コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。堂々の完結! 皆様ありがとう!
日時: 2015/01/24 21:51
名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: zCMKRHtr)

 拝啓、天国のお父さんとお母さん。
 ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
 私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
 今日も私の前を、

 パンツが飛んでー。

 男の怒声が飛び交ってー。

 何だか炎まで飛んできてー。

 挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
 ……私、人生間違えましたでしょうか?

***** ***** *****

 初めまして、というのもなんですが。一応。
 桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
 私が誰だか当てられるでしょうk((殴
 大変失礼しました。

 ちょこっと上で話の内容を書いたつもりなのですが、分かりませんよねww
 私もこれをパッと見て、何だこれって思いますもん。
 では、これに関する注意点をいくつか。行きますよ。

☆この物語は逆ハーレム要素を含みます。苦手な方はお戻りください。
☆駄作に変わりはないです。
☆恋愛50%、バトル45%、シリアス0.05%、後のは勇気と愛。
☆少しドリームっぽいです(が、そんなに気にはなりません)
☆桐生玲誰? あ、お前知ってるでも嫌いな人は出口はあちらです→
☆また、荒らしやチェーンメール、パクリを行う人も出口はあちらです→

 読みましたか? あの、いくつか多いんでゴメンなさい。
 それでは。


お客様(桐生的目線でご紹介)
由羽様『最初のお客様です。逆ハー、ハーレムおkの方ww』
野宮詩織様『2番目のお客様です。リア友であり、神作を生み出しているお方です!』
ヴィオラ様『3番目のお客様です。キャラを送って下さりました! お互い頑張りましょう!』
蓮華様『4番目のお客様です。キャラを送ってくださいました。使いやすいキャラをありがとうございます!』
秋様『銀ちゃんの推しなお客様です! あざっす!!』
翠蓮草様『先生キャラを送ってくださったお客様です。登場はもう少々お待ち下さい!!』
メデューサ様『結構オリキャラでお世話になっている方です。今回もありがとうございます!!』
ジョーカー様『前作に限らず今作も送ってくださいました!! 感謝!!』
あんず様『翔推しのお客様です。翔君は俺の嫁!!』
北大路様『神様の名前を考えてくださった人です! コメもくださいました』
マリ様『ルールを守って読んで下さった人です。さすが!!』
梨花様『企画の祭りに参加してくれてありがとうございます。コメももらいました!』
愛河姫奈様『キャラクターの質問に答えたら、来てくださった人です! 感謝です!』
暁月様『一気読みをしてくださった人です。根気ある!』
闘神のアスラ様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部も見てくださっています』
抹茶猫様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部の愛読者様。あざっす!!』
藤田光規様『一気読みしてくださった人です。翔君のおし?』
在様『携帯で一気読みしてくださった人です。しにがみのデートがお気に入りだそうでw』
北斗七星様『最初は桐生玲誰と思っていらした方ですが、山下と気づいてくれて幸いです。大丈夫ですよ!』
リア様『下剋上の方も読んでくださりました。ありがとうございます!』
美桜様『この小説をお気に入りにしてくださりました。ありがとうございます!』
粉雪百合様『もう1つの小説「お前なんか大嫌い!!」から来ました方です。ありがとうございます』
miru様『空華推しの人です、ありがとうございます! 一気読みしちゃったんです!』
葵様『こちらは昴君推しですwぜひとも翔君と取り合ってくださいありがとうございます!』
kyon様『こちらも空華推しの方です。なんと、歴代小説を読んでくださった人です!』
凪紗様『黒影寮ではまったお客様です。なんとディレッサさん推しです!!』
結羽凛様『個人的に好きなキャラは翔様だそうで。少し前から見てくださっていたようですよ! Thanksです』

現在劇場版を展開中。
『劇場版。黒影量は今日もお祭り騒ぎです!〜空と海と未来の花嫁〜』
>>229 >>232 >>234 >>237 >>239 >>240 >>242 >>245 >>248 >>249 >>250 >>253 >>254 >>255 >>258 >>262 >>264 >>265 >>266 >>271 >>272

『劇場版。駆け抜けろ! 地獄と天国と幽閉された死神〜複雑ファジー』>>290 NG>>296


目次
登場人物>>02 皆のオリキャラ大集合>>67 新キャラ>>175
プロローグ>>4
第1章『ウェルカム、黒影寮』
>>5 >>6 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
第2話『とある彼女は銀の鈴』
>>16 >>17 >>18 >>23 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
第3章『銀と白亜と黒影寮』
>>31 >>32 >>33 >>36
第4章『兄より吐き気』
>>39 >>42 >>45 >>47 >>50
第5章『しにがみのデート』
>>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>59 >>60
第6章『俺達の管理人がこんなに可愛い訳がない』
>>71 >>72 >>77 >>81 >>83 >>86
第7章『英学園の愉快な文化祭』
>>93 >>95 >>102 >>105 >>106 >>115 >>118 >>123 >>126 >>129
第8章『神威銀の誘惑』
>>134 >>135 >>136 >>139 >>140 >>146 >>147
第9章『本当にあった黒影寮の怖い話』
>>149 >>154 >>158 >>159 >>160 >>163 >>170 >>174
第10章『突撃☆隣の中国マフィアさん!』
>>176 >>182 >>185 >>189 >>196 >>199 >>204 >>207 >>215 >>220 >>226
第11章『王良家こんぷれっくす!』
>>278 >>281 >>282 >>284 >>285 >>286 >>287 >>288 >>289 >>300 >>303 >>306 >>309
第12章『君と僕〜オリジナルと亜種〜』
>>314 >>321 >>322 >>323 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>333
第13章『黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです』
>>337 >>345 >>346 >>349 >>352 >>353 >>355 >>356 >>360 >>361 >>364 >>365 >>366
第14章『もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』
>>372 >>378 >>379 >>382 >>385 >>386 >>390 >>393 >>394 >>397 >>401 >>402 >>405
第15章『皇高校ホスト部!!』
>>416 >>417 >>418 >>419 >>423 >>424 >>427 >>430 >>433 >>434
第16章『カゲロウタイムスリップ』
>>437 >>444 >>445 >>448 >>452 >>453 >>454 >>455 >>456 >>459
第17章『家出少女の死にかけ人生』
>>460 >>461 >>464 >>465 >>466 >>467 >>470 >>474 >>478 >>481
第18章『今日、私は告白します』
>>490 >>494 >>497 >>500 >>503 >>506 >>521 >>524 >>527 >>528
第19章『進撃の巨人〜ヒーローと死神がやってきた〜』
>>532 >>535 >>536 >>537 >>538 >>541 >>542 >>543
第20章『噂の空華さん!』
>>544 >>546 >>549 >>552 >>553 >>554 >>557 >>560 >>561 >>562
第21章『明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ』
>>565 >>568 >>569 >>570 >>575

エピローグ
>>576

あとがき
>>577

お知らせ☆

現在部門ごとにオリキャラ募集>>19→終了しました!!
企画開始!!
その1『もしも黒影寮の全員が○○だったら』>>82
その2『みんなで神様の名前を考えよう』>>125
その3『黒影寮フェスティバル! 参加者募集』>>263

期間限定小説
10月31日『ハロウィン』>>46
12月24日『クリスマス』>>94
12月31日『大晦日』>>109
1月1日『お正月』>>112
12月7日『寮長・翔の誕生日』>>130 >>132
2月14日『バレンタイン』>>225
2月23日『都立高校一般入試』>>238
4月1日『エイプリルフール』>>311
7月7日『七夕&銀ちゃんの誕生日』>>387

童話パロディ
『白雪姫』>>63>>68
『赤ずきん』>>87 >>92
『シンデレラ』>>274 >>277
『7匹の子ヤギ』>>409 >>412

黒影寮は今日は作者と質問日和!
神威銀>>124
東翔>>155
椎名昴>>188
王良空華>>241
二条蒼空>>261
堂本睦月>>354
月読怜悟>>357
祠堂悠紀>>400

企画小説『黒影寮主催☆やりたい事は何でもやっちゃうぜふぇすてぃばる!』開催中

・メデューサ様
もしも『黒影寮の住人とその他のキャラの能力』が『ごちゃまぜ』だったら>>85
バレンタイン『お相手:蒼空』>>219
・あんず様
もしも『東翔』が『スクール水着』を着たら>>89
翔が性転換して昴と付き合うことになったらどうなるか>>367
・蓮華様(現:夕遊様)
もしも『黒影寮の全員(つかさ除)と高梨羅』が『性転換』したら>>91
もしも『黒影寮の全員+高梨羅』が『性格ごちゃまぜ』になったら>>114
バレンタイン『お相手:鈴』>>224
・マリ様
『神威鈴が銀の体を乗っ取り東翔にいたずらを仕掛けよう!』>>273
・梨花様
『神威銀を怒らせたらどうなるか?!』>>317
・北斗七星様
『銀ちゃんが幼児化したらどうなるか!!』>>510
『もしも銀ちゃんが本物のビッチだったら(VS翔)』>>513
・kyon様
『銀ちゃんに彼氏がいたら』>>516

番外編
俺は今日、恋を始めます『羅(男)×銀』>>148
翔ちゃんなう!『翔×昴×大地』>>283
どうかこの手でもう1度『蒼空&睦月』>>449
断章『下剋上☆黒影寮!!』
>>485 >>486 >>487 >>488 >>489

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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.262 )
日時: 2012/03/10 21:53
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: なんかおかしい。

劇場版 第15章


「やばい事になった」

 未来の翔は頭を押さえて告げた。
 何故だか分からないが、銀の結婚式が予定より早まったらしい。婚約者さんが早く登場した事による。
 婚約者は婚約パーティーには出席しているようだったが、仕事の都合上帰国する事になったのだ。それまではまだ平気だったんだけど。
 さぁて、これからどうしよう?

「とりあえず言える事は、銀を救い出すしかない。クイーン・オブ・キャッスルに突入するしか」

「1億体を相手にしろっていうのか」

「そうは言ってないだろ、クソメイド。話を聞け」

 瀬野翔の言葉を一蹴し、未来の翔は話を切り出す。

「このままだと本格的に1億体を相手にする事となる。だったら国を味方につければいい」

 あ、とみんなはとある1人の少女に気づいた。
 そうだ。その子は一応仲間なのだ。

「八雲優奈。女王特務警備隊の隊長殿を味方につければOKだ」

***** ***** *****

 八雲優奈はふぁぁ、と欠伸を漏らした。
 正直のところ、彼女なりに頑張っていたのだ。婚約者の仕事とやらを遅らせる為に色々と。だけどそれが逆効果だったらしい。
 それで今、女王・銀と優亜はドレスへ着替えている最中である。

(くそ野郎……。この国に戦争を仕掛けてやろうか。いやいや、それだとルーキーの力がもろばれて、うちの体が爆破しちまうわ)

 自前の銀髪をワシワシと掻きまわし、空中から白い鎌を取り出す。1点の穢れも見当たらない純白の鎌。怪しく光を放つそれを、優奈は振り回す。
 壁に亀裂が入った。

「あ、やばい。——まぁ、いいか」

 優奈は適当な事を返すと、そこら辺を歩いていた部下であるアンドロイドに「これを直しておいて」と命令した。
 3000年の技術だったら壁の亀裂を直すぐらい簡単な事だろう。
 白い鎌を握りなおした優奈は、心の中で舌打ちをした。

(……黒影寮の、王良空華だよね。姿が似ているからきっと名前もそう。早く助けに来てあげなよ。他の人のものになっちゃうよ?)

 その時だ。通信が優奈のマイクに入る。
 スピーカーに耳を当てた優奈は、ほくそ笑んだ。
 ヒーローのご登場だ。

「おっけー。協力してあげる。こっちもしびれを切らしていたんだ、思いきり暴れさせてくれなきゃ気が済まない」

 それだけ言い、通信を切る。そして管制室へと向かった。
 これから来る客人達をもてなす為の、最高の舞台を用意する為に。

「……ここに来て、ようやく2の2くえすとの始まりですかー」

***** ***** *****

 とある少女は悩んでいた。
 あの少年が残した言葉が心に引っかかった。

 ——俺様は、好きな人と恋愛できないならその国を変えてやる。
 ——その力を持っているなら。

 自分には国を変える力がある。
 自分には、自分は、新・東京の女王である。

「閃華。私の心は決まったわ」

「え、何が?」

 キョトンとした声を上げた少年は、首を傾げる。
 少女は決意に満ちた目で、告げた。

「私、帰る。帰って、国を変える」

 その少女の言葉を聞いて、少年は静かにその場に跪いた。
 少女を守る騎士のように。従順に。

「ならば、俺もお供しましょう」

***** ***** *****

 3軍勢はいつもの神社に戻っていた。
 休憩所にて机を挟んで対峙する。黒影寮に、メイドと執事に、ルーキー。
 異様な光景だが、こうして出会ってしまった。能力も性格も好きな人もこれから起きる運命も、全て違う彼ら。
 その全てが違う彼らが、手を取り合って、協力する。

「……いいか、黒影寮。瀬野。久遠。名前は省略するが2の2くえすとのルーキー」

 未来の翔は、ただ告げる。

「テメェらの好きにしろ。連絡はつけた。国を半壊させるもよし、目的を助け出す為に頑張るもよし。好きにしろ」

「ハッ。目的を助け出す為に国を半壊させる事はねぇよ」

 翔は鼻で笑い、

「ただ——城が半壊するのは大目に見てもらおうかね」

 全員の意見。そして思い。
 それぞれあるけど、今彼らは動き出す。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.263 )
日時: 2012/03/11 22:03
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=6161

と言う訳で企画も3作目!!

どうも山下愁です。
劇場版〜空と海と未来の花嫁〜は見てくれてますか? 本編の方だいぶ遅れてるけどごめんね。

さてさて、この企画はみんなのやりたい事をやっちまおうぜーという企画でございます。
みんな! 何かやりたい事はあるかな?
じゃあまずはこのスレに飛んでみよう!!

たくさんの応募者をお待ちしておりますので、皆さん奮ってご応募くださいよ!

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.264 )
日時: 2012/03/12 21:47
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

劇場版 第16章


 銀はメイド服を着たアンドロイドにドレスを着させられていた。白をベースにされているが、デザインは現代風。裾が長く、ところどころにスワロフスキーが散りばめられていた。
 抵抗はしない。
 したところで、自分には何もできない。

「銀ちゃん。終わった?」

「優亜さん……。綺麗ですね、お姫様のようです」

 えへへ、そう? と優亜はドレスのすそをつまみあげて1回転する。ふわりとドレスのスカートが花のように広がった。
 優亜のドレスはお姫様が着るようなふわっとしたスカートが特徴ベルラインドレスである。茶色の髪の毛はアップにまとめられていて、ピンクのバラの髪飾りで留められている。

「銀ちゃんも似合うよ。そのすっきりしたスカートのドレス。エンパイアドレスって言うんだよ、それ」

「そうなんですか。着た事あるんですか?」

「お母さんが、ね。写真で見た事あるんだ。とてもきれいだったお母さん……私、16だから結婚できるんだね」

 優亜はしんみりとした様子で言う。

「……これで、いいのでしょうか」

「何が?」

「私は、これで本当にいいのでしょうか。胸がもやもやするんです。女王として、神威涙として、私は婚約者の人と結ばれるべきなのでしょうか?」

 本当に好きな人が分からない銀にとっては、これでもいいと思っていた。だけど、心の奥で何かが引っかかっている。
 これではダメだと。これでは嫌だと。心が拒否反応を起こしている。
 暗い表情で、銀は優亜に訊いた。

「私は神威涙としているべきでしょうか? 神威銀としているべきでしょうか? どちらがいいんですか?」

「それはあたしには分からないわ。だってあたしには迎えに来てくれる人がいるもの」

 優亜はニッコリとした笑顔で、答えた。
 迎えに来てくれると。必ず迎えに来てくれる人がいると。

「ちょっと俺様なんだけどね。とっても優しいの。あたしの為になら何だってしてくれる。だからあたしも信じて待ち続けるんだ! 簡単に好きじゃない人と結婚なんて嫌だもん!」

「……優亜、さん」

「お時間ですよー」

 ドアがノックされ、優奈が部屋に入る。2人のドレス姿を見て、優奈は口笛を吹いた。
 銀はエンパイアドレスで髪を下ろしている。セミロングの銀髪はつやつやと輝いていて、頭には真っ赤なバラが飾られていた。
 優奈は白い鎌を担いで、

「かっさらってくれる人がいるといーね。お2人さん♪」

 と、笑顔で言った。
 2人は言葉の意味が分からず、とりあえず首を傾げておいた。

***** ***** *****

 婚約者を今か今かと待つ軍用アンドロイドの前に、銀髪の少年が現れた。
 2人。銀色の少年が2人いる。1人は青い瞳で自分達の上司である八雲優奈にそっくりで、もう1人は女王の銀にそっくりで。
 アンドロイドは首を傾げた。招待した人だろうか。

「招待した人なら受付で——」

「いやいや、その必要はないよ」

 青い瞳の少年、優羽は笑顔で答えた。黒い瞳の女王にそっくりな少年、鈴は緋色の扇を構える。鈴の音が鳴り響き、ディレッサが現れる。

「だって、国に喧嘩を売りに来たからね」

 瞬間、アンドロイドが音もなくバラバラに崩れた。ディレッサが宿った精神を食べ、翔が機械の寿命を操ったのだ。
 機械の寿命を操作した翔は、ズーンとうなだれる。

「あー、禁術使っちまった……どうしよう。殺される、親父に」

「今はそんな事を言っている場合じゃありませんよ! ていうかテメェ何をそんなんでうなだれてるんだ、好きな女を救うなら命を張りやがれオカマか!」

 瀬野翔がいつもの男口調で突っ込むと、そのまま入口の方へ駆けて行ってしまった。
 鈴はその背中を見送ると、次々に神様を召喚する。その横でディレッサが、

「まずい。アンドロイドの魂って油の味がするんだな。ていうか食えた俺も天才だわ」

「神様だもんな、ほら餌の時間だ。好きなだけ食え——ただしアンドロイドに限る」

「嫌だ」

「我がまま言うなよお前! 油食っても死なないだろ!」

「機械油ってまずい——!」

 まずさでのたうちまわるディレッサをなだめている鈴。

「銀ちゃんはどこにいるだろうねー」

「さぁね。とりあえず行かなあかん! 銀ちゃんを救い出すにはm「あ、大丈夫。事前に調べておいた」お前それ先に言えよ!」

 瀬野翔拾ってこい、瀬野翔を! と翔が命令し、昴が出動する。エレベーターに普通に乗り込もうとしていたところで捕まえた。
 情報を事前に調べた空華は、銀達がいるであろう場所の最有力候補を上げる。

「この屋上にチャペルにつながる道があるんだ。空中階段みたいなSFっぽいの。そこまで道のりにはアンドロイドが1億体設置されている。やーさんは最上階。俺様達は最下層。さぁどうする? 作戦を立てる時間はないよ」

 全員は顔を見合わせた。
 先に立ち上がったのは、2の2くえすとルーキーだった。

「決まってんだろうが」

 翔汰が告げる。空中から雷の棒を取り出して、孫悟空の如く振り回す。
 彩佳は2丁銃を。美影は筆を。直人は野太刀を。翼はグローブと靴を。リオンは夜桜を抜く。
 2の2くえすととしての本領を発揮した彼らは、迷わず下層にいたアンドロイドをぶった切る。

「「「「「正面突破しか認めない!!」」」」」

 アンドロイドの軍勢が襲いかかってきた。だがしかし、いくつもの冒険を乗り越えてきたルーキーに敵なし、一瞬にして壊滅させる。

「のう。爆発はしないが……これでいいのじゃろうか?」

「いいんじゃないか? 爆発しないなら結果オーライだ。存分に話を終わらせよう!」

 ルーキーが先陣を切って特攻する。
 そのあとに、瀬野翔と燐が続いた。瀬野翔は鎌を担ぎ、燐はナイフを構える。

「主人を助けなくてはいけませんね」

「最上階か……。気合入れて行くぞ、燐!」

「最初から承知の上です!」

 そして最後になった黒影寮は、

「ここでなら、軍とかそういうのは気にしなくていいんだ。思い切りやってもいいんだよね」

 昴は死神ルックとなった翔に問いかけた。

「あぁ、いいんじゃないか? 存分に暴れてやるぞ!」

 式開始まで残りわずか。彼らは間に合うだろうか。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.265 )
日時: 2012/03/13 18:08
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

劇場版 第17章


 クイーン・オブ・キャッスルは100階のフロアからなるビルだ。中も当然広い。
 その25階を、黒影寮・メイド・ルーキーは疾走していた。

「だぁぁぁ! 睦月、100階まで飛ばせないのか!」

 蓮が隣で走っていた睦月に掴みかかる。
 睦月は首を横に振った。

「無理や。瞬間移動で連れて行けるのは限られる」

「使えない!」

 そこで美影が吐き捨てた。そりゃそうだろう、瞬間移動はとても便利そうに聞こえたから。
 白亜はアンドロイドを洗脳させながら、

「まぁでも、洗脳できるから戦わなくてもいいスか。頑張れー、フレー」

「お前も戦えよ!」

 蒼空が重力操作して、羅が物質分解させるという手法(第10章参照)で戦う。蒼空は白亜に怒鳴った。
 当本人はこってもいない肩をぐりぐりと回しつつ、答える。

「だって走るの疲れる」

「バスケ部のくせに!」

 これには羅が叫んだ。羅の場合、白亜の事はどうでもいいが蒼空(イケメン)と組んでいるのが死ぬほど嫌だと言う感じである。
 それを見た鈴。羅を元気づける為に大胆行動に出る。

「おりゃ」

「ふぎゃ!?」

 変な声を上げた羅は身を強張らせた。
 鈴が取った行動——羅に抱きつく事である。鈴は非常に申し訳なさそうな顔で、

「ごめん、汗臭いだろうけど我慢してくれる?」

「あ、あ、あ、あ、」

 羅の顔がリトマス試験紙のように赤くなって行く。そして——爆発した。

「うおらぁぁぁぁぁあ! 今のあたしは誰が敵でも敵わないぜぇぇぇぇぇ!」

 物質分解をフル稼働し、羅は1億体のアンドロイドへ特攻して行く。そのあとに続き、鈴が満面の笑みで歩いて行った。
 内心ではこう思っているのだろう。上手くいったと。
 それを見ていた、ディレッサは冷たい目で、

「乙女心を弄んだ?」

「んな訳ないですよ。ちゃんと羅ちゃんも大好きだから♪」

「口では何とでも言えるよ」

「僕の羅に何をしてるんだ、鈴んんんんん!」

 そこへ羅に抱きついた鈴の姿をたまたま見てしまったキャスが飛び蹴りをかます。
 鈴は蹴られた後頭部を押さえながら、恨めしそうにキャスを睨みつける。そして緋色の扇を取り出し、1回振る。

「お前帰れ」

「い、嫌だ! 羅ゥゥゥウウ! 僕に気づいてぇぇ! じゃないと僕は、僕はぁぁぁ!」

 羅はキャスが来ている事を気づいていたが、あえて無視をした。自分が巻き込まれるの嫌だ。
 鈴は無理やりキャスを鏡に押しこめると、向こうにいるライアに命令した。

「キャスがこっちに来ないように見張っていて。行こうとしたら鏡の存在を消しておいて」

「分かりました!」

 ライアは鏡越しから笑顔で言った。
 そして全員は30階へ到達する。ここは小さなホールみたいなところで、招待された客人達がたくさんいた。サイボーグやアンドロイドがほとんどだ。
 客人達は3軍勢を見ると、目を丸くして悲鳴を上げた。

「きゃあぁぁぁ! 賊よ、賊! 女王をさらう気だわ!」

「んな訳あるか! さらうんじゃない、取り戻すんだ!」

 そんな言い訳が通るのか分からないが、直人が豪語した。そのあとから燐が「それってどうなんでしょうね?」とつぶやいていた。
 それでもギャーギャーわめく。どうにか分解しないで対処しようとしたその時、

「面倒くさい事をさせないでよ、お前らさ」

 今まで後ろからついてきていた悠紀が、持っていた携帯の画面から顔を上げた。ディスプレイにはきっちり文章が打ち込まれている。今まで小説を書いていたらしい。
 悠紀は携帯を閉じると、全員の前に出た。そして凛とした声を放つ。

「【全員システムエラーを起こして寝てろ】!」

 バチンッと音がして言霊が発動する。アンドロイドやサイボーグはパタリと床に倒れたが、数人が残った。おそらく人間だろう。
 それを見た瀬野翔、鎌を持って特攻を仕掛ける。

「眠れッッ!!」

 鎌を横へ薙ぎ、数人の人をまとめて吹っ飛ばした。もはやメイドではない、ただの不良だ。

「不良だけど文句あるのか、アァ?!」

「瀬野、どこに向かって言っているんだテメェ」

「何でもありません」

 1秒でメイド口調に戻した瀬野翔。変わり身早い。
 その時、とたんにクイーン・オブ・キャッスルが揺れた。何があったのだろうと天井を見上げると、通信が入る。
 相手は八雲優奈だ。

『まずい事になったよ! どうするの!』

「何が起きたんだ、この揺れは何だ?!」

『銀ちゃん達を乗せたチャペルが飛び立った。これ、宇宙船みたいな感じらしい!!』

 何?! と全員で声を上げる。窓から上を見ると、飛行船がスクリーンの空を悠々と飛び回っていた。あの距離ではさすがにもう行けない。
 2の2くえすとでもジャンプ力はそこまでないし、瀬野翔も燐も人間だ。しかも相手は飛行船、下手したら墜落して銀も優亜もお陀仏である。

「羅、物質分解!」

「銀ちゃんが死ぬわ! おい、イケメン死神! 飛べないのかよ、箒のように」

「飛べる訳ないだろ! 悠紀、言霊で連れ戻してこい」

「言霊届く訳ないじゃん。蒼空、重力操作」

「細かい事は分からない。睦月、瞬間移動できる?」

「せやから人数が限られてるって! 白亜ちゃん、神の命令でできない?」

「無理ッスね。王良さんはできないんスか?」

「飛べない凧がないと無理。どうするの? 他にできる人いないの?」

 他の人とは違う黒影寮の軍勢が頭を悩ませる。
 鈴の神様を使っても、墜落しかねない。零は空気を操るだけだし、白刃もダメ。つかさなんてもってのほか。
 じゃあ、あと残るは——?

「ぃよっしゃ。あれを連れ戻してくればいいんだね?」

 窓枠に足をかけたのは、椎名昴だった。

「え、すば——」

「いってきまーす!!」

 ものすごい脚力で窓枠を吹っ飛ばし、昴は飛行船へと向かって行った。そして、

「オンラァァァ! 帰れぇぇぇえ!」

「「「「「蹴りやがったあいつ?!」」」」」

 思い切り飛行船を蹴り飛ばした。銀がいるって言うのに。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.266 )
日時: 2012/03/13 22:20
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

劇場版 第18章


 突如として襲いかかってきた衝撃に、銀はひっくり返った。アンドロイドのメイドに止められた。
 一体何が起きたのだろう、と銀は辺りを見回してみる。だが、誰1人として見当たらなかった。というか招待された客も来ていない?

「あの、これってどういう事でしょうかね?」

 婚約者——何か豚面した顔の人間に訊いてみた銀。
 こちらを見たままハァハァしている豚は、

「さぁ? それより結婚式の続き♪」

 銀ちゃんピンチ!!


 一方その頃、黒影寮&メイド&ルーキーは。
 昴をシバキ倒していた。

「痛いなぁ……。大丈夫だって、加減はしたよ」

「加減? どこを加減したと言うのですか。優亜様に怪我が1つでもあったら殺しますよ?」

 燐が小銃の銃口を昴の眉間へと押しつける。
 実際、昴は本当に加減したのだ。闇の踊り子(あるいは呪いの踊り子)である彼は、蹴り1発で飛行船を地球1周させる事ができるからだ。だからクイーン・オブ・キャッスルに戻れた時点で奇跡とでも言っていいだろう。
 だけどそんな事は言わない昴だった。言い訳をするなと怒鳴られそう。

「とにかく、結婚式がもうすでに始まっていると言う事だろ?! もう時間がない!」

「でもここからどうすれば——」

 じっと全員で昴を見つめる。
 昴は蹴られた腕や頭をさすりつつ、首を傾げた。鈍感代表はやはり鈍い。

「昴、時間がないんだ。上へ連れて行ってくれないか?」

 翔が真剣な表情で頼んだ。
 昴は笑顔で答えた。

「だが断る」

「何でですか! 優亜様のピンチだと言うのに!」

「人を殴ったり蹴ったり銃口向けたりする奴の事を連れて行こうかなんて言うかあほ! 自業自得じゃボケ俺は動かないもん!」

「だったら洗脳させますよ?」

「逃げるわその前に。マッハで」

 じゃ、と窓枠に足をかけたところでルーキーに全員で取り押さえられた。

「お願いじゃ、連れて行ってやれんか? こやつら、マジで必死なんじゃ」

「むぅ。中学生のお願いじゃ仕方ないよね……。よし分かった。俺も何とか頑張ろ」

 だからどいてくれ、と昴はお願いする。そして全員で手をつなぐように指示をした。
 昴を含め、全員で輪になる。

「いーくよー」

「「「「「うごぇぇぇぇえ?!」」」」」

 あまりに速すぎて失神しそうになった全員(昴除)こいつ。いつも平気で飛び回っている訳か。
 一瞬でビルの屋上についた全員。ズドンと建物を貫くような音が響き渡った。
 屋上で待機していた優奈は、空から降ってきた全員に対して一言。

「親方ー、空から女の子が」

「女じゃねぇ!」

 翔が全否定をした。女嫌いなゆえか。

「とにかく、早くして! 結婚しちゃうよ!」

「そうはさせますか!」

 屋上のドアが開け放たれる。そこには眼鏡をかけたクリーム色の髪の女性——メリアスが立っていた。後ろにはアンドロイドがすごい数。
 さっきの音で嗅ぎつけられたか、あるいは作戦通りなのか。メリアスは屋上へ足を踏み入れる。

「隊長殿。あなた、結婚式をなかった事にでもする気ですの?」

「イエス。だってうちはここの時代の人じゃないからね」

 下ろしていた純白の鎌を担いで、ニッコリと笑う。その隣に並んだのは、2の2くえすとルーキーだ。
 様々な冒険をこなした最強の中学2年生が、今ここに集結する。

「うちらは2の2くえすと——この話を終わらせに来た主人公だ!」

 アンドロイドと主人公の戦いが始まる。爆風に銀髪をなびかせ、唖然と立っている残りの2チームに優奈は告げた。

「早く行きな。お姫様が待っているよ」

「……感謝するぞ、くそガキ!」

「せめて名前で呼んでほしかったね。やーさんって」

 あはは、と笑いつつ、優奈はアンドロイドの集団へ特攻して行く。
 瀬野翔と燐と黒影寮で飛行船に乗り込んだ。中は案外広く、赤いじゅうたんが敷かれている。一直線に道は続いていた。部屋などない。
 バタバタと廊下を突き進み、奥にあった大きな扉を蹴り開ける。
 白を基調としたチャペルに、優亜がいた。ベールに顔を包み、馬面の男性と一緒にいる。

「テメェ優亜から離れやがれ!!」

「きゃっ、翔?!」

 いきなりメイドが割り込み、優亜を抱えてかっさらわれたのを見て唖然とする馬面。
 燐はその馬面に銃を突きつけ、黒い笑顔でこう言った。

「うちのお嬢様に何をしようとしたのですか?」

「ひ、ヒィィ!」

 燐が脅しているすきに、怯えたように胸で泣く優亜をなだめる瀬野翔。まるで兄のようだ。

「大丈夫か?」

「うん、うん……。迎えに来るのが、遅すぎる!」

「ごめん」

 涙をぬぐった優亜は、黒影寮に目を向けた。

「銀ちゃんのお友達ね。銀ちゃんはこの先にいるわよ」

「この先?」

「あたしは下層のチャペルなの。もっと不細工な奴が婚約者だったわ。早く助けてあげてね」

 優亜は笑顔で言った。
 黒影寮はそれに首肯で答えると、その先にあったドアを蹴り開ける。長い階段を上り、さらに大きな扉を押して中に飛び込んだ。

「銀ッ!」

「え、み、皆さん?」

 白い光を背に、銀は目を丸くした。まさか、迎えに来てくれるとは。
 それを見た豚は、突如銀の首に腕を回すと、小さなピストルを銀に突き付けた。

「動くとこいつを撃つぞ!!」


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