コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。堂々の完結! 皆様ありがとう!
日時: 2015/01/24 21:51
名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: zCMKRHtr)

 拝啓、天国のお父さんとお母さん。
 ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
 私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
 今日も私の前を、

 パンツが飛んでー。

 男の怒声が飛び交ってー。

 何だか炎まで飛んできてー。

 挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
 ……私、人生間違えましたでしょうか?

***** ***** *****

 初めまして、というのもなんですが。一応。
 桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
 私が誰だか当てられるでしょうk((殴
 大変失礼しました。

 ちょこっと上で話の内容を書いたつもりなのですが、分かりませんよねww
 私もこれをパッと見て、何だこれって思いますもん。
 では、これに関する注意点をいくつか。行きますよ。

☆この物語は逆ハーレム要素を含みます。苦手な方はお戻りください。
☆駄作に変わりはないです。
☆恋愛50%、バトル45%、シリアス0.05%、後のは勇気と愛。
☆少しドリームっぽいです(が、そんなに気にはなりません)
☆桐生玲誰? あ、お前知ってるでも嫌いな人は出口はあちらです→
☆また、荒らしやチェーンメール、パクリを行う人も出口はあちらです→

 読みましたか? あの、いくつか多いんでゴメンなさい。
 それでは。


お客様(桐生的目線でご紹介)
由羽様『最初のお客様です。逆ハー、ハーレムおkの方ww』
野宮詩織様『2番目のお客様です。リア友であり、神作を生み出しているお方です!』
ヴィオラ様『3番目のお客様です。キャラを送って下さりました! お互い頑張りましょう!』
蓮華様『4番目のお客様です。キャラを送ってくださいました。使いやすいキャラをありがとうございます!』
秋様『銀ちゃんの推しなお客様です! あざっす!!』
翠蓮草様『先生キャラを送ってくださったお客様です。登場はもう少々お待ち下さい!!』
メデューサ様『結構オリキャラでお世話になっている方です。今回もありがとうございます!!』
ジョーカー様『前作に限らず今作も送ってくださいました!! 感謝!!』
あんず様『翔推しのお客様です。翔君は俺の嫁!!』
北大路様『神様の名前を考えてくださった人です! コメもくださいました』
マリ様『ルールを守って読んで下さった人です。さすが!!』
梨花様『企画の祭りに参加してくれてありがとうございます。コメももらいました!』
愛河姫奈様『キャラクターの質問に答えたら、来てくださった人です! 感謝です!』
暁月様『一気読みをしてくださった人です。根気ある!』
闘神のアスラ様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部も見てくださっています』
抹茶猫様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部の愛読者様。あざっす!!』
藤田光規様『一気読みしてくださった人です。翔君のおし?』
在様『携帯で一気読みしてくださった人です。しにがみのデートがお気に入りだそうでw』
北斗七星様『最初は桐生玲誰と思っていらした方ですが、山下と気づいてくれて幸いです。大丈夫ですよ!』
リア様『下剋上の方も読んでくださりました。ありがとうございます!』
美桜様『この小説をお気に入りにしてくださりました。ありがとうございます!』
粉雪百合様『もう1つの小説「お前なんか大嫌い!!」から来ました方です。ありがとうございます』
miru様『空華推しの人です、ありがとうございます! 一気読みしちゃったんです!』
葵様『こちらは昴君推しですwぜひとも翔君と取り合ってくださいありがとうございます!』
kyon様『こちらも空華推しの方です。なんと、歴代小説を読んでくださった人です!』
凪紗様『黒影寮ではまったお客様です。なんとディレッサさん推しです!!』
結羽凛様『個人的に好きなキャラは翔様だそうで。少し前から見てくださっていたようですよ! Thanksです』

現在劇場版を展開中。
『劇場版。黒影量は今日もお祭り騒ぎです!〜空と海と未来の花嫁〜』
>>229 >>232 >>234 >>237 >>239 >>240 >>242 >>245 >>248 >>249 >>250 >>253 >>254 >>255 >>258 >>262 >>264 >>265 >>266 >>271 >>272

『劇場版。駆け抜けろ! 地獄と天国と幽閉された死神〜複雑ファジー』>>290 NG>>296


目次
登場人物>>02 皆のオリキャラ大集合>>67 新キャラ>>175
プロローグ>>4
第1章『ウェルカム、黒影寮』
>>5 >>6 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
第2話『とある彼女は銀の鈴』
>>16 >>17 >>18 >>23 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
第3章『銀と白亜と黒影寮』
>>31 >>32 >>33 >>36
第4章『兄より吐き気』
>>39 >>42 >>45 >>47 >>50
第5章『しにがみのデート』
>>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>59 >>60
第6章『俺達の管理人がこんなに可愛い訳がない』
>>71 >>72 >>77 >>81 >>83 >>86
第7章『英学園の愉快な文化祭』
>>93 >>95 >>102 >>105 >>106 >>115 >>118 >>123 >>126 >>129
第8章『神威銀の誘惑』
>>134 >>135 >>136 >>139 >>140 >>146 >>147
第9章『本当にあった黒影寮の怖い話』
>>149 >>154 >>158 >>159 >>160 >>163 >>170 >>174
第10章『突撃☆隣の中国マフィアさん!』
>>176 >>182 >>185 >>189 >>196 >>199 >>204 >>207 >>215 >>220 >>226
第11章『王良家こんぷれっくす!』
>>278 >>281 >>282 >>284 >>285 >>286 >>287 >>288 >>289 >>300 >>303 >>306 >>309
第12章『君と僕〜オリジナルと亜種〜』
>>314 >>321 >>322 >>323 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>333
第13章『黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです』
>>337 >>345 >>346 >>349 >>352 >>353 >>355 >>356 >>360 >>361 >>364 >>365 >>366
第14章『もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』
>>372 >>378 >>379 >>382 >>385 >>386 >>390 >>393 >>394 >>397 >>401 >>402 >>405
第15章『皇高校ホスト部!!』
>>416 >>417 >>418 >>419 >>423 >>424 >>427 >>430 >>433 >>434
第16章『カゲロウタイムスリップ』
>>437 >>444 >>445 >>448 >>452 >>453 >>454 >>455 >>456 >>459
第17章『家出少女の死にかけ人生』
>>460 >>461 >>464 >>465 >>466 >>467 >>470 >>474 >>478 >>481
第18章『今日、私は告白します』
>>490 >>494 >>497 >>500 >>503 >>506 >>521 >>524 >>527 >>528
第19章『進撃の巨人〜ヒーローと死神がやってきた〜』
>>532 >>535 >>536 >>537 >>538 >>541 >>542 >>543
第20章『噂の空華さん!』
>>544 >>546 >>549 >>552 >>553 >>554 >>557 >>560 >>561 >>562
第21章『明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ』
>>565 >>568 >>569 >>570 >>575

エピローグ
>>576

あとがき
>>577

お知らせ☆

現在部門ごとにオリキャラ募集>>19→終了しました!!
企画開始!!
その1『もしも黒影寮の全員が○○だったら』>>82
その2『みんなで神様の名前を考えよう』>>125
その3『黒影寮フェスティバル! 参加者募集』>>263

期間限定小説
10月31日『ハロウィン』>>46
12月24日『クリスマス』>>94
12月31日『大晦日』>>109
1月1日『お正月』>>112
12月7日『寮長・翔の誕生日』>>130 >>132
2月14日『バレンタイン』>>225
2月23日『都立高校一般入試』>>238
4月1日『エイプリルフール』>>311
7月7日『七夕&銀ちゃんの誕生日』>>387

童話パロディ
『白雪姫』>>63>>68
『赤ずきん』>>87 >>92
『シンデレラ』>>274 >>277
『7匹の子ヤギ』>>409 >>412

黒影寮は今日は作者と質問日和!
神威銀>>124
東翔>>155
椎名昴>>188
王良空華>>241
二条蒼空>>261
堂本睦月>>354
月読怜悟>>357
祠堂悠紀>>400

企画小説『黒影寮主催☆やりたい事は何でもやっちゃうぜふぇすてぃばる!』開催中

・メデューサ様
もしも『黒影寮の住人とその他のキャラの能力』が『ごちゃまぜ』だったら>>85
バレンタイン『お相手:蒼空』>>219
・あんず様
もしも『東翔』が『スクール水着』を着たら>>89
翔が性転換して昴と付き合うことになったらどうなるか>>367
・蓮華様(現:夕遊様)
もしも『黒影寮の全員(つかさ除)と高梨羅』が『性転換』したら>>91
もしも『黒影寮の全員+高梨羅』が『性格ごちゃまぜ』になったら>>114
バレンタイン『お相手:鈴』>>224
・マリ様
『神威鈴が銀の体を乗っ取り東翔にいたずらを仕掛けよう!』>>273
・梨花様
『神威銀を怒らせたらどうなるか?!』>>317
・北斗七星様
『銀ちゃんが幼児化したらどうなるか!!』>>510
『もしも銀ちゃんが本物のビッチだったら(VS翔)』>>513
・kyon様
『銀ちゃんに彼氏がいたら』>>516

番外編
俺は今日、恋を始めます『羅(男)×銀』>>148
翔ちゃんなう!『翔×昴×大地』>>283
どうかこの手でもう1度『蒼空&睦月』>>449
断章『下剋上☆黒影寮!!』
>>485 >>486 >>487 >>488 >>489

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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.482 )
日時: 2013/04/02 00:18
名前: kyon (ID: W4Fe.vPq)

はじめまして!
前から読ませていただいてます。「黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。」大好きです!登場人物は全て好きですが、特に空華が好きです♪ 『下剋上☆吹奏楽部』も、いつも読ませてもらっています!その他、「俺ら戦争!!!!」や「俺様メイド?!!」なども読みました!全て大好きです☆ これからも応援してます!

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.483 )
日時: 2013/04/05 15:52
名前: 北大路 ◆Hy48GP/C2A (ID: mYaacdZq)

銀ちゃんがフルート吹いたら似合うと思うんだ!!
でもこの作品に、既にフルート吹きは一人いたか...ならばピッコロかな? 
及川「……大魔王?」

鈴とか翔くんは、男らしく重低音! チューバとかいかがでしょう?
打楽器なんかもいいですね〜……ティンパニなんて。

及川「お前らは重たい楽器でも運んでろwwwwwぶひゃひゃwww」

怜悟はユーフォorファゴット? 睦月はトランペットな感じ。
完全に雰囲気と直感だけで決めた感じ。

及川「怜悟空気かwwww 睦月はわかる気がするけど」

昴はホルン、空華は...なんだろ、ウッドベースとか? 悠紀はクラでしょうかね?

及川「ま、こんなところだな...じゃーもう寝るわ」
 鈴「お前は打楽器梱包用の毛布で寝てろ」
及川「え」

黒影寮吹奏楽部とか、マジのお祭り騒ぎじゃん...
ヒャッフウウウウ!!俺得ゥウ!!!(ry

失礼しました。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.484 )
日時: 2013/04/08 21:21
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: RXnnEm2G)

kyon様>>


初めまして、山下愁です!
拙作、『黒影寮は今日もお祭り騒ぎです』を閲覧していただきありがとうございます!

ではさっそく返信です。
空華推しがまた増えましたー☆ありがとうございますーww
そして何より、山下の古い作品も読んでいただきまして誠に感謝しています。『俺ら戦争』から始まり『俺様メイド』を通ってのこれですからねww
さらには兄妹小説の『下剋上☆吹奏楽部』まで読んでいただきまして、感謝感激です!!
感動で画面がゆがんできました……うぅ……。

と言う訳で、これからも更新頑張ります!
またいらしてくださいね♪


北大路様>>


カオスな予感になりますね、絶対ですね。
何せ、いたずらの軍師様&能力者集団&神様集団ですから、そりゃもう本物のお祭り騒ぎが見られます。
ちなみにこちらは断章となっておりますので、ぐだぐだな小説の箸休めとして見ていただければ幸いですww

楽器まで決めていただき、本当にうれしいです!
ていうか、笑いました。ところどころに入ってくる及川さんの言葉がww
銀ちゃんにピッコロ吹かせたら大魔王ですかwいや、大魔王って気も分かりますがwww
あと確実にこの後般若と化した黒影寮に全力でぼこぼこにされるでしょう、及川さん。特に鈴と翔から。

よし、お祭り騒ぎを書きましょう! 絶対に盛りあげます!!
と言う訳で、更新頑張ります。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.485 )
日時: 2013/04/08 21:56
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: RXnnEm2G)

断章 下剋上☆黒影寮!!


 〜視点なし〜

 本日、神威銀はいない。何故か? 今日は珍しく白亜と羅とリネと共に映画に出かけているのである。銀も女の子、女の友達と遊びたいお年頃なのだ。
 なので、「今日は1日楽しんでこい」と翔は命令をして、銀を外に出させたのだ。
 まぁ、いざとなったら彼女にはセコムの神様が何十体もいるので、大丈夫だろう。そして多分、いざとなったら電話がかかってきてこちらが助けに出動する事になるだろうから。

「銀ちゃんはお休み? 翔ちゃんも粋な事をやるじゃない」

「たまにはいいだろ。あいつだってビッチだ、ビッチはビッチ同士仲よくやるといいさ」

「……捨て台詞にしか聞こえないんだけど?」

 食堂にやってきた昴は眉をひそめて、翔の言葉を注意した。相変わらず女性嫌いだけは健在のようだ。銀の事を「ビッチ」呼ばわりである。
 それを見た空華は、ケタケタと腹を抱えて笑っていた。

「いやぁ、笑った。相変わらず銀ちゃんをビッチ呼ばわり! マジでツンデレ? ツンツンデレ?」

「違うわ! 燃やすぞ!」

 暴言と共に、読んでいた洋書を投げる。
 が、そこはさすが忍びとでも言おうか。元からある反射神経を生かして、空華は飛んできた本を見事によけた。
 チッと思い切り舌打ちをする翔。それが気に食わなかったのか、空華は苦無で応戦。第1次黒影寮戦争の火ぶたが切って落とされた。
 さすがに喧嘩に巻き込まれたくないので、昴は自室に避難する事にした。が、そこで誰かとぶつかる。
 誰かと思ったら、普段は引きこもりのニートのような生活をしている鬼○郎ヘアの言葉使い・祠堂悠紀だった。

「悠紀、一体どうしたの?」

「いや。こっちに最近友達になった奴が来るから……」

「へぇ」

 思わず驚く。悠紀に友人など珍しい。
 自宅警備員確実と言われているコミュ障の悠紀にまさか友人ができるとは思っていなかった。驚かずにはいられない。
 後ろから「え、友人? 画面の中だけだろww」という蓮の冷やかしに対して、「黙れヘタレ」という一言で引かせた。毒舌は健在のようだ。

「で、今こっちに来てるって?」

「うん。だからちょっと迎えに行ってみようかなって思ったんだけど。食堂がやけにうるさいね……?」

「……翔ちゃんと空華が喧嘩してるの。ごめんね」

 昴は翔と空華を代表して、申し訳なさそうに謝った。
 悠紀は「……僕が大人しくさせるから、能力は使わせないようにね」と言った。え?

「だって、普通の友人だよ? こんな力を見たら、何をするか分からないでしょ?」

 と悠紀が告げたその瞬間、
 食堂の方から、ガッシャン!! という破砕音が聞こえてきた。え、誰かが皿でも割ったか?
 そういえば、銀は皿を割ったら激怒した覚えがある。帰ってきて怒りでもしたらたまったものではない。
 昴と悠紀は弾かれたように反応し、食堂へ飛び込んだ。

「ちょっと翔ちゃん!! 皿割るまで暴れるって一体何————」

「この眼帯忍者! 馬鹿じゃないの? 馬鹿じゃない————」

 …………衝撃的な光景が、目の前に広がっていた。
 食堂は大惨事になっていた。机は真っ二つ、椅子は粉々、皿は割れていないが——なんだか本当にすごい事になっていた。
 そしてすごい事は、死神の翔と忍びの空華の喧嘩を、素手で止めていた事だ。
 ひょろりと背が高い少年である。ただし空華よりは若干低いと感じられる。漆黒の髪にニット帽をかぶり、さらに紅の瞳で2人を睨みつけていた。

「……何、この厨2病みたいな喧嘩は。伊月から噂は聞いていたけど、まさか——ね!」

 少年は掴んでいた翔の腕と、空華の足を振り払って転ばせた。少年に尻餅をつかせられる死神と忍び——実に滑稽な状況だ。
 昴と悠紀が唖然としたまま立ち尽くしていると、夢折梨央が入ってきた。何やら焦ったような雰囲気である。

「な、何か裏庭にイロモノ集団がやってきたんだけど! 一般人だよね、狙撃練習は止めた方がいいよね?!」

「え、あれってエアガンじゃなかったの? てっきりエアガンでいたずらの練習でもしているのかなって思ったんだけど。そしたら建物から怒声が聞こえてくるじゃない? 優月を行かせてよかったわー」

 裏庭の方から入ってきたのは、黒髪に黒目の少年である。青いつなぎを着ていて、工事現場のお兄さんのようだ。後ろからさらにイロモノ集団がぞろぞろと現れる。
 その少年を見た瞬間、悠紀は口を開いた。

「な、何で裏庭から来るの? 伊月!!」

「いやぁ、悪い悪い。最初は肝心って言うじゃん? でもま、よく従妹ちゃんからは話は聞いているけどね」

 にっこりとした笑みを浮かべたその少年は、自らの名前を告げた。

「初めまして、神楽伊月です。有馬高校の吹奏楽部、ホルンパートです☆」


 と言う訳で、能力者集団の黒影寮と、いたずら集団の吹奏楽部の異種コラボ、始まり始まり!

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.486 )
日時: 2013/04/15 21:53
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: RXnnEm2G)

断章 下剋上☆黒影寮!!


 〜視点なし〜


 神楽伊月。有馬高校という部活動で有名な高校の吹奏楽部所属の少年である。
 最近、悠紀とネットで友達になり、こっちに遊びに来たいと言ったのでこっちに来たのである。まさに自由な少年だ。
 ちなみに同じ年でなおかつオタク機械にも強いという事もあり、悠紀と伊月は意気投合した。

「……という訳だね?」

「まさしくね」

 悠紀はそのやり取りの証拠である、チャットのログを翔と昴と空華に見せた。
 騒ぎを聞きつけてきた黒影寮メンツは、伊月とその隣に立ってゲームをしている少年を注視している。梨央もその中に混じっているので、つ撃ってもおかしくない。
 翔はスクロースしてログを流し読みし、自分達の本質が書かれていない事を確認する。そして、

「……テメェらは、さっきの喧嘩をどう思う?」

「別に普通じゃない?」

 確認するかのように伊月に訊いたが、そんな答えが返ってきた。いいのかそれで。

「確か、従妹ちゃんから聞いていたけど——とか言っていなかった?」

 昴が確認するように問いかけると、伊月はポンと手を打った。

「あぁ。従妹ちゃんも同じように不思議な力を持っているからね! 確か自分では気づいていない様子だったけど、ここに来てから気づいたのかな。ま、分からないけどね」

 最近会ってないし、と伊月は笑った。どうやら、従妹ちゃんとやらはこの町にいるらしい。
 黒影寮一同は、さっそく頭が痛くなってきた。
 何でこんな奴が、しかも銀不在の時によって来るのだ。悠紀を恨もうにも恨めない。

「あれ? 固まっている様子だけど、まあいいか。こちらの自己紹介はまだ終わってないんだぜ! 優月君、自己紹介をお願い」

「えー、面倒くさいけど……まいいか。二階堂優月、ゲーム大好きですよろしく」

 画面から目を離す事なく、二階堂優月と名乗った男はひらりと手を振った。何だコイツ。
 翔は鎌を取り出して礼儀のなっていない優月を殺しにかかろうとしたが、止めておいた。昴が何を言うか分からないから。
 すると、中庭の方から追って誰かが入ってきた。

「ちょっと、伊月君! 何をしているのよ、建物に優月を使って強行突破なんて!」

「伊月様ー、きちんとしてほしいのだ! こちらも大変なのだ!」

「……少しお仕置きが必要ですわね……フフフ」

「……お仕置き。任せて」

 女の子4人。しかも美人。
 これには空華は口笛を吹き、翔は「ヒッ」と情けない悲鳴をのどから漏らした。

「あ、こちら部長の北園アリス先輩と副部長の桜坂理乃先輩。堂本美姫ちゃんに、秋月めるちゃん。——と、あれ? あと1人は?」

「玄関からやって来るわよ。マッドサイエンティストでも、礼儀はきちんとなっている子なのよ」

 北園アリスと紹介を受けた金髪美少女は、玄関を顎で示した。
 それに申し合わせたかのように、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴る。昴が「あ、俺が出るよ」と言って玄関に行ってしまった。

「ハイハーイ、どちら様————」

 そこで昴の声が消える。
 何事かと蒼空が昴のあとを追い——そしてどたばたと帰ってきた。

「な、な、何か!! 蓮に似ている奴が、玄関で菓子折り持って——!!」

「兄さん、お久しぶり!」

 玄関から食堂まで律儀にやってきたのは、銀色の髪を持つ少年だった。まさにその姿は、蓮とうり二つ。猫耳でも生やしたら完璧にそうだと思う。
 その少年を見た瞬間、蓮は顔をパァア! と輝かせた。

「燐! お前、来てたのか!」

「うん、兄さん。久しぶりだね。元気にしてる? たまには実家にも帰ってきてね、母さんも父さんも心配しているよ。肉体変化の練習はどうなの?」

「あぁ、順調だよ。最近では、獣化しなくても力を使えるようになったんだ! 見せてやりたいぜ!」

「ぜひとも見てみたいね。僕の実験にも少しだけ使わせてくれると嬉しいな。また協力してくれるよね?」

 そんな事を話す銀髪少年と蓮。一体何だ? しかも蓮の特殊能力である『肉体変化(メタモルフォーゼ)』を知っている。
 蓮は嬉々として少年との関係を語ってきた。

「こいつ、俺の双子の弟! 名前は篠崎燐っての。昔から俺の肉体変化を指導してくれていた奴でさ、めちゃくちゃいい弟だぜ!」

「初めまして、皆さん。黒影寮の人達ですね! 詳しくはうかがっていませんが、不思議な力を使ってくれても構いません。僕は慣れているので……あ、あと伊月君も慣れていると思いますよ?」

「あぁ」

 伊月は平然と頷いて見せた。
 慣れているとは一体どういう事だ? とでも言うかのような視線が、伊月へ投げつけられる。
 きょとんとしてその視線を受けた伊月は、当然とでも言うかのような口調で爆弾を落としていった。


「神威銀。知ってるでしょ? 従妹の銀がいつもお世話になっています」


 ——————従妹?
 ——————神威銀の、銀ちゃんの従兄がこの神楽伊月?
 信じられない、とでも言うかのような視線が伊月を突き刺す。当たり前だ。似ていない。銀色の髪を持つ銀と違って、伊月は黒い髪なのだ。
 しかもこの伊月は、不思議な力を持っている様子はない。本当に従兄だろうか?

「……信じられないなら、銀にでも確認してみればいいと思うよ。俺は言ったぜ」

 伊月はへらりと笑って、とある1枚の写真を見せてきた。
 そこに映っていたのは、可愛らしい桃色の着物を身につけた幼い銀の姿とオレンジ色のつなぎを着た伊月の姿が映っていた。伊月曰く、これは正月の写真らしい。
 正月につなぎを着るのはどういう事だろうか、というツッコミはこの際やらない。問題はその隣の銀髪少女だ。にっこりとほほ笑むその少女は、まさしく神威銀そのものである。

「……銀ちゃん可愛い!」

「やらねえがな」

 伊月はにやりと笑って、写真を奪った。いじわる。
 本当に従兄と認識しないといけないだろうか。
 黒影寮は、軽く神楽伊月という存在を戦慄した。


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