コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。堂々の完結! 皆様ありがとう!
日時: 2015/01/24 21:51
名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: zCMKRHtr)

 拝啓、天国のお父さんとお母さん。
 ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
 私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
 今日も私の前を、

 パンツが飛んでー。

 男の怒声が飛び交ってー。

 何だか炎まで飛んできてー。

 挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
 ……私、人生間違えましたでしょうか?

***** ***** *****

 初めまして、というのもなんですが。一応。
 桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
 私が誰だか当てられるでしょうk((殴
 大変失礼しました。

 ちょこっと上で話の内容を書いたつもりなのですが、分かりませんよねww
 私もこれをパッと見て、何だこれって思いますもん。
 では、これに関する注意点をいくつか。行きますよ。

☆この物語は逆ハーレム要素を含みます。苦手な方はお戻りください。
☆駄作に変わりはないです。
☆恋愛50%、バトル45%、シリアス0.05%、後のは勇気と愛。
☆少しドリームっぽいです(が、そんなに気にはなりません)
☆桐生玲誰? あ、お前知ってるでも嫌いな人は出口はあちらです→
☆また、荒らしやチェーンメール、パクリを行う人も出口はあちらです→

 読みましたか? あの、いくつか多いんでゴメンなさい。
 それでは。


お客様(桐生的目線でご紹介)
由羽様『最初のお客様です。逆ハー、ハーレムおkの方ww』
野宮詩織様『2番目のお客様です。リア友であり、神作を生み出しているお方です!』
ヴィオラ様『3番目のお客様です。キャラを送って下さりました! お互い頑張りましょう!』
蓮華様『4番目のお客様です。キャラを送ってくださいました。使いやすいキャラをありがとうございます!』
秋様『銀ちゃんの推しなお客様です! あざっす!!』
翠蓮草様『先生キャラを送ってくださったお客様です。登場はもう少々お待ち下さい!!』
メデューサ様『結構オリキャラでお世話になっている方です。今回もありがとうございます!!』
ジョーカー様『前作に限らず今作も送ってくださいました!! 感謝!!』
あんず様『翔推しのお客様です。翔君は俺の嫁!!』
北大路様『神様の名前を考えてくださった人です! コメもくださいました』
マリ様『ルールを守って読んで下さった人です。さすが!!』
梨花様『企画の祭りに参加してくれてありがとうございます。コメももらいました!』
愛河姫奈様『キャラクターの質問に答えたら、来てくださった人です! 感謝です!』
暁月様『一気読みをしてくださった人です。根気ある!』
闘神のアスラ様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部も見てくださっています』
抹茶猫様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部の愛読者様。あざっす!!』
藤田光規様『一気読みしてくださった人です。翔君のおし?』
在様『携帯で一気読みしてくださった人です。しにがみのデートがお気に入りだそうでw』
北斗七星様『最初は桐生玲誰と思っていらした方ですが、山下と気づいてくれて幸いです。大丈夫ですよ!』
リア様『下剋上の方も読んでくださりました。ありがとうございます!』
美桜様『この小説をお気に入りにしてくださりました。ありがとうございます!』
粉雪百合様『もう1つの小説「お前なんか大嫌い!!」から来ました方です。ありがとうございます』
miru様『空華推しの人です、ありがとうございます! 一気読みしちゃったんです!』
葵様『こちらは昴君推しですwぜひとも翔君と取り合ってくださいありがとうございます!』
kyon様『こちらも空華推しの方です。なんと、歴代小説を読んでくださった人です!』
凪紗様『黒影寮ではまったお客様です。なんとディレッサさん推しです!!』
結羽凛様『個人的に好きなキャラは翔様だそうで。少し前から見てくださっていたようですよ! Thanksです』

現在劇場版を展開中。
『劇場版。黒影量は今日もお祭り騒ぎです!〜空と海と未来の花嫁〜』
>>229 >>232 >>234 >>237 >>239 >>240 >>242 >>245 >>248 >>249 >>250 >>253 >>254 >>255 >>258 >>262 >>264 >>265 >>266 >>271 >>272

『劇場版。駆け抜けろ! 地獄と天国と幽閉された死神〜複雑ファジー』>>290 NG>>296


目次
登場人物>>02 皆のオリキャラ大集合>>67 新キャラ>>175
プロローグ>>4
第1章『ウェルカム、黒影寮』
>>5 >>6 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
第2話『とある彼女は銀の鈴』
>>16 >>17 >>18 >>23 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
第3章『銀と白亜と黒影寮』
>>31 >>32 >>33 >>36
第4章『兄より吐き気』
>>39 >>42 >>45 >>47 >>50
第5章『しにがみのデート』
>>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>59 >>60
第6章『俺達の管理人がこんなに可愛い訳がない』
>>71 >>72 >>77 >>81 >>83 >>86
第7章『英学園の愉快な文化祭』
>>93 >>95 >>102 >>105 >>106 >>115 >>118 >>123 >>126 >>129
第8章『神威銀の誘惑』
>>134 >>135 >>136 >>139 >>140 >>146 >>147
第9章『本当にあった黒影寮の怖い話』
>>149 >>154 >>158 >>159 >>160 >>163 >>170 >>174
第10章『突撃☆隣の中国マフィアさん!』
>>176 >>182 >>185 >>189 >>196 >>199 >>204 >>207 >>215 >>220 >>226
第11章『王良家こんぷれっくす!』
>>278 >>281 >>282 >>284 >>285 >>286 >>287 >>288 >>289 >>300 >>303 >>306 >>309
第12章『君と僕〜オリジナルと亜種〜』
>>314 >>321 >>322 >>323 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>333
第13章『黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです』
>>337 >>345 >>346 >>349 >>352 >>353 >>355 >>356 >>360 >>361 >>364 >>365 >>366
第14章『もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』
>>372 >>378 >>379 >>382 >>385 >>386 >>390 >>393 >>394 >>397 >>401 >>402 >>405
第15章『皇高校ホスト部!!』
>>416 >>417 >>418 >>419 >>423 >>424 >>427 >>430 >>433 >>434
第16章『カゲロウタイムスリップ』
>>437 >>444 >>445 >>448 >>452 >>453 >>454 >>455 >>456 >>459
第17章『家出少女の死にかけ人生』
>>460 >>461 >>464 >>465 >>466 >>467 >>470 >>474 >>478 >>481
第18章『今日、私は告白します』
>>490 >>494 >>497 >>500 >>503 >>506 >>521 >>524 >>527 >>528
第19章『進撃の巨人〜ヒーローと死神がやってきた〜』
>>532 >>535 >>536 >>537 >>538 >>541 >>542 >>543
第20章『噂の空華さん!』
>>544 >>546 >>549 >>552 >>553 >>554 >>557 >>560 >>561 >>562
第21章『明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ』
>>565 >>568 >>569 >>570 >>575

エピローグ
>>576

あとがき
>>577

お知らせ☆

現在部門ごとにオリキャラ募集>>19→終了しました!!
企画開始!!
その1『もしも黒影寮の全員が○○だったら』>>82
その2『みんなで神様の名前を考えよう』>>125
その3『黒影寮フェスティバル! 参加者募集』>>263

期間限定小説
10月31日『ハロウィン』>>46
12月24日『クリスマス』>>94
12月31日『大晦日』>>109
1月1日『お正月』>>112
12月7日『寮長・翔の誕生日』>>130 >>132
2月14日『バレンタイン』>>225
2月23日『都立高校一般入試』>>238
4月1日『エイプリルフール』>>311
7月7日『七夕&銀ちゃんの誕生日』>>387

童話パロディ
『白雪姫』>>63>>68
『赤ずきん』>>87 >>92
『シンデレラ』>>274 >>277
『7匹の子ヤギ』>>409 >>412

黒影寮は今日は作者と質問日和!
神威銀>>124
東翔>>155
椎名昴>>188
王良空華>>241
二条蒼空>>261
堂本睦月>>354
月読怜悟>>357
祠堂悠紀>>400

企画小説『黒影寮主催☆やりたい事は何でもやっちゃうぜふぇすてぃばる!』開催中

・メデューサ様
もしも『黒影寮の住人とその他のキャラの能力』が『ごちゃまぜ』だったら>>85
バレンタイン『お相手:蒼空』>>219
・あんず様
もしも『東翔』が『スクール水着』を着たら>>89
翔が性転換して昴と付き合うことになったらどうなるか>>367
・蓮華様(現:夕遊様)
もしも『黒影寮の全員(つかさ除)と高梨羅』が『性転換』したら>>91
もしも『黒影寮の全員+高梨羅』が『性格ごちゃまぜ』になったら>>114
バレンタイン『お相手:鈴』>>224
・マリ様
『神威鈴が銀の体を乗っ取り東翔にいたずらを仕掛けよう!』>>273
・梨花様
『神威銀を怒らせたらどうなるか?!』>>317
・北斗七星様
『銀ちゃんが幼児化したらどうなるか!!』>>510
『もしも銀ちゃんが本物のビッチだったら(VS翔)』>>513
・kyon様
『銀ちゃんに彼氏がいたら』>>516

番外編
俺は今日、恋を始めます『羅(男)×銀』>>148
翔ちゃんなう!『翔×昴×大地』>>283
どうかこの手でもう1度『蒼空&睦月』>>449
断章『下剋上☆黒影寮!!』
>>485 >>486 >>487 >>488 >>489

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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.382 )
日時: 2012/06/17 17:44
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第14章 もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら


 さてさて、もう試合の日にちがやってきました。
 第1試合は————

「あん? て、テメェら! 学校の行事以外でこういう事に参加する奴だったのか?!」

「げ、安心院寮……」

 炎さんと岬さんと姶良さんがいました。
 相手はどうやら英学園正規の第1寮・安心院寮らしいです。特に炎さんは発火操作という能力を使えます。かつて、私がさらわれた事もありました。
 炎さんは寮長である翔さん、そしてその後ろにいる昴さん達を眺めます。赤い目が細められました。

「真面目でガリ勉な特別クラスの奴らがやってきたぜ。おい、テメェら! 貧弱どものお出ましだ!」

 安心院寮には人がたくさん集まっているようです。それも全員屈強な連中でした。
 炎さんを筆頭に、全員が笑います。

「貧弱どもが、俺らに勝てるとでも思っているのかアァ?」

 炎さんは翔さんに向かってメンチを切りました。
 その時です。私は聞きました。

 ————皆さんの頭から、ブチッという音がするのを。

 黒影寮の皆さんは平然と立っていますが、全員が拳を握っていました。これは相当怒っている様子です。
 翔さんはいつもは浮かべない、にっこりとした笑みを張りつけました。

「悪かったな、貧弱そうで。だが安心しろ、負けるのはテメェらの方だ」

「黙れ少女容姿が。テメェはそこで男でも捕まえて色目を使ってやがれ、バーカ」

 翔さんが死神ルックで攻撃しそうになっていましたが、昴さんが必死になって押さえていました。

***** ***** *****

 さて、1回表です。攻撃は安心院寮の皆さん、守備は黒影寮の皆さんです。
 実は皆さん、『守備がいい』と言っていましたので、睦月さんの未来予知を使ってじゃんけんを負けさせるように仕向けたのでした。

「ハーァ。あんな挑発に簡単に乗っちゃうなんてね。黒影寮も馬鹿な連中が多いこった」

 お兄ちゃんが私の隣で、偉そうに足を組みながら座っていました。その隣には零さんの姿も見えます。この2人は監督です。
 ちなみに空華さんの投球速度を計る為、リデルさんは私のすぐ近くにいます。
 ……大丈夫でしょうか。いえ、黒影寮ではなく安心院寮の方です。

「おやおや、大変そうッスねー」

「銀ちゃん銀ちゃんチアリーダーの格好はしてくれないの?」

 と、そこへ白亜さんと羅さんがやってきました。この大会を嗅ぎつけてきたのでしょうか?
 白亜さんはにっこりと笑いました。

「いやぁ、私らもこれに参加するんスよ。多分黒影寮さんが勝ち抜けば当たりますよ?」

 ——————エ?
 黒影寮に当たるって事は、つまり——

「死ぬ気ですか、白亜さん? 羅さん?」

「何で死ぬ気になっているんスかね。私は全然死ぬ気なんてありませんし、むしろ勝つつもりでいますよ?」

「そうそう! 優勝すればお米1カ月分! それを銀ちゃんにプレゼントすれば好感度アップ! あわよくばウフフな展開に持ち込める! あ、鈴様でもいいよ!」

「鈴なら多分お付き合いするのには構いませんけど、鏡の向こう側に行かなくてはなりませんよ?」

 羅さんは相変わらずのようです。
 すると、試合を告げるホイッスルが鳴りました。空華さんが遠くでボールを振りかぶって投げます。

 ————ズバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアンンンンンンッッッッ!!

 いつもよりすごい音が、グラウンドに響き渡りました。
 私の肩に乗っていたリデルさんは、ポテチをくわえながら答えます。

「3000キロなの」

「「3000キロ?!」」

 さすがのお兄ちゃんと零さんも驚いたようです。そして2人はグラウンドの方を見ます。
 唖然としているバッターさんを見て、余裕そうに笑う空華さん。手加減なんかしないようです。

「おいおい、何してんだよ。少しぐらい手加減しねぇとまずいだろ?」

「えー? でもこいつらは手加減しないでいいんじゃないの?」

 にやにやと笑う翔さんと空華さん。絶対に負かす気です。

「……あいつら、テレビに放映されたいのか?」

「いえ、別にそういう訳ではないと思うんですけど」


 で、結果ですけど。
 150対0でコールドゲームで黒影寮の勝ちでした。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.383 )
日時: 2012/06/17 20:49
名前: 抹茶猫 (ID: AzXYRK4N)  

はいぃぃぃぃぃぃぃ!?3000キロ!?なんでそんなはやいの!?バカなの?ねぇバカなの!?速すぎ!!空華さんすご!!憧れるわぁ〜…。つか150対0の試合って…すご…!!いや〜…羨ましいなぁ…
あぁすいません興奮しすぎました…
それにしても…安心院寮の皆さん…相当バカですね。弱い奴ほどよく吠えるとはこのことですね〜(笑)
黒影寮の皆さんはカッコいいですね…結婚してください!!なんて…ダメだよねダメだよね銀ちゃんいるしね…
はい。かなりテンションが高い抹茶猫でした。
更新頑張って下さいね〜

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.384 )
日時: 2012/06/18 21:27
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

抹茶猫様>>


空華「え、これが俺様の実力ってものですから☆」

だそうです。まぁ、空華君は馬鹿ですからいいんじゃないでしょうか? 全員馬鹿にされてブチ切れていましたしw
コールド負けですね。安心院寮の皆さん。ザマミロって感じですw

蒼空「え、結婚? うーん、もう少し待って。あと2年ぐらい?」

まぁ銀ちゃんには空華君と翔君がいれば事足りるでしょう☆
結婚相手には困らない銀ちゃんでした。それでは更新頑張ります!

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.385 )
日時: 2012/06/18 22:14
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第14章 もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら


 と言う訳で第2試合は、まさかの皇高校運動部の皆さんです。しかも助っ人として羅さんがいます。
 こ、これは強敵ですね! 皆さん大丈夫でしょうか?

「フッフーン、こっちが勝ったら銀ちゃんを嫁としてもらうから」

「まだそんな事を言っていたのか。いい加減にしろ、この野郎」

 ピッチャー羅さんに対して、バッターは翔さん。
 ちなみに言っておきます。4番バッターは空華さんです。ここは経験者である空華さんがやった方がいいのでは、という事になりまして。
 翔さんはバットを構えます。
 羅さんは勢いをつけて——投げました!

 ズバンッ!

 球が、見えなかったんですけど。
 リデルさんが蒼空さんの肩から速度を計ります。

「170キロなの」

「170キロ? でも、球が——あ、そうです!」

 羅さんは、物質を好きなように分解して好きなように戻せるというチート的な能力を持っていました!
 投げてミットに行く時になってから戻せば、簡単にストライクです。
 ですが、翔さんはバットを振っていませんでした。そしてチッと舌打ちをすると、バットを担いでこちらに帰ってきました。勝手にタイムを使った様子です。

「おい、少し俺もチートを使うがいいよな?」

「え、あの……?」

「あぁいいぞ。思い切りやってこい」

 私の意見を仰いだはずなのに、何故か答えたのは零さん。翔さんはバットを置いて、空中から鎌を抜いて死神モードになりました。
 え、一体何をする気ですか?

「これで打つ」

 翔さんは鎌を変形させてバットの形にしますと、赤いバットを構えました。
 羅さんは、ピッチャーの位置からにやりと笑います。

「死神モードになって。本気で負けられないらしいね?」

「こんなところで負けたら炎の死神の名が廃る。——来い、ビッチ。全力で相手してやる」

 久々に聞きました、翔さんのビッチ。
 羅さんは額に青筋を立て、本気で投げました。どういう力を以てしてなのか、球はすごい速度を叩きだしている様子です。が、物質分解はしていませんでした。
 翔さんはそれを見逃しませんでした。バットに変えた鎌をフルスイングして、蒼穹の彼方へとボールをふっ飛ばしました。ホームランです。

「ッシャァ!!」

 ベンチからは黒影寮の皆さんで、1点が入った事が何よりも嬉しかったようです。

***** ***** *****

 4番バッターである空華さんまで何とかつなげましたが、2番バッターのつかささん、3番バッターの怜悟さんはこらえられず、3振してしまいました。空華さんもホームランを叩きだし、2点を獲得しました。が、次の蓮さんで3振をしてしまいチェンジです。
 第1試合と同じような形式で、空華さんはピッチャー、蓮さんがキャッチャーを務めます。
 グローブをつけた空華さんは、大きく振りかぶって投げました。

 ズッバァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッッッ!

 第1試合よりもすごい音を立てて、ボールはミットに収まりました。だ、大丈夫でしょうか?
 すると、バッターである白亜さんが何を思ったのかバットを捨てて審判に話に行きました。一体何をしているのでしょうか?
 審判はコクリと頷くと、大きな声を張り上げます。

「ポジションチェンジを要求します。今の球は速すぎて打てないとの事! もはや人間ではないので、誰か他の人とチェンジをお願いします!」

 唖然としました。まさかの空華さんによる狙撃者マッハピッチングがここで使えなくなってしまうなんて。
 さて、どうしましょう?
 他に投げられると言ったら翔さんか昴さんか蒼空さんぐらいですよね?

「だったらワシが投げたるわ」

 睦月さんが手を挙げました。どういう風の吹きまわしでしょう。
 そう言えば、睦月さんは物質を移動させる物質移動(アポーツ)というものを持っていましたね。これで勝てるかもしれません!
 え、どうしてそこまで勝利に執着しているのかですって? 決まっているじゃないですか。お米はほしいですけど、羅さんのお嫁には行きたくありません。私の貞操がピンチです。

「キャッチャーは蓮で続行。空華はワシとポジション交代してくれ。ホームラン打たれたらごめんな」

「気にするな。その時は俺様が全部取ってやる」

 ポン、と睦月さんにボールを渡して、空華さんはライトへと行きます。睦月さんはグローブを構えて、そして何かに気づいたように空華さんに何かを言いました。
 空華さんは少し黙ってから「了解」と返します。そして右目にしてある眼帯を取りました。
 毒々しい紫色の瞳があらわになります。一体何をしようと?

「プレイボール!」

 審判の声と共に、睦月さんはボールを投げました。
 フッと姿を消します。そして情けないポスッという音がして、蓮さんのグローブに収まりました。

「……い、今の何スか?」

「消える魔球や」

 睦月さんはにやりと笑います。
 白亜さんは顔を険しくしました。

 ————そして3振。スリーアウトチェンジです。


 あとで分かった事ですが、白亜さんが審判を洗脳して空華さんを封じたようです。さすが神の命令。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.386 )
日時: 2012/06/25 22:11
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: テスト期間なんて死ねばいい

第14章 もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら


 さて、野球大会が再開されました。
 睦月さんは魔球を用いて白亜さんを打ち破ります。が、次はそうはいきません。
 何と、4番バッターは羅さんです!

「げ。お前か」

「げ、とはこちらの台詞だ。このイケメン」

 羅さんのイケメン、久々に聞いた感じがします。どうしてでしょう。
 きっと、出番のせいですね(←ゴメン
 睦月さんは舌打ち交じりに言葉を吐き捨てます。

「お前が相手やと、何だか本気でやりたくなるわ!!」

「来い!」

 バットを構える羅さん。
 睦月さんは大きく振りかぶって投げました。そして瞬時に物質転送をかけます。
 ポスン、と間抜けな音がして蓮さんのミットに収まりました。

「ボール」

 これは見送ったようです。
 睦月さんはにやりと笑い、次は割と本気で投げました。
 羅さんはボールを睨みつけ、そしてバットを振ります。ですが、そこでボールが落ちました。カクッと90度。
 ……フォークボール?

「ストライク!」

 睦月さんの親指が立っています。あ、遠隔念動力(テレキシス)を使いましたね。
 別に構いませんけど、審判さんにどやされますよ?

「まだまだ!」

「もう1回やったるわ!!」

 そして結果、羅さんは見事睦月さんの超能力を打ち破り、ヒットを叩きだしましたが。

「ハイ、アウト」

 昴さんの俊足により、タッチアウトとなりました。
 それがあまりにも嫌だったのか、羅さんは地に膝をついて(こんな感じorz)吐いていました。そこまで男性が嫌いですか!!
 白亜さんはそれを見て、舌打ちをします。

「ずるいですね。超能力者を投入してくるなんて。こっちだって洗脳は使っていないッスよ?」

「使っていない、じゃなくて使えないんでしょ?」

 味方のベンチから白刃お兄ちゃんが抗議します。
 今、羅さんと白亜さん、そしてその他敵の能力は全て封じさせてもらっています。空華さんの手によって。
 空華さんはセンターポジションからにやにやした視線で、羅さんを見ていました。
 その視線に気づいた羅さんは、空華さんに親指を下に向けて答えを返します。ファックですか。

「残念だけど、ここは負ける以外に他ないよね?」

「どうしてそこまでして勝たせようとしてくれないんですか?」

 白亜さんは監督である零さんとお兄ちゃんを睨みつけました。
 零さんとお兄ちゃんは、声をそろえて答えます。

「「だって、同性に妹を(銀ちゃんを)渡すはずがないじゃない」」

 お兄ちゃんは鏡を、零さんは拳を握りました。笑顔で。
 あれ、私って大事にされているんでしょうか。何ででしょう、少し嬉しいような突っ込みたいような。

「それは羅さんに行ってくださいス」

「えー、だってねぇ?」

 お兄ちゃんは鏡に手をかざし、にやにやした様子で、

「『神威さんにメイド服姿でご奉仕してもらいたいな』とか思っていたり?」

「するッス!」

「自信満々に答えないでください! 黒影寮の皆さん、意地でも勝ってください!」

 でないと私の貞操が!

「安心しなよ、銀ちゃん」

 空華さんが笑います。次のバッターは空華さんからでしたね。
 金属バットを肩に担ぎ、ボックスへ向かう空華さん。そして蒼穹の彼方へと、バットを突きつけました。
 よ、予告ホームランですか?!

「————よ、い、しょっ!!」

 女の子がソフトボールの如く投げたボールは、見事に空華さんの振ったバットに当たります。
 キィン、と甲高い音がして空へとボールが飛んで行きました。
 きれいなホームランです。


 7対6で、僅差で勝ちました。


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