コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。堂々の完結! 皆様ありがとう!
- 日時: 2015/01/24 21:51
- 名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: zCMKRHtr)
拝啓、天国のお父さんとお母さん。
ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
今日も私の前を、
パンツが飛んでー。
男の怒声が飛び交ってー。
何だか炎まで飛んできてー。
挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
……私、人生間違えましたでしょうか?
***** ***** *****
初めまして、というのもなんですが。一応。
桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
私が誰だか当てられるでしょうk((殴
大変失礼しました。
ちょこっと上で話の内容を書いたつもりなのですが、分かりませんよねww
私もこれをパッと見て、何だこれって思いますもん。
では、これに関する注意点をいくつか。行きますよ。
☆この物語は逆ハーレム要素を含みます。苦手な方はお戻りください。
☆駄作に変わりはないです。
☆恋愛50%、バトル45%、シリアス0.05%、後のは勇気と愛。
☆少しドリームっぽいです(が、そんなに気にはなりません)
☆桐生玲誰? あ、お前知ってるでも嫌いな人は出口はあちらです→
☆また、荒らしやチェーンメール、パクリを行う人も出口はあちらです→
読みましたか? あの、いくつか多いんでゴメンなさい。
それでは。
お客様(桐生的目線でご紹介)
由羽様『最初のお客様です。逆ハー、ハーレムおkの方ww』
野宮詩織様『2番目のお客様です。リア友であり、神作を生み出しているお方です!』
ヴィオラ様『3番目のお客様です。キャラを送って下さりました! お互い頑張りましょう!』
蓮華様『4番目のお客様です。キャラを送ってくださいました。使いやすいキャラをありがとうございます!』
秋様『銀ちゃんの推しなお客様です! あざっす!!』
翠蓮草様『先生キャラを送ってくださったお客様です。登場はもう少々お待ち下さい!!』
メデューサ様『結構オリキャラでお世話になっている方です。今回もありがとうございます!!』
ジョーカー様『前作に限らず今作も送ってくださいました!! 感謝!!』
あんず様『翔推しのお客様です。翔君は俺の嫁!!』
北大路様『神様の名前を考えてくださった人です! コメもくださいました』
マリ様『ルールを守って読んで下さった人です。さすが!!』
梨花様『企画の祭りに参加してくれてありがとうございます。コメももらいました!』
愛河姫奈様『キャラクターの質問に答えたら、来てくださった人です! 感謝です!』
暁月様『一気読みをしてくださった人です。根気ある!』
闘神のアスラ様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部も見てくださっています』
抹茶猫様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部の愛読者様。あざっす!!』
藤田光規様『一気読みしてくださった人です。翔君のおし?』
在様『携帯で一気読みしてくださった人です。しにがみのデートがお気に入りだそうでw』
北斗七星様『最初は桐生玲誰と思っていらした方ですが、山下と気づいてくれて幸いです。大丈夫ですよ!』
リア様『下剋上の方も読んでくださりました。ありがとうございます!』
美桜様『この小説をお気に入りにしてくださりました。ありがとうございます!』
粉雪百合様『もう1つの小説「お前なんか大嫌い!!」から来ました方です。ありがとうございます』
miru様『空華推しの人です、ありがとうございます! 一気読みしちゃったんです!』
葵様『こちらは昴君推しですwぜひとも翔君と取り合ってくださいありがとうございます!』
kyon様『こちらも空華推しの方です。なんと、歴代小説を読んでくださった人です!』
凪紗様『黒影寮ではまったお客様です。なんとディレッサさん推しです!!』
結羽凛様『個人的に好きなキャラは翔様だそうで。少し前から見てくださっていたようですよ! Thanksです』
現在劇場版を展開中。
『劇場版。黒影量は今日もお祭り騒ぎです!〜空と海と未来の花嫁〜』
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『劇場版。駆け抜けろ! 地獄と天国と幽閉された死神〜複雑ファジー』>>290 NG>>296
目次
登場人物>>02 皆のオリキャラ大集合>>67 新キャラ>>175
プロローグ>>4
第1章『ウェルカム、黒影寮』
>>5 >>6 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
第2話『とある彼女は銀の鈴』
>>16 >>17 >>18 >>23 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
第3章『銀と白亜と黒影寮』
>>31 >>32 >>33 >>36
第4章『兄より吐き気』
>>39 >>42 >>45 >>47 >>50
第5章『しにがみのデート』
>>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>59 >>60
第6章『俺達の管理人がこんなに可愛い訳がない』
>>71 >>72 >>77 >>81 >>83 >>86
第7章『英学園の愉快な文化祭』
>>93 >>95 >>102 >>105 >>106 >>115 >>118 >>123 >>126 >>129
第8章『神威銀の誘惑』
>>134 >>135 >>136 >>139 >>140 >>146 >>147
第9章『本当にあった黒影寮の怖い話』
>>149 >>154 >>158 >>159 >>160 >>163 >>170 >>174
第10章『突撃☆隣の中国マフィアさん!』
>>176 >>182 >>185 >>189 >>196 >>199 >>204 >>207 >>215 >>220 >>226
第11章『王良家こんぷれっくす!』
>>278 >>281 >>282 >>284 >>285 >>286 >>287 >>288 >>289 >>300 >>303 >>306 >>309
第12章『君と僕〜オリジナルと亜種〜』
>>314 >>321 >>322 >>323 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>333
第13章『黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです』
>>337 >>345 >>346 >>349 >>352 >>353 >>355 >>356 >>360 >>361 >>364 >>365 >>366
第14章『もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』
>>372 >>378 >>379 >>382 >>385 >>386 >>390 >>393 >>394 >>397 >>401 >>402 >>405
第15章『皇高校ホスト部!!』
>>416 >>417 >>418 >>419 >>423 >>424 >>427 >>430 >>433 >>434
第16章『カゲロウタイムスリップ』
>>437 >>444 >>445 >>448 >>452 >>453 >>454 >>455 >>456 >>459
第17章『家出少女の死にかけ人生』
>>460 >>461 >>464 >>465 >>466 >>467 >>470 >>474 >>478 >>481
第18章『今日、私は告白します』
>>490 >>494 >>497 >>500 >>503 >>506 >>521 >>524 >>527 >>528
第19章『進撃の巨人〜ヒーローと死神がやってきた〜』
>>532 >>535 >>536 >>537 >>538 >>541 >>542 >>543
第20章『噂の空華さん!』
>>544 >>546 >>549 >>552 >>553 >>554 >>557 >>560 >>561 >>562
第21章『明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ』
>>565 >>568 >>569 >>570 >>575
エピローグ
>>576
あとがき
>>577
お知らせ☆
現在部門ごとにオリキャラ募集>>19→終了しました!!
企画開始!!
その1『もしも黒影寮の全員が○○だったら』>>82
その2『みんなで神様の名前を考えよう』>>125
その3『黒影寮フェスティバル! 参加者募集』>>263
期間限定小説
10月31日『ハロウィン』>>46
12月24日『クリスマス』>>94
12月31日『大晦日』>>109
1月1日『お正月』>>112
12月7日『寮長・翔の誕生日』>>130 >>132
2月14日『バレンタイン』>>225
2月23日『都立高校一般入試』>>238
4月1日『エイプリルフール』>>311
7月7日『七夕&銀ちゃんの誕生日』>>387
童話パロディ
『白雪姫』>>63>>68
『赤ずきん』>>87 >>92
『シンデレラ』>>274 >>277
『7匹の子ヤギ』>>409 >>412
黒影寮は今日は作者と質問日和!
神威銀>>124
東翔>>155
椎名昴>>188
王良空華>>241
二条蒼空>>261
堂本睦月>>354
月読怜悟>>357
祠堂悠紀>>400
企画小説『黒影寮主催☆やりたい事は何でもやっちゃうぜふぇすてぃばる!』開催中
・メデューサ様
もしも『黒影寮の住人とその他のキャラの能力』が『ごちゃまぜ』だったら>>85
バレンタイン『お相手:蒼空』>>219
・あんず様
もしも『東翔』が『スクール水着』を着たら>>89
翔が性転換して昴と付き合うことになったらどうなるか>>367
・蓮華様(現:夕遊様)
もしも『黒影寮の全員(つかさ除)と高梨羅』が『性転換』したら>>91
もしも『黒影寮の全員+高梨羅』が『性格ごちゃまぜ』になったら>>114
バレンタイン『お相手:鈴』>>224
・マリ様
『神威鈴が銀の体を乗っ取り東翔にいたずらを仕掛けよう!』>>273
・梨花様
『神威銀を怒らせたらどうなるか?!』>>317
・北斗七星様
『銀ちゃんが幼児化したらどうなるか!!』>>510
『もしも銀ちゃんが本物のビッチだったら(VS翔)』>>513
・kyon様
『銀ちゃんに彼氏がいたら』>>516
番外編
俺は今日、恋を始めます『羅(男)×銀』>>148
翔ちゃんなう!『翔×昴×大地』>>283
どうかこの手でもう1度『蒼空&睦月』>>449
断章『下剋上☆黒影寮!!』
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- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。 ( No.12 )
- 日時: 2011/10/09 21:48
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 実は桐生玲は山下愁でしたってオチです。ゴメンなさい。
第1話 ウェルカム、黒影寮。
次に昴さんに案内されたのは、蓮さんの隣の部屋。表札には『二条蒼空』とお世辞にもきれいとは言えない字で書かれていました。
昴さんは、そのドアをノックします。
部屋の主はすぐに返事をしました。
「何ー?」
「管理人の神威銀ちゃん。蒼空、挨拶して」
蒼空さんはドアを開けました。
黒い髪に青い瞳。どこか女の子のような顔立ちを持つ人でした。翔さんには負けますが、こちらも可愛らしいです。
どちらかと言いますと、翔さんは和服が似合う感じがします。対する蒼空さんは洋服ですね。
「あ、君か。初めまして、二条蒼空だぜ!」
「神威銀と言います。精一杯管理人としての仕事を努めますのでよろしくお願いしますね」
明るい笑顔を向けられたので、こちらも笑顔で返しました。
すると、蒼空さんの向かいの部屋が開きました。中から琥珀色の髪を持つ男の子が出てきました。
左目に泣きほくろがあります。可愛らしい容姿ですが、翔さんや蒼空さんのように女の子、とは言えない気がします。どちらかというと少年です。
「昴君。誰、その子」
「新しい管理人の神威銀ちゃんだよ」
昴さんは私の名前を口にします。私はその男の子に頭を下げました。
男の子はにっこりと笑うと、私の手を握ってきました。
「よろしく。僕は国枝つかさ、分からない事があれば何でも訊いていいからね」
つかささんはそう言いますと、部屋に帰って行きました。
そのとたん、蒼空さんと昴さんが同時にため息をつきました。一体何があったのでしょう?
「よかったー、つかさがキレなくて」
「え、キレると何かがあるんですか?」
私は2人に問いかけました。
2人は顔を見合せますと、私にノートを見るように促します。
ノートを開き、つかささんのページを確認してみます。書かれていた能力は『狂戦者』——。
「そうやって書いて、バーサーカーって読むんだ。キレると見境なく人に襲いかかるから気をつけて」
昴さんはそう言いますが、私はそんな感じはしませんでした。
つかささん、いい人だと思うんですけど……。
「さて、あとは1人なんだけど……。悪い蒼空、ついてきてくれないか?」
「ん? いいけど、どうしてだ? 昴は副寮長だし、俺がついて行かなくても結構強いだろ?」
蒼空さんは頭の後ろで手を組んで言います。
昴さんは苦笑いを浮かべると、頬をポリポリと掻きました。そして言葉を紡ぎます。
「最後の奴、空華なんだよね?」
「あ、そ。じゃあついて行くわ。俺も銀ちゃんが心配」
心配? 何が心配なんでしょう。
そう言えば、空華さんと言えば私が1人の時に隣にいてくれた人です。とても優しい人でしたけど……。
昴さんは蒼空さんを連れて、端の部屋へ来ました。
表札には『王良空華』と書かれています。この先に空華さんがいるんですね。
「空華、いる?」
昴さんは緊張した表情で、ドアをノックしました。
返事はありません。留守のようです。
「絶対居留守だ。俺、姿見たもん」
蒼空さんは唇を尖らせました。
昴さんは呆れたようにため息をつきますと、ドアノブを捻ります。
部屋の中は——
「うぇ、昴?」「きゃん」
ベッドの上に転がる半裸にされている女性と、眼帯の男の人。眼帯をしている方の人には見覚えがあります。
空華さんです。
「「「…………」」」
その光景を見た瞬間に、私達の動きは止まりました。
何でしょう、この裏切られた感は。
「いやぁ……ハハッ。彼女がどうしてもって言うからね?」
空華さんは言い訳じみた事を言いますが、今の昴さんには何を言っても通用しなさそうです。
何故なら、昴さんの表情は完全に引き攣っていたからです。引き攣った笑顔を浮かべていました。
「……空華。いいよ、続けてて」
昴さんは言いました。とてもとても、静かに。
蒼空さんは何かを察したのか、ゆっくりとした足取りでどこかに行きました。行き先は蒼空さんの隣の隣の部屋——翔さんの部屋です。
「翔、呼んでくるから」
次の瞬間、廊下を焦がすかと思うぐらいに炎が噴きでました。
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。 ( No.13 )
- 日時: 2011/10/10 22:17
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 実は桐生玲は山下愁でしたってオチです。ゴメンなさい。
第1話 ウェルカム、黒影寮。
とにかく、全員が食堂に集合した訳ですが。
さっきから殺気を放ちまくっている訳です。お互いさま。
「……空華。俺は言ったはずだが?」
特に殺気だっている翔さんが、黒焦げで項垂れている空華さんに言います。
原因はやはり、無断で連れてきた彼女にあるようです。
ちなみに彼女さんは怜悟さんの幽霊で気絶させ、睦月さんが瞬間移動で送りました。どこかに。
「ナンパするのは大いに結構。好きにしろ。だが寮には連れてくるな。分かるだろう?」
「分かってるけどさぁ。別にいいじゃん、あの子が来たいって言ったんだから」
空華さんが反論すると、翔さんの手から炎が飛びだします。
炎の弾丸を空華さんは左へ上半身をそらしてよけました、が。
「俺の攻撃は甘くない」
机を踏み台にして、翔さんは空華さんの顔面目掛けて足を振り下ろしました。
空華さんは翔さんの蹴りをモロに喰らい、回転しながら飛んで行きました。そして床に盛大に体を打ちつけて動かなくなります。
だけど翔さん、床に転がっている空華さんを見て不機嫌そうに吐き捨てました。
「分身を使うとはやるじゃねぇか」
「俺様の攻撃も甘くはないってね」
いつの間にか翔さんの後ろには、小さな刀を構えた空華さんが建っていました。
静かに殺気を放つ2人の間に、昴さんが割って入ります。
「喧嘩をする為に全員を食堂に呼んだんじゃないよ?」
「あぁ、そうだったな」
翔さんは睦月さんの方を見ました。
睦月さんは静かに頷くと、私の前に白い紙を出現させました。物質転送したのでしょう。
その白い紙は、どうやら誓約書のようです。
「えーと?」
「これは、俺らの秘密を守る事を約束する誓約書だ。珊瑚の野郎もこれを書いて、管理人なんかをやっていたんだ」
私は白い紙に目を通します。
何でしょう。『黒影寮に通う特別能力育成クラスの者の力を他者に流出しない』——。
「特別能力育成クラスって一体何ですか?」
「俺らのような変人g「俺らのような不思議な力を持つ人が通うクラスだよ」
翔さんが変人と言いかけたので、慌てて昴さんが訂正しました。
他の人に、力がある事を教えてはダメって、どういう事でしょうか?
「軍事開発に利用されて死ぬよりかはましだ。特別能力育成クラスってのは自分の力をコントロールする事を学び、己が持つ力を乱用して悪事を働く馬鹿どもを葬る仕事をしているクラスだ」
「要は悪者退治って事」
翔さんが難しく言ってきたので、悠紀さんが分かりやすく言い直してくれました。
なるほど。悪者退治ですかー。
何の漫画でしょうね?
「あぁ、監視はするからな?」
「え?! 家でも見られてるって事ですか?!」
私が翔さんに訊き直すと、翔さんは首を傾げてきました。
「家に帰れるとでも?」
「え?」
「帰れる訳ねぇだろ。監視は目の届くところがいい。寮に住め」
そんな理不尽な。
私、学生ですよ? 学校は?
「英学園は近くだから送ってくぞ——睦月辺りが」
「何でワシやねん?!」
睦月さんが翔さんにツッコみました。
「それとも何だ? 珊瑚のように家に帰らせてもらう代わりに寝る時も風呂の時も着替えの時も見られてて欲しいのか?」
変態ですか?!
ていうか、叔母さん見られてたんですか!!
「あいつはおかしいのな。見られて興奮してるようだったぞ」
私は改めて、叔母と言う存在が分からなくなりました。
叔母さん、あなたは変態なんですか?
「で、どうするんだ? 風呂も見られたくないんなら寮に住め。住むのが嫌なら全部監視させてもらうぞ」
絶対に寮に住むのがいいと思うのは何故でしょう。というか家に帰りたいが為に全て監視されてた叔母さんが分かりません。
私が選択肢に悩んでいると、空華さんが一言。
「今ならもれなく俺様がついてくるよ?」
「帰ります」
即決です。
あの時の空華さんで分かりました。空華さんは優しいんじゃないんです。
私の体目当てで優しくしてたのですね……!
「監視するならどうぞお好きに。では失礼します」
ペコリ、と頭を下げて私は黒影寮を後にしました。
あんなとこ、早く出て行きたいです。
「なぁ、銀ちゃん出て行っちゃったんやけど。よかったんか?」
「……あいつが監視すればいいって言うんだから、いいんじゃねぇのか?」
「いや、そうじゃないねん」
「未来予知(テレスコープ)で見えたんやけど、力を悪用した男どもに銀ちゃんが攫われたんや」
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。 ( No.14 )
- 日時: 2011/10/11 22:06
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 実は桐生玲は山下愁でしたってオチです。ゴメンなさい。
第1話 ウェルカム、黒影寮。
えーと、私は今、何をしているんでしょうか? ていうか、何をされているんでしょうか。
両手両足を見事に縛られて、車でどこかに運ばれています。
うーん。優しそうなお兄さんに道を尋ねられて、教えても分からないと言うのでそこまで手を引っ張って連れて行こうとしたら、いつの間にか気絶してました。
お人よしというか、常識が欠けているというか……。とにかく、私は馬鹿な事をしましたね。
「ま、大人しくしてもらえれば俺らは何もしねーよ」
「何も、ですか?」
ここでなら絶対服を剥いでくると思ったのですが、どうやらそんな事はないようです。
じゃあ、何をするんですか?
運転をしている男の人——ピアスをまぶたにも鼻にも口にも開けたピアス様が言いました。
「こちとら、お前をおとりとして使いたいだけだし」
「おとり、ですか? 誰をおとりにするんです? 私を人質にとっても家は大して金持ちでもないですし」
そんなに友達もいませんし、学校にも迷惑は——かかりますね。余裕でかかりますね。
ですが、ピアス様は違う、という一言で私の台詞を一蹴しました。
「黒影寮の奴らを呼び寄せられれば、それでいいんだ」
「黒影、寮」
私が管理人を務める寮の名前です。
まさか、この人は黒影寮の事を知っているのでしょうか? 翔さん達も?
「俺みたいな不思議な力を持つ奴らの間じゃ、黒影寮の奴らは警察みたいなものだ」
「そ、そんなにすごいんですか。黒影寮って」
ハハハ、とピアス様は笑います。
「すごいってレベルじゃねぇよ。あいつらは化け物さ。真っ向から挑んで敵う相手じゃねぇ。まして、この町は隠れてはいるがあらゆる能力者がいるんだぜ?」
俺のようにな、とピアス様は付け足します。
ピアス様も何か能力を持っているのですね。私には分かりかねます。
「発見した」
その時、凜とした声がしたと思ったら車が止まりました。
ピアス様は舌打ちをすると、外へ出ます。
私は窓の外を覗きました。
外にあるのは森だけです。黒影寮に繋がる森だけ。そこにピアス様が強張った表情を浮かべながら立っていました。
「本当、怖いよねー」
「ひぎゃあ!」
いきなり体に何かが圧し掛かってきたので、思わずヘッドバッドをかましました。
その向こうでは空華さんが額を押さえながら悶絶していました。
何をしているのでしょう? この人。
「君がいけないんじゃないかー! 俺様、君を助けに来たのに!」
「私に触らないでください。よからぬ事をしてきそうです」
狭い車の中で、私は空華さんから逃げるように距離を取ります。
空華さんはため息をつくと、私の手足を縛っている縄をなぞって切りました。
パラリと落ちる縄。何をしたのでしょうか?
「ん。ちょっとした術を使っただけ。さ、お姫様。お手をどうぞ?」
空華さんはへらりと笑うと、私に手を差しだしてきました。
……信じても、いいのでしょうか? ですが、外を見る限り空華さん1人ではなさそうです。
私は空華さんの手を取りました。
「よし。じゃ、目をつむっててね!」
空華さんが印を結び、聞こえないぐらいに何かをつぶやくと——。
「……あれ?」
いつの間にか私は車の外にいました。空華さんの手をずっと握りながら。
空華さんは私の手を引っ張り、黒影寮の方向へ走って行きます。
「怜悟、睦月! 頼んだ!」
「貸し1つ」
「何か奢れや」
森の中から睦月さんと怜悟さんが現れました。
怜悟さんは身長を超すぐらいに長い刀を抜き、ピアス様に向けます。刀身には青い炎が灯っていました。
睦月さんは遠隔念動力(サイコキネシス)を使ってのなのでしょうか、大きな木を何本も浮かべていました。
「お前ら……汚ぇぞ!」
ピアス様が何かを叫んでいます。
空華さんはピタリと足を止めると、ピアス様の方へ向きました。瞳は先程のへらへらとした様子はありません。どこまでも冷ややかな氷の目です。
「汚いのはどっち? ていうか催眠術なんてよく出来たね。君さ、悠紀と同じ『言葉使い』でしょ? それを使って攫おうなんてよく考えたね」
空華さんは鼻で笑うと、懐から真っ黒なナイフを取り出しました。
あれは、苦無ですね。
「分からせてやるよ。お前がどれだけ無力かってのを」
空華さんは苦無をピアス様に投げつけました。
ピアス様は空華さんが投げた苦無を弾きますが、視線の先に空華さんはいませんでした。
「ハイ、残念」
ドンッと空華さんはピアス様の首筋に手刀を叩きこむと、ピアス様を気絶させました。
結局、睦月さんと怜悟さんの助けなしで、ピアス様をやっつけました。
***** ***** *****
「黒影寮のみんなに、何て言えばいいんでしょう」
監視するならどうぞって言って出てきちゃいましたし……。
今更、のこのこ帰れるのでしょうか。
すると、空華さんがへらりとした笑顔を浮かべました。
「大丈夫でしょ。だってみんな優しいし」
「本当ですかね」
「本当も本当。だったら助けになんか来ないで的確に相手を殺ってから帰ってるよ?」
空華さんは私の頭を撫でました。
お兄ちゃんのような感じがしました。フッと心が軽くなったような感じがします。
「黒影寮へようこそ。銀ちゃん」
ここから、私の管理人生活が始まります。
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。 ( No.15 )
- 日時: 2011/10/12 22:07
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 行きます山下初のハーレム!!
第1章裏書き
山下愁「裏書きと言う名の反省会!!」
黒影寮一同「「「「「おい?!」」」」」」
山下愁「何ですか。文句がお有りですか」
神威銀「あるに決まってるじゃないですか! 私、何で攫われたんです?!」
王良空華「ってか、結局俺様が働いただけで他の野郎は何もしてないじゃん!!」
東翔「この仕打ちはやはり殺すしかないよな……?」
山下愁「ストーップ?! 何故殺す。何故殺される前提、山下は!!」
椎名昴「あれ。山下愁じゃなくて桐生玲じゃなかった?」
山下愁「うん。直した」
黒影寮一同「「「「「じー」」」」」
山下愁「ハイハイ。この第1章の裏書きと言う名の反省会! 言いたい事はあるのかな?」
堂本睦月「果てしなく作者を殺したいんやけど。ワシは何や。物質転送と遠隔念動力をやっただけやん」
二条蒼空「あれ? 未来予知もやってなかった?」
堂本睦月「あ、やってるな」
国枝つかさ「睦月君は案外人気者なんだよ」
黒影寮&作者「「「「「え?!」」」」」
国枝つかさ「特に、野宮詩織様から絶大な支持を受けている」
堂本睦月「ホンマ? あ、野宮さんどうもありがとー」
月読怜悟「羨ましい」
祠堂悠紀「本当そうだね。睦月、『今すぐ落ちろ』」
堂本睦月「悠紀?! 言葉使いを発動させんといて! 怖い!」
椎名昴「うーん。でもいいんじゃないの? 後から人気が出てくる場合もあるよ」
祠堂悠紀「そんなものかね」
二条蒼空「にしても。やっぱ空華の女好きは変わんねーのな。彼女を連れ込んでるし」
月読怜悟「何しようとしてたの」
王良空華「言えない事☆」
神威銀「空華さん1回死んで来てもらえませんか?」
王良空華「銀ちゃんが冷たい!!」
篠崎蓮「ふわぁ……。何してんだぁ?」
山下愁「裏書きと言う名の反省会ですよ」
篠崎蓮「うわぁ! びびびびっくりさせんなよ……!」
神威銀「蓮さん尻尾がぼわぼわ……(蓮の尻尾を撫でる)」
篠崎蓮「ふぇあ?! ちょ、神威やめ……!」
祠堂悠紀「銀。違う。こうやるの(さらに激しく蓮の尻尾を遊ぶ)」
篠崎蓮「や、や、やだぁ……。あんま尻尾いじるなぁ……(涙目で)」
山下愁「こーゆーシーンを書きたかったんだけどね」
篠崎蓮「作者の痴女が!!」
山下愁「失礼な。変態と言え」
椎名昴「そんな事をハッキリと言えるお前はすごい」
月読怜悟「もうそろそろ、締め」
東翔「面倒だな。管理人やれ」
神威銀「え、えぇ? 私がですか?」
東翔「拒否権はない。寮長命令だ」
神威銀「わ、分かりましたよ。これで反省会は終わります! 次章もお楽しみに!!」
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。 ( No.16 )
- 日時: 2011/10/13 21:59
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 行きます山下初のハーレム!!
第2章 とある彼女は銀の鈴。
午前5時。いつも習慣付いているので自然と目が覚めました。
寝ぼけ眼で部屋を見回すと、何だかインテリアが変わっているような気がします——。
あぁ、そうでした。私は黒影寮の管理人として住み込みで働いているのです。
そうと分かれば朝ごはんの支度をしなくては。
私はベッドから出て、パジャマから制服に着替えました。昨日は学校はなかったのですが、今日はあります。
「今日から頑張らなくては!!」
気合を入れる為、自分の頬をピシャリと打ちます。そしてドアを開けますと——。
——上半身裸の住民が何かやっていました。
筋トレみたいなのをしている人もいれば、ただひたすらにものを浮かせていたりする人もいます。素振りをしている人もいます。
そうです。黒影寮の住民です。
「な、何をしてるんですかー?!」
「銀ちゃんおはよー」
「あ、おはようございますって話になっていません! 何をしているのか説明してください!」
朝は騒がしく始まります。
***** ***** *****
全員制服に着替えてもらい、そろっての朝ごはんです。
せっかく管理人になったので、腕によりをかけて朝ごはんを作りました。
「銀ちゃん料理上手なんだねー」
昴さんがハムエッグを頬張りながら言いました。
こう面と向かって言われると、何だか照れます。
「自慢ではありませんが、料理には自信ありますよ!」
胸を張って言うと、私の頭にお皿が降ってきました。
誰かと思って見上げますと、悠紀さんが私の頭にお皿を乗せていました。何やらクスクスと笑っています。
「そのまま30秒キープねww」
「いや、待ってくださいよ! 何で私がこんな事をしなきゃならないのですか?!」
私は悠紀さんが乗せたお皿を掴み、シンクに置いてある水の入ったバケツへとつけました。
当本人、悠紀さんはと言うと愛用であるノートパソコンを取り出して何やら文章を打ちこんでいます。
確か、悠紀さんは小説家を志望していましたね。いい作品であると期待しておきましょう。
「銀。ごちそうさま」
怜悟さんが丁寧にもお皿をバケツへとつけながら言ってくれました。怜悟さんに続き、睦月さんや蓮さんが「ごちそうさま」と言ってくれました。
そしてあの最初から俺様全開の翔さんも、
「管理人。明日は和食で」
「あ、ハイ。了解しました」
きちんとリクエストももらいました。
皆さんが支度をしている間に、私はお皿を洗うとしましょう。
「ぎーんちゃーん♪」
「……空華さんですか」
私にお皿を手渡しながら、空華さんは笑顔を浮かべました。
「超おいしかった。ね、俺様の為に味噌汁作r「そんな訳ありません」えー、一蹴?!」
だと思いました。
この人、あの時で分かったんです。結構な女好きと。
ナンパな人には興味ありません。ていうか異性にすらも興味なんかさらさらありませんから。
「それよりですね、これをどうぞ」
「ん? 何、これ」
私は空華さんに青い包みを差しだしました。
空華さんは首を傾げながらもこれを受け取ってくれました。
「お弁当です」
「え、マジで?! 銀ちゃん俺様だけn「安心してください。全員のも作りました」あ、そー」
色とりどりに並べられたお弁当の包みを差します。
空華さんは少し残念そうな表情を浮かべて、お弁当を平たい鞄の中に入れました。
「俺様達さ、いつもお弁当じゃなくて購買や学食だったからさ。誰かに何かを作ってもらうのって久々なんだよね」
空華さんはへらりとした笑みを浮かべて言いました。
「……彼女さんがいるのでは?」
「彼女は料理作れないんだ、これが」
そうですか。
だからと言って、恋をする訳でもありませんから。絶対に。
「おーし。全員いるかー?」
玄関ホールで翔さんが確認します。
全員いるという事を確認し終わりますと、翔さんはパンッと手を打ちました。
「予定はなし。管理人、門限は7時だ。遅くなるんだったら俺以外の誰かに連絡を寄越せ」
「え、でも番号とかアドレス分かりません」
「ノートに書いてある」
確認しますと、本当に乗ってました。番号が。
翔さんはビシッと怜悟さんを指すと、命令を下します。
「今日はテメェが銀を送って行け」
「了解」
「ちょ、ちょっと?! 私は1人でも行けますって——話を聞いてください!!」
どうやら、ここではあまり私の話は耳に入れられないようです。
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