コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。堂々の完結! 皆様ありがとう!
日時: 2015/01/24 21:51
名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: zCMKRHtr)

 拝啓、天国のお父さんとお母さん。
 ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
 私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
 今日も私の前を、

 パンツが飛んでー。

 男の怒声が飛び交ってー。

 何だか炎まで飛んできてー。

 挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
 ……私、人生間違えましたでしょうか?

***** ***** *****

 初めまして、というのもなんですが。一応。
 桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
 私が誰だか当てられるでしょうk((殴
 大変失礼しました。

 ちょこっと上で話の内容を書いたつもりなのですが、分かりませんよねww
 私もこれをパッと見て、何だこれって思いますもん。
 では、これに関する注意点をいくつか。行きますよ。

☆この物語は逆ハーレム要素を含みます。苦手な方はお戻りください。
☆駄作に変わりはないです。
☆恋愛50%、バトル45%、シリアス0.05%、後のは勇気と愛。
☆少しドリームっぽいです(が、そんなに気にはなりません)
☆桐生玲誰? あ、お前知ってるでも嫌いな人は出口はあちらです→
☆また、荒らしやチェーンメール、パクリを行う人も出口はあちらです→

 読みましたか? あの、いくつか多いんでゴメンなさい。
 それでは。


お客様(桐生的目線でご紹介)
由羽様『最初のお客様です。逆ハー、ハーレムおkの方ww』
野宮詩織様『2番目のお客様です。リア友であり、神作を生み出しているお方です!』
ヴィオラ様『3番目のお客様です。キャラを送って下さりました! お互い頑張りましょう!』
蓮華様『4番目のお客様です。キャラを送ってくださいました。使いやすいキャラをありがとうございます!』
秋様『銀ちゃんの推しなお客様です! あざっす!!』
翠蓮草様『先生キャラを送ってくださったお客様です。登場はもう少々お待ち下さい!!』
メデューサ様『結構オリキャラでお世話になっている方です。今回もありがとうございます!!』
ジョーカー様『前作に限らず今作も送ってくださいました!! 感謝!!』
あんず様『翔推しのお客様です。翔君は俺の嫁!!』
北大路様『神様の名前を考えてくださった人です! コメもくださいました』
マリ様『ルールを守って読んで下さった人です。さすが!!』
梨花様『企画の祭りに参加してくれてありがとうございます。コメももらいました!』
愛河姫奈様『キャラクターの質問に答えたら、来てくださった人です! 感謝です!』
暁月様『一気読みをしてくださった人です。根気ある!』
闘神のアスラ様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部も見てくださっています』
抹茶猫様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部の愛読者様。あざっす!!』
藤田光規様『一気読みしてくださった人です。翔君のおし?』
在様『携帯で一気読みしてくださった人です。しにがみのデートがお気に入りだそうでw』
北斗七星様『最初は桐生玲誰と思っていらした方ですが、山下と気づいてくれて幸いです。大丈夫ですよ!』
リア様『下剋上の方も読んでくださりました。ありがとうございます!』
美桜様『この小説をお気に入りにしてくださりました。ありがとうございます!』
粉雪百合様『もう1つの小説「お前なんか大嫌い!!」から来ました方です。ありがとうございます』
miru様『空華推しの人です、ありがとうございます! 一気読みしちゃったんです!』
葵様『こちらは昴君推しですwぜひとも翔君と取り合ってくださいありがとうございます!』
kyon様『こちらも空華推しの方です。なんと、歴代小説を読んでくださった人です!』
凪紗様『黒影寮ではまったお客様です。なんとディレッサさん推しです!!』
結羽凛様『個人的に好きなキャラは翔様だそうで。少し前から見てくださっていたようですよ! Thanksです』

現在劇場版を展開中。
『劇場版。黒影量は今日もお祭り騒ぎです!〜空と海と未来の花嫁〜』
>>229 >>232 >>234 >>237 >>239 >>240 >>242 >>245 >>248 >>249 >>250 >>253 >>254 >>255 >>258 >>262 >>264 >>265 >>266 >>271 >>272

『劇場版。駆け抜けろ! 地獄と天国と幽閉された死神〜複雑ファジー』>>290 NG>>296


目次
登場人物>>02 皆のオリキャラ大集合>>67 新キャラ>>175
プロローグ>>4
第1章『ウェルカム、黒影寮』
>>5 >>6 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
第2話『とある彼女は銀の鈴』
>>16 >>17 >>18 >>23 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
第3章『銀と白亜と黒影寮』
>>31 >>32 >>33 >>36
第4章『兄より吐き気』
>>39 >>42 >>45 >>47 >>50
第5章『しにがみのデート』
>>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>59 >>60
第6章『俺達の管理人がこんなに可愛い訳がない』
>>71 >>72 >>77 >>81 >>83 >>86
第7章『英学園の愉快な文化祭』
>>93 >>95 >>102 >>105 >>106 >>115 >>118 >>123 >>126 >>129
第8章『神威銀の誘惑』
>>134 >>135 >>136 >>139 >>140 >>146 >>147
第9章『本当にあった黒影寮の怖い話』
>>149 >>154 >>158 >>159 >>160 >>163 >>170 >>174
第10章『突撃☆隣の中国マフィアさん!』
>>176 >>182 >>185 >>189 >>196 >>199 >>204 >>207 >>215 >>220 >>226
第11章『王良家こんぷれっくす!』
>>278 >>281 >>282 >>284 >>285 >>286 >>287 >>288 >>289 >>300 >>303 >>306 >>309
第12章『君と僕〜オリジナルと亜種〜』
>>314 >>321 >>322 >>323 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>333
第13章『黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです』
>>337 >>345 >>346 >>349 >>352 >>353 >>355 >>356 >>360 >>361 >>364 >>365 >>366
第14章『もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』
>>372 >>378 >>379 >>382 >>385 >>386 >>390 >>393 >>394 >>397 >>401 >>402 >>405
第15章『皇高校ホスト部!!』
>>416 >>417 >>418 >>419 >>423 >>424 >>427 >>430 >>433 >>434
第16章『カゲロウタイムスリップ』
>>437 >>444 >>445 >>448 >>452 >>453 >>454 >>455 >>456 >>459
第17章『家出少女の死にかけ人生』
>>460 >>461 >>464 >>465 >>466 >>467 >>470 >>474 >>478 >>481
第18章『今日、私は告白します』
>>490 >>494 >>497 >>500 >>503 >>506 >>521 >>524 >>527 >>528
第19章『進撃の巨人〜ヒーローと死神がやってきた〜』
>>532 >>535 >>536 >>537 >>538 >>541 >>542 >>543
第20章『噂の空華さん!』
>>544 >>546 >>549 >>552 >>553 >>554 >>557 >>560 >>561 >>562
第21章『明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ』
>>565 >>568 >>569 >>570 >>575

エピローグ
>>576

あとがき
>>577

お知らせ☆

現在部門ごとにオリキャラ募集>>19→終了しました!!
企画開始!!
その1『もしも黒影寮の全員が○○だったら』>>82
その2『みんなで神様の名前を考えよう』>>125
その3『黒影寮フェスティバル! 参加者募集』>>263

期間限定小説
10月31日『ハロウィン』>>46
12月24日『クリスマス』>>94
12月31日『大晦日』>>109
1月1日『お正月』>>112
12月7日『寮長・翔の誕生日』>>130 >>132
2月14日『バレンタイン』>>225
2月23日『都立高校一般入試』>>238
4月1日『エイプリルフール』>>311
7月7日『七夕&銀ちゃんの誕生日』>>387

童話パロディ
『白雪姫』>>63>>68
『赤ずきん』>>87 >>92
『シンデレラ』>>274 >>277
『7匹の子ヤギ』>>409 >>412

黒影寮は今日は作者と質問日和!
神威銀>>124
東翔>>155
椎名昴>>188
王良空華>>241
二条蒼空>>261
堂本睦月>>354
月読怜悟>>357
祠堂悠紀>>400

企画小説『黒影寮主催☆やりたい事は何でもやっちゃうぜふぇすてぃばる!』開催中

・メデューサ様
もしも『黒影寮の住人とその他のキャラの能力』が『ごちゃまぜ』だったら>>85
バレンタイン『お相手:蒼空』>>219
・あんず様
もしも『東翔』が『スクール水着』を着たら>>89
翔が性転換して昴と付き合うことになったらどうなるか>>367
・蓮華様(現:夕遊様)
もしも『黒影寮の全員(つかさ除)と高梨羅』が『性転換』したら>>91
もしも『黒影寮の全員+高梨羅』が『性格ごちゃまぜ』になったら>>114
バレンタイン『お相手:鈴』>>224
・マリ様
『神威鈴が銀の体を乗っ取り東翔にいたずらを仕掛けよう!』>>273
・梨花様
『神威銀を怒らせたらどうなるか?!』>>317
・北斗七星様
『銀ちゃんが幼児化したらどうなるか!!』>>510
『もしも銀ちゃんが本物のビッチだったら(VS翔)』>>513
・kyon様
『銀ちゃんに彼氏がいたら』>>516

番外編
俺は今日、恋を始めます『羅(男)×銀』>>148
翔ちゃんなう!『翔×昴×大地』>>283
どうかこの手でもう1度『蒼空&睦月』>>449
断章『下剋上☆黒影寮!!』
>>485 >>486 >>487 >>488 >>489

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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.357 )
日時: 2012/05/13 14:44
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 大ヒット御礼! 参照2000突破!

黒影寮は今日は作者と質問日和!


山下愁「なので、今回は昼間に更新していますので! 質問日和行きます!」

月読怜悟「どうも」

山下愁「月読怜悟さんです!」

月読怜悟「……」

山下愁「山下愁の小説、2番目の古株さんです。名前もそのまま使っています」

月読怜悟「……」

山下愁「せ、せめて何かしゃべろうよ!」


 月読怜悟誕生秘話!


山下愁「と言う訳で、月読怜悟さんの誕生秘話を語りたいと思います」

月読怜悟「……いえーい」

山下愁「乗ってくれてありがとうございます。それで、月読さんですが」

月読怜悟「……どうやって生まれた?」

山下愁「実は月読怜悟さんにはモデルがいます。かの有名な少年漫画、ワンピースのロロノア・ゾロさんです!」

月読怜悟「おぉ」

山下愁「昔は設定はそのままでした(汗」

月読怜悟「それはいけない」

山下愁「だから直したんじゃないですか! 最初は3刀流剣士で方向音痴だった。無口のくせにべらべらしゃべりやがる奴でしたね」

月読怜悟「……」

山下愁「今となってはシャーマンで剣士ですからね。無口は無口になりましたし、方向音痴は健在だけど」

月読怜悟「酷い」

山下愁「何らかの欠点は入れておきたいじゃない。ほら、翔は女の子が嫌いだから。昴は猫が嫌いだし、空華は女の子に弱いよね。特に美人さん?」

月読怜悟「……だから方向音痴」

山下愁「いいじゃん。馬鹿じゃないんだから」

月読怜悟「それは嬉しい」

山下愁「怜悟は2番目の古株だけど、名前がそのまま残っている事に関しては1番だね」

月読怜悟「どういう事?」

山下愁「怜悟君は、私が小学生の時に考えたキャラクターでして。その時はまぁ、殴る系の技を使っていた訳ですけどね」

月読怜悟「……」

山下愁「で、そこから相方である『篠宮優奈』ちゃんのストッパーとなります! が、ここで重要な問題。ストッパー言うけどそこまで役に立っていない!」

月読怜悟「!!」

山下愁「そこで山下は考えました。もういっそ、無口にしちゃえ本当に! と。だから今の怜悟君がいる訳ですね」

月読怜悟「……もう」

山下愁「もうじゃないッスよ」

月読怜悟「……ハァ」

山下愁「ため息をつき始めちゃったよ」

月読怜悟「ところで、どうしてシャーマン?」

山下愁「え、知りたい?」

月読怜悟「別に」

山下愁「あのね、オーラが見えるような少年にしたかった訳ですが、山下の手持ちキャラではそういうキャラがいない訳です。そこで、無口な怜悟君をシャーマンキャラに仕立て上げたのでした」

月読怜悟「しょうもない」

山下愁「言わないお約束」

月読怜悟「それで?」

山下愁「え、と。何か話す?」

月読怜悟「じゃあこれで終わり。さようなら」

山下愁「あ、ハイ。では皆さん! 本編で!」


「もう、何で帰っちゃうの?」
「関係ない」
「えー、酷い。銀ちゃんとはどうなの?」
「普通」
「無口なの無愛想なのどっちなの?」
「どっちも」
「シバキ倒されたいか」

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.358 )
日時: 2012/05/13 18:35
名前: 北大路 ◆Hy48GP/C2A (ID: 9upNnIV5)


とってもお久しぶりですすいません←

銀の浴衣姿とか拝んでみたいわ、とか
純とかいましたっけー・・・あ、私提案のキャラでしたてへぺろ)、とか
地味に小林さんがかわいそう、とか
翔くんのイタズラは超コワい、とか
一気に読んで目がゴロゴロしてきた、とか

感想は山ほどありますが割愛。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.359 )
日時: 2012/05/14 22:13
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 大ヒット御礼! 参照2000突破!

北大路様>>


とってもお久しぶりですね☆
銀ちゃんの浴衣姿とか拝みたいですね、誰が書いてくださいよ。そんな絵を。
小林さんが地味に可哀想ですね。銀ちゃんを狙ったがゆえに当然か……w
翔のいたずらは度が過ぎていますwいたずらじゃなくて脅しですw

っていうか一気読みですか!
すごいですね、一気読みw

純さんを登場させてみましたが、後半全然登場していないんですけどどうしましょう?
すみませn((殴っ

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.360 )
日時: 2020/12/26 20:36
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: OMB1sthW)

第13章 黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです


 〜蒼空視点〜


 突如として空華と銀ちゃんが戻って来た。一体どうしてだろう。何かたくらんでいるような感じがするのは俺だけだろうか?
 まぁ、別に喧嘩とかじゃなければ何でもいいかな。

「彩佳さん! ここに鏡を置かせてもらってもいいですか?」

「え? う、うん。構わないけど」

 彩佳ちゃんはしどろもどろで答えた。
 銀ちゃんは遠慮なく置かせてもらうと、袖のところから緋扇を取り出した。一体何をする気だ? 空華も笛みたいなのを構えているし。

「銀ちゃん——てるよね?」

「ハイ。——は、何度も聴いて——ました!」

 喧騒で聞こえづらいけど、何かを覚えたような感じである。何を?
 2人に問いかけようとしたけれど、その前に2人が行動を起こした。
 銀ちゃんが緋扇を広げ、朗々とした歌声を夜空に向かって響かせる。その横で、空華が笛の音色を奏で始めた。

「君が見た、この空のどこかに響き渡る。我が歌声は、波のよう——」

 それは、英祭りで聞いた事がある歌だった。そうか、銀の鈴である銀ちゃんは、こんな歌を知っていたっけ?
 銀ちゃんの声に合わせて、和風なメロディが夜空へと響く。空華も『演奏者』の能力を持っていたっけ。上手いなぁ。

「ゆらりゆらりと舞い上がれ、恋を綴ったこの歌よ——」

 聞いていると、何だか若い男女が寄り添っている姿が目に浮かんだ。
 戦争に行ってしまった男性を思い、女性がこの歌を夜空に向かって歌っている光景。そしてその傍らには、たまたま通りかかったであろう笛吹きの男が、その声に合わせて演奏していた。
 まさに、今の銀ちゃんと空華のような。
 その声を聴いて、お客さん達は立ち止まって2人の演奏を聴いていた。

「我が恋歌よ、届けておくれ。はるか向こうの彼のもとに。
 我が時よ、止まっておくれ。彼が帰って来るその時まで——」

 そこで、銀ちゃんの歌は笛の音とともに終わる。
 すると、今度は空華が笛からヴァイオリンに楽器を変えた。えぇ?! そんな事もできるのか、お前?!
 ヴァイオリンの音色が奏でられ、それに乗せて銀ちゃんが歌い出す。

「〜〜〜〜♪」

 これって、どこかのCMソングじゃん。一昔前ぐらいの。
 へぇ、銀ちゃんってこれ知っているんだ。空華も演奏しているし。
 この2人のおかげで、俺らの店はある意味大繁盛した。ありがたい!

***** ***** *****〜銀視点〜

「お疲れ!」

 全員に配られたソフトドリンクの瓶を掲げて、蒼空さんは言いました。

「いやぁ、まさか銀ちゃんが歌っちゃうとは思わなかったね! 眼帯君も歌が上手いようだし?」

 博さんが空華さんに絡みます。空華さんはけらけらといつものように笑っていました。
 すると、羽傘さんが私に言ってきました。

「おい、テメェ! 少し歌えるからって調子に乗るなよ!」

「乗ってませんよ?!」

「浅比奈嵐は俺の————だ、だからな//!」

 つ、ツンデレと言うのでしょうか。別に私は嵐さんの事は狙っていませんけどね。
 当本人はコーラを飲みながら、五月さんと呼ばれていた茶髪の先輩に絡んでいました。彼女には気づいていないようです。
 嵐さんって、お兄さんみたいですよね。実際にもお兄さんですけど。私にも白刃お兄ちゃんがいますが。

「ていうか銀ちゃんさ、よくあんな一昔前のCMソング歌えたね。あれマイナーな曲じゃなかったっけ?」

「あ、あのですね。メロディが気に入っていたのでよく口ずさんでしまうんです」

「CMソングを口ずさんじゃう銀ちゃんも可愛いね!! ぎゅってしたくなっちゃう!!」

「羅さん痛いです!! あと、とても苦しいのですが加減していただくことは可能ですかッ!?」

 羅さんがぎゅうぎゅうと強く抱きしめてくるので、危うくジュースをこぼしてしまいそうになりました。
 というか、とても強いです羅さん。そして痛いです。首もめちゃくちゃ絞まってますので、このままだと私は確実に翔さんのお世話になるところです。

「テメェら、うるせえぞ」

 翔さんが眉をひそめ、オレンジジュースの瓶に口をつけました。昴さんもその隣で苦笑いを浮かべながら、私たちのどんちゃん騒ぎを見ています。
 戦争組の皆さんも、とうとう一昔前のCMソングから発展して、一昔前のアイドルソングを歌っています。高らかに響くその歌声はアップテンポなメロディをなぞり、こっちまで楽しくなってきちゃいました。しかも振り付けまで完璧です。


「……あの、すみません」


 その時、声がかけられました。
 私達の前に現れたのは、白髪で琥珀色の瞳を持ったきれいな女性です。一体どうしたのでしょう?
 ちなみに言いますが、私達は海の近くの防波堤にて、この馬鹿騒ぎをしていました。風鈴を階に求めに来た人ならば、お店がやっている時に来ると思いますが。
 その女性は、にっこりと笑いました。

「ここに、神威銀さんっていらっしゃいます?」

「え、あの、私がそうですが」

 すると、女性に警戒してなのか、黒影寮の皆さんが私を取り囲みました。もちろん、戦争組もです。

「一体何の用だ?」

 嵐さんが手のひらからスパークを弾けさせながら、彼女に問いかけます。
 女性はフフ、と笑いますと、お尻からしっぽを生やしました。……え?

「こら、美桜。一体どこに行っていたのですか」

「怜央。発見したわ。この子でしょ、銀の鈴って」

「えぇ、確かにそこの小娘がそうですけど」

 こ、小娘って……! 丁寧な口調でなんていう事を!
 私は鏡の中にいる鈴に強い口調で言いました。

「私と代わりなさい!」

「おっけー。代わるよ」

 もう怒りました、鈴に任せます。
 視界が一転して白影寮に来たところで、私は鏡の中から彼らの名前を聞きました。
 白髪の女性の隣に立った、着物を着た青年。紳士のような顔をしていますが、どうやら口は悪いようです。

「私の名前は朝霧怜央。こちらは使い魔の朝霧美桜で、白狐です。あ、私は陰陽師なのですよ?」

 怜央さんは行儀よくお辞儀をして、

「ではさっそくですが、神威銀を渡してもらえないでしょうか?」

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.361 )
日時: 2012/05/15 21:35
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 大ヒット御礼! 参照2000突破!

第13章 黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです


 〜蒼空視点〜


 朝霧怜央、と名乗ったあいつ——何か口がものすごい悪い。胸糞も悪くなってくる。
 すると、音緒が耳打ちであいつの事を教えてくれた。

「朝霧怜央って、代々陰陽師をやっている家だよ……。そんなのに勝てる訳? それにあの美桜って奴も。白狐って結構上のランクの妖狐だよ?」

 音緒の顔面は蒼白になっている。
 勝てる気なんてさらさらない。多分勝てない。

「そーくー、あのひとのおもさ、ないのー」

「へ? 重さがない?」

「たいじゅうがないの。だけどじめんにあし、ついているのー」

 リデルが怜央の足元を指摘した。
 奴の足はきちんと地面についている。けど、リデルが言うには体重がない。まさか、幻影って事か?
 試しに、俺は梓に命令した。

「あの朝霧怜央に向かって絶対殺しを放ってくれないか?」

「ハァ? どうした急にィ?」

 梓は首を傾げたが、訳を話したら二つ返事でOKを出してくれた。
 梓が持つ能力は、黒影寮にも匹敵するぐらいの戦争組最強を誇る『絶対殺し』だ。熱量・運動量・他人の能力など全てのものを殺す事ができる。
 鋼鉄の手袋を外し、梓は怜央に向かって特攻を仕掛けた。

「させないわよ」

 美桜が9本生えたしっぽで邪魔をする。
 梓は舌打ちをして、9本のうち1本をむしり取った。とかげのようにビタンビタンとしっぽがのたうち回る。美桜が激痛で叫び声を上げているすきに、梓は怜央の腕に触れた。
 右手に触れた瞬間、怜央は跡形もなく消える。やはり幻影か!

「……なるほど、やるではないですか。戦争組……。その能力は、黒影寮の奴らに匹敵するのではないですか?」

「ハッ。あいにく、俺は奴らのように縛られるのはごめんだ。東京には憧れるが、蒼空のところに遊びに行く時だけで満足しているんで!」

 梓は周りをきょろきょろしながら怒鳴る。どこから怜央の声が響いているんだ。
 くっそ、ムカつくな。

「さて、どうします? 諦めて神威銀を渡してくれるのならば、私達は速やかに退散しますが。私の姿も見えないようじゃ、まだまだ甘いと言えますね」

 さらにムカついた。
 よし、そこまで言うんならやってやろう。こいつの事を探してやろう。え? 陰陽師だから無理だって? 何を言っている、俺らは戦争組だぞ?
 さすがのみんなも、これには完全にブチ切れたらしい。俺の目線に答えるようにうなずいた。

「完全一致だ、朝霧怜央。お前は俺らが全力で見つけて、さらにぼこぼこにしてやる!」

「できるのですか?」

 怜央は楽しそうに言う。
 そうやっているのも今のうちだ!
 俺は美桜に背を向けて——つまり、みんなの方に向いて——大声を上げた。
 昔、いつもいたずらする時に言っていた、お決まりの台詞を。


「俺ら戦争ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


 息ついてから、さらに言う。

「始めるぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 それに答える、戦争組メンバー。

「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」

 黒影寮のみんなは、目を白黒させていた。こいつらも一応、戦争組の1員だっけ? だったらその能力を行使してやらなければならないな!
 作戦名はもう決まっている。

「『真夏のドキドキ☆かくれんぼ』大作戦! 決行する!」

「ちょっと待て、そのネーミングセンスは一体何だ」

 鈴に突っ込まれた。
 いやぁ、いつもこんな感じですけど何か?

「陰陽師って、大体詠唱で術を発動したりするよな? だったら声を奪っちゃえばいいんじゃねぇの?」

 昴がそんな事を提案した。
 けど、そんな上手い能力を持つ奴なんて————いるわ! 戦争組の変態絵描きが!

「博先輩、頼みます!」

「でも、俺のサイレンスは半径2キロぐらいしか通用しないよ?」

 能力を増強してくれるなら別にやってもいいけど、と博先輩は付け足した。
 くそ、能力を増強する奴って……銀ちゃんの方の鈴か……。ダメだ、こんなんでファーストキスを渡してたまるか。ファーストキスって言うのか?
 すると、鏡の中から銀ちゃんが言う。

「私が能力を増強しましょうか?」

「ちょ、銀ちゃん!」

 それってつまり、キスするって事ですよね?!

「あ、最近鈴に教えてもらったんですけど、祈るだけで能力を増強するなら、1分しか持ちませんが大丈夫ですよ」

 銀ちゃんもその時間を長くする為に修業をしているらしい。えらいなぁ、俺も見習わなきゃ。

「リデル。この町の半径はどれぐらい?」

「はんけー30キロなのー」

 博先輩が出せるキロの15倍。大丈夫だろうか、15倍なんていう力は。
 銀ちゃんは鏡の中で祈るようなポーズを取った。

「お、おぉ! 力がわく! すげぇぇぇぇえ!」

 博先輩がギャーギャーと叫んだ。そして手のひらを夜空へ向け、目を閉じる。
 だんだんと音が消えていく。雑音も、波の音も、何もかも『音』が消えていく。完全な無音状態。

『これからは筆談になるけど大丈夫だよな。持って1分、死ぬ気で探せ!』

『『『『『了解!!』』』』』

 これで、戦争が始まった。


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