コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。堂々の完結! 皆様ありがとう!
日時: 2015/01/24 21:51
名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: zCMKRHtr)

 拝啓、天国のお父さんとお母さん。
 ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
 私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
 今日も私の前を、

 パンツが飛んでー。

 男の怒声が飛び交ってー。

 何だか炎まで飛んできてー。

 挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
 ……私、人生間違えましたでしょうか?

***** ***** *****

 初めまして、というのもなんですが。一応。
 桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
 私が誰だか当てられるでしょうk((殴
 大変失礼しました。

 ちょこっと上で話の内容を書いたつもりなのですが、分かりませんよねww
 私もこれをパッと見て、何だこれって思いますもん。
 では、これに関する注意点をいくつか。行きますよ。

☆この物語は逆ハーレム要素を含みます。苦手な方はお戻りください。
☆駄作に変わりはないです。
☆恋愛50%、バトル45%、シリアス0.05%、後のは勇気と愛。
☆少しドリームっぽいです(が、そんなに気にはなりません)
☆桐生玲誰? あ、お前知ってるでも嫌いな人は出口はあちらです→
☆また、荒らしやチェーンメール、パクリを行う人も出口はあちらです→

 読みましたか? あの、いくつか多いんでゴメンなさい。
 それでは。


お客様(桐生的目線でご紹介)
由羽様『最初のお客様です。逆ハー、ハーレムおkの方ww』
野宮詩織様『2番目のお客様です。リア友であり、神作を生み出しているお方です!』
ヴィオラ様『3番目のお客様です。キャラを送って下さりました! お互い頑張りましょう!』
蓮華様『4番目のお客様です。キャラを送ってくださいました。使いやすいキャラをありがとうございます!』
秋様『銀ちゃんの推しなお客様です! あざっす!!』
翠蓮草様『先生キャラを送ってくださったお客様です。登場はもう少々お待ち下さい!!』
メデューサ様『結構オリキャラでお世話になっている方です。今回もありがとうございます!!』
ジョーカー様『前作に限らず今作も送ってくださいました!! 感謝!!』
あんず様『翔推しのお客様です。翔君は俺の嫁!!』
北大路様『神様の名前を考えてくださった人です! コメもくださいました』
マリ様『ルールを守って読んで下さった人です。さすが!!』
梨花様『企画の祭りに参加してくれてありがとうございます。コメももらいました!』
愛河姫奈様『キャラクターの質問に答えたら、来てくださった人です! 感謝です!』
暁月様『一気読みをしてくださった人です。根気ある!』
闘神のアスラ様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部も見てくださっています』
抹茶猫様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部の愛読者様。あざっす!!』
藤田光規様『一気読みしてくださった人です。翔君のおし?』
在様『携帯で一気読みしてくださった人です。しにがみのデートがお気に入りだそうでw』
北斗七星様『最初は桐生玲誰と思っていらした方ですが、山下と気づいてくれて幸いです。大丈夫ですよ!』
リア様『下剋上の方も読んでくださりました。ありがとうございます!』
美桜様『この小説をお気に入りにしてくださりました。ありがとうございます!』
粉雪百合様『もう1つの小説「お前なんか大嫌い!!」から来ました方です。ありがとうございます』
miru様『空華推しの人です、ありがとうございます! 一気読みしちゃったんです!』
葵様『こちらは昴君推しですwぜひとも翔君と取り合ってくださいありがとうございます!』
kyon様『こちらも空華推しの方です。なんと、歴代小説を読んでくださった人です!』
凪紗様『黒影寮ではまったお客様です。なんとディレッサさん推しです!!』
結羽凛様『個人的に好きなキャラは翔様だそうで。少し前から見てくださっていたようですよ! Thanksです』

現在劇場版を展開中。
『劇場版。黒影量は今日もお祭り騒ぎです!〜空と海と未来の花嫁〜』
>>229 >>232 >>234 >>237 >>239 >>240 >>242 >>245 >>248 >>249 >>250 >>253 >>254 >>255 >>258 >>262 >>264 >>265 >>266 >>271 >>272

『劇場版。駆け抜けろ! 地獄と天国と幽閉された死神〜複雑ファジー』>>290 NG>>296


目次
登場人物>>02 皆のオリキャラ大集合>>67 新キャラ>>175
プロローグ>>4
第1章『ウェルカム、黒影寮』
>>5 >>6 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
第2話『とある彼女は銀の鈴』
>>16 >>17 >>18 >>23 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
第3章『銀と白亜と黒影寮』
>>31 >>32 >>33 >>36
第4章『兄より吐き気』
>>39 >>42 >>45 >>47 >>50
第5章『しにがみのデート』
>>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>59 >>60
第6章『俺達の管理人がこんなに可愛い訳がない』
>>71 >>72 >>77 >>81 >>83 >>86
第7章『英学園の愉快な文化祭』
>>93 >>95 >>102 >>105 >>106 >>115 >>118 >>123 >>126 >>129
第8章『神威銀の誘惑』
>>134 >>135 >>136 >>139 >>140 >>146 >>147
第9章『本当にあった黒影寮の怖い話』
>>149 >>154 >>158 >>159 >>160 >>163 >>170 >>174
第10章『突撃☆隣の中国マフィアさん!』
>>176 >>182 >>185 >>189 >>196 >>199 >>204 >>207 >>215 >>220 >>226
第11章『王良家こんぷれっくす!』
>>278 >>281 >>282 >>284 >>285 >>286 >>287 >>288 >>289 >>300 >>303 >>306 >>309
第12章『君と僕〜オリジナルと亜種〜』
>>314 >>321 >>322 >>323 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>333
第13章『黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです』
>>337 >>345 >>346 >>349 >>352 >>353 >>355 >>356 >>360 >>361 >>364 >>365 >>366
第14章『もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』
>>372 >>378 >>379 >>382 >>385 >>386 >>390 >>393 >>394 >>397 >>401 >>402 >>405
第15章『皇高校ホスト部!!』
>>416 >>417 >>418 >>419 >>423 >>424 >>427 >>430 >>433 >>434
第16章『カゲロウタイムスリップ』
>>437 >>444 >>445 >>448 >>452 >>453 >>454 >>455 >>456 >>459
第17章『家出少女の死にかけ人生』
>>460 >>461 >>464 >>465 >>466 >>467 >>470 >>474 >>478 >>481
第18章『今日、私は告白します』
>>490 >>494 >>497 >>500 >>503 >>506 >>521 >>524 >>527 >>528
第19章『進撃の巨人〜ヒーローと死神がやってきた〜』
>>532 >>535 >>536 >>537 >>538 >>541 >>542 >>543
第20章『噂の空華さん!』
>>544 >>546 >>549 >>552 >>553 >>554 >>557 >>560 >>561 >>562
第21章『明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ』
>>565 >>568 >>569 >>570 >>575

エピローグ
>>576

あとがき
>>577

お知らせ☆

現在部門ごとにオリキャラ募集>>19→終了しました!!
企画開始!!
その1『もしも黒影寮の全員が○○だったら』>>82
その2『みんなで神様の名前を考えよう』>>125
その3『黒影寮フェスティバル! 参加者募集』>>263

期間限定小説
10月31日『ハロウィン』>>46
12月24日『クリスマス』>>94
12月31日『大晦日』>>109
1月1日『お正月』>>112
12月7日『寮長・翔の誕生日』>>130 >>132
2月14日『バレンタイン』>>225
2月23日『都立高校一般入試』>>238
4月1日『エイプリルフール』>>311
7月7日『七夕&銀ちゃんの誕生日』>>387

童話パロディ
『白雪姫』>>63>>68
『赤ずきん』>>87 >>92
『シンデレラ』>>274 >>277
『7匹の子ヤギ』>>409 >>412

黒影寮は今日は作者と質問日和!
神威銀>>124
東翔>>155
椎名昴>>188
王良空華>>241
二条蒼空>>261
堂本睦月>>354
月読怜悟>>357
祠堂悠紀>>400

企画小説『黒影寮主催☆やりたい事は何でもやっちゃうぜふぇすてぃばる!』開催中

・メデューサ様
もしも『黒影寮の住人とその他のキャラの能力』が『ごちゃまぜ』だったら>>85
バレンタイン『お相手:蒼空』>>219
・あんず様
もしも『東翔』が『スクール水着』を着たら>>89
翔が性転換して昴と付き合うことになったらどうなるか>>367
・蓮華様(現:夕遊様)
もしも『黒影寮の全員(つかさ除)と高梨羅』が『性転換』したら>>91
もしも『黒影寮の全員+高梨羅』が『性格ごちゃまぜ』になったら>>114
バレンタイン『お相手:鈴』>>224
・マリ様
『神威鈴が銀の体を乗っ取り東翔にいたずらを仕掛けよう!』>>273
・梨花様
『神威銀を怒らせたらどうなるか?!』>>317
・北斗七星様
『銀ちゃんが幼児化したらどうなるか!!』>>510
『もしも銀ちゃんが本物のビッチだったら(VS翔)』>>513
・kyon様
『銀ちゃんに彼氏がいたら』>>516

番外編
俺は今日、恋を始めます『羅(男)×銀』>>148
翔ちゃんなう!『翔×昴×大地』>>283
どうかこの手でもう1度『蒼空&睦月』>>449
断章『下剋上☆黒影寮!!』
>>485 >>486 >>487 >>488 >>489

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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.362 )
日時: 2012/05/18 02:54
名前: 在 ◆zdbRMUTbzw (ID: 5K27D2Vq)

えっと、はじめまして、在と申します((あきらって読むんだよ!あ・き・ら♪((黙殴

遠い所からはるばるやってまいりまし((死

(*´∀`*)<ちょっと待ってネ]

貴方の書く小説は面白いですネ。
丁寧に書かレてある、文章は凄く好きです。

そして、昨日の昼頃、授業中、暇だったので携帯をこっそりと出して((おい

出して、限らレた一時間の中で全力マッハで読みました。
途中、教師にバレて、没収さレました。

次の時間には、返さレたのでまた読みました。
バレませんでした((ww

自分的には『しにがみのデート』は最高傑作だと思います((僕的に、です

途中呼んでいる時に、吹きそうになりましたが堪えました。

『翔ちゃんなう!』萌え((黙

翔君カワイイじゃないか・・・d(*・ω・´*)
はい、また来ます、絶対に((来なくて良い

以下、腐レビッチ使い捨てダッチワイフが通りました。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.363 )
日時: 2012/05/23 14:49
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 吹奏楽部大人気?

在様>>


初めまして、山下愁です! こんな馬鹿みたいに長い小説を読んでくださりまことに感謝します!
授業中に携帯を出しちゃったですと……! 返してもらったようで、安心しましたw
授業中にこの話を考えて考えて前から2番目の席でボーとしている私の方が、先生におかしな眼で見られている事でしょう。
ちょくちょく時計を気にしてますしw

しにがみのデートが個人的にお気に入りですか。ありがとうございます!
実はですね、個人的にあの話が好きです。他の話も好きですが、翔君と銀ちゃんの話ですので☆
『翔ちゃんなう』の方ですが、作者はボカロが大好きでして『リンちゃんなう』をもとにして書きました。すみません、嘘つきました。96猫さんの替え歌をテーマにして作りましたw

これからもこんな逆ハーレムじゃないようで逆ハーレムをよろしくお願いします!

以上・この小説のダメ作者:山下愁がお送りしました。
また来てくださるのを心よりお待ちしております。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.364 )
日時: 2012/05/23 15:33
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: テストなんてくそくらえ。

第13章 黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです


 〜空華視点〜


 それから、蒼空達『戦争組』はすごかった。
 人海戦術とでも言うべきか、戦争組の人数は半端なく多い為、その人数と能力を生かして静かな町の中を走り回った。
 もちろん、翔も俺様も抜かりはない。
 俺様だって、我流忍術家の現当主だからね! 負ける訳にはいかないの。

『蒼空!』

 そこへ、蒼空の名前を携帯のメモ画面を使って打ち込んで、金髪の奴が走って来た。ついでに黒髪の奴も。
 確か、蒼空は金髪の方を奏人、黒髪の方を嵐先輩と呼んでいた。兄弟なのだろうか?

『見つけた! 海の方にいる!』

『でかした』

 蒼空も返答を携帯に打つと、全員に指示するメールを送る。怜央を見つけたとメールを送ったのだろう。
 すると、そろそろ時間が切れ始めているのか、だんだんと辺りに音が戻って来た。

「……チッ音が戻り始めた!」

 翔の声が小さくだけど聞こえてきた。
 海の方に、怜央がいる。ここから大体2キロぐらい。俺様は忍び。
 よし、大丈夫。イケる!

「先に行く!」

「空華!」

 地面を蹴り、星が瞬く夜空を舞う。冷たい海風が頬をなで、錦海町が目下に広がった。
 俺様は家の屋根を伝い、海へと向かう。俺様の足に敵うのは——昴か同じ忍びぐらいだよな。

「……おや、あなた1人ですか?」

 暗い海を眺めていた怜央が、こちらを振り返った。傍らには白髪の狐——美桜がいる。

「貴様なんか、ワシ1人で十分だ」

「ほう、それが噂に聞く王良家初代当主ですか。さぞかし強いでしょうね」

 いけない。銀ちゃんが絡んでいるから初代当主を出してしまった。
 相手が翔みたいな死神ならまだしも、初代当主を出すには早すぎる。俺様1人で十分だ。

「思わず出しちゃっただけだ。お前なんか、俺様で十分なの。黒影寮だって戦争組だって、使わせる訳にはいかないんだから」

「そいつは心外だ。戦争組を舐めてやがるな、この眼帯」

 俺様の声に答えるように、女の声が降って来た。続いて体。黒い髪を舞い上がらせながら着地したのは、番傘を持った女の子だった。
 蒼空は羽傘ちゃんと言っていたか?

「逆羽傘さんですか。どこぞの馬の骨とも知らない小娘が、銀の鈴を守るとは到底思えませんけどね」

「だろうな。でも、あの銀ちゃんって子——とってもいい子じゃん。優しいし気遣ってくれるし、こんな怖そうな顔をしているあたしにだってあの子は近づいてきてくれた。だったら守ってらやらなきゃ」

 羽傘ちゃんは、両目を深紅の色に染めていく。
 番傘を構え、羽傘ちゃんは砂浜を蹴り上げる。女性とも思えない脚力を使って、空を飛び、怜央に番傘を振り下ろすが。

「私がいるのを忘れてない?」

 隣にいた美桜が、しっぽで番傘を受け止めた。
 犬歯をむき出しにして、羽傘ちゃんは激昂する。

「どけ、このくそ狐! あたしの邪魔をするな!!」

「いくらだって邪魔してやりますわよ。ほらほら、来なさいよ!」

 もう1本のしっぽで羽傘ちゃんを横薙ぎに吹っ飛ばす美桜。だけど、羽傘ちゃんはくるりと宙返りをして事なき事を得た。
 あっちは問題なさそうだね。
 だったら、俺様はこっちの方をやりますか。

「美桜にやられていれば、楽に気絶できましたのに。私ですとそうはいきませんよ?」

 怜央はお札を取り出した。それを俺様に向かって投げつける。
 ひょいと軽い調子でよけた。お札は俺様の足元に落ちる。下手くそだな。

「投げるってのは、こうするんだよ!」

 俺様はベルトから苦無を1本抜くと、怜央に向かって投げた。
 が、どういう訳か、的確に怜央の目を狙ったはずなのに、苦無は何かに弾かれた。どういう事だ?

「『悪しき呪いをその身にまとう者よ————』」

 その時、右目からビキリと音がした。
 激痛が脳髄を貫く。眼帯の上から右目を押さえ、俺様は砂浜に膝をついた。
 この痛み——まさか、この目の呪いを強くして俺様を殺そうと言うのか?

「『今こそ解き放たれよ。悪しき呪い——』」

 朗々とした声は、俺様の体を蝕んでいく。
 激痛に耐えきれず、悲鳴を上げてしまった。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!」

***** ***** *****〜蒼空視点〜

 全員を集めて海へ行こうとしたら、空に悲鳴が上がった。
 もうすでに博先輩のサイレントは解けている。この声は、空華の悲鳴?
 まさか。空華は忍びで、痛いのには慣れているはずだぞ? それなのに、何で悲鳴が起きるんだ?

「とにかく行こう!」

 海へは直線距離で2キロ。まっすぐ走れば海へつく。
 防波堤が見えてきて、俺はコンクリートの壁をよじ登って海の様子を見た。
 羽傘ちゃんと美桜が戦っている。どちらも互角だ。
 だけど、問題である空華は違っていた。地面にしゃがみ込んで、今にも倒れそうな状態で、眼帯がされている右目を押さえている。
 やっぱり空華の悲鳴?

「お前、何してんだ!」

 俺が向かうが早か、昴が反閇を発動させた。黒い陣を足にまとい、怜央に向かって蹴り飛ばす。

「闇解(アンカイ)!!」

 黒い魔法陣が怜央に飛んで行くが、何かの壁に弾かれてしまう。
 一体、何?

「野郎……空華の呪いを強化して、確実に殺そうとしているな! リネより凶悪だ!」

 鈴は緋扇を取り出し、それでディレッサと紫月を呼び出す。

「ディレッサ、怜央の能力を食えるか?」

「今は結界のようなものが張られてるから、今は無理」

「それも結構強力だよ。僕らの力でも、あの結界を破れないかもしれない」

 ディレッサと紫月は難しそうな顔で言う。何で紫月は翔に抱きついているんだろうな?

「え、だって久々の翔兄とイチャイチャできるし?」

「翔ちゃんは男ですけど」

「翔兄に気に入られたぐらいで僕様に敵うとでも思っている訳? この人間!」

 紫月は呆れている翔にしがみついたまま、昴を罵倒する。
 結界ねぇ。

「梓、任せた!」

「合点!」

 絶対殺しの梓を投入し、結界に触ってもらう。
 バチンという音がして、結界が破れた。さすが梓!
 俺は急いで空華に駆け寄る。

「空華、空華! 大丈夫か、しっかりしろ!」

「う、うぁ……」

 空華はふらりと俺の腕に寄りかかる。いや、これが可愛い子ならいいんだけど、BLじゃないんだからさ。
 あとから駆け寄って来てくれた黒影寮+戦争組に空華を渡す。

「銀ちゃん、空華を回復させておいてくれる?」

「か、構いませんが……」

 鏡の中から、銀ちゃんが不安げに言う。
 何故か? 俺は今、怜央と対峙しているからだ。理由は簡単、空華を傷つけたから。

「お前は、俺の大切な仲間を傷つけた。こんなになるまで傷つけた!」

「それが一体どうしたと言うのですか?」

 怜央は首を傾げた。
 どうしただと? ふざけるな、俺は仲間を傷つけられるのが1番大嫌いだ!

「お前は、絶対に許さない!!」

***** ***** *****〜銀視点〜

「お前は、絶対に許さない!!」

 蒼空さんがそう怒鳴ったと同時に、私と鈴は入れ替わりました。
 その時です。
 私は、蒼空さんの異変に気づきました。
 なんと、蒼空さんの右腕から刀の柄のようなものが見えたのです。蒼空さんは右腕の刀をずるりと抜きました。
 怜悟さんが使っているものとはまた別の、短い日本刀です。

「紅月モード」

 理央さんが言いました。顔はかすかに笑顔を浮かべています。

「このモードの蒼空は、最強だ!!」

 理央さんは、私達の勝利を宣言しました。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.365 )
日時: 2012/05/25 22:08
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: テストなんてくそくらえ。

第13章 黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです


 蒼空さんの瞳が赤くなりました。理央さんが言うには、これは『紅月モード』と言うのだそうです。この能力があれば負けなしだとか。
 それははたして、『リヴァイアサン』にも効くのでしょうか?

「蒼空ー、って二階堂紅月(ニカイドウ/コウゲツ)の方か。じゃあ今は話しかけない方がよさそうだな」

 羽傘さんが番傘を肩に担いで、こちらへやってきました。どうやら美桜さんはぼろぼろに叩きのめしたようです。

 山下愁より解説。
 紅月モードというのは、蒼空の前世である『二階堂紅月』を呼び起こすというものである。
 この時は重力操作など蒼空特有の能力は使えないが、爆発的に筋力を増加する為、今は昴にも匹敵する脚力・怜悟に匹敵する腕力・空華と翔に匹敵する攻撃力が備わっている。
 ある意味無敵状態なのだが、蒼空には自覚なし。

 蒼空さんは怜央さんを睨みつけたまま、肩に手をかけました。肩に乗っているのは、小さな妖精のリデルさんです。
 リデルさんを手のひらに乗せると、私に押しつけました。

「リデル。敵の数だけ教えて」

「わかったのー」

 リデルさんは私の手のひらで敬礼すると、素早く私の頭の上に乗りました。途中で羅さんが悲鳴を上げていました。
 蒼空さんは軽くほほ笑むと、日本刀を握ります。
 怜央さんは眉をひそめていました。

「何ですか、その紅月モードなんて。『リヴァイアサン』の報告書にはない事ですね……」

「何を話している?」

 どうやら自覚がないようです。
 怜央さんはボロボロにされて砂浜の上に寝かされている美桜さんへちらりと視線を投げ、ため息をつきました。

「私の使い魔をよくもあんなまでにボロボロにしてくれやがりましたね。私も穏やかではありませんよ」

「言ってろ」

 怜央さんはお札を数枚取り出して、空へ向かって投げつけました。

「『古より使えし魔よ。我が命に従い、彼のものを滅せよ』」

 底から響く声で、怜央さんは呪文を唱えました。
 お札が黒く染まって行き、ぼんやりと影のようなものが現れます。それを見たディレッサさんが、興奮したように言いました。

「あれって死霊じゃん! 使えられるんだ! 食ってみてぇ!」

「食べれるならどうぞ」

「え、いいのマジで? うわっほー、いただき——」

 ディレッサさんが死霊とやらに食らいつこうとした時、蒼空さんが刀をディレッサさんに突きつけました。一体何をしようとしているのですか?!

「邪魔するな。これは俺の戦いなんだよ」

「だって死霊って食った事ないもん! 滅多に出てこないし、天国にもいなかったしさ。だから食わせろつべこべ言わずに!」

 ザンッと。ディレッサさんの髪の毛が数本舞いました。
 何が起きたのでしょうか?

「お前の存在を——消すぞ」

 鋭い眼光でディレッサさんを睨みつけます。
 ディレッサさんは何も言わずに引きさがりました。その表情は難しそうな感じです。
 蒼空さんは死霊の方へ向き直りますと、日本刀を空中に滑らせました。まるで予告ホームランのようです。

「紅瞬月(クレナイシュンゲツ)」

 トンッと音がしたと思ったら、蒼空さんが消えました。
 次の瞬間、死霊達が粉みじんまで切れてしまったのです。

「死霊は、普通の刀では切れないはず……。一体何をどうしたら切れ——」

 怜央さんの首筋に、日本刀が突き立てられました。蒼空さんが赤く輝く鋭い目で怜央さんを睨みつけ、低い声で言います。

「この刀でお前の首を掻っ捌いたらどうなる?」

「……血を流して哀れに死にますか。いいでしょう、それもまた一興。子孫を残せなかった事は悔しいですが、これでも精一杯生きたつもりです」

「馬鹿か」

 これには、嵐さんが言いました。戦争組の皆さんも頷いています。
 怜央さんは再び眉をひそめて、戦争組に問いました。

「では何だと言うのです? 死ぬ以外にあるのですか?」

「紅月モードの刀は切れない。不思議な力——まぁ幽霊とか、お前の能力とかだけを切るんだよ」

 合点がいきました。
 だから蒼空さんは先ほど『切れない』と言っていた死霊を切れたんですね。能力を切るとは——どういう事でしょうね。ディレッサさんと同じような感じでしょうか?

「ピンポンポン。大正解」

「おい、そこの30代のおっさん。銀ちゃんの心の中を読むんじゃねぇよ」

「さっきから口に出していた銀ちゃんは咎めないの? 心なんか読めないよ、天音じゃあるまいし」

 ディレッサさんと同じ————?

「あれは俺の力が含まれているね。まぁ鈴に調伏される前に力を分け与えるみたいな事をやっていたから、それの類かも」

 でも、普通は神社とかに祀られているんだけどなー、とかディレッサさんはつぶやいていました。
 蒼空さんは怜央さんを突き飛ばします。砂浜の上に転がった怜央さんに刀の切っ先を突きつけ、蒼空さんは言いました。

「お前の能力は切りたくない。だから————3秒以内にここから立ち去れッッッ!!」

 怜央さんはその怒鳴り声を聞いて、舌打ちをしました。砂浜に転がっている美桜さんをお札の中に収めますと、静かに立ち上がります。そして煙のように消えました。

「フフフ。ではまたお会いしましょう——いつか」

「もう会いたくねーや!!」

 蒼空さんは誰もいない空に向かって叫び声を上げました。

***** ***** *****

 翌日の駅のホーム。戦争組の皆さんが見送りに来てくれていました。
 緑色の電車に乗る際、理央さんが拳を蒼空さんに突き出します。

「祭りで稼いだ金は、東京に行く時に使ったる。今度はこっちがお前に会いに行ってやるから、黒影寮に泊まらせろよ」

「寮長に言ってください」

 蒼空さんは苦笑いで理央さんが突き出した拳に、拳をぶつけました。
 駅のホームに汽笛が鳴り響きます。蒼空さんは電車に乗り、窓を開けました。

「戦争組、まだよろしくな! 卒業したら、絶対こっちに戻って来るから!」

「約束だぜ、蒼空! それまでリーダーは俺だ! だけど、いつまでも戦争組のリーダーはお前だ!!」

 そんな友情を見せつけてくれました。青春ですね。
 ホームを離れ、海が見える道を電車は行きます。

「蒼空さん」

 私は海を見つめる蒼空さんの背中に声をかけました。

「いいお友達ですね」

 蒼空さんはこちらへ振り返り、満面の笑みで言いました。


「だって、戦争組だからな!」

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.366 )
日時: 2012/05/26 22:16
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第13章裏書き!


山下愁「第13章も終わり、ますますバカみたいな青春小説になってきました。山下愁です」

神威銀「神威銀です」

二条蒼空「二条蒼空です!」

織川理央「織川理央です」

木崎音緒「木崎音緒です」

浅比奈奏人「浅比奈奏人です」

山下愁「と言う訳で、こちらは俺ら戦争のトップ4でございます」

神威銀「今回はお世話になりました」

木崎音緒「いえいえ、こちらも楽しめたよ。色々と」

神威銀「い、色々と?」

浅比奈奏人「だって、お前の浴衣姿がめっちゃ可愛いし☆」

神威銀「な、な?!////」

二条蒼空「止めろよ、お前ら! 銀ちゃんが真っ赤になってるじゃん!」

織川理央「何だよ蒼空。銀ちゃんが好きなのか?」

二条蒼空「好きだ!」

木崎音緒「大胆告白? やるぅ」

浅比奈奏人「で、お前の感想は?」

神威銀「え、あの////」

山下愁「え、何? 脈あり? 翔君は捨てたの?」

神威銀「捨ててません! ていうか、結ばれてもいませんから!」

浅比奈奏人「え、何。こいつ彼氏いんの? うーわー、モテる女は違うね」

神威銀「何でそういう事を言うんですか?」

織川理央「でも、神威さんがモテるのも分かりますよ」

二条蒼空「料理できるし」

織川理央「気配りできるし」

木崎音緒「何より美人だし」

浅比奈奏人「純情で超可愛いし」

トップ4「「「「もう最高!」」」」

神威銀「〜〜〜〜〜〜〜〜〜/////」

山下愁「あ、銀ちゃんが逃げちゃいましたね」

高梨羅「作者。どうしてあたしの出番が少ない」

山下愁「あ、羅ちゃんではないですか。どうもお久しぶりですね」

高梨羅「久しぶりじゃねぇよ! どうしてあたしは銀ちゃんとラブラブイチャイチャできてねぇんだよ!」

山下愁「あー、止めて。暴力反対」

織川理央「ていうか、女子同士の結婚とか交際とかできると思ってる訳?」

高梨羅「黙れ、このイケメン。へどが出る」

織川理央「日本の法律を無視できるとでも思っている訳? 馬鹿なの?」

高梨羅「愛があれば何だっていいんだよ! この馬鹿、イケメン!」

木崎音緒「フーン、理央にそんな事を言っちゃうんだー」

浅比奈奏人「うちの知将をいじめるとどうなるか思い知らせないといけねぇらしいな?」(電柱を装備)

高梨羅「何を? 物質分解に勝てるとでも思っているのかテメェは」

山下愁「ハイハイ! いい加減にしてくださいもう!」

轟白亜「そうですよー、羅さん」

高梨羅「あ、白亜」

轟白亜「どうも。遠征から帰って来たけど全然出てこない轟白亜です」

山下愁「ごめんなさい」

轟白亜「どうして謝るんスカ?」

山下愁「なんかもう、ごめんなさい」

二条蒼空「全部ひらがなですけど」

山下愁「ごめん」

轟白亜「あー、何か出てきちゃいけなかったスかね? じゃあ次回予告だけしていきますわ」

二条蒼空「次回って何?」

轟白亜「次回の黒影寮は、夏休み最終日に神威さんが町の草野球大会に黒影寮全員で参加します。そこで敵対するのは、まさかのリヴァイアサンだった!」

山下愁「次回のタイトルはこれ! 『もしも黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』です!」

高梨羅「次回もお楽しみにー」


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