コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。堂々の完結! 皆様ありがとう!
- 日時: 2015/01/24 21:51
- 名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: zCMKRHtr)
拝啓、天国のお父さんとお母さん。
ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
今日も私の前を、
パンツが飛んでー。
男の怒声が飛び交ってー。
何だか炎まで飛んできてー。
挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
……私、人生間違えましたでしょうか?
***** ***** *****
初めまして、というのもなんですが。一応。
桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
私が誰だか当てられるでしょうk((殴
大変失礼しました。
ちょこっと上で話の内容を書いたつもりなのですが、分かりませんよねww
私もこれをパッと見て、何だこれって思いますもん。
では、これに関する注意点をいくつか。行きますよ。
☆この物語は逆ハーレム要素を含みます。苦手な方はお戻りください。
☆駄作に変わりはないです。
☆恋愛50%、バトル45%、シリアス0.05%、後のは勇気と愛。
☆少しドリームっぽいです(が、そんなに気にはなりません)
☆桐生玲誰? あ、お前知ってるでも嫌いな人は出口はあちらです→
☆また、荒らしやチェーンメール、パクリを行う人も出口はあちらです→
読みましたか? あの、いくつか多いんでゴメンなさい。
それでは。
お客様(桐生的目線でご紹介)
由羽様『最初のお客様です。逆ハー、ハーレムおkの方ww』
野宮詩織様『2番目のお客様です。リア友であり、神作を生み出しているお方です!』
ヴィオラ様『3番目のお客様です。キャラを送って下さりました! お互い頑張りましょう!』
蓮華様『4番目のお客様です。キャラを送ってくださいました。使いやすいキャラをありがとうございます!』
秋様『銀ちゃんの推しなお客様です! あざっす!!』
翠蓮草様『先生キャラを送ってくださったお客様です。登場はもう少々お待ち下さい!!』
メデューサ様『結構オリキャラでお世話になっている方です。今回もありがとうございます!!』
ジョーカー様『前作に限らず今作も送ってくださいました!! 感謝!!』
あんず様『翔推しのお客様です。翔君は俺の嫁!!』
北大路様『神様の名前を考えてくださった人です! コメもくださいました』
マリ様『ルールを守って読んで下さった人です。さすが!!』
梨花様『企画の祭りに参加してくれてありがとうございます。コメももらいました!』
愛河姫奈様『キャラクターの質問に答えたら、来てくださった人です! 感謝です!』
暁月様『一気読みをしてくださった人です。根気ある!』
闘神のアスラ様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部も見てくださっています』
抹茶猫様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部の愛読者様。あざっす!!』
藤田光規様『一気読みしてくださった人です。翔君のおし?』
在様『携帯で一気読みしてくださった人です。しにがみのデートがお気に入りだそうでw』
北斗七星様『最初は桐生玲誰と思っていらした方ですが、山下と気づいてくれて幸いです。大丈夫ですよ!』
リア様『下剋上の方も読んでくださりました。ありがとうございます!』
美桜様『この小説をお気に入りにしてくださりました。ありがとうございます!』
粉雪百合様『もう1つの小説「お前なんか大嫌い!!」から来ました方です。ありがとうございます』
miru様『空華推しの人です、ありがとうございます! 一気読みしちゃったんです!』
葵様『こちらは昴君推しですwぜひとも翔君と取り合ってくださいありがとうございます!』
kyon様『こちらも空華推しの方です。なんと、歴代小説を読んでくださった人です!』
凪紗様『黒影寮ではまったお客様です。なんとディレッサさん推しです!!』
結羽凛様『個人的に好きなキャラは翔様だそうで。少し前から見てくださっていたようですよ! Thanksです』
現在劇場版を展開中。
『劇場版。黒影量は今日もお祭り騒ぎです!〜空と海と未来の花嫁〜』
→>>229 >>232 >>234 >>237 >>239 >>240 >>242 >>245 >>248 >>249 >>250 >>253 >>254 >>255 >>258 >>262 >>264 >>265 >>266 >>271 >>272
『劇場版。駆け抜けろ! 地獄と天国と幽閉された死神〜複雑ファジー』>>290 NG>>296
目次
登場人物>>02 皆のオリキャラ大集合>>67 新キャラ>>175
プロローグ>>4
第1章『ウェルカム、黒影寮』
>>5 >>6 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
第2話『とある彼女は銀の鈴』
>>16 >>17 >>18 >>23 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
第3章『銀と白亜と黒影寮』
>>31 >>32 >>33 >>36
第4章『兄より吐き気』
>>39 >>42 >>45 >>47 >>50
第5章『しにがみのデート』
>>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>59 >>60
第6章『俺達の管理人がこんなに可愛い訳がない』
>>71 >>72 >>77 >>81 >>83 >>86
第7章『英学園の愉快な文化祭』
>>93 >>95 >>102 >>105 >>106 >>115 >>118 >>123 >>126 >>129
第8章『神威銀の誘惑』
>>134 >>135 >>136 >>139 >>140 >>146 >>147
第9章『本当にあった黒影寮の怖い話』
>>149 >>154 >>158 >>159 >>160 >>163 >>170 >>174
第10章『突撃☆隣の中国マフィアさん!』
>>176 >>182 >>185 >>189 >>196 >>199 >>204 >>207 >>215 >>220 >>226
第11章『王良家こんぷれっくす!』
>>278 >>281 >>282 >>284 >>285 >>286 >>287 >>288 >>289 >>300 >>303 >>306 >>309
第12章『君と僕〜オリジナルと亜種〜』
>>314 >>321 >>322 >>323 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>333
第13章『黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです』
>>337 >>345 >>346 >>349 >>352 >>353 >>355 >>356 >>360 >>361 >>364 >>365 >>366
第14章『もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』
>>372 >>378 >>379 >>382 >>385 >>386 >>390 >>393 >>394 >>397 >>401 >>402 >>405
第15章『皇高校ホスト部!!』
>>416 >>417 >>418 >>419 >>423 >>424 >>427 >>430 >>433 >>434
第16章『カゲロウタイムスリップ』
>>437 >>444 >>445 >>448 >>452 >>453 >>454 >>455 >>456 >>459
第17章『家出少女の死にかけ人生』
>>460 >>461 >>464 >>465 >>466 >>467 >>470 >>474 >>478 >>481
第18章『今日、私は告白します』
>>490 >>494 >>497 >>500 >>503 >>506 >>521 >>524 >>527 >>528
第19章『進撃の巨人〜ヒーローと死神がやってきた〜』
>>532 >>535 >>536 >>537 >>538 >>541 >>542 >>543
第20章『噂の空華さん!』
>>544 >>546 >>549 >>552 >>553 >>554 >>557 >>560 >>561 >>562
第21章『明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ』
>>565 >>568 >>569 >>570 >>575
エピローグ
>>576
あとがき
>>577
お知らせ☆
現在部門ごとにオリキャラ募集>>19→終了しました!!
企画開始!!
その1『もしも黒影寮の全員が○○だったら』>>82
その2『みんなで神様の名前を考えよう』>>125
その3『黒影寮フェスティバル! 参加者募集』>>263
期間限定小説
10月31日『ハロウィン』>>46
12月24日『クリスマス』>>94
12月31日『大晦日』>>109
1月1日『お正月』>>112
12月7日『寮長・翔の誕生日』>>130 >>132
2月14日『バレンタイン』>>225
2月23日『都立高校一般入試』>>238
4月1日『エイプリルフール』>>311
7月7日『七夕&銀ちゃんの誕生日』>>387
童話パロディ
『白雪姫』>>63>>68
『赤ずきん』>>87 >>92
『シンデレラ』>>274 >>277
『7匹の子ヤギ』>>409 >>412
黒影寮は今日は作者と質問日和!
神威銀>>124
東翔>>155
椎名昴>>188
王良空華>>241
二条蒼空>>261
堂本睦月>>354
月読怜悟>>357
祠堂悠紀>>400
企画小説『黒影寮主催☆やりたい事は何でもやっちゃうぜふぇすてぃばる!』開催中
・メデューサ様
もしも『黒影寮の住人とその他のキャラの能力』が『ごちゃまぜ』だったら>>85
バレンタイン『お相手:蒼空』>>219
・あんず様
もしも『東翔』が『スクール水着』を着たら>>89
翔が性転換して昴と付き合うことになったらどうなるか>>367
・蓮華様(現:夕遊様)
もしも『黒影寮の全員(つかさ除)と高梨羅』が『性転換』したら>>91
もしも『黒影寮の全員+高梨羅』が『性格ごちゃまぜ』になったら>>114
バレンタイン『お相手:鈴』>>224
・マリ様
『神威鈴が銀の体を乗っ取り東翔にいたずらを仕掛けよう!』>>273
・梨花様
『神威銀を怒らせたらどうなるか?!』>>317
・北斗七星様
『銀ちゃんが幼児化したらどうなるか!!』>>510
『もしも銀ちゃんが本物のビッチだったら(VS翔)』>>513
・kyon様
『銀ちゃんに彼氏がいたら』>>516
番外編
俺は今日、恋を始めます『羅(男)×銀』>>148
翔ちゃんなう!『翔×昴×大地』>>283
どうかこの手でもう1度『蒼空&睦月』>>449
断章『下剋上☆黒影寮!!』
>>485 >>486 >>487 >>488 >>489
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。ただいま祭り開催! ( No.282 )
- 日時: 2012/03/20 14:30
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: いつの間にやら1400突破ってすごくね?
第11章 王良家こんぷれっくす!
「ひめねーまってー」「待たないよーだ」「姫、足速ぇー」
広い庭をはだしで駆け回る姫華ちゃんと水華ちゃんと炎華さん。いえ、炎華君の方がいいですよね。
先ほどから忍術とかそういうのは使う気配はなさそうですけど……本当に忍びの一家なのでしょうか?
のんびりと3人が遊んでいるところを見ていると、姫華ちゃんが駆けよってきました。
姫華ちゃんは翔さんの黒髪をいきなりグイーと引っ張りました——って何やってんですか?!
「お兄ちゃん、遊ぼうよー」
ぐいぐいと姫華ちゃんは翔さんの髪の毛を引っ張ります。怖いもの知らずですね!
すると、翔さんが姫華ちゃんの手を振り払いました。あぁやっぱり。
この状況で死神の力で空華さんの妹さんをぶった切るとかそんな事はないですよね、まさかそんな事は!
「何すんだ、クソチビ」
翔さんは姫華ちゃんの額にデコピンをかましました。
「うゆー。だって遊んでほしいんだもんー」
「分かったから髪の毛を引っ張るな。あほ」
「あほじゃないもん、姫華だもん!」
ぶぅと頬を膨らませる姫華ちゃんの栗色の髪の毛を、翔さんは乱暴になでました。
姫華ちゃんは猫のようにゴロゴロとのどを鳴らします。可愛らしいです。ていうか翔さんの珍しい反応です。
「あー、俺下の兄弟がほしかったんだよな。弟でも妹でも」
「姉と母に植えつけられたトラウマがあるのに?」
姫華ちゃんの頭をなでながら、翔さんはぽつりと漏らします。その台詞を聞き逃さなかった昴さんが、すかさず反論しました。
「小学生ならまだイケる」
アウトラインは中学生からですか。
姫華ちゃんに腕を引っ張られて、翔さんは3人の輪の中に入れられました。だ、大丈夫でしょうかね?
「大丈夫でしょ。翔ちゃんは無類の子供好きだから。しっかし妹がほしかったとは知らなかったな。美羽さんが言ってたのかな?」
昴さんは軽く笑いながら、子供に交じって遊ぶ翔さんを見ていました。
それに何やら睦月さんも交じります。そう言えば、睦月さんは弟がいると言っていましたね。結構年が離れているのでしょうか。
うーん、私はお兄ちゃんしかいませんからね。他は従兄弟がたくさんですし。正直兄弟とか姉妹とかあこがれてはいるのですが。
「こういうのは慣れてない?」
「くう、か、さん?」
ん、どうしたー? と空華さんは首を傾げました。
今空華さんが着ているのは、白い着物です。いつも黒い衣服を着ている空華さんとは真逆です。
「あ、これから修行だからね。白装束?」
「死に装束っぽい」
「言うなよ、怜悟」
正直な感想を述べた怜悟さんを、空華さんはじろりと睨みつけました。
「兄さん、行きますよ」
「ほいほい。じゃ、頑張ってくるねー」
空華さんは天華さんのあとへ続き、廊下の奥へ歩いて行きました。これから何が始まるのでしょうか。
「空華兄ちゃんまた修行ー? 大変だねー」
「うっせーお前も修行を怠るなよ炎ー」
「怠ってないもん毎日やってるもん」「姫もやってるもん」「すいもやってるよ」
庭先から何やら修行修行と聞こえるのですが、修行って何をやるのでしょうね?
すると、綺華さんが、
「興味があるならついて行けばいいじゃない」
と言いました。
ついて行けばいいじゃなって、簡単に言いますね。
「ま、兄さんに幻滅したくないんなら見ない方がいいわね」
綺華さんはそれだけ言いますと、スタスタとどこかへ行ってしまいました。
……本当に気になりますね。空華さんの修行。
「行ってみようぜ! 俺も興味ある!」
蒼空さんがガバァと立ち上がりました。目がきらきらと輝いています。
黒影寮(翔・睦月除)も興味があるらしく、空華さんと天華さんが歩いて行った方へ足を向けました。
〜翔視点〜
空華の野郎、夏休みに帰省はよく聞くが、どうしてかたくなについて来させたくなかったんだろうか。
まぁどうでもいいか。あいつにも事情はあるだろうし。
「くーかにー、なんのしゅぎょーするのー? またちだらけになるのー?」
「さぁ? 天華兄ちゃんが言うには『記憶の仕事人』の補充らしいけど」
「詠唱長いからなー、空華兄ちゃん声ガラガラになるよ。すーぱーどりんくを作るー?」
「イモリの黒焼きなんか手に入るかー?」
何やらガキ達がうるさいが、一体何を補充するんだ?
「『記憶の仕事人』っていう術式。えーと、何だったかな。記憶のカイザーだっけ?」
「改竄な。カイザーって、皇帝かよ」
「そうそれ。兄ちゃんは色んな術式を覚えてるから、色んな詠唱をできるんだよ。国語が弱いから自分で術式を作るのは苦手らしいけど」
炎華、と名乗っていたガキが言う。
空華は一体何者なんだ? どれだけ記憶力がいいんだ?
血だらけになるって言っていたが、あれは一体どういう意味だ。
「中には血だらけになる術式もあるんだよ。反動って奴?」
「そうか。空華ができる術式っていくつあるんだ?」
炎華は指折り数えて行く。
「創造主に狙撃者。演奏者にさっきの『記憶の仕事人』でしょ。シャーマンじゃないけどメディウムならできるし、錬金術もできるし、魔法陣もできるし、体術もできるし呪術もできるし変身術もできる爆弾も作れるし、兄ちゃんには全員敵わないんだ、何でもできるから」
すげぇできるな。できないのもあるだろうけど。
炎華はへらりとあどけない笑顔で、
「兄ちゃんはさいきょーなんだぜ! 何せ、当主だしな!」
「当主だからって強いのか。すごいなー」
「あたりめーだ! お前なんかひとひねりだぜ!」
テメェをひとひねりしてやろうか、クソガキ。
ん? そう言えば、銀達はどこへ行った?
〜銀視点〜
襖の間から覗くと、部屋の中は真っ暗でした。何やら幾何学模様の上に、空華さんは座っています。
空華さんの前に置かれているのは、古い本でした。題名は読めません、何と書いてあるのでしょうか。
「『まず1つに、人の記憶を司る神に告ぐ————』」
訳の分からない言葉が紡がれます。
一体、これは——。
「何をしているのですか?」
「て、天華、さん。これは」
「これこそが修行です。詠唱をする事によって術式を取得する。それが王良のやり方です。少し辛いですけどね?」
天華さんが部屋の中を指し示します。
部屋の中央にいた空華さんは一心不乱に詠唱を続けていますが、何やら表情が苦しそうです。
「術式を取得するにはそれ相応の痛みに耐えなければなりません。今の兄さんの体には、無数の切り傷がありますよ?」
見れば白い着物には、いつの間にやら赤い線が走っていました。
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。ただいま祭り開催! ( No.283 )
- 日時: 2012/03/20 18:00
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: いつの間にやら1400突破ってすごくね?
山下愁の妄想全開でお送りする短編小説!
山下愁「と言う訳でこんばんわこんにちはおはようございます。山下愁です。黒影寮は今日もお祭り騒ぎですをいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。
今回は皆さんに感謝の意をこめて、気持ち悪い小説を書かせてもらいました。
今から注意書きを読むので当てはまる人がUターンしてね。
1 翔君がデレ入ってる。
2 翔君幻滅。
3 昴・大地が入って来てる。
4 かっこよさなんてゴミ箱に捨てておけ。
5 山下愁が気持ち悪い。
カッコよさを期待している読者は即Uターンを推奨するわ。だって山下愁クオリティだもん♪
じゃあ残った人はおkか?
原曲はボーカロイド『リンちゃんなう!』の替え歌で『レンくんなう!』の替え歌(あ、もう意味が分からない)
翔ちゃんなう! を、お送りします」
東翔「え、聞いてねぇんだけど」
山下愁「始まるよ」
東翔「!?」
昴「翔ちゃんをぎゅーって抱きしめたいな。嫌がる翔ちゃんを無理やりぎゅーって抱きしめたい!
焼かれるのもありだよ、ていうか焼いてもいいよ!」
翔「……おい、どうした?」
昴「翔ちゃんと2人で買い物に行って、何気ない顔で『デートだねこれ』って言ってめちゃくちゃ意識されたい」
翔「誰がするか」
昴「あと、翔ちゃんっていつもニット帽をかぶってるから、こっそりネコミミに変えてみたら気づかず学校に行っちゃって。
夕方ネコミミを握りしめながら涙目で翔ちゃんが突っかかってきたので、そのままGo To Bedしたい」
翔「おい、作者。昴が変なものを食ったぞ」
閑話休題
大地「翔をhshsしたい。普段はツンツンしていて若干銀ちゃんや昴君にデレを見せる我が弟をhshsしたい。hshsしたい!!」
翔「キモイ」
大地「翔がもし絵で書かれるなら『東翔 総受け R18』っていうのを全力で推奨したい」
翔「殺されたいのか?」
大地「あ、そうそう。翔にはやっぱりメイドコスプレをしてもらいたいな。女の子っぽい顔なのに(男だから)ぺったんこな胸の方に目が行っちゃうと思うんだけど。
それで『ご主人様……私やっぱりあなたが好きです』って涙目で言ってもらいたい」
翔「何なんだこいつら!」
チェンジ
昴「朝起きたら翔ちゃんが大人になってて(今でも大人っぽいけど)どう接したらいいのか分からずに食事中も言葉なしになっちゃってさ」
翔「死神は簡単に成長しないぞ」
昴「未だに使っている猫ちゃんの書かれたお茶碗を使わせるのが大変申し訳なくなりたい」
翔「言うなよテメェ?!」
昴「食後に『あー、コンビニスイーツ食いたい』とか言われて『あ、すみません買ってきます』って敬語になりたい」
翔「もう何なんだこいつら?!」
翔「おい、作者! どういう事だ、何でこんな事になっているんだ!」
山下愁「女の子にやられるよりか、君がやった方が面白いから」
翔「面白くも何ともねぇよ馬鹿!!」
昴「翔ちゃんがバイトをしないくせに(理由:面倒くさい)執事喫茶でバイトしているのを見かけて、恥ずかしがってるところをカメラに収めたい」
翔「しねぇよ! ていうかするなよ!」
昴「翔ちゃんがいつまでたっても俺様口調だから『じゃあ語尾ににゃんをつけて』って言って、
『死ねにゃん^^』『おうふ』
なんてやり取りをしたい」
翔「……」(←ドン引き)
昴「『魔法少年か』なんてつぶやいている翔ちゃんに、『リアル魔法少年みたいな奴なんだからいまさら何を言う』なんて声をかけたくて。
でもきっと地獄の業火で焼かれる事間違いなしだからそっとテープレコーダーに収めてみたり」
翔「な//テメェ?!」(←本で魔法少年が出てきた。ハ○ー○ッター)
かーらーのー
大地「疲れて帰ってきた翔に寄りかかられて眠られたい。ぬくもりを感じたい」
翔「……怖い」
大地「翔が目を閉じて唇をこちらに向けてきているので、どうすればいいかななんて戸惑っているうちに昴君がやって来て、
『テメェ翔ちゃんに何さらしてんじゃ』って怒鳴られて翔にもぶっ飛ばされたい」
翔「あれ?」
昴「話題が俺も入ってきた?」
大地「たまたま出会った翔がなんとメガネをかけていて、声をかけると、
『これ伊達眼鏡』
とか言い訳をするけど、そのメガネも似合ってるじゃんとか本音を言ったら顔を真っ赤にされてあたふたされたい」
らすとー
昴「『ずっと前から好きだった』っていうメールを翔ちゃんからいただきまして、
『俺も好きだよ』って返したら『なんて言う訳ねぇだろ馬鹿(怒)』とか返って来て違う意味でドキドキしていたら
『こんなメールを送れるのは今まで生きてきた中でテメェだけだから』とメールが来てゴロゴロしたい」
翔「……しょうもねー」
山下愁「どうでしたか、翔ちゃんなう! は」
東翔「正直きもかった」
椎名昴「俺も言っている時点で何か寒気がした」
東大地「俺は平気☆」
東翔&椎名昴「「……」」(←ドン引き)
山下愁「思いつけばまた何かでやると思うので、ご期待を!!」
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。ただいま祭り開催! ( No.284 )
- 日時: 2012/03/20 21:43
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: いつの間にやら1400突破ってすごくね?
第11章 王良家こんぷれっくす!
〜空華視点〜
詠唱を唱えている時に、夢を見た。
昔、ある女の子に出会った事がある。その子は京都で舞をする為に来たって言ってたような気がした。
蛍が丘に迷い込んで、そこで俺様が見つけたんだ。泣いている女の子の頭をなでて、泣かないでって言った記憶がある。
まぁ、その子は今どこにいるかなんて知らないんだけど。分からないし。
でも今でも覚えているのは、緋扇と銀色の髪だけ。
(いつまで続くのかな、これ)
血のにおいがする部屋の中で、詠唱をしながらただ思う。
〜銀視点〜
「や、止めさせなくていいんですか?! これで、あなたは止めないんですか?」
「止める必要がありますか。兄さんが望んでこの修行に耐えているのです、止められませんよ」
天華さんはいたって平然と答えを返しました。
どうして、どうしてそんなに無理をするんですか? そんな事をしたら死んでしまうのではないでしょうか。
鈴を出して無理やりにでも詠唱を中断————!
「あ、終わったみたいですね」
「……え?」
緋扇を出したところで、空華さんの声が途切れました。詠唱が終わったようです。
ふらふらした様子で襖を開ける空華さん。赤くなった白装束を見て、顔をしかめます。
「これ捨てる?」
「捨てなくてはいけませんね、血は落ちませんので」
「やっぱりか……ごめん、天華」
申し訳なさそうに笑う空華さん。まるで傷なんかないかのように。
昴さんがすかさず空華さんの体を触診し始めました。同じように怜悟さん、蒼空さんと続きます。
「ど、どうして。傷がない?!」
昴さんは目を見開いて驚きました。
空華さんはキョトンとした様子で、
「まぁ、これが修行って事で。お分かり?」
いや……ものすごい納得できないんですけど。
***** ***** *****〜視点なし〜
その夜である。
翔の家みたいに男子湯女子湯がある訳じゃないので、男子メンツが先に入る事になった。
だけど広い。露天風呂。
「すげぇぇぇぇ!」
蒼空が目を輝かせて露天風呂にダイブした。あとから悠紀もダイブする。
「妙に広いからね、うちの風呂。兄弟がまとめて入れるようにって、昔親父が言っていたような感じがする」
空華が白い湯につかりながら言う。
「あれ、じゃあお父さんはいないの? 親は?」
「いないよ。ババアがいるけど町内会の旅行だってさ。基本的に家は天華に任せてある」
昴の質問に空華は平然と答えた。
翔はその隣に並んで湯につかる。そしてふと、空華の体に気づいた。
体に無数の傷跡がある。それはとても生々しく、たくさん戦ってきたという感じが醸し出されている。
「おい、空華。その体の傷はどうした?」
「え、あぁこれ?」
空華は湯から腕を上げ、自分の傷を見やる。
銃創・縫い跡・切り傷——様々な傷跡がある。黒影寮一同、目を見張った。
「大体は詠唱じゃない修行でついた傷かな。最近はそういうのは少ないけど」
「……今更だが、空華は何をしているんだ?」
怜悟は怪訝そうな目で空華に問いかける。
「何って、何?」
「任務だよ任務! 忍びってそういうのあるんだろ!」
バシャバシャと湯を波立たせるのは蒼空だ。
空華は黒い髪をぼりぼりと掻きながら、
「中学生までは暗殺とかやってたけど……最近は諜報ばかりだよ?」
「重宝って何? 重い宝?」
「よくそっちの方を思いついたな、馬鹿なのに」
何だとー、と蒼空は空華に湯をぶっかけた。
盛大に湯を飲んだ空華は、蒼空に向かって、
「我流忍術——水中引き込みじゃボケェェェ!」
「ぐぼぁ! それって忍術って言うのかそれは——!」
「ハッハァ! 何でもありなんだよ、俺様の家はな!」
「汚ぇ、こいつ汚ぇ!」
ついでに周りの連中も巻き込み、湯殿は大惨事。
「……で、能力を使ってもOKなら能力ありで喧嘩しようぜって事になって、こんなことになったと? へーふーんそー。まぁ俺は別にいいですけどね、よかったな。たまたま銀じゃなくてよ」
銀の姿のまま湯殿に飛び込んできた鈴に強制終了させられ、傷だらけの黒影寮男子メンツは裸で正座させられていた。
鈴は腕組みをして、ニッコリと笑う。そして露天風呂を指差した。
翔が湯を蒸発させ、蒼空が岩や木などを重力操作で無重力にして睦月に突っ込ませ、蓮が爪で引っ掻いたであろう傷が風呂の底にあった。
「この状況、お前ら直せるの?」
「「「「「無理ですごめんなさい」」」」」
「……やっぱこうなる訳だよなー、ハァ」
鈴はこめかみを押さえると、とりあえず時を操る悪魔がいたよなキャスを呼ぶかとつぶやきつつキャスを召喚した。
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。ただいま祭り開催! ( No.285 )
- 日時: 2012/03/21 21:57
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 山下愁はある意味で変態です。馬鹿です。そして変態です。
第11章 王良家こんぷれっくす!
何やら鈴達が神様総動員で何かをやっていましたが、鈴にものすごい形相で見るなと怒鳴られたので放置していたのですが……。
それにしても、空華さんの家のお風呂もすごいですねぇ。
温泉に来たようです。
「……僕も一緒に来てもいいんだ」
「何を言っているんですか。女の子ですよ、つかささんは」
つかささんはかたくなに『風呂の前で見張る』とか言っていましたが、無理やり引き込みました。
「心が男だとしても、体はいつまでたっても女のままよ。そういうのって——姫、逃げないの」
「きぃお姉ちゃんの頭洗うの嫌ー、目が痛くなるー」
綺華さんの腕から逃げようとする姫華ちゃん。ほほえましい光景です。
日華さんは空を見上げて、つかささんと一緒に「あれが夏の大三角形ですー」とプラネタリウムを楽しんでいました。
「私が洗いましょうか?」
「え、銀さんが? いいわよ、妹だもの」
「大丈夫ですよ。私、結構子供好きなので。やらせてください」
「銀お姉ちゃんに任せるー」
姫華ちゃんは私に抱きついてきました。可愛いです。
綺華さんは渋っていましたが、「じゃあ頼むね」と告げました。
「じゃー、頭洗いましょうか」
「うん! わしゃわしゃーって!」
まだ小学生だからでしょうか、手足をばたつかせます。そう言えば、小学4年生って言ってましたよね。
空華さんのお家って、ご両親とかいないのでしょうか。
この家に、兄弟だけ……?
「昔は空華兄ちゃんとよく入ってたの」
「空華さんとですか?」
「そー! 空華兄ちゃんは優しいんだよ。そんでそんでとっても強いの! 姫が修行の時もねー、頑張れーって応援してくれたんだ! そのあとにご褒美としてハンバーグを作ってもらったんだ!」
「よかったですね」
兄弟思いの空華さんですか、何だか納得できます。
なんやかんやで黒影寮の中でも、1番気がつきますからね。飄々としているようですけど、人をよく見ていますし。女の子を前にするところりとやられちゃうのが玉にきずですけど。
じゃー、とシャワーで姫華ちゃんの髪を流します。
「銀お姉ちゃんも優しいね! 姫、好き!」
「ありがとう。お姉ちゃんも姫華ちゃんが大好きですよ」
人懐っこい子ですね。
姫華ちゃんはシュタッと立ち上がりますと、お風呂の方へ走って行きました。
「何かすみません。うちの妹が」
「いいんですよ。綺華さんは空華さんの事をどう思っているのですか? 姫華ちゃんが『優しくて強い』って言うように」
「え」
私は綺華さんの隣に並びます。
綺華さんは少しだけ悩みますと、
「……尊敬できる兄、かな」
「尊敬できる、ですか?」
「空華兄さんは何でもやっちゃうから。料理だって忍術だって体術だってコミュニケーションだって。何だってできちゃうの。そこが尊敬できる」
にごり湯に沈んで行く綺華さん。
そこへ、兄についての話題を聞いていたのか、日華さんも入ってきました。
「空華兄さんはすごいんですよー。私が術に失敗した時も、どうやったらいいかアドバイスをくれたりしたです。尊敬できる兄です♪」
「そうですか。空華さんはすごいですね」
「すごいね。空華君は」
「そうだね。すごいね」
あっはっはっはっはー、と笑う中で、皆さんが何かに気づきます。
あれー? 今、何か不思議な声が聞こえませんでしたかー?
私の反対隣に並んでいるのは、頭から血を流したおかっぱの女の子————?
「「「「「ひっぎやあぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」」」
***** ***** *****〜視点なし〜
ディレッサとソードと紫月とキャスと一緒にUNOをしていた黒影寮男子メンツは、家中に響き渡った悲鳴を聞いて、顔を上げた。
この声は銀とつかさと綺華と日華と姫華のものだ。
「行くぞ、テメェら!」
またこの前みたいに羅が強襲してきたかーっ! と叫んで黒影寮(+神様4人)は風呂へ特攻する。
そこへ、悲鳴を聞いて駆けつけた天華達もやってきた。
「綺華が叫ぶなんて珍しいですね。何かあったのでしょうか?」
「多分、俺様の知り合いがまた強襲してきたんだと思う! 銀ちゃん、つかさ、綺華、日華、姫華! 無事か!」
どんどんと空華は脱衣所を隔てるドアを叩く。
すると、ドアがいきなり開いて、空華に誰かがぶつかってきた。衝撃で後ろに倒れる空華。
濡れた肢体。同じく水気を放つ銀髪。黒曜石のような瞳からは涙がぽろぽろと出ている。
間違いなく銀だった。
「ぎっ……?!」
「お化け嫌です怖いです嫌です怖いですぅぅ……!」
ていうかタオルを巻きつけただけで抱きつかれていると、何かすごくまずいのですが——とはさすがに言えなかった。
お化け? と全員が首を傾げて風呂を見やると、女子メンツは湯船から上がっていて隅っこでガタガタと震えている。白い湯船につかっていたのは、血まみれでおかっぱな女の子だった。
耳元まで裂けた口に笑みを張りつけ、おかっぱな女の子は男子メンツへ目を向ける。
「ねぇ、一緒に来てよ……」
「誰が行くか!!」
本職・死神である翔は瞬時にして死神ルックになると、そのおかっぱな女の子を吹っ飛ばした。一瞬だった。
「ぎ、銀ちゃん。お化けはもう去ったよ、大丈夫だよ」
「本当ですか……?」
「本当だって」
涙目で空華を見上げる銀。
何とか理性で押しとどめた空華は、銀を引き剥がした。
「銀ちゃんさ、タオル1枚で抱きついてくるのはどうかと思うよ?」
「……ほえ?」
カクカクと銀の瞳が下へ移動する。
そう言えば、タオル1枚っていうかこのタオル濡れて自分の体のラインが見えているっていうか……。
銀は無言で立ち上がると、衣服の中から鏡と緋扇を取り出して。
「あ、そこに紫月君がいますね。ちょっと殺っちゃってください♪」
「任せて^^」
「待ってこれは不可抗力——!」
問答無用で紫月は紫電を放つ。
哀れ、助けに来た黒影寮男子メンツは吹っ飛ばされて夜空の星となるのだった。
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。ただいま祭り開催! ( No.286 )
- 日時: 2020/12/26 20:41
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: OMB1sthW)
第11章 王良家こんぷれっくす!
どういうつもりでしょうねぇ?
翔さんの家でも同じでしたが、今回も同じですよ。えぇそうです。
「まさか……またいるとは。天華さん達までいますし」
現実逃避しようかと思いましたが、できませんでした。
いつものように翔さん達がそこら辺に散らばって寝ています。今回はちゃんと布団をかけていますが。怜悟さんは騎士のように刀を抱えて寝ていますね。
私は夜中に目が覚めちゃいまして、それでこの状況に気づいたんですね。
ですが、とある人の影が見えませんが……。そうです、空華さんです。
「空華さん、トイレでしょうかね……」
気にしないでおきましょう、そういうのもあります。
目が覚めてしまったので、私は庭に出てみようかと思いました。ここはとても広いので。
ゆっくりと抜け出して襖を開きます。ひんやりとした夜の風が頬をなでました。
「……あ、」
広い庭は月明かりによって青白く光っています。
その広い庭の真ん中で、誰かが立っていました。
ぼさぼさの黒い髪に長身痩躯の体系。月を見据えるエメラルドグリーンの瞳。手にはヴァイオリンが握られています。
空華さんです。
「く、」
名前を呼ぼうとしましたが、空華さんはヴァイオリンを構えますと音楽を奏で始めました。
切なく響き渡る音色。私は声をかけられず、ただ空華さんの演奏を聴いていました。
すると、それに合わせて歌声が重ねられます。
「〜〜〜……♪」
どこかで聴いた事ある歌です。確か、一昔前のバラード曲ですね。
私は縁側に腰をかけ、空華さんの演奏を聴いていました。
歌詞はどこか切なげで、男女の2人が引き裂かれたような歌でした。女の人の歌でしょう、男の人を思い続ける歌です。
あまりに切なすぎて、悲しすぎて。私の瞳からは涙が流れていました。
いよいよ間奏です。空華さんの手が動きます。
「……!」
激しい演奏。空華さんは止まる事なく弾きます。
空華さん、こんな事もできるんですね。
「って、銀ちゃん?! 今まで聴いてたの泣いてるし!」
「え、あ。空華さん」
私に気づいた空華さんは、演奏を止めて私の方へ駆け寄ってきました。
空華さんは汗をふく為に置いてあったタオルで、私の涙をぬぐいます。
「ごめんね、汗臭いだろうけど」
「い、いえ。大丈夫ですよ、空華さん。えーと、それよりも……もう少しだけ、聴かせてもらってもいいですか? さっきの歌を」
空華さんは目を丸くしました。ですが、すぐに微笑を浮かべます。
「おっけい。お姫様のご要望にお応えしましょう」
ヴァイオリンの弓を構え、さっきの続きから聴かせてくれました。
朗々とした歌声が、星空へ上って行きます。
どうかどうか、私のことは忘れてください。
未来を生きる貴女は、どうか振り返らないでください。
私は見守ります、貴女を遠くから。遠い遠い、空の果てから。
だから泣かないで。いつかまた会えた時、たくさんお話しましょう。
そこでクライマックスの演奏が入ります。ヴァイオリンの音色が、ゆっくりと消えて行きます。
気づけば私は、その歌に拍手を送っていました。
「ありがとう。そこまでじゃないけどね」
「すごいです。ヴァイオリンなんて弾けたんですね」
「これぐらい、王良家の当主はできませんと」
額の汗をぬぐい、空華さんは私の隣に腰をかけます。
冷たい風が、私と空華さんの間を駆け抜けました。
「……兄弟の皆さんは、空華さんを尊敬しているようですよ?」
「いきなりどうしたの?」
「空華さんは兄弟思いのお兄さんで、皆さんに尊敬してもらっていると言う事ですよ」
「へぇ。俺様って尊敬されてたんだなー」
自覚ない、と空華さんは足をぶらぶらさせて月を見上げます。
綺麗な満月が、私達を見下ろしていました。
「そうだ。蛍、身に行かない?」
「え、今ですか?」
「夜が綺麗なの。みんな寝てるし、ザマァミロって笑ってやれ」
空華さんはぴょんと立ち上がりますと、私に手を差し伸べました。
「行こうか、お姫様?」
「お、お姫様は止めてくださいよ」
「未来ではリアル女王様だったくせにね——痛っ! 銀ちゃん殴るのは反則!」
恥ずかしかったんですよ、あれはあれで!
***** ***** *****
来る時に通った坂道を少し下り、林の中に足を踏み入れます。蒸し暑い空気が漂っていたのに、一気に涼しくなりました。
空華さんに手を引かれ、私は林の中を歩きます。
すると、綺麗な緑色の光が通り過ぎました。
「……う、わ」
思わず感嘆の声を漏らしてしまいました。
目の前には小さな池があり、そこにはたくさんの蛍が飛んでいたのです。こんなの、見た事ありません。
「すごいでしょ。俺様しか知らない穴場」
「空華さんしか、知らないんですか? 天華さんも?」
「天華にも綺華にも日華にも月華にも炎華にも姫華にも水華にも教えてない場所。銀ちゃんだから特別なんだからね」
ま、俺様も今まで忘れてたし蛍の事、と空華さんは笑いました。
「……君が見た、この空のどこかに響き渡る。我が歌声は、波のよう——」
自然と私の口は動きました。
英祭りでも歌った、珊瑚叔母さんに教えてもらった歌。
「ゆらりゆらりと舞い上がれ、恋を綴ったこの歌よ——」
私にこの場所を教えてくれた空華さんに対してのお礼なのか。
はたまた空華さんの歌声に対抗する為なのか。
私にも分かりませんでした。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116