コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。堂々の完結! 皆様ありがとう!
日時: 2015/01/24 21:51
名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: zCMKRHtr)

 拝啓、天国のお父さんとお母さん。
 ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
 私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
 今日も私の前を、

 パンツが飛んでー。

 男の怒声が飛び交ってー。

 何だか炎まで飛んできてー。

 挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
 ……私、人生間違えましたでしょうか?

***** ***** *****

 初めまして、というのもなんですが。一応。
 桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
 私が誰だか当てられるでしょうk((殴
 大変失礼しました。

 ちょこっと上で話の内容を書いたつもりなのですが、分かりませんよねww
 私もこれをパッと見て、何だこれって思いますもん。
 では、これに関する注意点をいくつか。行きますよ。

☆この物語は逆ハーレム要素を含みます。苦手な方はお戻りください。
☆駄作に変わりはないです。
☆恋愛50%、バトル45%、シリアス0.05%、後のは勇気と愛。
☆少しドリームっぽいです(が、そんなに気にはなりません)
☆桐生玲誰? あ、お前知ってるでも嫌いな人は出口はあちらです→
☆また、荒らしやチェーンメール、パクリを行う人も出口はあちらです→

 読みましたか? あの、いくつか多いんでゴメンなさい。
 それでは。


お客様(桐生的目線でご紹介)
由羽様『最初のお客様です。逆ハー、ハーレムおkの方ww』
野宮詩織様『2番目のお客様です。リア友であり、神作を生み出しているお方です!』
ヴィオラ様『3番目のお客様です。キャラを送って下さりました! お互い頑張りましょう!』
蓮華様『4番目のお客様です。キャラを送ってくださいました。使いやすいキャラをありがとうございます!』
秋様『銀ちゃんの推しなお客様です! あざっす!!』
翠蓮草様『先生キャラを送ってくださったお客様です。登場はもう少々お待ち下さい!!』
メデューサ様『結構オリキャラでお世話になっている方です。今回もありがとうございます!!』
ジョーカー様『前作に限らず今作も送ってくださいました!! 感謝!!』
あんず様『翔推しのお客様です。翔君は俺の嫁!!』
北大路様『神様の名前を考えてくださった人です! コメもくださいました』
マリ様『ルールを守って読んで下さった人です。さすが!!』
梨花様『企画の祭りに参加してくれてありがとうございます。コメももらいました!』
愛河姫奈様『キャラクターの質問に答えたら、来てくださった人です! 感謝です!』
暁月様『一気読みをしてくださった人です。根気ある!』
闘神のアスラ様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部も見てくださっています』
抹茶猫様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部の愛読者様。あざっす!!』
藤田光規様『一気読みしてくださった人です。翔君のおし?』
在様『携帯で一気読みしてくださった人です。しにがみのデートがお気に入りだそうでw』
北斗七星様『最初は桐生玲誰と思っていらした方ですが、山下と気づいてくれて幸いです。大丈夫ですよ!』
リア様『下剋上の方も読んでくださりました。ありがとうございます!』
美桜様『この小説をお気に入りにしてくださりました。ありがとうございます!』
粉雪百合様『もう1つの小説「お前なんか大嫌い!!」から来ました方です。ありがとうございます』
miru様『空華推しの人です、ありがとうございます! 一気読みしちゃったんです!』
葵様『こちらは昴君推しですwぜひとも翔君と取り合ってくださいありがとうございます!』
kyon様『こちらも空華推しの方です。なんと、歴代小説を読んでくださった人です!』
凪紗様『黒影寮ではまったお客様です。なんとディレッサさん推しです!!』
結羽凛様『個人的に好きなキャラは翔様だそうで。少し前から見てくださっていたようですよ! Thanksです』

現在劇場版を展開中。
『劇場版。黒影量は今日もお祭り騒ぎです!〜空と海と未来の花嫁〜』
>>229 >>232 >>234 >>237 >>239 >>240 >>242 >>245 >>248 >>249 >>250 >>253 >>254 >>255 >>258 >>262 >>264 >>265 >>266 >>271 >>272

『劇場版。駆け抜けろ! 地獄と天国と幽閉された死神〜複雑ファジー』>>290 NG>>296


目次
登場人物>>02 皆のオリキャラ大集合>>67 新キャラ>>175
プロローグ>>4
第1章『ウェルカム、黒影寮』
>>5 >>6 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
第2話『とある彼女は銀の鈴』
>>16 >>17 >>18 >>23 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
第3章『銀と白亜と黒影寮』
>>31 >>32 >>33 >>36
第4章『兄より吐き気』
>>39 >>42 >>45 >>47 >>50
第5章『しにがみのデート』
>>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>59 >>60
第6章『俺達の管理人がこんなに可愛い訳がない』
>>71 >>72 >>77 >>81 >>83 >>86
第7章『英学園の愉快な文化祭』
>>93 >>95 >>102 >>105 >>106 >>115 >>118 >>123 >>126 >>129
第8章『神威銀の誘惑』
>>134 >>135 >>136 >>139 >>140 >>146 >>147
第9章『本当にあった黒影寮の怖い話』
>>149 >>154 >>158 >>159 >>160 >>163 >>170 >>174
第10章『突撃☆隣の中国マフィアさん!』
>>176 >>182 >>185 >>189 >>196 >>199 >>204 >>207 >>215 >>220 >>226
第11章『王良家こんぷれっくす!』
>>278 >>281 >>282 >>284 >>285 >>286 >>287 >>288 >>289 >>300 >>303 >>306 >>309
第12章『君と僕〜オリジナルと亜種〜』
>>314 >>321 >>322 >>323 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>333
第13章『黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです』
>>337 >>345 >>346 >>349 >>352 >>353 >>355 >>356 >>360 >>361 >>364 >>365 >>366
第14章『もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』
>>372 >>378 >>379 >>382 >>385 >>386 >>390 >>393 >>394 >>397 >>401 >>402 >>405
第15章『皇高校ホスト部!!』
>>416 >>417 >>418 >>419 >>423 >>424 >>427 >>430 >>433 >>434
第16章『カゲロウタイムスリップ』
>>437 >>444 >>445 >>448 >>452 >>453 >>454 >>455 >>456 >>459
第17章『家出少女の死にかけ人生』
>>460 >>461 >>464 >>465 >>466 >>467 >>470 >>474 >>478 >>481
第18章『今日、私は告白します』
>>490 >>494 >>497 >>500 >>503 >>506 >>521 >>524 >>527 >>528
第19章『進撃の巨人〜ヒーローと死神がやってきた〜』
>>532 >>535 >>536 >>537 >>538 >>541 >>542 >>543
第20章『噂の空華さん!』
>>544 >>546 >>549 >>552 >>553 >>554 >>557 >>560 >>561 >>562
第21章『明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ』
>>565 >>568 >>569 >>570 >>575

エピローグ
>>576

あとがき
>>577

お知らせ☆

現在部門ごとにオリキャラ募集>>19→終了しました!!
企画開始!!
その1『もしも黒影寮の全員が○○だったら』>>82
その2『みんなで神様の名前を考えよう』>>125
その3『黒影寮フェスティバル! 参加者募集』>>263

期間限定小説
10月31日『ハロウィン』>>46
12月24日『クリスマス』>>94
12月31日『大晦日』>>109
1月1日『お正月』>>112
12月7日『寮長・翔の誕生日』>>130 >>132
2月14日『バレンタイン』>>225
2月23日『都立高校一般入試』>>238
4月1日『エイプリルフール』>>311
7月7日『七夕&銀ちゃんの誕生日』>>387

童話パロディ
『白雪姫』>>63>>68
『赤ずきん』>>87 >>92
『シンデレラ』>>274 >>277
『7匹の子ヤギ』>>409 >>412

黒影寮は今日は作者と質問日和!
神威銀>>124
東翔>>155
椎名昴>>188
王良空華>>241
二条蒼空>>261
堂本睦月>>354
月読怜悟>>357
祠堂悠紀>>400

企画小説『黒影寮主催☆やりたい事は何でもやっちゃうぜふぇすてぃばる!』開催中

・メデューサ様
もしも『黒影寮の住人とその他のキャラの能力』が『ごちゃまぜ』だったら>>85
バレンタイン『お相手:蒼空』>>219
・あんず様
もしも『東翔』が『スクール水着』を着たら>>89
翔が性転換して昴と付き合うことになったらどうなるか>>367
・蓮華様(現:夕遊様)
もしも『黒影寮の全員(つかさ除)と高梨羅』が『性転換』したら>>91
もしも『黒影寮の全員+高梨羅』が『性格ごちゃまぜ』になったら>>114
バレンタイン『お相手:鈴』>>224
・マリ様
『神威鈴が銀の体を乗っ取り東翔にいたずらを仕掛けよう!』>>273
・梨花様
『神威銀を怒らせたらどうなるか?!』>>317
・北斗七星様
『銀ちゃんが幼児化したらどうなるか!!』>>510
『もしも銀ちゃんが本物のビッチだったら(VS翔)』>>513
・kyon様
『銀ちゃんに彼氏がいたら』>>516

番外編
俺は今日、恋を始めます『羅(男)×銀』>>148
翔ちゃんなう!『翔×昴×大地』>>283
どうかこの手でもう1度『蒼空&睦月』>>449
断章『下剋上☆黒影寮!!』
>>485 >>486 >>487 >>488 >>489

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116



Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.247 )
日時: 2012/03/02 21:48
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: テスト爆発しろ!

夕遊様>>


ねぇ、1つだけ訊いてもいい?
銀ちゃんって言って、友達は分かるの? 嫁宣言はいいけど、銀ちゃんって言って友達は分かってくれた? 私のキャラだと言う事に。

もう羅ちゃんはどっちでも使えるようになったねww
銀ちゃん(百合)に行くか鈴(通常)に行くか……どっちなんだろ。

鈴&銀「「どっちでも」」

しれっとした感じで言うなよ2人とも。
そして絵の話題だけど……。何? 翔君が「あぁぁぁぁああ!」ってなってる姿は超見たいんだけどww
着色して見せてね、絶対だよ!
じゃないとこれから羅得話はないy(((殴ッ☆ ごめんなさい調子に乗りました。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.248 )
日時: 2012/03/02 22:14
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: テスト爆発しろ!

劇場版 第8章


 その翌日の朝になる。メイドの習慣のせいか、早起きに慣れてしまった瀬野翔は誰よりも早く起きて朝食の準備をする。
 だが、その際に朝日を浴びて目を覚ますと言う習慣も身についてしまっていた。
 瀬野翔は眠たい目をこすり、境内へと出る。ややぼさぼさになりつつあるあでやかな黒髪をポニーテールに結び直し、朝もや色に染まるスクリーンの空を見上げた。
 この空の向こうは一体どうなっているのだろうか。
 願わくば、主人と一緒に見たいものだ。

「っとと。早く朝食の支度をしなくては」

 目を覚ました瀬野翔はみんなが眠る休憩所へと足を向けたが。

 ザザッ

 何かがやってくる音がして、瀬野翔は足を止めた。
 後ろに誰かがいる。瀬野翔はゆっくりとメイド服のスカートへ手を伸ばした。スカートの下には翔と同じような柄の赤い鎌がバラバラにされてあるのだ。

「そこにいるのは、誰だ?」

 限界まで低い声で背後に問いかけるが、答える気配はない。
 瀬野翔は思い切って振りかえってみた。
 そこにいたのは、細く黒い針——のような人だった。全身が黒いから分からなかった。目には眼帯をしていて、エメラルドグリーンの瞳は据わっている。
 瀬野翔はその人物を知っていた。

「王良空華様ですか?」

 空華は瀬野翔の声に気づいたのか、のろのろを顔を上げる。一瞬だけ表情を強張らせたが、相手が瀬野翔だと確信するとフッとその顔を緩める。

「何だ、瀬野さんか————」

「あれ。空華様? 空華様?! しっかりしろ、おい!!」

***** ***** *****

 空華が目を覚ましたところは布団の中だった。彼は眠っていたのだ。
 身を起こすと、心配そうな表情をした黒影寮の仲間達がいる。

「お前ら……」

「何をしていたんだ、空華。昨日の夜は寝たはずだろ?」

 翔が空華にデコピンをして理由を訊く。
 空華はデコピンを叩きこまれた額をさすりながら、理由を話した。

「ちょっと情報収集をしていた。それと仕事も取ってきた」

「仕事だと? ふざけんな。今は神威涙を探すのが先決だ」

「——それが、涙の居場所を示す仕事でも、翔は断るつもりでいるのか?」

 いつになく真剣な眼差しで、黒影寮の寮長を見つめる空華。翔は押し黙った。
 そこへ瀬野翔と燐が水を持ってやってくる。

「お気づきになられましたか。まだ安静にしていてくださいね」

「それよりも2の2くえすとルーキーも呼んでくれないかな。仕事がある」

 ハァ……、ととりあえず頷いた瀬野翔は、ルーキー達を呼びに行った。ついでに未来の翔も。
 全員がそろったところで、空華は話しだす。

「——昨日情報収集に行ったのは、クイーンズ・オブ・キャッスルでさ」


 〜空華視点〜


 俺様はクイーンズ・オブ・キャッスルに情報を探しに行ったのさ。もちろん、それは神威涙の情報について。
 アンドロイドにもメンテナンスっていう時間はある。兄弟の誰かが言ってたのを思い出して、2時ぐらいまで待ってみたのさ。そしたら案の定メンテナンスに入って1億体の半分が消えた。
 1億が5000万まで減っても人数はいる。そこで、俺様は能力を消す術を自分にかけた。そうすれば能力ブロッカーに引っかからないからね。
 アンドロイドは夜中になると交替制になるらしいから、その時間まで待った。そしたらほんのわずかな隙ができたんだよ。入口からアンドロイドが離れるほんの1分ぐらいの時間が。そのすきに俺様は建物内に忍び込んだ。
 中はビルみたいなところでさ、企業に就職試験を受けに来たのかって思ったよ。

「さぁて……涙様のお部屋はどちらに?」

「こちらに」

 背中に嫌なものを感じた俺様は、足を止めた。
 鋭い殺気。俺様と同じような奴か?

「あれ、神社にいた眼帯さんじゃん。名前は分からないから眼帯さんでいいよね」

 月夜に照らされて輝く銀髪。まぎれもなく、昼間に見た隊長のやーさんだ。

「何しに来たの?」

「涙様の情報を探しに」

「ふーん……」

 やーさんは俺様をじろじろ見回した。そりゃ怪しいだろうよ。
 だけど、やーさんは疑わなかった。

「ま、いいか。涙様の居場所を知りたいんでしょ。でも残念、ここにはそんな情報はないの」

「——ない?」

「うん。知っているのはうちだけだよ。メリアスっていう人も知っているけど、涙様が帰ってきたと思っているからね」

 やーさんは、涙様の情報を簡単に教えてくれた。

「涙様の居場所は多分旧・東京だ。この下」

「下?」

「下に古い東京があるんだってさ。探索し続けているんだけど一向に見当たらない。そんな中に銀ちゃんがひょっこり現れたから帰ってきたと勘違いされてるんだ」

「だとすると、涙様はまだそこに?」

「かもね。探索範囲はめちゃくちゃ狭い。だから、あんたに1つ頼んでもいいかな」

 やーさんは真剣な表情でお願いしてきた。

「旧・東京で涙様を見つけてほしいんだ。それがお願い」

「……どうして、俺様何かに? ルーキーがいるから?」

「それもあるけど。あんたは似てるの。うちの仲間に。だから、その容姿を信用して、うちはあんたに情報を与えた。ちゃんとやってよね? あ、行くなら婚約パーティーが終わってからにしなよ」

 歓迎してやんぜー、うちの友達として。とやーさんは笑ってくれた。


「と、ここまで」

「「「「「急展開だな、おい?!」」」」」

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.249 )
日時: 2012/03/04 21:37
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: テスト爆発しろ!

劇場版 第9章


 と言う訳で、未来の翔に婚約パーティーに参加するよう頼んでみた。

「ハァ? パーティーに参加しろだぁ? ふざけんな、誰があんなパーティーに出るか!」

 全力で断られた。
 だがしかし、こちらにも意地がある。未来の翔を説得するべく、過去の翔が立ち上がった。

「どうしても参加しないのか」

「しねぇ」

 頑として参加しないと言い張る未来の翔。そしてお茶をすすって——ふと、翔の事を見上げた。
 幸いにも、未来の翔と翔の容姿は似ている————。

「だったら、テメェが参加しろよ。容姿が似てるんだし、ばれないと思うぜ?」

「ハァ? どうして俺が参加しなきゃいけねぇんだよ?! あれ、でも俺が参加すれば万々歳?」

 ここ最近頭を使っていないせいか、回転が鈍っている東さん。
 その時、ブロロロロロロロと音がした。境内の方だ。

「あーずまーさーん。いい加減参加してもらわないと困るんですけどー」

 優奈が今度はバイクで来たのだ。
 全員で窓の外を唖然とした様子で見ていると、未来の翔が翔の事を蹴りだす。ついでに黒影寮とメイドと執事とルーキーも。
 優奈は不思議そうな表情を浮かべ、首を傾げた。

「どうして蹴りだされたの?」

「あぁ、いや。住人に、な」

 翔は苦笑いでごまかす。本当に役をやれって言うのか、お前。
 だが仕方がない。ここまで来て参加するチャンスを失う訳にもいかない。翔は立ち上がって優奈に言った。

「婚約パーティーに参加する。だから案内しろ」

「そうこなくっちゃー。メリアスさんも喜ぶぞ。あ、後ろの人達も付添って事ならいいと思うよ」

 やや上機嫌になりつつある優奈は、城の方へバイクを飛ばした。

***** ***** *****

「……ホテルみたいだな」

 ぼそりと怜悟がつぶやく。彼らは今、赤いじゅうたんの廊下を歩かされていた。
 ここはクイーンズ・オブ・キャッスルの最上階。でかいホールへとつながる1本の廊下である。先頭を歩くのは、もちろん特務警備隊で慣れている優奈だ。

「や、やーさん」

 優羽が優奈の背中へ語りかける。

「ん? どうした優羽。別に能力は使ってもおkだよ?」

「そうじゃなくて……どうしてルーキーのところに戻ってこないの」

「まだやる事があるからね。さぁ、ここだよ会場は。ゆっくりして行ってね!」

 バンッと大きなドアを開けた先には、色とりどりのドレスに身を包んだアンドロイドと人間。ワインを片手に会話している男性女性。そしてオーケストラを奏でているロボット。
 料理は様々なものまで並んでいる。さすが婚約パーティー。女王のパーティーだけある。

「ふわぁぁぁ! すげぇぇ!」

 蒼空は目をきらきら輝かせて叫んだ。
 すると、何やら奥の方が騒がしい。そちらの方へ自然と目が向けられる。

「ど、どうしましょう。女王のケーキがまだ!」

「お、落ち着け! こういう時はとりあえず魔法使いを」

「いや、あなたが落ち着いてくださいよ支配人!」

 どうやら話の内容を聞く限り、ケーキを落としてぐしゃぐしゃにしてしまったらしい。これは困ったものだ。
 まだ女王——銀の姿は現れていないが、どうするのだろう。
 そこで、瀬野翔が彼らに声をかけた。

「あの僭越ながらよろしいですか?」

「おや、あなたはお客人の——」

「瀬野翔と申します。そのケーキ、私がお作りいたします。厨房へ案内してください。必ずや女王様のお気に召す最高のものを作らせてもらいましょう」

 笑顔でそう告げる完璧メイド・瀬野翔。支配人達は瀬野翔を厨房へと連れて行った。
 その姿を見ていた3軍勢は——。

「瀬野さんってさ、何者なんだろうね?」

 昴がそこの使用人にもらったパイナップルジュース(3000年世界にもあるらしい)を飲みながら、翔に訊く。

「あの人は何でも完璧のこなしますからね。もちろん、体術も棒術も完璧ですよ」

 燐はワインを片手でくるくると回しながら言った。あれ……あなた、未成年じゃないでしたっけ?

「残念ながら、僕は成人しました」

 さいですか。
 白刃も零と共にワインを飲みながら、首を傾げる。

「でも綺麗な人だよね。美人で性格もよし、まさに完璧じゃない。完璧メイドさんじゃない」

「ハァ。でもですね、ご主人さまと付き合っているのですよ」

 ……。みんなの動きが止まった。
 燐がワイングラスに口をつけたところで、みんなが燐にストップをかける。

「なぁ、今何て言った? ご主人さまって優亜ちゃんの事だよね。優亜ちゃんって女の子だよね?!」

「ハイそうですが」

「まさか——羅ちゃんと同じn「な訳ねぇだろあたしの心は鈴様のものじゃー! でも銀ちゃんも好き!」

 羅に物質分解されたグラスを大量に落とされる空華。その横では鈴が顔を真っ赤にして、「恥ずかしい事を言うなよ」と言っていた。
 すると、オーケストラの合奏が鳴り終わる。

「さぁ、これより女王と友人の優亜様のご登場です!!」

 アナウンスが流れ、反対側にある大きなドアが開かれる。
 そこから現れたのは、ピンク色のドレスに身を包んだ優亜と、白いドレスに身を包んだ銀の姿だった。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.250 )
日時: 2012/03/05 15:08
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: テスト爆発しろ!

劇場版 第10章


 似合っている。ドレス姿がとてつもなく似合っている。可愛らしい。
 だが、調子に乗って褒めまくるであろう黒影寮が唖然とした様子で見ているのだか、よほど似合っているのだろう。誰か、予想で銀ちゃんのドレス姿を描いておくれ。
 さて。2人の姫君が登場したところで、瀬野翔がケーキを運んできた。
 かなりでかいウエディングケーキに匹敵するケーキだった。イチゴやら桃やら、ありとあらゆるフルーツがふんだんに使われている。精緻な飴細工も最上部に施されていて、人の手では作れないような感じを醸し出していた。
 銀の方は当たり前に唖然としていた。
 優亜の方は慣れているのか、平然としていた。

「クイーン、神威涙様。ご友人の相崎優亜様。僭越ながら、メイドの私がケーキを作らせてもらいました。お口に会うとよろしいのですが」

 メイド服のスカートをつまみ上げ、上品にあいさつをする瀬野翔。
 銀はパクパクと口を開閉させて、

「こ、これあなたが作ったんですか?! すごすぎません?!」

「当然よ。相崎家のメイドだもの」

 優亜は瀬野翔の代わりに答え、ケーキにフォークをブッ刺して口に運んでいた。それでいいのか。
 瀬野翔は最後に一礼し、3軍勢のところに戻ってきた。

「なぁ、燐。あれでよかったと思うか?」

「いいじゃないですか? あなたのセンスは最高だと思いますけど。あの上部にある飴細工は何を思ったのです?」

「あぁ。あれはバラの花。着色料が3000年世界にまだ生きていたらしいから、それをふんだんに使わせてもらった。青いバラなんて言うのはさすがに作ったら食べる気なくすだろ?」

「でしょうね。クリームもつやつやしていると言うか、あれ全て手でやりましたよね?」

「俺がやったのは飴細工と生クリームだけだな。組み立てはアンドロイドの使用人どもをフル使用してやった。手伝っていやっているのだからこれぐらい当然だろ」

 ケタケタと笑いながら腕組みをするメイド・瀬野翔。あれ、男口調になってません?
 そんな事を気にしない(というか男装している女がいる時点で性別認識がやや狂っている)黒影寮は、

「……あれ、もらってきてもいいと思うか?」

「思わない。だからってもらいに行こうとしない、翔ちゃん」

「チッ」

 銀達が食べているケーキがあまりにも美味しそうだった為、取りに行こうとしていた翔を止める昴。
 それを横目で見ながら、『日本伝統!』とか書かれた札が取り付けられている寿司を口に放り込んでいる空華。その隣では睦月がお好み焼きを食べている。

「……何でお好み焼き?」

「お好み焼きが好きやねん。文句あるか」

「ありません」

 俺様も寿司が好きだから別にいいかー、と空華は内心思う。

「これから、旧・東京を調査するんだよね?」

「うわ、びっくりした!」

 いつの間にいたのか、後ろには直人がそこでもらった白いゼリーを両手に持ちながら訊く。

「それ何?」

「白桃のゼリーだって。遺伝子組み換えかもしくは下から引き揚げたかで生成しているんだってさ。それよりも、本当に旧・東京に行かなきゃいけない系?」

「いけない系。君の仲間にもお伝えできる?」

「あ、それは大丈夫」

 直人は空華の背後を示した。
 そこには、同じように白桃のゼリーを両手に持ったルーキーの姿が。

「もう聞いているから」

「何で気配を消して俺様の背後にいる訳?!」

***** ***** *****

 パーティー部分はここで割愛させてもらうとして。3軍勢は未来の翔がいる神社へと帰還した。同じように八雲優奈も。
 優奈に至っては見送りだが。

「本当に悪いね。行けなくてさ。これから婚約者を迎えに行かないといけないんだ」

「やーさん、特務警備隊って雑用ばかりじゃん」

「だからそうだってメリアスのババアにも言ってるんだけどな。で、そこの未来のお兄さんも旧・東京に同行する訳だ」

 青い瞳を未来の翔へと映す。
 コートを羽織っていた未来の翔は、首肯した。

「楽しそうだからな」

「婚約パーティーでは過去の東翔さんがいらっしゃっていたみたいですね、そこは否定されませんか」

「何だ、気づいていたのか」

「2の2くえすとルーキーを舐めるな、この少女容姿」

 未来と過去のタッグ攻撃が、優奈へと襲いかかる。

「おぉ、そうだそうだ。じゃあこれをやんよ」

 優奈は何かを思い出したらしく、ポケットをあさった。取り出されたのは小さなスピーカーだった。
 当然、興味を示した蒼空と昴、そして機械にめっぽう強い(だろう)悠紀が反応する。

「何それ」

「メッセージですよん。女王様より」

 カチリ。再生ボタンが押される。

『えーと、やーさんに頼んで録音してもらっています。黒影寮の皆さん、元気そうでなによりです。体調管理はしっかりしてくださいね。絶対ですよ。風邪なんて引いたら寮に帰ってからお説教ですからね!』

 スピーカーから聞こえてきたメッセージに、思わず黒影寮の連中は吹き出してしまう。なるほど、銀らしい。
 ついでにこの方からもメッセージ。

『翔、燐! 死んでないわよね?! 絶対に迎えに来てよね。あたし、もうあんな風になるのはごめんだからね! 絶対よ!』

 ブッハッと瀬野翔と燐は同時に吹き出した。
 停止ボタンを押し、優奈は首を傾げる。

「元気出た?」

「出た出た。すごい出た」

 鈴は緋色の扇を広げて調子を確かめる。うん、鈍ってはいない。

「気をつけて。下は危険だからね。姫様の為にも無事で帰ってくるように」

「分かってるよ」

 3軍勢は、旧・東京につながる穴へと落ちて行った。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.251 )
日時: 2012/03/05 19:00
名前: 北大路 ◆Hy48GP/C2A (ID: vlinVEaO)
参照: http://www3.hp-ez.com/hp/distance-urabana/

お久し振りです。


こんな状況でも皆を心配してくれるなんて
銀ちゃん本当にいい子。

及川「鈴もあーだったらいいなあ」

鈴 「え?誰が?(イライラ」


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116