんも手伝ってくれたのでいつものようにたくさん持たないで済みます。
 普段は羅さんに付き合ってもらって買い物を済ませているのですが、今日は翔さんがいます。やはり男の子の方が頼りになりますね!

「こんなに量が……あんのかよ?」

「ハイ。そうですよ? 特に蓮さんや睦月さんなんかはたくさん食べますし。いつもは羅さんに手伝ってもらって寮まで運んでいるんです」

 私が説明しますと、翔さんは荷物を持って顔をしかめました。やはり付き合わせるのは悪かったでしょうか?

「今度から寮の奴らを付き合わせる。睦月辺りがよさそうだな。物質転送で送ってもらえるかもしれねぇ」

「そ、そうかもしれませんが……睦月さんに迷惑がかかるのでは?」

「寮長命令で行かせる」

 また理不尽な事を……。よくこれで嫌われませんね。
 私が疲れたようにため息をつきますと、翔さんが私の荷物に手をかけました。

「持つぞ」

「え、いいですよ。大丈夫です。翔さんだって結構重いものを——」

 任せちゃいましたし、と言い終わる前に翔さんに荷物をひったくられました。そしてそのままズンズン先に歩いて行きます。
 えーと……何かしましたかね?

「ビッチはビッチでも女だ。重い荷物を持たせる訳にはいかねぇ」

「……今日の翔さん、まるで空華さんが乗り移ったようです」


〜一方の空華〜

「へっくしょい! 誰か俺様の噂でもしてるのか?」

「案外『あいつ馬鹿じゃね?』とかいう噂だったりしてね」

「悠紀。そういう冗談はオブラートに包むもの」


 翔さんはくるりとこちらに振り向きますと、私に頭突きをしてきました。
 ゴインと音がして、目の前に星が散ります。まだ昼間だと言うのにもかかわらず、お星様が辺りにきらきらと〜☆

「俺をあんな女好きと一緒にするな」

 淡々とした口調で翔さんはそう言ってきました。
 確かに、考えてみれば翔さんと空華さんは正反対の性格をしていますね。翔さんは女の子が嫌いで、空華さんは女の子が大好き。
 あれ。でもよく考えてみますと、いつも一緒にいる昴さんとも案外性格は反対なのかもしれませんが……。

「昴とは昔から一緒にいる。家族ぐるみの付き合いからだな」

「へぇ。出会いはいつだったんですか?」

「あ? そうだな……。俺は死神だから1700年前ぐらいに生まれたけど……。死神の1歳はおよそ100年だからな。実質俺としては17年生きてるって事になる。昴とは生まれた時からの付き合いだ。俺は当時16だったが」

 100年に1度の誕生日ですか。
 死神って長生きなんですね。死を運ぶ神様だから、でしょうか?
 それでしたら、翔さんはたくさんの事を見てきたのかもしれません。少し訊いてみましょう。

「江戸時代は見ましたか?」

「ペリーの命を狩り損ねたのはちょっと悔しかったな。あれ、俺の兄貴が狩りやがった。俺も徳川慶喜を狩ったがな」

 徳川慶喜が死んだ時、翔さんがお迎えに行ったんですね。
 それはそれは、何とも面白いです。翔さんの人生はたくさんの事を経験してきたのですね。
 その時です。

「動くな」

 耳元で言葉を囁かれた瞬間、私の体は動かなくなりました。
 何でしょう。急激に眠く、なって、きました——。

「銀の鈴、確保」

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。オリキャラ募集!詳しくは本文へ ( No.55 )
日時: 2011/11/12 21:38
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 亀更新万歳!! ゴメンなさい

第5章 しにがみとデート。


〜翔視点〜


 あれ、銀の姿が見当たらねぇな。
 どこかの店でも見てるのか? そりゃねぇな。だとしたら俺に何か言うはずだ。
 じゃあ、あれか? あのクソ白髪(白亜)か男装女(羅)に呼ばれたか? いや、でもそれじゃあ携帯の音色が聞こえるはずだ。
 一体誰が?
 俺が思案に暮れていると、携帯が着信メロディを奏で始める。
 電話の相手は昴だ。迷わずコールボタンを押して通信状態にする。

「どうした」

『翔ちゃん。そっちに銀ちゃん、いる?』

 声のトーンで察すると、何だか焦っているような感じがした。
 昔からの付き合い——というか、まったく成長していない俺としては昴の事は赤ん坊の時から何でも分かる。あいつが嬉しい時の仕草や悲しい時の雰囲気。そして今のような焦った感じの口調。
 ずっとこの姿を維持しているのではなく、昴に合わせて体の大きさを変えている。小学生の時は小学生のような身長に。中学生ならそれに合わせて。そして英学園に来たのも、昴に合わせてだ。
 別に、あいつといれば退屈はしないからな。死ぬまで付き合ってやるつもりだ。

「いや。さっきまで一緒にいたんだがな。何か用事か?」

『これは悠紀が拾った情報なんだけどね、銀ちゃんを狙っている組織が最近現れたんだって』

 銀を狙う組織? それは一体どういう組織だ。
 俺がそう問いかけると、昴は何か紙を漁るようなガサゴソという音が聞こえてくる。

『名前はデュアル・ファイヤ。二重の炎っていう意味の組織で、睦月と同じような感じだ』

 超能力者(サイオン)の集団か。
 睦月は超能力に関してはトップの実力を持つ。睦月を相手にすると少し面倒だ。遠隔念動力で何でもかんでも攻撃を捻じ曲げるし、未来予想で攻撃がどこに来るかを当てるから厄介だ。
 広範囲に攻撃すればいいのだが、それでも自分の体を瞬間移動させてどこかに逃げる。本当に当たらないし困る。しかもダメージを受ければ受けるほど、超能力が増すらしい。

「で、睦月と同レベルの力か?」

『それぐらいの力はないんだけど。睦月が言うには、そいつらの能力は翔ちゃんと同じで炎を操るんだ』

「俺と雑魚を一緒にするな」

 心外だ。
 昴は苦笑いで謝りつつ、説明する。

『能力は発火操作(ファイヤ・ウェイク)ていう能力らしい。もちろん睦月も使える。炎を起こし、そして操るという感じだ』

「へぇ」

『で、ちょっと厄介ならしくて。発火操作の他に遠隔念動力と未来予想がいるらしいんだよね』

「ほう」

『……ねぇ、翔ちゃん。今、銀ちゃんを助けられるのは翔ちゃんだけなんだよ。怜悟や空華や悠紀や蓮だって探してるんだ。でも銀ちゃんの居場所はなかなか見つからない。翔ちゃんは死神でしょ? 名前で人がどこにいるか判断できるんでしょ?』

 昴が少し怒ったような口調になる。
 電話越しでいらついてるな。

『翔ちゃん、銀ちゃんが嫌いなら——いや、嫌いじゃなくても助けたくなければ、俺が代わりに銀ちゃんを助ける。たとえこの体が滅んだとしても、助けに行くよ』

「……出来るのかよ」

 煽るように俺が言うと、昴はただ一言告げる。
 ただ、冷徹な口調で。


『だって、俺は銀ちゃんが好きだからさ』


 何故だろうな。死神である俺に感情が生まれたような感じがした。
 嫉妬。
 渡したくないという嫉妬。
 こいつだけには、渡したくない。

「ハッ」

『何がおかしいんだよ』

「テメェには無理だな。せいぜい俺の活躍をそこから見てるんだな。俺が鮮やかにあのビッチを助け出してやるよ」

『出来るのかよ』

「出来るに決まってるだろ。俺にも意地がある」

 プツッと電話を切り、俺は携帯を操って睦月の番号を呼び出す。
 コールは2回でつながった。

『何や? 今、忙しい——』

「俺が持ってる荷物を黒影寮のキッチンに運んでおけ。断ったら殺す」

『ちょ、待っ——!!』

 何か反論する前に電話を切る。
 上等だ。
 ライバルが身近であればあるほど、勝負は燃える。あんな奴にあいつは絶対に渡したくはない。

「雑魚どもが」

 電柱へ上り、鎌を構える。
 銀が連れさらわれた方向は北西——まだ大丈夫。銀の鈴の力は使われていない。
 面白おかしく助け出してやるよ。この俺が。

「さぁて、死神が主役の喜劇。始まり始まり♪」

 自然と、俺の顔には笑みが浮かんでいたかもしれない。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。オリキャラ募集!詳しくは本文へ ( No.56 )
日時: 2011/11/16 21:41
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 亀更新万歳!! ゴメンなさい

第5章 しにがみのデート。


 何で私はこんなところにいるのでしょう?
 気がつけば、私は何故かロープで縛られていて、そして倉庫に転がされていました。どこの倉庫でしょうか?
 私の周りには3人の男性がいます。
 1人目は金色の髪をくるくるいじっている今時の若者。
 2人目は黒い髪で前髪は見えない少し暗めの少年。
 3人目は炎のように赤い髪をした、口元にピアスをつけた青年です。

「あの、私は何で縛られてるんでしょうか?」

「ひ、ヒィ! ごめんなさい、ごめんなさい!!」

 黒髪の子に訊いたら、いきなり謝られました。怯えているようです。
 すかさず赤い髪の青年が黒髪の少年を殴りました。

「馬鹿! 女相手に謝ってどうするんだよ、岬(ミサキ)」

「そ、そんな事を言ったって……炎(ホムラ)君……。相手は銀の鈴だよ? もし力を発動されたらどうする訳なのさ?」

 岬、と呼ばれた黒髪の少年は私の方を見てきました。
 炎、と呼ばれた赤い髪の青年は、ケタケタと笑います。

「おいおい。そんなのでビビってんじゃねぇよ。銀の鈴はキスしなきゃ力は与えられない。それぐらい、お前も知ってんだろ?」

「そ、そうだけど……」

「炎先輩。俺、彼女に呼ばれたんでもう帰っていいスか?」

「お前は空気を読めよ、姶良(アイラ)!!」

 姶良、と呼ばれた金髪の若者は、携帯片手に唇をとがらせました。

「おう。放っておいて悪いな。大丈夫だ、お前にゃ危害を加えねぇよ」

「だったらどうして縛っているんですか? 危害を加えないなら、何故——」

 炎さんは私の顎に手をやり、上に向かせました。
 引き込まれそうな赤い瞳が私を真っ直ぐに見詰めます。そして炎さんはにやりと不敵に笑いました。

「交渉するんだよ。お前を使ってな」

 まさか、銀の鈴を返してほしくば死ね!! 的な事でしょうか?
 ヒィ! そんなのは嫌です。黒影寮の皆様は死なせません! 死なせたくありません!!

「えい!」

「うがぁ?!」

 炎さんの顔面めがけて私は腕を振り上げました。
 見事にガツンッと腕が炎さんの鼻に当たります。骨と骨がぶつかり合う音がしました。
 赤くなった鼻を押さえつつ、涙目の炎さんは怒鳴ります。

「この女! 調子にのってんじゃねぇぞ!!」

「炎先輩ー」

「何だぁ!!」

 炎さんは姶良さんの言葉に反応し、ぐるりと振り返ります。
 姶良さんは変わらずに携帯を操りながら、倉庫の入り口を指しました。
 光を背負って現れたのは、死神装束を着た翔さんです。手には身長を超すぐらいに長い、柄の赤い鎌を握っています。
 翔さんはぐるりと辺りを見回しますと、チッと舌打ちをしました。

「面倒くせーな。何で捕まってんだよ、ビッチ」

「な、この状況でその名前を使いますか?!」

 いくら何でも酷過ぎるのでは?
 翔さんは倉庫の中に足を踏み入れ、炎さんの前に立ちました。そして嘲笑を浮かべ、言葉を紡ぎます。

「テメェか。うちの管理人をさらったのは」

「さらったのは心外な。交渉をしに来たんだよ、炎の死神」

 翔さんの眉がひそめられます。

「神威銀を——うち、安心院(アジム)寮にくれないか? 管理人として」

「「ハァ?」」

 これにはびっくりです。


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